概要
1931年11月29日千葉生まれ。東京出身。本名は奥村利夫(おくむら・としお)。
昭和を代表する名俳優の1人で、同氏が盲目の剣客を演じた『座頭市』シリーズは大ヒットし、国内外にファンを生んだ。その鬼気迫る圧巻の殺陣は必見モノ。
強面で役者として高い意識を持っている一方、大変茶目っ気のある人物で、特に芸能記者たちとのやり取りは「勝新劇場」と称され、常に話題を呼んでいた。
妻である玉緒さん曰く「実は寂しがり屋な人」らしく、厳つい風体も気弱な自分を表に見せないためのものだったとか。また大変にお人好しで、酒場で見ず知らずの人と意気投合し、そのまま自宅まで連れて帰ってきたこともあったらしい。
そんな妻との出会いは撮影所でのこと。今でこそバラエティ番組で面白キャラで知られる玉緒氏だが、実は関西を代表する歌舞伎役者・上方成駒屋当主・二代目中村鴈治郎を父に持つれっきとした『梨園のお嬢様』であり、結婚に関しては本人たちのラブラブぶりを見てようやく仕方ないと認めるようなものだったとか。
当時の様子では一見すると勝の言動に振り回されているようであったが、私生活では現在のように喋りまくる玉緒に勝の方が振り回されていたのだという。
私生活では破天荒な言行で知られ、愛煙家として、また酒豪としても知られた。
『暴れん坊将軍』で知られる松平健は、元々は勝が主宰する芸能事務所である勝プロダクションに所属し、勝の付き人をしていたことがあり、『座頭市物語』にも出演し共演したこともある。
1997年6月27日、下咽頭癌でこの世を去った。65歳だった。
死の半年前に開いた会見では、「もう煙草は吸ってない」と言いながらあえて煙草をふかして見せるという茶目っ気で、自身の健在を示そうとした。