概要
デビューから約30年間茂田オフィスに所属していたが、同社社長の勇退に伴い個人事務所オフィスAを設立している。
日本人離れした彫りの深い(「濃い」)顔立ちと、189cmの長身が特徴。その容姿から二次元作品の実写化の際によく駆り出され(デビュー作の「はいからさんが通る」からして漫画原作である)、古代ローマ人役も違和感なく演じることができるほど。
太い声のダンディな語り口も特徴的であり、よくものまねの対象にされている。
デビュー当初は恵まれた体格を生かしてモデルとして活躍し、俳優に転向するがしばらく泣かず飛ばずの時期が続いた。その後キャリアを地道に積み重ね、現在では重厚な存在感のある脇役からコミカルな主役まで幅広い役柄を演じる人気俳優である(経歴の詳細は後述)。
公式ウェブサイトのシンプルさに定評がある。
元々はファンによる非公式サイトであったが、事務所と本人から公認を受けて公式サイトになったという経緯があり、本人も大変気に入っているとのこと。
また、中央大学理工学部卒という高学歴でもある。メインキャンパスの場所が悪名高い中大だが、彼は理工学部だったので都心の後楽園キャンパスの方に通っていた。
経歴
三兄弟(兄と姉がそれぞれ一人ずついる)の末っ子として生まれる。
高校卒業後、一浪を経て中央大学理工学部電気工学科に進学。大学在学中の1985年に、姉のすすめで優勝賞品の車欲しさに「集英社第3回ノンノボーイフレンド大賞」に応募したところ優勝を果たし芸能界デビュー。1986年の「メンズノンノ」創刊から43号連続で表紙を飾るなど、同誌の看板モデルとして人気を博した。
1987年には『はいからさんが通る』で俳優デビュー、翌年には歌手としてアルバムをリリースするなどアイドル扱いで活躍するが、モデル出身のハンサムというキャラクター性からか、いかにもありきたりな(阿部曰く「フェラーリで乗り付けるような」)二枚目役のオファーしか来ず、また背が高すぎることでまわりの俳優と合わせられないという理由で仕事も減っていった。
芸能の仕事のない時期はパチンコで生計を立てる日々が3年ほど続いていたという。また、この時に投資用マンションを購入するもバブル崩壊で一気に価値が下落し、多額の借金を抱えてしまった(なおこの時の借金は完済している。全額の返済に約20年かかったそうである)。挙句の果てには「あの人は今!?」の捜索対象となり、これを機に一念発起して俳優活動に力を入れていくようになる。
端役を中心に地道に活動を続けることで実力をつけていき、舞台や時代劇などで少しずつ地位を確立していった。
2000年の『TRICꞰ』や『HERO』のヒットによって見事再ブレイクを果たし、その後も複数のドラマで主役級の役を演じる、大河ドラマにも重要な役で出演するなど、押しも押されもせぬ人気俳優となった。
本人によれば、巻き返しのきっかけは、1993年につかこうへいの舞台で“バイセクシャルの刑事”という濃いめの役柄を演じたことである。以後、様々なキャラクターに挑戦し、特にそれまでの軽薄な二枚目とは真逆な、キャラの濃い三枚目や偏屈で嫌味な変わり者など、アクの強い役も多くこなすようになったという。
『結婚できない男』で主役を張った事や目立った熱愛報道もなかった事から独身のイメージが強かったが、2007年に43歳にして15歳下の一般女性と結婚。(本人曰く「『結婚できない男』が結婚することになりました」)
現在は娘二人の父親でもある。
人物
その容姿や体格、また役柄もあって、外国人とのハーフ・クォーターと勘違いされることもあるが、両親とも日本人である。父や兄弟が特別高身長ということもなく、阿部一人が大きいとのこと。
濃い~顔となにかと強烈な配役からそのイメージのままの人物像を描かれがちだが、基本的には天然ボケのかかった温厚な人物。共演者やスタッフによれば普段からお茶目な言動が多いらしい。トークで日本人を「平たい顔族」と称するのはその一例である。
加湿器とマツダの自動車が大好きで、俳優業をやっていなかったらマツダの社員になりたかったと語った程の筋金入り。愛車はもちろんマツダの「ファミリア」で、94年に購入して以来、低迷期でも手放さずに持ち通し、長らく乗り回しているとのこと。
また上記の売れなかった時代に節約の為に「髪を自分で散髪する」術を取得し、今でも自分で髪を切っているという。時々切りすぎてしまいスタイリストさんに苦労をかけさせてしまうとか。
最近は『テルマエ・ロマエ』の影響か「ローマ人」とネタにされることも多い。
その風潮は日本のみならず海外にも波及しており、台湾の大地震の直後に1000万円の寄付をした時には「ありがとうローマ人(謝謝羅馬人)」と現地の人に感謝と冗談を込めてネタにされた。
ちなみに、当のローマ(イタリア人)からの感想は「あんな顔の濃いイタリア人なんていねーよ」、「骨格がラテンじゃない」らしいが、古代ローマ人の頭蓋骨を複顔した中にそっくりさんがおり、また当時の壁画にこれまたそっくりさんが描かれていることから、彼のようなローマ人も居たのであろう。
因みに『TRICꞰ』と、「世にも奇妙な物語」でゴムゴムの実(に似た能力の悪魔の実)を食べた事がある役を2回も演じた人物である。
主な配役
- 上田次郎(TRICꞰ)
- 桜木建二(ドラゴン桜)
- 片桐光男(ゴジラ2000ミレニアム)
- 山村和之(アットホーム・ダット)
- 桑野信介(結婚できない男/まだ結婚できない男)
- 伊良部一郎(空中ブランコ)
- 白鳥圭輔(チーム・バチスタの栄光)
- 上杉謙信(天地人)
- 加賀恭一郎(加賀恭一郎シリーズ)
- 秋山好古(坂の上の雲)
- ルシウス・モデストゥス(テルマエ・ロマエ)
- ケンシロウ(真救世主伝説 北斗の拳、声の出演)
- 佃航平(下町ロケット)
- 宮本陽平(恋妻家宮本)
- 新名正義(DCU)
- 市川安男(「とんび」)
- M(すべて忘れてしまうから)
- 武田信玄(どうする家康)
- 野崎守(VIVANT)
関連イラスト
余談
- ホームページの軽量さには定評があり、アーケードゲーム筐体や骨董品のような旧世代PCでアクセスしてみたりとある種のベンチマークとして使用されることもある。
- 2021年5月25日、イギリスの考古学者がTwitter(現:X)に投稿したエジプトのミイラに添付されていたとされる肖像画が、阿部寛にそっくりということで話題となった。似てる。
- 2019年にはイタリアの新聞「ラ・レプッブリカ」(Webメディア)に”古代ローマ人”のイメージ図として『テルマエ・ロマエ』出演時の阿部寛が掲載されたとのこと。
リンク
まるでインターネット黎明期のようなシンプルさであるが、公式サイトである。しかも2022年現在もちゃんと更新されており、最新の出演予定を確認することができる。
ドラマ『結婚できない男』の相関図で阿部が演じる桑野信介の紹介でも使われるなど、度々ネタにされる他、通信回線の速度やマシン・ソフトの性能を測るためのベンチマークとして活用されることも。
「ネットに繋がるなら阿部寛のHPが開ける」ぐらいの感覚である。ゲームなどのお知らせでURLが開けるなら阿部寛のHPに繋いでみたり…はよくある話。
この点では何にでもDoom(FPS)を移植しようとするDOOMチャレンジと似通っている部分もある。セットでネタにされることもあるので知っておくと笑える機会が増える。