天と地と(大河ドラマ)
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たいがどらまのてんとちと
「天と地と」とは、1969年に放送されたNHK大河ドラマ。全52回。
前作2つの評価が振るわなかったため、NHK内部では「大河はもう役目を果たした」という意見が強くなり、「最後はカラー放送で終わらせよう」というコンセプトのもと企画がスタートした。
題材としてはシェイクスピアなどの海外作品の翻案などが出されたが、リスクが高いとして却下され、最終的に「甲冑の色を表現できる」ということで戦国時代が選ばれた。
本作では過去の反省を踏まえ、大河ドラマ初となる「複数脚本家・複数演出」のスタイルが取られた。
当時の技術の事情から屋外のロケはフィルム撮影だったが、川中島の戦いの撮影に関しては臨場感を重視する演出の岡崎栄の方針で、中継用のビデオカメラでの撮影が行われた。
本作の序盤では、上杉謙信の少年期を務めた中村光輝が人気を集め、12話から出演した石坂浩二にとっては大きなプレッシャーとなった。
石坂は光輝の演技を何回も見た上で「この子みたいにやればいいんですね」と聞くほどだったという。それを聞いた演出担当の岡崎は「やるっきゃないじゃない」と励ましていた。
平均視聴率は25%、最高視聴率は32%。本作の成功により、「大河終了論」は沈静化し、以降大河ドラマが継続されるようになった。
つまるところ、この成功がなければ、のちに歴代最高の平均視聴率を叩き出すあの大河も、オープニングが話題ということでおなじみのあれも、絶賛人気沸騰中(2022年現在)のあれも生まれず、「歴史好きが集う場所」もまたなかったかもしれないのである。
それを考慮すると、この成功はNHKにとっても歴史好きにとっても大きな節目と言えるであろう。
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