概要
1975年5月24日から1982年4月3日にかけて、TBS系列で土曜日の21時台に放送されたアクション刑事ドラマである。全355話。制作は東映東京撮影所。
コーザ・ノストラによる密輸事件に現職警部が絡んでいたことから、警察の自衛と国民へのPRのため設立されたスペシャリスト捜査グループ、通称Gメンの犯罪との戦いの日々を描いた。
オープニングでの芥川隆行のナレーション、「ハードボイルド Gメン'75 熱い心を強い意志で包んだ人間たち」に、本作の本質が詰まっている。
第140話「十五年前の遺留指紋」(1978年1月28日放映)が最高視聴率32.2%を記録した。
海外に出張することもしばしばで、主にヨーロッパ各国や香港に行っていた。特に香港では「香港カラテシリーズ」として中国拳法による格闘戦の応酬というアクションシーンが話題となり、従来の刑事ドラマには無い強烈なインパクトを視聴者に与えた。
なお、本作自体は香港でも「猛龍特警隊」というタイトルで放送されており、日本並みに人気が高かったという。
そして、故・蟹江敬三が殺人鬼「望月源治」を始めとする殺人犯が登場する「長野県黒谷町(架空の町)シリーズ」は当初こそ衝撃的な内容であったが、次第に今で言うツッコミ所満載の展開となっており、それが許容された昭和時代は大らかだったと言える。
オープニングとエンディングの陽炎ゆらめく滑走路(海上自衛隊館山ヘリポートや、東京港大井埠頭付近の道路でロケ)をメンバーが横一列に歩くシーンは、様々なパロディのネタになっている。「Gメン'75」タグがついたイラストも、そのパロディが多い。
その後1982年10月から放送時間を日曜20時台に移行した上で「Gメン'82」として事実上再開、オープニングとエンディングの滑走路を歩くシーンも引き継いだが、作風は大幅に変更された。そのせいか視聴率は低迷、さらに裏番組がNHK総合の大河ドラマやフジテレビ系列の「オールスター家族対抗歌合戦」に加え、当時絶大な人気を誇っていたテレビ朝日系列の「西部警察」があったこともあってか、わずか半年で打ち切られてしまった。
その後2時間ドラマという形で、1993年、2000年、2001年に放送されている。なお、本作の最終回および「Gメン'82」、3回の2時間ドラマ版に関しては、東映東京撮影所ではなく、同作のプロデューサーを務めた近藤照男が東映から独立し、新たに設立した「近藤照男プロダクション」という制作会社が手掛けている。
Gメン一覧
- 黒木哲也警視(ほぼ全話:205話より警視正)(メインイラストの人物)/ 丹波哲郎※
- 関屋一郎警部補(1~33話)/ 原田大二郎
- 草野泰明刑事(1~202話)/ 倉田保昭
- 津坂真一刑事(1~104話)/ 岡本富士太
- 響 圭子刑事(1~103話)/ 藤田美保子
- 山田八兵衛刑事(1~204話)/ 藤木悠
- 小田切憲警視(1~223話)/ 夏木陽介
- 立花吾郎警部補(105~355話:205話より警部)/ 若林豪※
- 中屋武刑事(105~306話:253話より警部補)/ 伊吹剛
- 速水涼子刑事(105~203話、279話、288話)/ 森マリア
- 津川螢子警部補(205~251話、280話・289話)/ 夏木マリ
- 田口明夫刑事(205~330話)/ 千葉裕
- 村井刑事(205~226話)/ 有希俊彦
- 島谷和彦刑事(227~306話)/ 宮内洋
- 南雲義明警視(227~305話)/ 川津祐介
- 吹雪杏子刑事(235~306話)/ 中島はるみ
- 草鹿刑事(307~355話)/ 鹿賀丈史
- マリコ・寺岡刑事(307~330話)/ セーラ・ロウエル
- 賀川陽子刑事(307~355話)/ 范文雀※
- 津村冴子警部補(307~355話)/ 江波杏子※
- 古田刑事(331~355話)/ 谷村昌彦
- 風間刑事(331~355話)/ 藤川清彦
※は続編Gメン'82へのレギュラー続投。
Gメン'82
その他の登場人物
Gメン関係者
- 結城警視正(黒木警視の元部下でGメンの上司)/ 中丸忠雄
- 岡村節子巡査(小田切警視の秘書)/ 東島裕子→結城なほ子
- 吹雪陽子巡査(吹雪杏子刑事の妹)/ 竹田かほり
- 水上亜子(田口刑事のガールフレンド)/ 遠藤真理子
- 水上牧子(亜子の姉)/ 鳥居恵子
- 片桐ちぐさ(273・276話他、Gメン'82:16話)/ 島かおり
また、脇役として小林稔侍が多数出演。後年、小林が主演したドラマ『変装の達人!警部・鬼沢平吉のファイルE』ではスピンオフとして丹波が同役で出演した。