概要
飛竜種・海竜種・牙竜種等といった「モンスターハンター」の世界のいずれの生物群にも該当せず「あらゆる生態系から逸脱した生物」と定義されている未知の生物群の総称。
そのため「古龍」と呼称はされているものの、「龍」とは呼びがたい特徴を持った生物も少なからずいる(キリンやヤマツカミなどがその好例)。
古龍種に分類されるモンスターのほぼ全てが生態、習性について謎だらけの存在であり、ギルド等の組織も研究を行ってはいるものの目立った進展は少ない。
しかし「MHP2ndG」での学者の文献によれば厳密には研究は進んでいない訳ではなく「研究すればするほど新発見の連続であり、その度に新たな謎が生まれている状況である」のだそう。
その研究の成果でラージャンの様にかつて古龍種扱いされていたモンスターが、研究の末に他の種に分類され直した事例がごく稀ながらも存在する。
またアカムトルムも古龍に匹敵もしくは超える力を持っているが、骨格などからティガレックスなどの祖先に近い原始的な飛竜種の特徴を持っていると判明し、翼は無くても飛竜に分類可能だったため古龍種ではないとされた。
研究者の間では「安直に古龍に分類すべきではない」という意見もあり、ある程度研究を進めた上で分類不可能な規格外な生物を止むを得ず古龍種に入れているとも言えるだろう。
棲息地域はそれぞれ多様であり、火山や砂漠など共通した環境で目撃される事もあれば、雪山と火山といったような正反対の環境でも確認される事もある。
そして古龍が現れた地域では小型モンスターが一斉に姿を消すという現象が起こったという事例も報告されており、古龍は他のモンスターとは別格の存在であることが窺える。
イレギュラーだらけの古龍種であるが、共通点として目撃例が極端に少なく、その全てが尋常ならざる生命力と長寿性をもち、他の生物に比べ外見的、能力的にも特異であり、天候や自然現象を操り武器とするなどの超常的な力を身につけているという点が挙げられる。
もはや特撮作品に登場する怪獣と遜色の無いレベルの脅威であり「生きた天災」とも呼べる存在である。
例としてクシャルダオラ、テオ・テスカトル、ナナ・テスカトリのように現れただけで周辺環境を変化させてしまう古龍が存在するが、どの様な原理で力を発揮しているのかについては現在でも詳細は分かっていない。一部の識者や研究者の間では「古龍種は角で力を制御している」とする説が存在し、ゲーム中でも角を破壊する事で弱体化する古龍も実際に存在する。しかし破壊しても完全に古龍を封じる事は不可能であり、古龍体内の未知の器官などによって力を維持しているという見方が強い。というか、最近のシリーズでは角を折っても能力の行使にまったくと言っていいほど支障がないケースの方が多く、「角で力を制御」というのは最早過去のものとなりつつある。
また多くの古龍種は「龍属性」と呼ばれる謎の属性を帯びた攻撃やブレスを用いる事が確認されている。
龍属性自体もあまり研究が進んでいない事と、龍属性を用いて攻撃するモンスターがほぼ古龍種に集中している事から龍属性を扱うモンスターが古龍種であるという見方も存在する。
しかし奇妙な事に何故か古龍種は弱点となる属性も龍属性である傾向が強く古龍種という存在の不可思議さに一層拍車をかけている。
古龍種以外のモンスターはほとんどの場合龍属性への耐性が非常に高いことから龍属性と古龍種には何かしらの因果関係が存在すると思われるが詳細は謎のままである。
人目に付くことが極めて稀である古龍種であるが、実は人類の生活圏を度々襲撃し街を破壊する危険な存在でもある。
中には目撃者=そこに住む人々で、彼らが全滅してしまったために記録が残っていないという悲惨な事例まで存在する。
その為、古龍種が飛来する街や砦などにはわざわざ古龍種専用に迎撃する設備、装置まで配備されており、ギルドもその動向にかなり神経質になっている。
前述の通り古龍種の力は1匹だけでも恐ろしく強大であり、並大抵のハンターでは勝負にすらならない事も有り得るため、古龍種の討伐任務などは経験と実戦を積み重ねた歴戦のハンターにのみ斡旋される。
一部の古龍種はその場で討伐することができずとも一定のダメージを与えた状態でクエスト開始から25分(30分)経過すると逃走し、クエストを達成できる(あまり知られていないが、クエストに失敗した場合でもダメージは引き継がれる)。この場合、難易度が同じであれば前回逃走した古龍種と再び戦闘が可能であり、ダメージや部位破壊(クエストに失敗していた場合破壊報酬も引き継がれる)なども引き継がれる。その為前回の戦闘と比較すれば有利に状況を進められる。
その他、作品の中では前述した古龍種の神出鬼没さを意識してか「古龍種関係のクエストはランダムで出現する」という仕様が存在する。
例えばとある古龍種の討伐を目的とした「A」と「B」というクエストがある場合、時期やタイミングによっては「A」だけしか受注できない、「A」「B」どちらもクエストが出現しない、といった風になる。
メインシリーズの開発談によると、コンセプトは「自然の力を感じさせる存在」であるらしく、
古龍にはそれぞれモチーフとなる「自然」やそれに関連した現象が定められている。
なお、MHFを含む派生作品にはモチーフが存在しないと思わしい、あるいは自然現象ではないものがモチーフとなっている古龍も存在するが、これはメインシリーズと派生作品の差異と思われる。
度々メインモンスターにも抜擢されており、またシリーズのほとんどでラスボスを担っている。
該当モンスター
名前 | 別名 | 特徴 | 初登場 | モチーフ |
---|---|---|---|---|
キリン | 幻獣 | 電撃を操る神出鬼没の白い獣。亜種は強大な冷気を操る黒獣。 | 初代/4(亜種) | 落雷/氷柱(亜種) |
オオナズチ | 霞龍 | 霞を操り全身を透過させる龍。 | 2 | 霞 |
クシャルダオラ | 鋼龍/錆鋼龍(錆びた)・風翔龍(共通) | 風を纏い風を操る龍。MH2のメインモンスター。錆びた個体はMH4Gのオフラインラスボスの片割れ。※1 | 2(通常/錆びた) | 暴風雨・竜巻 |
テオ・テスカトル | 炎王龍・陽炎龍 | 炎を纏い爆発を引き起こす龍。 | 2 | 陽炎・爆発 |
ナナ・テスカトリ | 炎妃龍・陽炎龍 | テオ・テスカトルと番の青い龍。MH2のオフラインラスボス。 | 2 | 陽炎・熱波 |
ラオシャンロン | 老山龍/岩山龍(亜種) | 山を崩し進行する巨大龍。 | 初代/G(亜種) | 地震・落石 |
ヤマツカミ | 浮岳龍 | 体内の腐敗ガスで空を飛ぶタコのような龍。 | 2 | 山岳 |
ナバルデウス | 大海龍/皇海龍(亜種) | 月にも例えられる巨大海龍。MH3のオフラインラスボス。 | 3/3G(亜種) | 地震・津波 |
ジエン・モーラン | 峯山龍/霊山龍(亜種) | 大砂漠に生息し砂嵐を起こす超巨大龍。 | 3/3G(亜種) | 砂嵐・流砂 |
アマツマガツチ | 嵐龍 | 天の神と称され嵐を司る龍。MHP3のオンラインラスボス。 | P3 | 嵐 |
ダレン・モーラン | 豪山龍 | ジエン・モーランの近縁種とされる超巨大龍。 | 4 | 砂嵐・流砂 |
シャガルマガラ | 天廻龍 | ゴア・マガラが脱皮により転生した、竜を狂わせる龍。MH4のオフラインラスボス。 | 4 | 疫病 |
ダラ・アマデュラ | 蛇王龍/蛇帝龍(亜種) | シリーズ最大のスケールを持つ御伽噺の古龍。MH4のオンラインラスボス。 | 4/4G(亜種) | 天変地異・隕石 |
ゴグマジオス | 巨戟龍 | 背中に擊龍槍が纏わり付いた巨大古龍。MH4Gのオンラインラスボス。 | 4G | 重油・戦災 |
オストガロア | 骸龍 | 一晩で村一つ喰らい尽くしたとされる謎の巨大生物。MHXのオンラインラスボス。 | X | 飢饉・骸 |
バルファルク | 天彗龍 | 「銀翼の凶星」の異名を持つ古龍。MHXXのメインモンスター兼オフラインラスボス。 | XX/Rise(奇しき赫耀) | 彗星 |
ネルギガンテ | 滅尽龍 | 古龍を脅かす龍。MHWのメインモンスター。 | W/W:IB(悉くを滅ぼす) | 破壊・再生・自浄作用 |
ヴァルハザク | 屍套龍 | 瘴気と共生し、腐肉を纏う古龍。 | W/W:IB(死を纏う) | 瘴気 |
マム・タロト | 爛輝龍 | 全身に黄金色の金属を纏う古龍。 | W | 地熱・鉱脈 |
ゾラ・マグダラオス | 熔山龍 | 背中に火山を背負った超巨大古龍。 | W | 火山・噴火 |
ゼノ・ジーヴァ | 冥灯龍 | 古龍の生体エネルギーを得て生まれる特異なる龍。MHWのラスボス。 | W | 生命 |
イヴェルカーナ | 冰龍 | 冷気を操り万物を凍てつかせる龍。MHW:IBのメインモンスター。 | W:IB | 寒冷化 |
ネロミェール | 溟龍 | 電飾のような翼を持ち水を操る龍。 | W:IB | 潮流・雷 |
アン・イシュワルダ | 地啼龍 | 『大いなる者』と呼ばれる地脈に干渉する龍。MHW:IBのラスボス。 | W:IB | 地殻変動 |
ムフェト・ジーヴァ | 赤龍 | 地脈エネルギーを制するゼノ・ジーヴァの成体。 | W:IB | 生態系 |
ベヒーモス | 魔獣 | 四足歩行する巨大な獣然としたFF14とのコラボモンスター。 | W | (※2) |
イブシマキヒコ | 風神龍 | 風を操る龍。後述のナルハタタヒメと対になる存在であり、その対を探し百竜夜行を引き起こす。 | Rise | 風・竜巻 |
ナルハタタヒメ | 雷神龍 | 雷を操る龍。前述のイブシマキヒコと対になる存在であり、その対を待ち続けている。MHRiseのオンラインラスボス。 | Rise(通常/百竜ノ淵源) | 雷・磁場 |
メル・ゼナ | 爵銀龍 | 生物から精気を吸収する生物と共生する龍。MHR:SBのメインモンスター。 | R:SB(通常/原初を刻む) | 吸血鬼 |
ガイアデルム | 冥淵龍 | 「深淵の悪魔」と称される、地底に潜む異形の巨龍。MHR:SBのラスボス。 | R:SB | 悪魔、地盤沈下 |
ルコディオラ | 極龍 | 橙色の飛膜が特徴の磁力を操る古龍。 | F-F1 | 磁場 |
シャンティエン | 天翔龍 | 遥か高空に生息する蒼い古龍。MHF-Gを象徴するモンスター | F-G1 | オーロラ |
レビディオラ | 雷極龍 | 電磁を自在に操るルコディオラの亜種。 | F-G2 | 電磁誘導 |
ディスフィロア | 熾凍龍 | 火と氷という相反する2つの属性を操る古龍。 | F-G2 | 大気圏外の温度変化 |
イナガミ | 雅翁龍 | 自然に適応し竹を操る古龍。 | F-G5 | 竹害 |
ガルバダオラ | 金塵龍 | クシャルダオラが別の進化を遂げた古龍。 | F-G5 | ? |
ドゥレムディラ | ※3 | 天廊の番人とも呼ばれる強力な冷気と壊毒の使い手たる古龍。 | F-G6 | ? |
ハルドメルグ | 司銀龍 | 流体金属を操る古龍。 | F-G7 | 水銀 |
ヤマクライ | 浮峰龍 | ヤマツカミと酷似した始種モンスター。 | F-G8 | 紅葉(四季?) |
トア・テスカトラ | 凍王龍 | テオ・テスカトルと酷似した始種モンスター。 | F-G9.1 | 吹雪 |
グァンゾルム | 帝征龍 | "雲見砦"と呼ばれる古代の建造物に棲みついた古龍。 | F-G10 | ? |
ケオアルボル | 焔嶽龍 | 火山を思わせる形状と能力を持つ巨大古龍。 | F-Z | 火山・熱膨張 |
エルゼリオン | 灼零龍 | 身体の左右に火と氷の属性を宿す古龍。 | F-Z | ? |
タルタロニス | 呑淵竜/燎淵龍 | エイのような姿をした巨大古龍。 | オンライン | 熱波? |
メフィストフェリン | 荒厄龍 | 胸の水晶であらゆる属性エネルギーを吸収して操る古龍。 | オンライン | ? |
ネフ・ガルムド | 冥晶龍 | 特殊な青い結晶とそこに秘められた力を操る古龍。 MHXRのメインモンスター。 | XR | 砂漠化 |
モルドムント | 黒冠龍 | 翼にも口を持ち金属化する体液を操る古龍。 | XR | ? |
エオ・ガルディア | 天晶龍 | 特殊な赤い結晶と気流を操る古龍。 | XR | 熱風・流砂 |
ミオガルナ | 輝龍 | 星の如く輝くと言われている幻の龍。 | オラージュ | ? |
????→???? | ストーリーズ | 狂気 | ||
???? | モンスターを狂わせる凶光を放つ、地底に潜む龍。 | ストーリーズ2 | 狂気 |
※1 錆びたクシャルダオラの前に戦うことになる極限状態セルレギオスもオフラインラスボスとされる為、便宜上こう表記する。
※2 本種は隕石や竜巻等の能力を用いるが、正確にはFF14とのコラボモンスターなので、厳密にはモチーフは存在しない。FF14の舞台である惑星ハイデリンでは自身の肉体や周辺の環境にあるエーテルを用いて超常現象を起こす技を「魔法」と称するので、あえて言うならば「魔法」だろうか。分類に関しては異世界の魔獣であるため分類が不可能であるが故の「古龍」扱いである。
※3 いわゆる専用素材というものが無く、その他の情報もないため不明。
ただし、繁体字版では皇冰龍と呼ばれている。
"禁忌のモンスター"
モンハンの世界において、古龍の中でも極めて強力な力を持つとされる者たち。
いずれも古龍種に属し、「黒龍」というモンスターと何らかの関わりを持っているとされる。
また、公式からの情報は徹底的に秘匿されており、攻略本や開発者のブログはおろか、ゲーム雑誌の記事などでも名前が出てくることはまずない。存在そのものがトップシークレットになっているモンスターと言える。
詳細については上記のリンク先を参照。
古龍級生物
古龍ではないものの、それに匹敵する戦闘力あるいは影響力を持ち、古龍に近しい極めて危険な存在として扱われるモンスター達の俗称。
詳細については上記のリンク先を参照。
余談
元来のモンハンの世界観では基本的に古龍種は他種のモンスターやハンターなどは眼中にもない圧倒的な存在として扱われていたが、近年では古龍に対して一般のモンスターが全く恐れずに真っ向から攻撃をしかけるような描写が増えており、そのせいでプレイヤーから一部の古龍は「一般モンスターに不覚を取る情けない古龍」と見なされてしまう事がある。ただし、それでも大抵は喧嘩を売った一般モンスターが一方的に叩きのめされて返り討ちに遭うという結果が殆どだが、上記の古龍級生物のようなモンスターの場合は互角どころかそのまま打ち負かして追い払ってしまうようなケースもある。そのような描写が多くなっているためか、過去シリーズのように古龍が絶対的な存在という概念は廃れつつあるようだ。