科学忍者隊ガッチャマン
”大鷲の健”を筆頭とする”コンドルのジョー”・”白鳥のジュン”・”燕の甚平”・”みみずくの竜”ら五人の科学忍者隊が悪の組織ギャラクターと戦う物語。1972年作品。
平均視聴率20%台を誇る人気番組で未だに根強い人気を誇る。2002年から2003年にかけてキッズステーションで全話が放送され、その後もカートゥーンネットワークなどで放送が行われている。
当初はギャグ作品として企画されていたらしいのだが、そのため「ガチャガチャしているからガッチャマン」というタイトルだったのだが、ふたを開けたらシリアスな作品になった。アンドロイドとサイボーグを混同するなど1970年代の作品らしくいい加減な点もあるが、それらもかえって味になるほどの完成度の高さと魅力を持つ。
オープニングで流れることで知られる『ガッチャマンの歌』が人気だが、実は第22話まではエンディングで流れる曲で、当初は『倒せ! ギャラクター』がOPとして使われており、第23話でOPとEDが入れ替わったというは珍しい現象が起きている。
他作への影響
- 「真面目な熱血漢・クールでニヒル・紅一点・チビ・デブの五人が変身し、合体可能なメカに乗り込む」という構図は、五人組チームのテンプレとして様々な作品で活用されている。後に東映が製作したスーパー戦隊シリーズにも強い影響を与えている。本作とスーパー戦隊のどっちにも関わった人物に脚本家の曽田博久がいる。ただ、曽田戦隊ではガッチャマン型ではなく真面目な熱血漢・軟派な男・男勝りなヒロイン1・優しいヒロイン2 or 空気の男という配役で、ニヒルキャラは敵の第三勢力側に置くことが多かった。
- 日本のアニメで初めて「メカニックデザイン」の肩書きが使用された作品で、大河原邦男のデビュー作である。作中にはギャラクターのメカニックデザイナー・オガワラー博士も登場。
- 歌手としては冬の時代に入っていたささきいさおは、俳優業・声優業の一環としてコンドルのジョー役で参加。本作は偶然にも大ヒット作となり、その縁でタツノコ次回作「新造人間キャシャーン」の主題歌担当に抜擢された。以後アニソン歌手として活動の幅を増やすきっかけになっている。
映画『科学忍者隊ガッチャマン』
1978年7月15日公開。これ以前にも「東宝チャンピオンまつり」で第22話と第37話のブローアップ版を上映しているが、本作はテレビシリーズを再編集した総集編的な作品である。
ただし冒頭の総裁Xの地球侵入とベルクカッツェ誕生は新規撮影であり、『宇宙の騎士テッカマン』や『タイムボカン』で使用されたスキャニメイトを使用した演出や、NHK交響楽団が演奏したBGMが特徴。
このBGMはすぎやまこういち氏が作曲したものだが、そのうちのひとつ「時の子守唄~レッドインパルスのテーマ」については作中での使われ方に納得がいかず、権利を買い戻して再使用の機会を窺っていたところ、『ドラゴンクエストⅥ』のコンセプトを聞いてこの曲がエンディング曲にふさわしいと閃き、同作品のエンディング曲に逆輸入されたという逸話がある。
総指揮として岡本喜八がクレジットされているが、興行上の理由で名義を貸しただけで制作にはノータッチとされる。監督の鳥海永行は岡本の大ファンで、岡本に会えると聞きこの条件を了承したといわれている。
海外版「Battle of the Planets」
第1作の内容を元に、アメリカ放送での規制に関係しそうな部分を削除・変更して製作された。新キャラも追加され、設定も大きく変更されている、こんな感じの作品。1978年から欧米で放送され、根強い人気を持っている。
科学忍者隊ガッチャマンII
人気を博し作られた続編。1978年作品。
前作最終回で生死不明となったコンドルのジョーが復帰し、ギャラクター誕生の秘密に迫り、正体不明のまま逃亡していた総裁Xとの決着を付ける。
ただし制作当時はアニメブームによりアニメの数が増え始めた影響でアニメーターが不足しがちだった事もあり、序盤は作画が不安定で大鷲の健役の声優である森功至が苦言を残す出来であった。実際、前作の総集編が妙に多いし、前作回想シーンの方が作画クオリティ高いような気がする…。
その後は持ち直したものの、前作ほどの人気は得られなかった。
科学忍者隊ガッチャマンF
「F」と書いて「ファイター」と読む。シリーズ最終作で1979年作品。
犯罪組織の首領エゴボスラーがギャラクターを襲名して世界に宣戦布告する。
メカアクションを前面に押し出し、割り切った低年齢層向けの作風となった。「主役ロボットが存在しないロボットアニメ」といった雰囲気である。
終盤では歴代作に負けず劣らずのハードな展開を見せる、シリーズ完結編。
GATCHAMAN(OVA版)
初代のリメイク作品。全3話。1994年作品。アートミックとの共同企画。
梅津泰臣が手がけた濃い目でアメコミチックのキャラデザが特徴。
おはよう忍者隊ガッチャマン
2011年、「ZIP!」内で放送されていた約1分間程のアニメ。『科学忍者隊ガッチャマン』をコメディタッチに仕上げた作品で、登場キャラクターや登場メカニックも『科学忍者隊ガッチャマン』と同様だが、『科学忍者隊ガッチャマン』のような科学忍者隊がギャラクター相手に戦うというストーリ-ではなく(一部戦闘シーンがある話もあるが、それが中心というわけではない)、おはよう忍者隊とギャラクターが現代社会における事柄をゆるいお笑いスタイルで再現するという内容。ギャラクターが中心のエピソードもあり、場合によっては「ベルク・カッツェ様が頻繁に再放送をする京都のTV番組を褒めて終わり」などおはよう忍者隊が登場しないこともある。
逆に「過去へタイムトラベルした大鷲の健が忍者隊になんかして終わる」などギャラクターが登場しない話もある。基本的にストーリーに連続性は無いが一部の話は以前の回とのリンクがある。
「ZIP!」放送のフラッシュアニメ第1作であるが、コンドルのジョー、ベルク・カッツェ、アンダーソン長官、ギャラクター隊員役で違う意味でFLASHと関係の深い宮崎吐夢が出演している。
ガッチャマンクラウズ
こちらを参照
実写映画『ガッチャマン』
2013年8月24日公開。監督は佐藤東弥。
2009年公開の『ヤッターマン』に続くタツノコ実写映画として制作。
本来は大鷲の健ひとりのコードネームだった「ガッチャマン」をチーム名として設定し、松坂桃李、綾野剛、剛力彩芽、濱田龍臣、鈴木亮平の5人がガッチャマンを演じた。
他にも豪華キャストが多数起用され、ダークヒーロー調の作劇にアレンジしているが、「アマチュアくさいチーム内恋愛の要素を延々と引きずっている」、「世界が壊滅的状態に陥っているのに東京だけ無傷」、「肉体的訓練をしているようにしか見えないアクション」、「17年間ギャラクターは何をしていたのか」などの批判意見が相次ぎ失敗作の烙印を押されてしまった。
キャラクター
- 大鷲の健(G-1号)
- コンドルのジョー(G-2号)
- 白鳥のジュン(G-3号)
- 燕の甚平(G-4号)
- みみずくの竜(G-5号)
- 南部考三郎
- レッドインパルス
- ベルク・カッツェ
- ゲルサドラ
- マーストラ
- エゴボスラー
- 総裁X
- 総裁Z
登場メカ
- ゴッドフェニックス
- 鉄獣メカ
関連タグ
ガッチャマン レッドインパルス ベルク・カッツェ タツノコプロ
タイムボカンシリーズ - OVA「王道復古」、新ヤッターマンにゲスト出演。
鳥人戦隊ジェットマン - 前述の通りガッチャマンの影響が強いといわれるスーパー戦隊シリーズだが、中でもジェットマンはモロとも言える。
科学忍者隊パッチャマン - 非公式パロディーである。特に関連性はない。
福岡ダイエーホークス - ヘルメットがガッチャマンみたいだといわれている。