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はいからさんが通る

はいからさんがとおる

大和和紀の代表作、大正時代を舞台にした少女漫画。またはそれを元にしたアニメ。
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概要編集

大和和紀の少女漫画。『週刊少女フレンド』(講談社)に1975年7号から1977年10号まで連載された作品。コミック単行本は全8巻。(本編7巻+番外編巻)


大正時代(大正デモクラシー~シベリア出兵~関東大震災)を舞台とした、一組の男女とその周囲の人々を巡る運命のラブロマンス


と、単純に思っていたら大間違い

実のところは大正時代に生きた「はいからさん花村紅緒という、一人の女性の奮闘を彼女が生きる時代の背景と共におもしろおかしく描いたラブコメディ


……と思いきや、実は当時の少女漫画にしてはキレっキレのギャグ漫画である。


そう言うと「どれが本当なんだよ」と思うかもしれないが「ロマンス」も「ラブコメ」も「キレっキレのギャグ」も、どれも本当なので悪しからず。ロマンスの間にコメディが混ざりながら(当時にしては)壮絶なギャグを披露するという、なかなかに公式が病気な大正浪漫物語。

(まぁ、1970年代の少女漫画という事もあり程度は全く違うが、当時の『少女フレンド』掲載漫画上の感覚で言えば、現在で言うところの銀魂』枠のようなもの)


簡単にぶっちゃければ「序盤ラブロマンスで始まりつつラブコメが混ざり、中盤からギャグがブッ込まれ終盤にそれら全てが極まる」という状態。そのため、これらのうちのドコか一部分しか知らなかったら確実に作品を誤解する。

そして、そんな状況すらも【登場人物が『はいからさんが通る』のコミックスを読んで泣きながら「この物語はギャグだと思ってたけれど実はラブロマンスだったのね!」と感想を放ち、紅緒が「あんたはギャグシーンにしか出てこないから」とツッコむ】というメタを披露してギャグにするという徹底ぶりを見せた。

連載終了後に描かれた番外編(特に『はいからさんがこけた』『蘭丸さま純情詩集』『霧の朝パリで』の三篇)では、それぞれ異なった意味で完全に公式が最大手状態である。


ギャグのネタは主に当時に一世を風靡していた様々なアニメ・特撮・映画から引用されている。

科学忍者隊ガッチャマン宇宙戦艦ヤマトゴジラモスラ、ロッキー・ホラー・ショー、金田一耕助少年探偵団等々。さらにはドコかブラックなネタ(首にかける「おさきマッフラー」とか)すらも放ち、コマの片隅に書かれている標語「今週のみことば」に書かれるアカラサマな「人間のホンネ」の世知辛さは当時の愛読者を大笑いさせていた。


メディア展開編集

  • 1978年・日本アニメーションの手によってテレビアニメ化、朝日放送テレビ朝日系列他にて放送された。全42話(ただし、原作のラストまでは完全に描かれていない
  • 1979年・テレビミュージカルとして宝塚歌劇団により制作。放映は関西テレビ
  • 1985年・ドラマ化。主演は三田寛子。少尉役は野口五郎フジテレビ系列(ただし一部系列局除く)にて放送。
  • 1987年・東映により南野陽子主演で実写映画化。少尉役は(まだ今ほど「濃く」なかった頃の)阿部寛
  • 2002年・正月特番のオムニバスドラマの中の一作としてドラマ化。TBS系列にて放送。主演は石川梨華、少尉役は沢村一樹
  • 2017年・宝塚歌劇団にて、『ミュージカル浪漫 はいからさんが通る』が大阪市・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ(宝塚市のアレではなかったので念のため。ちなみに梅田芸術劇場も宝塚歌劇団も阪急電鉄と関わり合いがある)と東京・日本青年館にて上演。
  • 2017年・劇場アニメ(前編)上映。
  • 2018年・劇場アニメ(後編)上映。

因みに1978年のアニメと1987年の映画の主題歌タイトルは「はいからさんが通る」であるが、全く違う曲なので念のため。


注目すべき点は2017年~2018年にかけてのアニメ映画化では前後編2部構成をとり、正真正銘・原作ラストまでの初メディア化を成し遂げたことである。

これまでほとんどのメディア(特に映画版や特番ドラマ)では尺の関係上、少尉のシベリア出兵から行方不明事件以降の流れ(いわゆる職業婦人編)は大幅にオミットされ、「少尉が出兵して行方不明になりました。就職して編集長に惹かれそうになるけれど、少尉は何事も無く無事に戻ってきてくれて2人はつつがなく結ばれました、めでたしめでたし」と簡単なストーリーラインに収めてしまう事が多かった。


トーゼン物語の中終盤に乱発されていた珠玉のギャグやコメディの数々も大半は再現などされてはいない(ギャグやコメディ展開も尺を喰いやすく、映像でやると漫画以上に物語やテーマ性が「散る」ため、当時のそっち方面のクリエイターはそーゆーのを嫌う傾向にあった)。


それを「原作の空気感をカットした」と惜しむファンもいたりする。その一方で逆にメディア側で本作を知った者は原作のギャグ表現を「ロマンスを台無しにしている」と嫌う人もいたりする。ただ、双方ともに「はいからさん」が好きなことは変わりないため基本的には「どちらもアリ」というスタンスで楽しむ人が一番多い。


あらすじ編集

時は大正。「はいからさん」こと花村紅緒は竹刀を握れば向かうところ敵なし、跳ねっ返りのじゃじゃ馬娘。ひょんなことから知り合ったハンサムで笑い上戸の青年将校・伊集院忍が祖父母の代からの許嫁と聞かされる。忍に心ときめくものを感じながらも素直になれない紅緒は必死の抵抗を試みて数々の騒動を巻き起こす。伊集院家に招かれ、花嫁修業をすることになった紅緒だったがそこでも相変わらず騒動を起こしてゆく。しかし、やがて紅緒と忍はお互いをかけがえのない存在と思うようになるのだが、非情な運命によって引き裂かれてしまう。

忍の戦死の公報が届いたことにより、未亡人同然となった紅緒は没落しかけた伊集院家を支えるべく働きに出る。上司の青江冬星に支えられながら雑誌記者となった紅緒だったが、革命に揺れるロシアから亡命したミハイロフ侯爵の姿に我が目を疑う。侯爵は容姿・性格ともに亡くなったとされる忍に瓜二つであった。忍を忘れ去ることなど出来ぬまま、それでも力強く生きる紅緒の姿に女嫌いの青江も心動かされる。

やがて明らかになる真実。忍を恋慕いつつも、皆の幸せのため紅緒の下した苦渋の決断。そしてその先に待ち受ける運命とはいかに。(出典:wikipedia)


主な登場人物編集

CVはTVアニメ版 / 劇場版の順に表記。一人表記の場合はTVアニメ版。「未登場」あるいはCV未表記はアニメには未登場。

花村紅緒(CV:横沢啓子 / 早見沙織

伊集院忍(CV:森功至 / 宮野真守

藤枝蘭丸(CV:杉山佳寿子 / 梶裕貴

北小路環(CV:吉田理保子 / 瀬戸麻沙美

青江冬星(CV:井上真樹夫 / 櫻井孝宏

鬼島森吾(CV:安原義人 / 中井和哉

紅緒の父(CV:永井一郎 / 石塚運昇銀河万丈

ばあや(CV:鈴木れい子 / 鈴木れい子)

伊集院伯爵(CV:宮内幸平 / 麦人

伊集院伯爵夫人(CV:峰あつ子 / 谷育子

如月さん(CV:山田礼子 / 一城みゆ希

丑五郎(CV:増岡弘 / 三宅健太

印念中佐(CV:肝付兼太 / をはり万造)

大河内中将(CV:未登場 / 中博史

吉次(CV:増山江威子 / 伊藤静

袋小路つめ子(CV:未登場 / 小牧未侑

高屋敷要(CV:中村秀利 / 未登場)

江戸川端散歩(CV:永井一郎)

羅鈍のお定

古美売太(CV:龍田直樹 / 矢野奨吾

サーシャ・ミハイロフ(CV:森功至 / 宮野真守)

ラリサ・ミハイロブナ(CV:小山まみ / 坂本真綾


関連動画編集

平成劇場版アニメ特報動画


関連タグ編集

大和和紀 大正浪漫


崇徳院上皇陛下ではなく、院の詠んだ和歌の方。実はモチーフ元のひとつ。


外部リンク編集

アニメ映画版 公式サイト

宝塚歌劇団 公式サイト内『ミュージカル浪漫 はいからさんが通る』公演解説

はいからさんが通る - wikipedia

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