概要
モンハンの世界では一種のウイルスとしての扱いを受けているが、その正体はゴア・マガラの翼から散布される鱗粉、およびゴア・マガラの成熟個体であるシャガルマガラの体から放たれる詳細不明の物質である。
黒いもやもやとしたガスのような外見をしており、浴びると「狂竜やられ」という状態異常に陥り、放っておくと「狂竜症」にかかり自然回復力が0になってしまい、更に狂竜ウイルスを伴った攻撃によるダメージが大幅に増加するという洒落にならない追加効果まである。
ウチケシの実や万能湯けむり玉でウイルスの侵食速度を和らげることができるが、感染源のモンスターや爆発岩、小型モンスター等をひたすら攻撃することで逆にハンターがそのウイルスを克服することが可能。この場合、一時的に「狂撃化状態」という特殊な状態になり、武器の会心率が15%上昇する。因みに克服する際に、体から溢れるエフェクトの色が紫→青→水色という順番で変化する。
このウイルスが初公開されたのはTGS2012。
この時公開された藤岡ディレクターのプレイ動画では、睡眠移行と同様のモーションでその場に倒れこんだ数秒後、全身からおぞましい色のオーラを吹き上げながら立ち上がり、体のあちこちに毒々しい模様を浮かび上がらせたティガレックスが、元よりも更に激しく暴れ回りながらハンターに襲い掛かる…というとんでもない光景が見られた。
これこそが狂竜ウイルスに感染して狂竜症を発症したモンスターの姿であり、感染したモンスターは、驚異的なスピードで攻撃してきたかと思えば、普段よりもスピードが遅くなったり、こちらとの位置関係に関係なく大暴れする、転倒して隙を晒すにもかかわらず無茶苦茶な飛びかかりを使用するなど、文字通り狂ったような動きを見せる。
この状態のモンスターから攻撃を喰らっても狂竜ウイルスに感染してしまう。
狂竜ウイルスに感染したモンスターとは、高難度クエストで戦闘ができる。なお、狂竜ウイルスに感染した個体の出現するクエストには「生態未確定」というアイコンが表示される。
また、ギルドクエストでもある程度レベルが上がると狂竜化モンスターが出現するようになる。
狂竜化したモンスターはどいつもこいつも眼が赤く発光し、体色も黒みがかった色に染まり、攻撃を加えた際に飛び散る血は不気味な紫色に変色し、鳴き声も生物とは思えないおぞましいものに変貌する。
フルフル原種や龍光纏い怒り状態のジンオウガ亜種に至っては、それこそ魔界から召喚された悪魔と言って差し支えない本気で恐ろしい姿に変貌してしまう。
基本的にほとんどの大型モンスターは狂竜ウイルスに感染してしまうのだが、いわゆる古龍種や超大型モンスター、希少種のモンスターはウイルスに感染しないことが判明している。これらのモンスターがなぜ狂竜ウイルスに感染しないのかは不明だが、おそらくウイルスに対して何らかの耐性があるため、感染しても無効化しているからではないかとする説が有力。
なお、シャガルマガラの放出する狂竜ウイルスについては、このような裏設定が有る。
- 狂竜ウイルスはマガラ種の生殖細胞でもあり、ウイルスに感染し、死亡した生物を苗床に幼体であるゴア・マガラが発生・成長していく。
- 狂竜ウイルスには成熟したゴア・マガラの脱皮を阻害するはたらきがある。
- ゴア・マガラは成熟すると一斉に天空山の禁足地を目指し、最初にたどり着きシャガルマガラとなった個体が狂竜ウイルスを撒き散らす。競争に敗れたものたちが渾沌に呻くゴア・マガラになると推測されている。
MHW:Iではゴア・マガラやシャガルマガラが出現しないため、狂竜ウイルスについては特に触れられる事はなかった。
狂竜結晶
ゴア・マガラ、シャガルマガラ、および狂竜化したモンスターを倒すと手に入るアイテム。恐らく狂竜ウイルスが結晶化したものだと思われる。剥ぎ取りや捕獲などで入手することはできず、クエスト終了後に通常の報酬枠とは別に渡される。
「狂竜結晶の欠片」「狂竜結晶」「禍々しい狂竜結晶」 「穢れなき狂竜結晶」の4種類が存在し、「禍々しい~」は上位限定アイテム、「穢れなき~」はG級限定アイテムとなる。
武具の素材としては使えないが、シナト村のマカ錬金屋さん(上の画像の人物)の元へ持ち寄ることで、この狂竜結晶を使った錬金が行える。錬金を利用することで特定のアイテムを増やすことができるほか、いらなくなった護石(お守り)を錬金して新しい護石を作り出すことが可能。特に護石錬金は、時に非常に有用なお守りが手に入ることもあるため、多くのハンターたちが利用している。
また、一部の発掘装備の研磨にも狂竜結晶を用いることがある。
抗竜石
MH4Gで登場した新アイテム。
鉱石系アイテムの一種で、ドンドルマの狂竜ウイルス研究所で入手することができる。
狂竜ウイルスを鎮静化させる効果を持っているとされており、所持している武器にその効果を付与させることで、モンスターの狂竜化を一時的に解除することが可能だという。
ただし、再使用するには一定の時間を置く必要がある為、連続使用はできない。
抗竜石には以下の4種類が存在する。
抗竜石・剛撃
ウイルスを抑制すると同時に、狂竜化モンスターへ与えるダメージを増幅させる。
抗竜石・耐衝
ウイルスを抑制すると同時に、狂竜化モンスターから受けるダメージを軽減する。
抗竜石・属撃
ウイルスを抑制すると同時に、極限状態モンスターへの属性・状態異常攻撃を有効にする。
抗竜石・心撃
ウイルスを抑制すると同時に、極限状態モンスターの『完全弾き』特性を無効化する。
あるクエストでのみ使える「試作版」も存在する。
また、抗竜石にはレベルがあり(最大値は2)、効果時間や再使用可能になるまでの時間、ウイルスの抑制値が異なっている。
極限状態
狂竜ウイルスに感染したモンスターが、ウイルスを克服し、己の力とした姿。MH4Gで実装された。
通常、狂竜ウイルスに感染したモンスターはすぐに命を落としてしまうことが多いが、ごく稀にウイルスの浸蝕を跳ね除け、克服してしまう個体が出現することがある。このような状態を極限状態と呼ぶ。
インタビューによればあくまで命の危機を克服しただけで、ウイルスに感染していることに変わりはない極めて不安定な状態であるらしい。
外面的にはハンターの「狂撃化状態」と似てはいるが、あちらが一時的なパワーアップであるのに対し、こちらはどちらかというとウイルスを完全に支配し、己の力として取り込んでおり、大雑把な言い方をしてしまえば「強化された自身の力に加え、シャガルマガラの力も使える」といった存在であり、下記のとおりその能力は最早「謎」「ありえない」「反則」の領域に達している。
この個体は通常の個体と比べて攻撃力が格段に上昇するだけでなく、全身の肉質が異常に硬くなり、部位によっては最上級の斬れ味ですら容易く弾き返す。ゴア・マガラやシャガルマガラに見られた、攻撃時に狂竜化ゾーンを発生させることも可能。
攻撃力が高い、肉質が硬いのは上記の通りだが極限状態の個体はそれ以外にも常軌を逸脱している能力があり、その能力は難易度が高いと評判のMHFでもまず有り得ないといえるレベルとなっている
具体的には
- 部位によっては心眼(※1)や心眼効果の攻撃(※2)を完全無効
- その部位に弾かれた際、業物(※3)完全無効&業物の有無にかかわらず斬れ味消費が増加
- 極限状態では全部位で属性攻撃が完全無効
- 操虫棍の猟虫の攻撃を弾く(エキスも採取不可)
- 弾かれる部位に当たったアイテムの効果を無効化(拘束攻撃中のこやし玉に関してだけは例外)
- ガンランスの砲撃や爆弾のダメージを激減
- 撃たれたボウガンの弾や弓の矢を撃ったプレイヤーに向けて反射する
- 落とし穴、シビレ罠、閃光玉の完全無効
- スタン(気絶)、毒、麻痺、睡眠、爆破の無効
という暴挙にもほどがある有様。普通の方法での狩猟は100%不可能である。
特に、1の心眼スキルと心眼効果攻撃の無効はシステムに干渉するレベルで前代未聞であり、上記の抗竜石が無ければまともな戦闘にならない有様。
特に、属性偏重武器は抗竜石で対策をしなければ狩猟する前に詰むレベルである。
※1 硬い部位に攻撃して弾かれても怯まなくなるスキル
※2 元から弾かれても怯まない攻撃(例:双剣の鬼人化状態攻撃、スラッシュアックスの剣モード攻撃など)
※3 近接武器の斬れ味消費を抑えるスキル
このため、極限状態の個体は、下手をすれば古龍に匹敵しかねないほどの危険性を持つ生物とされることもある(実際、セルレギオスの極限状態は、あのイビルジョーの狂竜個体よりもはるかに危険性の高い存在として扱われていた)。作中では「生物を超越した存在」とも言われているが、上記の特徴を鑑みればこの表現も頷けるというものである。
また、その理不尽極まる特性、嫌がらせとしか思えない耐性、ハンター側が不利な状況から「ご都合主義と簡悔精神の権化」と蛇蝎の如く不評だらけと忌み嫌うハンターも多い。反対に「手応えがあって面白い」とするハンターもまた存在していたが僅かに少数派で大半が不評寄りだった。
しかしその激烈な難易度と3DSソフトであることも相まって寄生ハンターが爆発的に増殖したシリーズであったことも影響し、中には装備を見ただけでキックしたり、失敗すると罵詈雑言を吐く等自問題行動を取る者も数多く発生。
挙げ句の果てには「難しいからクリアできない」→「なのでチートやデータ改造で馬鹿でもクリアできるクエストを作成してばら撒く」というとんでもない発想を実行する者すら現れ、公式から声明が出される事態にまで至った。
極竜玉
極限状態の個体を倒す入手できるアイテム。より上のグレードの「大極竜玉」というアイテムも存在する。
説明文を読むに、竜玉が狂竜ウイルスの影響で変質した物のようだ。
これを使用することで、レア度8以上の武器(実質G級武器全般)に極限強化という特殊な強化を施すことができる。
極限強化の内訳は以下の通り。
極限強化【攻撃】
攻撃力+20の効果。基本的にはこれが選ばれる
極限強化【防御】
防御力+60の効果。防具一部位にも匹敵する防御力嵩増しが可能になるので生存率が大幅に向上、即死攻撃が激減する。
ただし当然火力は攻撃極振りより出なくなるし、あくまでも「即死しなくなる」点にのみ主眼を置いているので極限化モンスターの理不尽極まる攻撃力を何度も受ける様ではあまり意味が無い。
極限強化【生命力】
武器に「敵モンスターを攻撃すると一定確率で体力を回復する」という効果を付与。
極限強化だが、「体力は常に満タン」が大原則の死な安環境である極限狩りにおいては、不安定すぎる確率と、低すぎる回復量のせいで「体力減っている時に、これで一回回復する前に三回死ぬ」「よしんば回復したとてまだ即死圏内」「というか回復した瞬間死ぬ」などと不評であり極限状態狩り向きの強化では無い。
どちらかと言うと通常の狩りをストレスフリーに行うための便利能力である。
ちなみに、発掘武器やイベントクエストで作られる武器には極限強化できない。
狂竜化と極限状態になっているモンスター一覧
イャンクック(亜種)
ゲリョス(亜種)
ディアブロス(亜種)
グラビモス(亜種)
バサルモス(亜種)
ティガレックス(亜種)
ダイミョウザザミ(亜種)
ケチャワチャ(亜種)
ババコンガ(亜種)
ジンオウガ(亜種)
ネルスキュラ(亜種)
テツカブラ(亜種)
ザボアザギル(亜種)
※ガララアジャラ(亜種)
アルセルタス(亜種)
ゲネル・セルタス(亜種)
※極限状態になってるのはガララアジャラ亜種だけ。
MHX
本作ではモンスターの狂竜化、極限状態がオミットされることが前もって発表されており、狂竜ウイルスはマガラ族の攻撃手段およびハンターへのステータス異常として限定的にではあるが続投している。
また、狩技の1つに、薬品を飲んで自発的に狂竜ウイルスに感染した状態になる「狂竜身」というものが存在する。
主な廃止理由はニンドリ5月号で明かされ、一瀬泰範曰く「MH4であった狂竜化はゴア・マガラを主軸としたストーリーで進んでいくものではないためカットした」とコメントしている。
要するにゴア・マガラ関係のストーリーは4独自の設定でMHXには持ち込めない内容なのか狂竜化したモンスター達はギルド関係者、筆頭ハンター達や4の主人公が任務で処理したと考察が出ている。
今作では「狂竜結晶」は精算アイテムとしての扱いを受けており、クエスト終了後に回収されてしまう(アイテムの説明文曰く、「ギルドへの提出が義務付けられている」とのこと)。護石錬金には獰猛化モンスターを狩猟した際に得られる「獰猛化狩猟の証」が必要となる。
MHR:S
待望のゴア・マガラとシャガルマガラが復活し、それにより狂竜ウイルスの状態も追加されたが、「ある程度狂竜ウイルスに関しての対策がなされている」または「それ以上に脅威になりうるかもしれない存在」がある故にストーリーに直接関わってくる事はない。
そのかわり「狂竜症【蝕】」というハンター自身が狂竜症に感染して攻撃性能が上がるというめちゃくちゃなスキルが追加された。
具体的にはというと
- 克服前は「体力が徐々に減少(赤ゲージが段々増える)」「攻撃力と属性値が増加」「固定のスタミナ消費量が減少」「回避性能が上がる」
- 克服後、「「狂撃化」した際に赤ゲージが全て回復し、会心率が通常の狂撃化以上にアップ」
といったもの。
このうち、「体力が徐々に減少」は逆恨みを発動させ、状態異常扱いなので克服前は死中に活が発動、克服後は災禍転福が発動するため、これらのスキルと相性が良い。
また、赤ゲージが回復するというものは、伏魔響命の赤ゲージも全て回復するため、こちらとも非常に相性が良い。
攻撃性能に注目しがちだが、体術と回避性能のスキルと同じ効果も発動するため、弓などの武器とも相性が良いため、どんな武器にでも採用されるほどのスキルになっている。
無料タイトルアップデート第3弾まではシャガルマガラの装備であるアーク・フィリアシリーズのみにこのスキルがあったが、アップデート後は傀異錬成でレアスキル扱いとして登場するため、スキルの幅が広がることになった。
また、渾沌に呻くゴア・マガラの実装と同時に【狂化】という狂竜化末期の様なスキルも登場。
その効果はと言うと
- 疾替えの書【蒼】の時"緑HPが"全て赤になり、赤ゲージも徐々に減っていく
- 即死するのではなく、赤ゲージが実質体力と化す。そして何より…
- ダメージでは赤ゲージが一切減らなくなる
- その代わりダメージを受けると、受けたダメージの度合いによって減少速度が加速する
- 回復アイテムを使うと赤ゲージの上限が伸びる
- 疾替えの書を【朱】に変えると赤ゲージのうち半分が緑HPになって減少が止まり、ゲージ加速もリセットされる。
というとんでもないもの、本来即死級の大技を喰らおうがなんだろうが必ず立ち上がって戦闘続行するゾンビの如き力を手に入れることができる、MHFに存在した「最期ノ閃黒」と似たスキルになっている。
ただし、上手い話はなくどんなカスダメでもゲージが加速していき、累計60以上のダメージを受けると通常、スキルレベル1なら3、2なら2ずつ減っていくところが12、8という四倍もの速度に加速して使用者を死に誘う(250でも25秒で死亡である)
また、緑HPが赤ゲージになる都合上、あまり頻繁にゲージリセットしていると体力がガンガン削れてしまう。
頻繁に疾替えしなければならないほど何度もダメージを受ける様では意味が無いので遠距離戦、上級者向けと言える
なお赤ゲージは赤ゲージなので実は自然回復が効いている。
活力剤とこんがり魚をかっくらってお団子再生術や鋼殻の護りLv3、体力回復量Lv1以上を発動させると(無被弾状態に限り)HPが一切減らない文字通りの不死身と化すほか、そうでなくとも死までに少なくない遅延を挟める
また、赤ゲージがあると攻撃力があがる逆恨みや会心率、属性値の上がる奮闘も当然対象、勝手に全身傷まみれになって勝手にブチギレる文字通りの逆恨みが可能。
なお、上述の狂竜症【蝕】とは強烈なシナジーがあり、克服時の「赤ゲージ全回復」が「HPゲージ全回復」に置換される、ただし、スリップダメージも重複する(狂化の累積ダメージには含まない)ため加速度的に体力が減っていく、蝕のレベルを下げるなどご利用は計画的に
関連イラスト
関連項目
モンスターハンター4(MH4) モンスターハンター4G(MH4G) モンスターハンタークロス(MHX)
狂犬病…恐らくこれをモデルにしていると思われる。狂犬病はコウモリなどに噛まれると伝染し発症し。ゴア・マガラも狂竜化ウイルスを含んだ鱗粉を羽からばら撒く。この事からゴア・マガラは狂犬病ウイルスを伝染させるコウモリもイメージとして踏襲されているのかもしれない。
傀異化…サンブレイクで登場する噛生虫キュリアに寄生されて狂暴化する似た性質。こちらは古龍にも影響するという点で狂竜ウイルスよりも厄介(ただし傀異化した古龍はゲーム中には登場しない)。
傀異克服…こちらもサンブレイクで登場する要素で、キュリアと完全な共生を果たしてその力を完全に我が物とした存在。命の危機を克服して逆に自らの力とした点は極限状態と酷似している。現在は古龍種にのみ存在が確認されている。
カオス怪獣…ウイルスで凶暴化、目が赤くなる等、あからさまな元ネタ。