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荒蕪の旧跡 恐る恐ると

大欲非道の慮外者

立ち去れ 此処は鎮護の御廟

現世常世の 境域なれば

隠れ住まうは 不可視の神仙

無礼が過ぎれば 霞隠しぞ



概要編集

古龍種の一種で、初登場はMH2

同時期に登場したクシャルダオラテスカト夫婦らとまとめて「ドス古龍」とも呼ばれる。

体長22mと上記2種より大きく、体格的にも一回り弱大きめ。

密林沼地など湿気の多い所を好む、紫色のカメレオンのような外見の大型モンスター。

実際、海外版での名称も"Chameleos"。

後述する特殊な生態から、「霞龍(かすみりゅう)」の異名を持つ。


剥ぎ取れる素材は角、皮、尻尾、爪、霞龍の宝玉(上位から)、古龍の大宝玉(G級限定)、古龍の血、鉱石系。


なお、「オオナチ」であり「オオナチ」ではない。防具の名前が「ミハ・トヨタマシリーズ」なので余計にややこしい。


詳細編集

カメレオン同様左右別々に動く目を持ち、鼻先に長い鼻が生えている。また、ギギネブラほどではないが前後のシルエットがよく似ている。

長い舌が特徴で、その舌をかなりの速度で伸ばすことができる。

登場ムービーでは体を前後に揺らしながらゆっくり前進する特徴的な歩行をしている。これはモロクトカゲなど一部の爬虫類に見られる独特の歩行(風で揺れる葉に擬態する為とされる)であるが、おそらくカメレオンのイメージからこのような歩き方になったのだろう。

なお、戦闘中だと通常の速度で移動するが、ガニ股気味に足を動かすなど、やはり現実の爬虫類の多くに見られる動きをする。


古龍種に限らず大型モンスター全体でみても大人しめな性格で、非警戒時の動きは非常にゆっくりとしたもの。

ただし食欲はかなり旺盛であり、長い舌を巧みに使い、食べられそうなものはとにかく絡め取って食べてしまう。人が相手でもこれは例外ではなく、過去にはオオナズチによって食料を根こそぎ奪われ帰還を余儀なくされたという研究員の話もある。

そのためか、「存在そのものが天災級」とされる古龍としては珍しく、オオナズチの狩猟依頼は「商売の障害になる」だの「荷物を奪われた」だの、他の一般モンスターがよく起こす被害内容の物が多い。


ハンターとの戦闘中でも、その動きは基本的にゆったりとしている。が、オオナズチは古龍の中でも有数のトリックスターであり、様々な特殊攻撃を以てハンター達を苦しめてくる。

また体内で多彩な毒を生成しており、それを状況に応じて口から吐き出し、攻撃として利用する。

一般的な毒ガスの他、「防御力down」を引き起こす溶解液、人体の糖分を乳酸に変換して疲労状態にしてしまう毒霧などを持つ。極め付けにはチャット機能を封印する「声帯麻痺」を引き起こす毒ブレスまである。

他にも、舌を使った攻撃で秘薬などの食料を盗む、尻尾を地面に叩き付け龍風圧を起こすなど、厄介な挙動が多い。


そしてオオナズチの最大の特徴と言える「ステルス状態」。

この状態では姿が見えなくなるだけでなく、全体的に肉質も固くなる。しかし、ステルス・非ステルス共に後ろ足が非常に柔らかい上、その怯みで長時間ダウンするという大きな弱点を持っていた為、ただひたすら後ろ足を虐めたおす「脚ハメ」と呼ばれる攻略法が主流であった。

他のドス古龍と異なり、方向転換や歩行時に脚にダメージ判定がなく、背後への攻撃手段も乏しかったことがさらに追い風となっていた。


怒り状態になると口から緑の息が漏れ、たびたびうっすらと白く姿が現れる。

また、ケムリ玉などで周囲の空気の状態を変化させると相対的に浮き出る他、姿を現している時に音爆弾を炸裂させると、その爆音に驚いてしばらくの間透明化できなくなる。


ステルス能力編集

劫霞

オオナズチが持つ古龍としての力。全身の透明度を自在に操り、自らの姿を見えなくしてしまう最高峰の「擬態」能力である。

全身透明にしてしまうこの力は未だ謎が多いが、最近の研究によってある程度プロセスが判明してきた。


実はこの擬態は単一の特殊能力によって行われているものではなく、大きく3つの手法を併用している。


一つ目は保護色。曰く、オオナズチは血液にある種の「金属」を含有しており、そこに通電することで自身の姿を透明化しているという。この金属は、普段は太陽光を反射しオオナズチを可視化しているのだが、通電によって光の反射率を低め、透過率を上げる作用があり、これによってオオナズチの全身を不可視化しているらしい。

しっぽの先のゼンマイのような部分は音や振動を感知する蝸牛管であり、これにより背後の対象を感知、そして背中側の保護色を行っている。そのため、しっぽが切り落とされると保護色が不完全になる。


二つ目は霧による光の屈折。こちらは古龍としての特殊能力であり、角によって制御されている。<H4G以降ではブレスによって霧を吐く行動も確認されるが、湿地帯などの自然の霧を利用することも可能。


三つ目は霧に混じった神経毒による幻覚。オオナズチの吐く霧の中には五感を鈍らせる毒素が含まれており、視聴覚を誤認させることで上記二つの擬態への「違和感」にすら気づかせないようにすることができる。


このうち1つが機能不全になったとしても(擬態が不安定にはなるが)さほど支障はなく、擬態を完全に解くためには尻尾の蝸牛管と角の双方を破壊する必要がある。


遍歴編集

モンスターハンター2(dos)』で初登場。

因みに、MHP2Gでは攻撃時に姿を現すようになったため、音爆弾によるステルスの強制解除がしやすくなっている。逆に言うとそれまでは完全に勘で投げる必要があったというわけなのだが。


この当時は、発見されても戦闘BGMは流れず、代わりに怒り状態移行時にモンスターによる発見BGMが流れ、次いで和風の独特な旋律を持つ専用BGM「深い森の幻影」が流れる、という特殊なシステムになっていた。


MH3以降はしばらく出ていなかったが、MH4で竜人商人との交換で手に入る素材でのみだが登場していた。

この「素材だけの登場」というのは他のモンスター同様プレイヤー諸氏にとって非常に歯がゆい物であったらしく、特にナズチの場合が既に参戦していたこともあって、とあるサイトで実施された「復活希望モンスターランキング」で見事1位を勝ち取るほど。


MH4G編集

念願叶い、MH4G堂々の復活


ウカムルバスの復活」など見所の多いこのPVのラストに登場し、全ハンターのド肝を盗んでいった。

舌を上手く使い、ハンターを捕食しようとする場面が見られる。恐ろしい…

専用BGMと共に、PVのラストで初お目見え、というこの登場方法は、MH4PVの「クシャルダオラ復活」にかけたものだろう。テオェ…


そこにいたのは、スタイリッシュステルスアクションという予想の斜め上をぶっちぎる調整を施され、完全に別物となったオオナズチであった。


まず、基本の挙動が全て高速化。これまでゆっくりのったり動いていたのとは比べ物にならないくらいに俊敏に動き回るようになった。俊敏と言ってもナルガクルガの様にすばしこいのではなく、バネか何かを仕込んだかのように「瞬間的に動きが速くなる」といった感じになっている(特に、こちらを振り向く動作)。

さらに、かつてムービーで行っていた独特の歩行法を戦闘中にも行うようになった(つまり物凄くゆっくり動くことがある)ため、異常なほど動きに緩急がありハンターのペースを乱してくる。

更には独特の歩行法から突然高速化する等、兎に角動きが読みづらい。

その緩急は人によっては「生物を相手にしている気がしない」「出来の悪いからくり人形かロボットを相手にしているよう」と大いに混乱、困惑するものである。

古龍は非常に知能が高い事から、恐らくこの異常なまでの緩急はこれまでの経験を元に狙ってやっているものと思われる。オオナズチ恐るべし…。


また、特殊攻撃も大幅変化。体内で生成する毒を出血毒(つまり毒状態になる毒)一本に特化した代わりに、これまでよりはるかに上手く毒ガスを扱うようになった。特に、毒ブレスを吐いた後翼で風を起こして毒霧を拡散させる攻撃は「毒状態・長時間滞空・連続ヒット攻撃」と三拍子そろった凶悪な物で、熟練のハンター達を苦戦させている。


後ろ足のハメができなくなった代わりに通常時はステルスしないようになった。

ステルスモードに移行する際は口から白い煙幕を吐き出し、ハンターの視界を制限したうえで姿を消して戦う。

白い煙幕や毒霧に紛れてステルスを行ったりするため、より「龍」という別名がらしいものに変わったと言われる。

この関係で、MH4Gではオオナズチとの戦闘中は常に「深い森の幻影」が流れ続ける。その代わりに、今度はステルスモード移行中はBGMにモヤがかかるという独特の演出が加えられたことになった。「怒り時のみ曲が流れる従来のタイプが良かった」というプレイヤーもいるが…。

さらに、「乗り攻撃」中でもステルスを利用して振り切ろうとするなど専用モーションが用意されており、開発側も非常に力を入れていることがわかる。


登場ムービー(PVラストのムービー)や、他の古龍同様「街を襲撃する」という様子を見る限り、本作におけるオオナズチは非常に攻撃的なようだ。


スタッフによると、「オオナズチは独特の挙動が多く、調整が難しい『問題児』。そのため、MH4の段階ではそのポテンシャルを十分に発揮できないと考え、クシャルダオラとテオ・テスカトルに集中した。」とのことらしい。


ファンからの要望が大きくまたスタッフも入れたかったというオオナズチ。

新システムに対応した新しいオオナズチは、概ね好評を持って迎えられており、その後発売されたMHXMHXXでもほぼMH4G仕様のまま続投している(ただし、強毒霧噴射などの毒霧攻撃がオミットされている。G級限定の攻撃モーションになるのだろうか?)。


MHRise編集

MHW:Iではドス古龍で唯一登場せず、文字通り影も形も現さなかったことから、新大陸のハンター達からは「導蟲にすら気づかれずに上陸している説」がまことしやかに囁かれていた。

続くMHRiseでもまたもや姿を見せず、と思われたが…。



アップデート第1弾(2021年4月)にて苦節6年、遂に復活を遂げ、XX以来のドス古龍勢揃いとなった。

今作では全体的に物理攻撃が強化されており、鏖魔ディアブロスのように尻尾を叩きつけ岩を飛ばす、非常に高いホーミング性能を持ち倒れ込み攻撃などが追加されている。

さらにブレスは全て猛毒に変更されている。今作ではテオ・テスカトルの防具以外では猛毒を無効にする事は不可能なので対策は難しい。また盗み攻撃はアイテムでなく花結についたヒトダマドリの花粉を盗むように。


しかも取られた花粉の効果はオオナズチにも適用されるため、攻撃力の花粉を奪われるとリスクとなる。しかし花粉を盗んだ後は口元に花粉が纏わりついて透明になっても位置が丸わかりになる上、大ダウンをとれば花粉は戻ってくるためうまく利用したい。



傀異克服編集

傀異克服オオナズチ

MHR:SBではなんと傀異化を克服した強化個体のオオナズチが登場する。

詳しくは当該記事へ。


武具編集

祝・オオナズチ 復活!!

防具は剣士が魔法使いをモチーフにした「ミヅハ」、ガンナーが昔の日本の狩人の装束をモチーフにした「トヨタマ」で、上位は覇、G級は真とグレードアップする。スキルは龍風圧無効、耳栓、地形ダメージ増加が共通で、ミヅハ・トヨタマ真では「霞龍の護り(スキル名:対鋼龍/龍風圧無効+耐雪)」が発動する。

防具、本体ともに水、氷には非常に強く、龍に弱く、火に極端に弱い。


オオナズチの素材から作られる武器は双剣、大剣(MH4Gで追加)、太刀、ハンマー(MH4Gで追加)、狩猟笛、ガンランス、スラッシュアックス(MH4Gで追加)、操虫棍(MH4Gで追加)、ライトボウガン、ヘビィボウガン(MH4Gで追加)で、太刀とボウガン以外は毒属性。太刀は練気ゲージがMAXになると刀身が消えるというギミックがついている。


専用BGM「深い森の幻影」編集

オオナズチ専用BGM。

かつては怒り時しか流れなかったためあまり聞けないという人もいたが、MH4Gでは戦闘中は常に流れるようになった。

和風を感じさせる曲で、モンハンの戦闘曲の中でも中々の人気を誇る。

「ステルス」というオオナズチの特性ゆえか、曲のメロディに「メタルギア」シリーズの楽曲との共通点を覚える人が結構いるようである。

こちらはライズでのBGM。従来のサビメロディとは別に第2のサビメロディとも言えるパートが追加された。余談なのだが、一部の界隈ではこのコーラスが入った新パートがエルシャダイの公式PVで流れるBGMに似ていると話題になっている。


余談編集

名前の由来は「蛟(みずち)」と思われる。

蛟とは、蛇の体躯に四肢を持ち、角と赤い髯・尻尾に瘤を持つと言われる水神、あるいは妖怪の一種である。

カキツバタの花を食べると気を吐いて蜃気楼を作り出し、その毒気によって人に害するという。

蛟が体長3メートル程なので、巨大な蛟ということで「オオミズチ」→「オオナズチ」ではないかとされる。

また、「オオナズチ」という名前の響きは、日本神話の蛇神「大国主」の別名「オオナムチ」に掛けているのではないかとも言われている。


触りたい

なにかとフルフルと一緒に描かれる事があり、ステルス機能と長い舌でたびたびエロ方面に用いられることも多い。

また、「ステルス能力を持つ」ということで、白紙画像を投稿して「ここにステルス状態のオオナズチがいます」というある意味定番のネタ投稿もある。


麻痺した際の顔は一見の価値有り


「モンスターハンター 超生物学~モンスターvs生物のスペシャリスト~」での生態樹形図によると、古龍種古龍目の不明(亜目)から溟龍下目と霞龍下目に枝分かれしている。

つまり、オオナズチはネロミェールとは近縁種であることが判明した。


二次創作では編集

ぜーげん氏制作のシリーズ『こいしちゃんダイアリー』にて東方Projectのキャラクター古明地こいしの新しいペットとしてクロスオーバーした。怪我したところを助けられたのもあり、こいしにかなり懐いている。

こいしちゃんダイアリーその26


関連タグ編集

モンスターハンター

古龍種

クシャルダオラ テオ・テスカトル ナナ・テスカトリ - ドス古龍


ナルガクルガ希少種 - 透明化仲間。


ネロミェール - 分類学上の近縁種。


MGS3:作中メインテーマのロックアレンジが流れる箇所があるが、イントロが深い森の幻影そっくりであるため度々話題に出る

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