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独眼竜政宗

どくがんりゅうまさむね

NHKが1987年に放映した大河ドラマ。平均視聴率は現在までのところ歴代最高。
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概要編集

NHK1987年(昭和62年)に放映した大河ドラマ。原作は山岡荘八「伊達政宗」。

キャッチコピーは、「伊達者とは、俺のことだ。」。


平均視聴率39.7%は2020年現在でも歴代大河ドラマ最高記録。鮮烈なオープニング描写(銀河英雄伝説第一期のOPに似ているとの評もある)や骨太な脚本、そして主演の渡辺の爽快な演技が視聴者に強く印象を残し、今なお大河ドラマの最高傑作に挙げるファンは多い。


いわゆる「大河ドラマバブル」を世に巻き起こし、舞台となった仙台への観光客が一挙に増加したため、これ以降、各地で大河ドラマの誘致が活発化した。


名将、伊達男としての政宗のみならず、彼の持つコンプレックスや、マザコン男としての一面、豊臣秀吉との格の差や過ちも描き出しており、単純に彼の良さだけを誇示する内容ではない。


主演:渡辺謙伊達政宗役)。 - 白血病を発症する前で、髪はフサフサ。元々急速に人気を伸ばしていたが、今作によって一躍スターダムへとのし上がった。


出演編集

伊達家編集

  • 伊達政宗(演・渡辺謙)…主人公。幼名は梵天丸。東北の名族・伊達家の嫡男として生を享けるも、幼き頃の疱瘡により右目を失明する軛を背負う。周辺勢力との争いや家族とのすれ違いに懊悩しつつも、天下の覇者への夢を抱き、信頼する家臣達と乱世を生き抜いていく。

  • 伊達輝宗(演・北大路欣也)…政宗の父。政宗の器量を見抜き、傅役に片倉小十郎、小十郎の異父姉・喜多をつけ、師に高僧・虎哉宗乙(演:大滝秀治)を招いて養育。政宗の成長の下地を作った。19歳の時に政宗へ家督を譲るが、大内定綱との戦いで思わぬ運命を迎える。

  • お東の方(演・岩下志麻)…政宗の母。政宗の宿敵・最上義光の妹。伊達家の嫁でありながら実家への執着著しく、このことが度々伊達家に波紋をもたらす。天下人・豊臣秀吉を恐れぬ長男・政宗の態度に伊達家存亡の危機を覚え、苦悩しつつも政宗を毒殺し、溺愛する次男・小次郎に家督を継がせようと目論む。しかしこのことが思いもよらぬ悲劇を招いてしまう。

  • 伊達小次郎(演・岡本健一)…政宗の同母弟。幼名は竺丸。お東の鍾愛を受けて純真な性格に育つ。政宗と家督を争う気はなかったが、母と兄の権力争いに巻き込まれてしまう。

  • 愛姫(演・桜田淳子)…政宗の正室。嫡男・忠宗、長女・五郎八姫の母。
  • 伊達忠宗(演・野村宏伸)…政宗の嫡男、仙台藩・2代藩主。
  • 猫御前(演・秋吉久美子)…政宗の側室。庶長子・秀宗の母。
  • 伊達秀宗…政宗の庶長子。宇和島藩・初代藩主。
  • 五郎八姫(演・沢口靖子)…政宗の長女、徳川家康の六男・松平忠輝の正室となる。


伊達家家臣編集

  • 伊達成実(演・三浦友和)…政宗の従弟。母は輝宗の妹で政景の姉。
  • 片倉小十郎(演・西郷輝彦)…政宗の傅役も務めた智勇兼備の将。母は左月の妻だった女性で、喜多とは異父姉弟にあたる。
  • 喜多(演・竹下景子)…鬼庭左月の娘。異父弟・片倉小十郎とともに政宗の傅役を務める。
  • 鬼庭綱元(演・村田雄浩)
  • 鬼庭左月(演・いかりや長介)…輝宗に仕える老将。綱元、喜多の父。最初の妻が女子(喜多)を生んだため離縁、綱元を生んだのは別の女性である。
  • 留守政景(演・長塚京三)…政宗、成実の叔父。
  • 国分盛重(演・イッセー尾形)…政宗、成実の叔父。無能をとがめられて追放される。
  • 伊達実元(演・竜雷太)…成実の父、政宗の大叔父。
  • 遠藤基信(演・神山繫)…輝宗に仕える智謀にたけた老臣。
  • 屋代勘解由(演・江夏豊)…伊達家に仕える左利きの猛将。
  • 山家国頼(演・大和田伸也)…輝宗に輿入れしたお東の方に従いスパイとして最上家から遣わされるも、生涯を通じて輝宗・政宗父子に仕えつづけた。
  • 大内定綱(演・寺田農)…当初は敵対していたが後に政宗に臣従、京において伊達家の外交を担当する。
  • 支倉常長(演・さとう宗幸)

東北の大名編集

  • 田村清顕(演・久保明)

愛姫の父。男子がおらず、田村家再興を見込んで娘を政宗に娶わせる。

二本松畠山氏の当主。政宗に降伏を申し入れるが受け入れられなかったため輝宗を人質にとり逃亡、しかし逃亡中に政宗が輝宗の命令に従い輝宗ごと銃撃してきたため輝宗を殺害し、家臣ともども撫で斬りにされる。


最上家編集

  • 最上義光(演・原田芳雄)…山形を治める豪腕の武将。お東の方は最愛の妹であり、作中ではかなりのシスコン振りを見せる。政宗の伯父でありながら敵対し、政宗の東北統一最大の壁として立ちはだかる。謀略にも優れており、豊臣秀吉の圧力に悩む妹・お東の方に甥・政宗の殺害をそそのかす。

言わば本作のヴィランなのだが、このようになってしまったのは山形県の実業家・服部敬雄と彼の息のかかった史学者・佐々木銀弥による「山形市史」の影響が大きい。


  • 最上義守(演・今福将雄)

義光・義時兄弟、お東の方の父。嫡男・義光を疎んじ、次男・義時の擁立を目指すが発覚、義時は義光に殺されてしまう。


  • 最上義時

義光の弟。お家騒動に巻き込まれ、兄・義光に殺される。


  • 駒姫(演・坂上香織)

義光の愛娘。秀次の覚えを良くしようと義光が側室に差し出した。しかしこのことが後に駒姫の残酷な運命の転機となってしまう。


豊臣家編集

  • 豊臣秀吉(演・勝新太郎)…巨大な壁として政宗の前に立ちはだかる天下人。作中では政宗を全く問題にしない、殺してみろと言わんばかりに刀を預けて立小便をする、高価な甲冑を事も無げに政宗に与えてしまうなど格の違いがしばしば描写された。その迫力は凄まじく、演じた勝の容貌もあって、猿じゃなくてゴリラなどとも評される。

  • 豊臣秀次(演・陣内孝則)…秀吉の甥。彼と誼を通じたため、政宗と最上義光は窮地に追い込まれることとなる。

徳川家編集


余談編集

真田広之沢口靖子四年後の大河ドラマでも夫婦の役で共演しているほか、翌1988年の正月時代劇「徳川家康」(TBS)において真田広之は石田三成を演じ、徳川家康(演・松方弘樹)に家康の六男・忠輝と政宗の長女・五郎八姫の婚儀を抗議するシーンを演じている。

数ある流行語を生んできた大河ドラマだが、この作品も例外ではなく、「梵天丸はかくありたい」が流行語になった。


関連タグ編集

仙台 伊達 独眼竜 勝新太郎

大河ドラマ 伊達政宗


いのち独眼竜政宗武田信玄

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