”次元大介”俺の相棒。早撃ち0.3秒のプロフェッショナル。
クールなガンマン。その上義理堅く、頼りになる男。
-ルパン三世-
「裏切らない女がいたら、お目にかかりたいな。」
演じた人物
声の出演
実写出演
- 念力珍作戦:田中邦衛
- 2014年実写・実写ドラマ『次元大介』:玉山鉄二
- ルパン賛成:おりも政夫
- スマスマルパン三世:斉藤洋介
- ルパン三世 I'm LUPIN:ホシノケンジ
- ルパン三世―王妃の首飾りを追え!―:彩風咲奈
- 新作歌舞伎『流白浪燦星』:市川笑三郎
概要
ルパン三世と多くの仕事を共にしてきた相棒であり、凄腕のガンスリンガー。
ファミリーネームの由来は、原作者のモンキー・パンチが「次元が違う」という言葉がお気に入りだったため。ファーストネームは適当に思い付いたものらしい。
相棒とは言っても、常にルパンと一緒にいるわけではなく、各々のシノギや事情を最優先して別行動をとる場合もある。特に不二子に乗せられて簡単に危ない橋を渡ろうとするルパンの元を「(今回の仕事)俺は降りる」と去ろうとする事はお約束。
基本的にクールな皮肉屋キャラで通しているが、一方で男の夢も捨てきれないロマンチストでもあり、節々で感情豊かかつお茶目な一面を見せる事も多い。
愛煙家で、タバコを口に咥えているシーンが多い。愛飲の銘柄はマールボロ、若しくはペルメル(ポールモール)。
好きな酒はバーボンやスコッチ。好きな食べ物はベーコンと豆の炒め物。好きな俳優はハンフリー・ボガードとマリリン・モンロー(劇場版『ルパンVS複製人間』より)。
名前通り純日本人だが、その過去は作品によってまちまちで、ルパンとの出会いも日本国内で幼馴染だったり、外国で敵として出会ったりと異なっている。
その腕前を活かしボディガードや殺し屋、傭兵などを転々としてきたことだけは共通しており、仕事をかつて共にしていた相手や戦った敵など、その時々の因縁が現在になって彼に巡ってくる話も少なくない。
ルパンや五ェ門、銭形とは違い、平凡な家庭の出身らしい。子供の頃に縁日の射的で悔しい思いをした事が語られたシーンもある。
次元と因縁のある人物
ストーンマン(part2荒野に散ったコンバットマグナム)
ジョージ・クーガー(part3アラスカの星前編後編)
シクスト、クルツ、ハスダル(魔術王の遺産)
容貌
顎髭を生やし、主に紺系のダークスーツとボルサリーノ製のソフト帽を常に着用している(色とりどりの上着を着こなすルパンとは対照的)。
殆どの作品では一貫して帽子を深くかぶって目元を隠しており、コミカルなシーンでのみ目を見せるケースが多い(例外的に、クライマックスで帽子の脱げた状態で敵と決着をつけるシーンなどもある)。
ネクタイの色はスーツの色とあわせた黒っぽい色であることが多いが、ときおり白っぽいネクタイを身に着けていることもある。
準長髪のスタイルが基本だが、前髪に関しては作品によって、オールバックのことも、前髪を垂らして目を隠していたりすることもある。
モンキー・パンチ曰く、「長髪のルパンに髭を生やして帽子を被せた」だけのデザインらしく、顔立ちはルパンとそれほど変わらないようだ。
能力
次元大介という人物の最大の特徴として、「早撃ち0.3秒のプロフェッショナル」と称される拳銃の名手であることが挙げられる。一般の基準から見るとルパンも充分に拳銃の名手ではあるのだが、そのルパンも早撃ちにかけては次元には敵わないと自ら認めている。
愛銃は「S&W M19コンバットマグナム」(357マグナム 4インチモデル)。
裏社会を共に生き抜いてきた銃で、目を瞑っていても一から組み立てられるほどに使い込んでいるため、専門家に修理してもらう事態が無い限りは自分で修理や点検をしている。
銃の扱いを教えたのはスペードのジョーやギャランコ大佐とのこと。
普段の持ち歩きには、ホルスターは使わず、シャツとズボンの間(腰の後ろ側)に挟んでいることが多いが、腰ベルト型のホルスターを着けていることもある。
本人の強いこだわりやジャム(弾詰まり)の危険性がないことなどから、リボルバーを好んで使っている。
無論オートマチック拳銃も十全に扱うことは出来、手元に愛銃がない、または使えない等、やむを得ない事情がある場合はマグナム以外の拳銃を使うことも多い。(死の翼アルバトロスでは銭形のM1911を、ナポレオンの辞書を奪えや1$マネーウォーズでは、ルパンのワルサーP38を借りたり、1$マネーウォーズではさらに銃の店で購入したコルトパイソンで戦っている)
また拳銃のみならず銃火器全般に精通しており、シモノフ対戦車ライフルやグレネードランチャーを用いて戦う話もあるほか、スナイパーライフルでの狙撃を行うエピソードも多い。
無論精度も凄まじく、普段拳銃で少なくともカービンが要求されるような長射程を当てるなどお手のもの。
さらにはライフルで長距離狙撃を寸分たがわず同じ一点に当て続け最新鋭の防弾ガラスを貫通する、プロペラ航空機の後部座席から拳銃で複数の携帯地対空ミサイルの弾頭を狙って自爆させるなど、まさに超人的な正確さを見せている。
そしてあらゆる銃器の構造や特性を熟知しているため、ある話では相手が放った銃弾を正確に撃ち抜いて軌道をそらすという神業も披露した。
さらに別の話では、八方から飛んできた銃弾を紙一重で全弾回避して同士討ちさせるという離れ技までもやっている。この件は、弾丸そのものを五ェ門のように超人的な動体視力と身体能力でかわしたのではなく、八方のそれぞれの拳銃のタイプ・向けられた銃口から発射された弾丸が当たる位置・銃を構えているのが全員素人で完全な同時発射をできないことを計算し、自分が動くことで向かい側の相手に命中するよう次元が立ち位置や姿勢を数回変えることで成し遂げた。 理論的には可能な方法ながら、拳銃の種類と性能を細部まで熟知して初めて成功できる僅かな油断も許されない至難の業である。また、次元も言及しているように敵が全員ブレまくりな下手な連中、もしくは撃った際に直ぐ無駄なムラが生じる半端な素人の集まりであることが必須条件でもあり、同時発射と正確な狙い撃ちができるプロの射撃手が相手の場合は、この方法は使えない。
銃の技術だけでなく、銃弾で負傷した人物の足から弾丸を摘出するなどの技術も身についており、「ルパンVSコナン」ではある国でいい加減ながらも実践的な軍事指導を行い、軍の強さを三倍にまで引き上げてもいた。(逆にそれが原因で、ルパンの逃走経路が潰されると裏目に出てしまった)
その他スキルとしては、長年ルパンの相棒として活動してきたことにより、彼に匹敵する変装技術を自然と身につけている(殺し屋が偽者だと読み切れなかった程)。
またカーレース中に、参加しているルパンと(ルパンのアリバイ作りのために)入れ替わるということもこなしており、ドライビングテクニックも負けず劣らずのものが培われている模様。
弱点として戦闘能力は主に射撃面に集中しており、特別格闘技の心得があるわけではない。しかし多くの死線や修羅場を潜ってきた過程で、半端なチンピラ連中などでは相手にならないレベルの所謂“喧嘩十段”的な実力は身についている。逆に言うとその程度で、流石に近接戦に特化した悪党と殴り合うことはできず、そもそも「畑違い」と言っても良いだろう。
実は早撃ち自体は全創作キャラ屈指という訳では無く(こちらの記事を参照)、そもそもリボルバーマグナムは重く弾数も少ないため、早撃ちにも乱戦にも不向きと、ルパン同様愛銃に拘りすぎて構造上の不利を招くこともある。
それでも次元がガンマンとして輝いているのは、上記の正確無比な精度や胆力、何より拘りと美学を貫き勝利をもぎとらんとする生き方にあると言えるだろう。
「お前がどれだけ軽い銃を使おうが知ったこっちゃ無いがな、俺に言わせりゃ… ロマンに欠けるな」
その他
歯が弱い体質らしく度々虫歯に悩まされているほか、ストレスからよく歯痛を起こす。
歯科については、2回程取り上げられており嫌々行っていることが多い。
女性(特に不二子)も基本的にあまり信用しておらず、理由は「いつも裏切るから」とのこと。嘘をつくところを含めて、女をそれこそ丸ごと愛するルパンとは対照的に、一途でロマンチストな面が強いため、不二子のような悪女には全く向いていない(アニメ第2シリーズでは「女性恐怖症の気がある」との設定もある。また、同シリーズではルパンから「何が女嫌いだ。お前はただのロマンチストだ!」と言われたりもしている)。傭兵・ボディガード時代に好意を持っていた女性を戦いで失ったトラウマも関係しているようだ。
だが劇中では女性とのロマンスも度々描かれることがあり(モニカ、シスター・アンジェリカ、キャサリン・モロ、カレン・クオリスキーなど)、実は密かにルパンより自分の方がもてると思っている。ただし女運はお世辞にも良いとは言えない。
パート2で作られたテーマはトルネイド、トランペットとムークによる口笛が特徴の曲である。
ルパン暗殺指令では、この曲のアレンジが作曲されている。
原作
第10話「ルパン殺し」で次元大介にて化けたルパンとして存在が仄めかされ、第11話「健在ルパン帝国」にて正式に登場した。この回で妹の存在や次元がルパン二世の部下でルパン三世と幼馴染であったことが明かされ、第71話「ルパン嵐」では兄(別のコミカライズ版では単に兄貴分の男性)がいると発言している。
現在では想像し難いが、原作初期やアニメ第一シーズンでのルパンとは「仲間」というより「親分・子分」に近い主従関係で、金の為に人質を見捨てようと提案したり不二子に捕まって替え玉を送り込まれるといったドジを踏むなど、銃の腕前は確かなものの小悪党的な滑稽な役回りが多く、ルパンからの扱いも散々であった。
『峰不二子という女』では、ルパンとはライバルだったり協力したりという微妙な距離感になっている。
余談
設定等について
「帽子の鍔で視線を調整し銃の照準を合わせている」とする巷説が存在するが、この設定はTV第2シリーズ「次元と帽子と拳銃と」のみでしか言及や描写がない。トリビアの泉などの番組で何度も取り上げられてこちらだけが有名になってしまっているが、実際には「荒野に散ったコンバットマグナム」「吸血鬼になったルパン」など、他のエピソードでは普通に帽子無しでも正確に射撃している(例外的に『TV第1シリーズ』で右腕を怪我した際に、利き腕ではない左腕で連射して全て外し、次元も「やっぱり左じゃサマにならねえ」と呟いたこともある)。ただし、長年帽子をトレードマークとしてかぶっているため、普段から何か事が起きた時にはかぶり直すなど、帽子を目深にかぶっている方が気分的に落ち着くような示唆の描写は度々描かれている。
ファッション
普段かぶっている帽子だけでなく、ごく稀に就寝時にナイトキャップをかぶっているというレアな姿を披露することもあった。
モデルとなった人物は、小林清志が専任で吹き替えを務めていた(「荒野の七人」出演時の)ジェームズ・コバーンである。
声優について
小林はごく一部を除いてPART1から次元を演じていた。レギュラー声優が全員変更となった際も、代わりがいないとして栗田貫一と並んで残留したが、特に小林は自身で新声優のオーディションを受け直したという。
次元大介は小林自身の集大成であり、最初こそ苦労したが長い間演じるうちに自分が次元へと寄っていき、一体化するような感覚すらあったという。
90歳まで継続する意気込みを見せていたが、PART6の製作が決定した頃には88歳を迎え、一週間ごとのアフレコを行うには体力的な問題の懸念が大きくなっていた。このためついに勇退を決断し、PART6の第0話を最後に親子共に縁故ある大塚明夫にその座を譲ることになった。
その詳細についてはこちらの記事を参照。
関連イラスト
関連タグ
サンダウン:ゲーム「ライブアライブ」の登場キャラクター。リメイク版での中の人が次元の二代目声優・大塚明夫氏。帽子を被った凄腕ガンマン。
エギーユ・デラーズ、アナベル・ガトー:前者は小林、後者は大塚がCVを担当するキャラで、デラーズ・フリートの指導者とその一員の関係。そのため次元の帽子を引き継ぐイラストが描かれ、小林逝去時には『ラル飯』の作者である谷和也が「ジーク次元」の追悼イラストを描いた。