概要
大河ドラマとは、NHKが制作・放映している時代劇テレビドラマシリーズ。
連続テレビ小説と並びNHKの看板ドラマの一角を担っている。
第1作は1963年放映の「花の生涯」。以来、一部例外はあるものの毎週日曜20時より放映でほぼ一テーマあたり1年間を通して描かれる長編ドラマのシリーズであるが、1993~94年に放映された「琉球の風」は6ヶ月、「炎立つ」、「花の乱」はそれぞれ9ヶ月の放送期間であった。2022年現在全61作品が製作されている。年末に作品の総集編を制作、一括放送するのが通例となっている。
なお、1年間を通して放送されるドラマシリーズは現在では極めて希少となっており、大河ドラマ以外では、テレビ朝日系列で放送されているスーパー戦隊シリーズと仮面ライダーシリーズの2つしかない(かつてはウルトラシリーズも1年間の放送を行っていたが、現在は諸々の事情により半年間へと短縮されている)。加えて、これら2作が30分枠であるのに対し、大河ドラマは45分とそれらよりもさらに長い枠が取られているため、(一概に比較できない部分はあるものの)ある意味で日本で最も制作に力を入れられているドラマシリーズと言っても過言ではない。
「大河ドラマ」とは、1920年代にフランスの作家ロマン・ロランの小説「ジャン=クリフトフ」を「時代という“大きな川”の流れと共に感じる壮大な作品」という意味を込めて「大河」と例えたため、そのようなジャンルの小説を「大河小説」とことに由来する。
第1作「花の生涯」は「大型時代劇」と称していたが、読売新聞が第2作「赤穂浪士」から上記の大河小説にちなんで「大河ドラマ」と呼んだことから次第に定着していった。
しかし、NHKがテロップとして初めて画面に出したのは第41作「利家とまつ」で、オープニングに「大河ドラマ」と明記されたのは第43作「新選組!」からと意外と遅い。
扱う時代は平安時代や中世(鎌倉・南北朝・室町・戦国)、江戸、幕末など。一昔前は司馬遼太郎・海音寺潮五郎・山岡荘八・新田次郎など日本歴史文学界の重鎮による小説が原作であるケースが多かった。しかし、近年は脚本家による新作書下ろしが多い(現在、小説を原作とした時代劇は『〇曜時代劇』シリーズが担っている)。
架空の人物を主人公にし近現代を舞台にした作品も過去にはあったが、2000年代後半から2010年代にかけて幕末と戦国ばかりに集中した時期があり、ネタが切れもあってか幕末と戦国のあまり知られていない人物にスポットを当て、主人公とするケースが多くなった。しかし、こうしたマイナーな人物はよほどの歴史通でもない限りまず馴染みのないケースが多いため、視聴者が共感を得にくいなど、むしろデメリットの方が多いという声もある。実際、こうしたマイナーな人物、特に女性を主役とした作品は、視聴率の面で苦戦を強いられるケースが多い。
前述の日本文学界の重鎮の作品ではないことと主人公の人選の微妙さに加え、21世紀に入ってからは史実があからさまに無視されるケースもあってドラマの質が低下しているという評もあり、「スイーツ大河」と批判に晒される作品も増えている。
一方で研究が進んで近年新たに提唱された新説やこれまであまり採用されなかった逸話を基に話を構成することで、従来の人物像や歴史観のイメージを覆すこともある。特に題材として採用されやすい戦国時代の大河ドラマはこうした恩恵を受けやすく、同じ人物や事件でも脚本家によって違った視点や描き方でストーリーが展開されていくため、過去に放送されたドラマと比較するという楽しみ方もある。
「真田太平記」や「武蔵坊弁慶」など往年の新大型時代劇、土曜大河の「坂の上の雲」など、日曜日放映のシリーズとは別枠の大河ドラマもあった。前者は大河ドラマが一時期、近現代路線だったことが影響している。
大河ドラマには、放送当時一世を風靡した人物がキャスティングされる事が多く、その豪華さはちょっとした映画にも匹敵するほど。大河に出演したことで知名度や好感度を大きく上げる俳優も多い。反面、コケた場合は主演俳優や脚本家のその後に影を落とすリスクもある。
また、大河ドラマの楽曲担当者は日本の歴史に残る作曲家と認められたという事でもあり、依然としてその影響力は強い。
最も多く大河ドラマに出演したキャラクターは徳川家康であり(2024年現在26回登場)、主人公を演じたキャラクターは大石内蔵助と徳川家康(2024年現在3回)である。
(女性ではねね(高台院)(2024年現在19回登場)と淀殿(茶々)(2024年18回登場)が多い。)
因みに家康は『青天を衝け』にて、ついにストーリーテラーになってしまった。
なお、第1作『花の生涯』~第13作『元禄太平記』までは実際に放送された映像が殆ど残っておらず、全話を通して視聴することが不可能となっている。これは、収録および録画に使用するビデオテープが当時まだ高級品で、上書きしながら使いまわしていたことが原因だという。
ただし、第8作『樅ノ木は残った』は船岡城があった宮城県柴田郡柴田町の郷土資料館「しばたの郷土館」に、第29話を除く全52話中の51話分の録画テープ(モノクロ)が保存されていたことが2011年2月に明らかになっている。
Pixivでは丸絵のようにその回の名場面をイラスト化したものが主に投稿されている。
主役役俳優の交代
大河ドラマは基本、一人の人物或いは一つの一族を主役として第一話からスタートする。
その際、必要となるのが主人公の配役であり、基本構造として①赤ん坊 ②幼少期 ③青年期の順に主演役俳優の交代が行われ、多くは第一話から第三話までの間にメイン俳優と交代する。
が、主人公となる人物によっては、歴史の表舞台に出るまでの半生が不明であったり、活動する時期が短期間で在ったりなどで、①と②を省略しなければならない。或いは主役についての情報が存在しすぎると、一体いつの段階で主演俳優(その代において『主人公』として公式発表されている俳優)と交代させねばならないのかと言う演出がドラマの見所として表現される。
一例
タイトル | 主演俳優 | 俳優数 | 交代方法 |
---|---|---|---|
八代将軍吉宗 | 西田敏行 | 四人 | 疱瘡にかかり顔を包帯で覆い、取り外すと西田氏 |
義経 | 滝沢秀明 | 三人 | 義経が水の中に飛び込み、浮上するまでの間に劇中では数年が経過した扱い |
真田丸 | 堺雅人 | 一人 | 彼の活躍する時期が後半生かつ、最終話に夏の陣を持ってくる都合により青年期からスタート |
麒麟がくる | 長谷川博己 | 二人 | 出自など前半生が謎に包まれている人物である為、幼少期までの正確な資料が無く、明確な記録が残っている美濃・斎藤利政に仕えていた時期からのスタート(幼年期は回想録) |
歴代大河ドラマ
最高視聴率40%超え⇒太字
番外編・新大型時代劇
※1 第1回放送は昭和64年1月1日、第2回は昭和天皇の崩御を受けて1週延期となり平成元年1月15日で、今作が「昭和最後・平成最初の大河」となった。
※2 第16回放送は平成31年4月28日、第17回が明仁天皇の退位、徳仁天皇の即位を経て令和元年5月5日となり、今作が「平成最後・令和最初の大河」となった。
外部リンク
関連タグ
大河ドラマ【腐】(棲み分けタグ)
ファンアートタグ
users入りタグ
※作品によっては、各ドラマ専用のusersタグが使われている場合もあるため、本タグとドラマ専用のタグの使用についてはどちらでも構わない。
大河ドラマ100users入り⇒大河ドラマ500users入り⇒大河ドラマ1000users入り⇒大河ドラマ5000users入り⇒大河ドラマ10000users入り⇒大河ドラマ50000users入り
コラボタグ
仮面ライダー大河…仮面ライダーシリーズとのコラボ
大河戦隊シリーズ…スーパー戦隊シリーズとのコラボ