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天と地と

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てんとちと

『天と地と』とは、海音寺潮五郎の歴史小説、およびそれを原作とする映像作品。

概要

海音寺潮五郎が1960年から1962年にかけて『週刊朝日』に連載した、上杉謙信の誕生から武田信玄との一騎打ちに及んだ第四次川中島の戦いまでを描いた歴史小説。単行本は朝日新聞社より全3巻(当初は2巻)、後に映画化に際して角川書店からも刊行された。

文学の題材として度々取り上げられてきた「川中島の戦い」であるが、その殆どは武田側からの視点で描かれたものであり、原作者の海音寺は「未開の野を開拓する気持ちも込めて」上杉側から見た川中島の戦いを描いたという。また同じく海音寺の著作である『武将列伝』において信玄を取り上げたいと依頼された際、その事績を調べていくうちにその好敵手たる謙信の魅力にも強く惹きつけられており、同著で謙信を取り上げられぬままに終わった事も、本作の執筆に大きく影響を及ぼしている。

謙信が成人する前に母親と死別したり、父・長尾為景の死因が戦死と断定されているなど、現在確認されている史実と異なる記述がある。中でも川中島の戦いが最大の山場であるにも拘らず、同合戦で重要な役割を果たしたとされる武田軍の軍師・山本勘助が登場しないのはその最たるものだが、これは勘助の活躍が描かれた『甲陽軍鑑』の史料価値を疑問視し、勘助を架空の人物とする学説を海音寺が支持していた事に因る。

もっとも、大河ドラマの放送をきっかけとして1969年に発見された「市河家文書」などの史料から近年では山本勘助の実在性についても裏付けが進められるようにもなり、これを反映してか後述の映画並びにテレビドラマにおいては、原作に登場しない勘助が登場する事もある。

関連作品

NHK大河ドラマ

1969年1月5日-12月28日まで、全52回が放送された。主演は石坂浩二

大河ドラマ7作目にして初のカラー作品であり、また放送時間が現在の日曜夜8時からと定められるなど、大河ドラマ史上においても重要な転換点となった作品でもある。

この時期の他の大河ドラマがそうであるように同作もまた現存する映像は極めて少なく、第50回「川中島の章~その四」の全編および総集編前編(一部欠落)が残されているのみである。

詳細は個別記事を参照のこと

劇場用作品

1990年6月23日公開。監督は角川春樹(プロデューサーも兼任)、主演は榎木孝明(当初は渡辺謙が出演予定だったが、急病により降板)。

赤と黒のエクスタシー」のコピーで知られ、カナダのカルガリーにてロケが行われた、クライマックスの川中島の合戦のシーンにおける迫力ある映像は現在でも語り草となっている。

また同作の公開に先駆け、その前日譚という位置付けのスペシャルドラマ『天と地と~黎明編』も、同年4月20日に日本テレビ系『金曜ロードショー』の特別企画として放送された。主演は大沢樹生

テレビドラマ

前述の『天と地と~黎明編』の他、テレビ朝日開局50周年記念番組として、2008年1月6日にスペシャルドラマが放送された。

主演は松岡昌宏(前々年の正月に同局で放送された『風林火山』の信玄役でもあった)。また渡瀬恒彦が映画版に引き続き宇佐美定行を演じている。

漫画

1987年から1988年にかけて、石川賢作画による漫画版全5巻が角川書店より刊行された。

余談

後書きによれば海音寺は連載を開始した時点では謙信の死まで描くつもりでおり、伏線として謙信が晩年に敵対する織田信長について言及したり、信長の策略により謙信に粛清された柿崎景家の存在を印象付けるために物語序盤であくの強い豪傑として活写したりしていた。

しかし、連載五十回の予定が百回に延長されても謙信の生涯を描き切れなかった為やむなく第四次川中島の戦いをもって完結としたとのことである。

映画版の興行収入は92億円。この数字は2022年に『ONE PIECE FILM RED』に抜かれるまで東映配給の映画の中で1番だった。

関連タグ

SD戦国伝:上杉謙信と武田信玄をモチーフにした謙信頑駄無と信玄頑駄無が登場する。

羽生結弦:2020年、2021年シーズンのFS使用曲に、大河ドラマのOPが使われた。

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