概要
国際的な犯罪防止のために世界各国の警察により結成された国際組織である。正式名称は、和文で言えば国際刑事警察機構、英文で言えば International Criminal Police Organization(よみは『インターナショナル・クリミナル・ポリス・オーガナイゼーション』)、頭文字を取ればICPO、別名国際警察である。インターポール(Interpol、テレタイプの宛先略号より)とも呼ばれる。加盟国は190か国(地域)を数え、国際連合に次ぐ。フランス・リヨンに本部がある。
活動
犯罪捜査や犯人逮捕に携わる各国の警察の連携を図り、各国間の情報の伝達ルートの役割を果たす。主な活動は、国外逃亡被疑者や行方不明者、盗難美術品などの発見、身元不明死体の身元確認などに努める「国際手配制度」や、国際犯罪および国際犯罪者に関する情報のデータベース化とフィードバックなど。
中でももっとも重要な任務は逃亡犯罪人の国際手配。この手配は手配書によって行われる場合が多いが、緊急時には専用無線網を使う事がある。だが、逮捕するか否かは発見国の裁量に任せられている。
あくまでもICPOの役割は各国捜査機関の連携の窓口であるため、本格的な捜査機関を持たず、ICPOの職員自体には逮捕権がない(あったら内政干渉になってしまう)。職員も(日本における)警察庁の職員のような俗に言う「役人」で刑事はほとんどいない。
歴史
『朝日新聞GLOBE』によると、前身はオーストリアが主導して7ヶ国が参加して設立(1923年)された国際刑事警察委員会。各国警察組織間の情報交換の場として機能したが、総裁はウィーン警視総監が兼任し予算もオーストリアが出資していた。1938年にナチスドイツがオーストリアを併合すると、ナチスの支配下に置かれてユダヤ人の情報収集に用いられるなど、事実上機能停止した。
ドイツ敗戦後はフランスの主導で本部をフランス・パリに設置して再建。予算はフランスが負担し事務総長も代々フランスから出した。1956年に政治的な中立性を謳う憲章を定めて国際刑事警察機構へと名称を変更、1970年代に国連と協定を結んで非政府組織から公式の国際機関へと発展する。
1980年代には麻薬捜査等についての国際協力への関心を強めた米国の後援で英国人の事務総長が就任するなどフランス色を薄め、リヨンに本部を移して現在に至っている(以上、「インターポールとは何者か」『朝日新聞GLOBE』)。
フィクションでのICPO
フィクション作品における国際刑事警察機構(もしくはそれに準ずる組織)は唯の連絡役ではなく、アメリカ国内におけるFBIのような扱い…つまり国を跨いだ捜査権限及び逮捕権限を持つ事が多い。このため日本人がICPOに対して勘違いを起こす原因となっている。
逆転検事
ルパン三世
『ルパン三世』では銭形警部をはじめ、様々なインターポール関係者が登場する。詳しくは、ICPO(ルパン三世)に記載。
太陽の使者鉄人28号
ICPOの日本支局が登場し、主要キャラはそこの所属。
超電動ロボ鉄人28号FX
正太郎がICPOの長官に就任となり、彼が所長を務めた金田探偵事務所に所属していた所員たちは各支部に配属される。
- 金田正太郎(長官)
以下インターポール直属遊撃隊のメンバー。
オセアニア支部所属
- 仁科詩織
メキシコ支部所属
- 司元一
怪盗クイーンシリーズ
怪盗クイーンシリーズ及び同作者の作品に登場する関係者達(架空の職柄の者がほとんど)がインターポール関係者。
ポケットモンスターシリーズ
国際警察を参照。
おしりたんてい
任天堂
ドラマ作品
最終話ラストで以下のメンバーがスカウトされ、フランスへ旅立った。
- 古城かおる
- 山尾三枝子
- 片岡由美子
- 田村ミミ
- 田辺やよい
- 三波映子
- 東田みち子
- 小堀早苗
- 夏井レナ
以下のメンバーが研修で出向。
- 響圭子
- 速水涼子
- 津川螢子
最終話ラストで以下のメンバーが出向。
- 黒木警視正
- 立花警部
- 早坂警部補
- 沢田刑事
- 島刑事
- 賀川陽子
- 津村冴子
特撮作品
ゴジラシリーズ
『ゴジラ対メカゴジラ』『メカゴジラの逆襲』には、インターポールが登場する。ただし、『メカゴジラの逆襲』に登場する組織の正式名称は、国際警察。
東映特撮作品
東映特撮作品に登場するインターポール関係者は、インターポール(東映特撮)を記載。
上記のうち『仮面ライダーシリーズ』に登場するインターポール関係者は、インターポール(仮面ライダーシリーズ)に記載。