概要
それを手にした泥棒はことごとく謎の死を遂げるという呪われた宝石「ブルズ・アイ」をめぐる、ルパンファミリーの活躍を描く。なお、漫画『ルパン三世Y』にも「盗まれたルパン」という作品があるが、本作とは全くの無関係である。
監督には、タツノコプロ出身のうえだひでひとが初参加し、周囲の演出のメンバーもタツノコ時代の仲間で固めている。
脚本には『ルパン三世 PartIII』で初参加し、刑事ドラマやアクション映画の脚本に携わっている大川俊道が、20年ぶりにシリーズに登板した。
また、本作はTVスペシャル第13作『ルパン三世 アルカトラズコネクション』の続編として作られる予定であったため、マルコヴィッチの初期設定は「ある大統領暗殺事件の関与人物」と設定されていた。そのため、本作の内容は『アルカトラズコネクション』との繋がりが一部見られる。
本作のタイトルも「TV第2シリーズ」と同様のサブタイトルとして表示されているが、本作では「タイプライター音」が「盗まれたルパン」の部分で区切られ「〜コピーキャットは真夏の蝶〜」の部分が「アタック音」の部分で表示されるという方式がとられている(TVシリーズおよび本作までのTVスペシャルを通して初にして唯一の事例)。
本作のストーリー
フランスはバスティーユでトラックの強奪事件が発生。銭形はルパンの仕業かと思いトラックを追跡するも、運転席を見た銭形の目に入ったのはルパンでは無く、左肩に蝶のタトゥーを入れた金髪の少女だった。そこにルパンが現れるが、次元の目の前でトラックごとさらわれてしまう。
ルパンをさらったのはマルコヴィッチという、かつてアルカトラズ連邦刑務所から脱走した男。不二子を人質にとられ、世界一の警備を誇るグラン・バトー博物館にある、手に入れた者のことごとくが謎の死を遂げるという魔の宝石「ブルズ・アイ」を盗むことに。
次元や五ェ門と共に何とかグラン・バトー博物館に潜入し、見事ブルズ・アイを盗み出したルパン。しかし次元達を囮にして一人逃走中、あの金髪の女泥棒にブルズ・アイを横盗りされてしまう。
その頃インターポールでは、銭形が例の女泥棒の名がベッキーということ、その手口が17~8年前のルパンとそっくりであることを次長のマーフィーに明かしていた。
次元と五ェ門に愛想を尽かされ、一人でブルズ・アイを取り返そうと、ルパンはベッキーのいるカジノへ繰り出す。どうにか取り戻したルパン達はマルコヴィッチのいる場所へと向かい、不二子と引き換えにブルズ・アイを提供。
ようやく不二子を取り戻したかと思いきや、ルパン達の目の前で起こったのは・・・毎度おなじみの不二子の裏切りだった。不二子はブルズ・アイを手に入れるべく、最初からマルコヴィッチとグルになり、ルパンを騙していたのである。
すぐに不二子達を追いかけようとするルパン達であったが、パリ特有の駐車事情と銭形の出現により、結局ブルズ・アイは不二子に持っていかれてしまった。しかしそのブルズ・アイは真っ赤な偽物であり、本物のブルズ・アイは未だベッキーの手中にあったのである。
不二子の裏切りも含め、本物の在り処も含めあらかた予測していたルパンは、ベッキーの隠れ家に向かい、驚くべき事実を知る。ベッキーの素性は遡ること10数年前、一夏という短期間ながらルパンのパートナーとなった女怪盗、通称「キャット」の娘だったのである。そんなキャットはルパンと別れてからしばらくして、ブルズ・アイの秘密を突き止めようとして命を落としていた。
ベッキーを説得してようやく本物を取り戻したルパンは、五ェ門に斬鉄剣で真っ二つにさせる。ブルズ・アイの中にあったのは、軍事衛星によって全世界どこにいても居場所がわかってしまう超高性能の発信機。グラン・バトー博物館で厳重に保管されていたブルズ・アイの正体は、警察側が博物館に侵入した泥棒達を捕まえるために用意した、悪魔の宝石であった。
驚くべきことに、ブルズ・アイの秘密については、警察のみではなくマルコヴィッチも知っていた。
彼の目的は、ルパンの今まで集めたお宝「ルパンコレクション」の総横取り。
はたしてルパンコレクションの正体とは・・・。
ゲストキャラクター
レベッカ・ランバート
CV浅川悠
通称「ベッキー」。
詳細は個別記事を参照
カトリーヌ・ランバート
十数年前、ルパンと一夏だけパートナーとなっていた女怪盗で、「キャット」の異名を持つ。ベッキーの母親。胸元に蝶のタトゥーを入れていた。
ランバージャックを始め、裏世界の男達からは絶大な人気を誇る美女でもあり、ルパンにとっても最高の女で相棒でもあった。ルパンと組んでいた当時のパリでは、二人の話題でもちきりだったという。
彼と別れてしばらく後、ブルズ・アイの秘密を突き止めようとして命を落とした。
ランバージャック
cv八奈見乗児
ルパンと昔なじみの機械工で、ベッキーの親代わりをつとめている。
中盤でベッキーをかばってサンタナに撃たれるが、懐にあったキャットのロケットのお陰で命拾いした。
終盤では戦車に乗ってルパンの元へ駆けつける。最後には試作ぶんのオートジャイロを譲り、ベッキーと共に別れを告げた。
ジョセフ・マルコヴィッチ
cv中田浩二
ゴロワーズを愛飲する、ヘビースモーカーの大男。多国籍強盗団のボスで、かつてアルカトラズから脱獄した事がある。
不二子を誘拐し、ルパンに「ブルズアイ」を盗ませるが、本当の狙いはルパンが隠し持っているという盗品コレクション、通称「ルパン・コレクション」であった。
ICPO特務局次長のブライアン・マーフィーと結託し、ベッキーを利用してルパンを殺害し、コレクションを総横取りしようと画策していたが、マーフィーに裏切られて射殺された。
ブライアン・マーフィー
cv青野武
ICPOの特務局次長。銭形の上司だが、裏ではマルコヴィッチと結託して「ブルズアイ事件」を起こしており、同時にキャットを殺した張本人でもある。
大の煙草嫌いで自分のスーツに匂いがつくのを嫌っており、マルコヴィッチを射殺した際は「いつか言おうと思っていたんだが、私は君のそのゴロワーズとかいうタバコが大嫌いなんだよ!」と捨て台詞を吐いたほど。
ルパンの盗品コレクションを狙い、終盤で組んでいたマルコヴィッチを裏切って射殺。盗品コレクションを独り占めしようとするがルパンに逆襲され、ルパンのメーキャップを施される。
当初は銭形に助けを求めようとするも、自身の悪事が暴かれていたことやそれにより、懲役850年(銭形談)の刑に処せられることを知るや否や、ルパンになりきろうとした。しかし結局メーキャップを見破られ、連行されていった。
往生際が悪く、護送車の中でも「俺はルパンだ、マーフィーじゃない!そうだ、もうこうなったらルパンで良いぞ!俺はルパンだ!」と喚き散らしていた。
サンタナ
cv入江崇史
マルコヴィッチの部下。コートの下にH&K USP、イングラムM11、スコーピオン、ベレッタM93R、MP5Kなど、多彩な銃を愛用し、隠し持つ。
狭い場所だろうが標的を見失おうが乱射するほか、その主義も「一撃必殺なんざ関係ねぇ!当たりゃ良いんだ!」であり、次元に「ガンマンの風上にも置けない野郎」と呆れさせるほど。
途中、白竜の助けもあってマグナムが使えなくなった次元を追い詰めるが、最後は鉄パイプを利用した即席のライフル銃で倒された。
白竜
cv水内清光
マルコヴィッチの部下。剣術を得意とし、それ以外にも実銃に迫る威力の指弾を使って攻撃が出来る。
終盤途中、次元のマグナムの銃口に指弾を撃ち詰める離れ業を見せ、使用不能に陥らせた。
五ェ門との戦いでは指弾による連撃で必殺の居合を封じるなど善戦をみせるが、最後には指弾の材料になるものがない泥沼に誘い込まれ敗北。斬鉄剣の餌食となった。
五ェ門をして「その修練、(殺すには)惜しい」とまで言わしめた実力者でもある。
ドルクルス
cv品川徹
マルコヴィッチの執事。怪力の持ち主であり、金属製のパイプを難なく引き千切ってしまうほど。
終盤で不二子と対戦するが彼女の身のこなしに終始翻弄され、最後は背骨を折ろうと組み付いところを壷で殴られて気絶した。その後、ICPOに連行されたのか不明。