バルファルク
ばるふぁるく
初出は『MHXX』。
MHXXのパッケージに描かれているモンスターであり、2(dos)以来の古龍種のメインモンスターである(一応MH4のゴア・マガラも古龍目ではあるがこちらはシャガルマガラの未成熟個体であり、公式は古龍種で扱っていない)。
鏖魔ディアブロスと2体並んで「双璧」と呼称されている。
超高高度の『遺群嶺』に棲息する古龍で、その存在は以前から確認されていたが多くは天を紅く横切る彗星として目撃されただけに過ぎず、龍歴院が大型飛行船『龍識船』で遺群嶺周辺地域の調査を始めたことで正確な存在を確認できた。
上述の目撃情報から、『天彗龍』の名を持ち、MHXXで新たに追加されたオフラインストーリーの主役を務める。
MHWシリーズでは残念ながら登場しなかったものの、その後、MHRiseにて特殊個体“奇しき赫耀のバルファルク”が登場。久々にメインシリーズに復帰した(なお、アップデートで追加される前から、砂原で発見される古めかしい書物に、このバルファルクと思しき災厄に関する記述があり、参戦の伏線自体は張られていた)。なお、同作に登場するのはすべてこの特殊個体であり、通常の個体は登場しない(通常個体はそうそう地上には現れない設定のため)。更には、続編のサンブレイクにも傀異克服バルファルクという新たな強化形態とともに続投している。
全身が銀色の鱗で覆われており、身体は大きいが顔は細く尻尾も同様。
そしてバルファルク最大の特徴として他の飛竜や古龍が持つ翼の翼膜をもたず、刺突に特化した槍のような翼(槍翼)を持つ。
さらにこの槍翼は筋肉を伸縮することで可動域の範囲を広げ、そればかりか翼の向きを変えることすらもできる。
傍から見ればとても飛行できるようには見えないが、今まで登場した全ての飛行型モンスターのみならず既知のあらゆる生物と一線を画す衝撃的な方法で飛行する。
伝説では「数千年に一度現れ、あらゆる文明を滅ぼし天地を灰塵に帰する」とされ、出現の兆候として赤い彗星が現れるとされる。しかしながら、これまで一度もハンターズギルドによって「バルファルク」なる生物が確認された記録はなく、「仮に実在したとしても、既に絶滅した生物ではないか」と考えられていた。バルファルクと同様に「黒龍伝説」として言い伝えが残るミラボレアスと違い明確な実在の証拠がなかったことからも、その存在そのものが長い間疑問視されてきたのである。
しかし、バルファルクは実在した。普段は他の生物が寄り付かない超高高度を主な生息地としており、地上に降りることも滅多にない生態からこれまで発見されていなかったが、航空技術が発達し高高度調査が可能となったことでついに発見に至ったのである。
バルファルクを初めて正式発見した龍歴院ギルド、および特殊個体の出現が確認されたカムラの里近辺からの報告により、これまで謎に包まれていたバルファルクの生態も徐々に判明することとなった。
バルファルクの一番の特徴として、胸部から外気を吸い込んで龍気という非常に純度の高い龍属性エネルギーに変換・生成し、体の特定部位から放つ能力を持つ。
興奮すると膨大な量の龍気が生成されて全身が活性化され、頭部や翼脚の一部があふれ出た龍気を
帯びて赤黒く発光し、体色も燻されたように黒化するなど外見も大きく変化する。
そしてバルファルクの飛行はこの槍翼の噴射口から龍気を放出することでその反作用で飛行するという、ジェットエンジンのような驚くべき方法で飛行し、さらにその速度は超音速にも達するほど(後述)。
他にも龍気の量と翼の角度を調整することでホバリングまで可能としており、ティルトローター機に似た器用さまで持ち合わせている。
そして上記の槍翼を変形させることで対象を刺突したり大きく広げた状態で地面に叩きつけたりといった攻撃ができる他、龍気を槍翼から弾丸状に撃ちだす、身体の前で槍翼を合わせた状態で大量の龍気をビームのように発射するなどして攻撃に用いている。
必殺技の名は「彗星」。切り札にしてバルファルク種を象徴する攻撃である。空気を吸い込んだのち龍気を噴射して勢いよく高空に飛び上がり、ミサイルや戦闘機のエンジン音を彷彿とさせる轟音と共に上空を旋回したのち、ターゲット目掛けて正確に突っ込んでくる。見た目通りの高い威力に加え、着弾の瞬間に「キイィィィン」という耳鳴りのような音を残して一瞬だけBGMが消えるというインパクト抜群の表現が行われており、演出面でも非常に恵まれた技となっている。この技に魅せられてバルファルク戦を周回するハンターも多いのだとか。
このエネルギーの正体は、龍属性を帯びること以外は現状不明な点が多いが、外気を胸部から取り込み、体内で何らかの反応を起こして発生させているらしい。戦闘中でも時折胸部から龍気を生成する動きを見せるが、この時に攻撃して怯ませると胸部で龍気が炸裂して大ダウンを取ることができる。
初期 | 最終強化 | 究極強化 | |
---|---|---|---|
大剣 | 銀翼の大剣 | 龍星大剣ハール | 赫醒大剣バルハーリィ |
太刀 | 銀翼刀 | 龍星刀【百武】 | 赫醒刀【閃武】 |
片手剣 | 銀翼の速剣 | 龍星剣オルグ | 赫醒剣アルゴルク |
双剣 | 銀翼の双刃 | 龍星刃ヘスト | 赫醒刃リクヘスト |
ハンマー | 銀翼の穿鎚 | 龍星鎚ノウド | 赫醒鎚マグナウド |
狩猟笛 | 銀翼の拍笛 | 龍星笛ホルム | 赫醒笛エディウス |
ランス | 銀翼の尖槍 | 龍星槍エンケ | 赫醒槍エールエンケ |
ガンランス | 銀翼の銃槍 | 龍星銃槍ベネト | 赫醒銃槍ジルベネト |
スラッシュアックス | 銀翼の剣斧 | 龍星剣斧ドナータ | 赫醒剣斧バティスタ |
チャージアックス | 銀翼の盾斧 | 龍星盾斧テバト | 赫醒盾斧ジルバット |
操虫棍 | 銀翼の鋭棍 | 龍星棍シュミカ | 赫醒棍レヴィアナ |
ライトボウガン | 銀翼の連弩 | 龍星弩ホーテック | 赫醒弩ボルテルク |
ヘビィボウガン | 銀翼の重砲 | 龍星砲デビロッツ | 赫醒砲ギルクロイツ |
弓 | 銀翼の大弓 | 龍星弓ヘルバ | 赫醒弓ヘヴンゲイト |
オトモ武器 | 銀翼のネコ剣 | 龍星ネコ剣ニャール |
初期段階では「銀翼の○○」、最終強化で「龍星○○□□」、そして究極強化で「赫醒○○△△」となる。どれもバルファルクの翼脚をモチーフにした鋭角的なデザインが特徴的。
□□や△△には彗星やそれに纏わるものを由来とした文字が入る。
また、日本版と海外版で一部モチーフが異なる。
元ネタ(推測) | |
---|---|
大剣 | ハレー彗星 |
太刀 | 百武彗星 |
片手剣 | オルバース彗星またはヴォルフ彗星 |
双剣 | ウェスト彗星 |
ハンマー | バーナード彗星 |
狩猟笛 | ホームズ彗星とその発見者エドウィン・ホームズ |
ランス | エンケ彗星とその発見者ピエール・メシャン |
ガンランス | ベネット彗星 |
スラッシュアックス | ドナティ彗星とその発見者ジョヴァンニ・バッティスタ・ドナティ |
チャージアックス | テバット彗星 |
操虫棍 | シューメーカー彗星 |
ライトボウガン | コホーテク彗星とその発見者ルボシュ・コホーテク |
ヘビィボウガン | デヴィコ彗星 |
弓 | ヘール・ボップ彗星とその接近で信者が混乱して集団自殺したカルト団体ヘヴンズ・ゲート |
オトモ武器 | 大剣と同じ |
近接武器は控えめな攻撃力に高い龍属性、そして白と赤しかない、文字通り『異色』すぎる斬れ味を持っている。強化するごとに白ゲージが伸び(紫ゲージは出ない)最終的に双剣ですら消耗し切るのも難しい程の長さになる。
総じて一撃重視武器よりは手数重視武器に向いた性能を備えている。
一方で遠距離武器の方は、ボウガン系は装填速度が速く反動が少ない反面Lv3弾や状態異常弾が一切装填できない。
そして速射やしゃがみ撃ちできる弾が滅龍弾のみになっている特化仕様。
属性特化させやすいライトでは相性は悪くないが、物理弾がメインのヘビィでは相性は最悪であり「下手したらバイクの方がまだマシだった」なんて言われる始末・・・。
弓はバルファルクの武器にしては物理偏重の龍属性貫通弓となっており性能自体もボウガンに比べたら大分マシである。
古龍種のメインモンスターはMH2のクシャルダオラ以来、11年ぶりの登場となる。
久々なだけあって、機械にしか見えない姿や発売前のPVで披露された攻撃モーションの数々にも大きな注目が集まった。
モンスターハンターシリーズのモンスターたちはただの怪獣ではなく、解剖学的に生物らしい存在として出てくることがほとんどである。そんなモンハンシリーズの世界観を無視するかのような、およそ生物らしからぬ特異な容姿と能力から、バルファルクは前述の通り大きな注目を集めた。しかもその実力は古龍種の名に恥じない手練であり、ハンターの前に立ちはだかるラスボスとして相応しい強さを誇る。
生物であることとは一見相反するかのような「機械的なスタイリッシュさ」を持ちながら「生物として間違っておらず、既存の理論や生物から説明が可能」というギャップ、独自の動きや生態から来る強みを最大限に発揮しつつテンポよくストレスフリーな戦闘を実現する立ち回り、壮大な専用BGMを併せ持つ。
専用BGMも各パートに男声・女声の混声コーラスがふんだんに盛り込まれた壮大で激しいヒロイックな曲調であり、こちらもまたプレイヤーからの人気が非常に高い。
2024年のモンスターハンター20周年を記念して行われたモンスター総選挙では、全229モンスター中4位という記録を残した。5位のこいつ共々惜しくもトップ3は逃したが、それでも5本の指に入る大健闘である。
特殊個体である奇しき赫耀のバルファルクも20位にランクイン。1番低い傀異克服バルファルクですら33位という高順位をマークし、バルファルク種自体の人気の高さが示されたといえる。
BGM部門では全テーマ曲の中で1位を獲得し、20周年仕様のEDMアレンジVerが公開された。
登場以来非常に高い人気を誇るモンスターであり、今やモンスターハンターシリーズを代表するモンスターの一角を担っている。
- 名前の由来は英語で「豪胆」を意味する「Valor」と「隼」を意味する「Falcon」からとられたものであり、鳥類がモチーフのようだ。初期デザインではシャチをベースにしたモンスターだったが、空を飛ぶと言うことで鳥ベースのモンスターになったという。
- また、初期設定では磁力で砂鉄を操って攻撃するモンスターだったが、紆余曲折あって龍気を操る設定になったようだ。
- 全身を包む銀色の甲殻は、空気が薄い超高高度の環境で紫外線から身を守るためのもの。ジェット噴射は翼まで伸びた気嚢(鳥類の備える呼吸器官)を通してブレスに近い原理で放たれているほか、身体全体が鋭い流線型になっており、形状的にも高速飛行に適している。一見機械的に見えるものの、内実としてはこのように割と理屈が立つ生態をしている。
- 周囲の環境をも巻き込む魔法じみた能力持ちばかりの古龍種として考えても、自身が不思議エネルギーを生産・利用するだけというその権能はかなりおとなしい部類であり生物としてはトップクラスに真っ当、ついでに言うならその生態や見た目すら「生産したエネルギーを限りなく効率的に使う」と言う点で最適化されてきたと考えればあの形で当然とすら言える(規模こそおかしいが似た生態の持ち主は数多く居る)
- ちなみに、物好きなプレイヤー達がバルファルクの飛行速度を推測しているのだが、その結果「バルファルクは時速10,800km(≒マッハ8.8)で飛んでいるのではないか」という衝撃的な考察が立てられたのだった。やっぱりコイツ、本当は機械なんじゃなかろうか……。
- モンスターハンターライズでの登場発表の日は奇しくもバルファルク出現の兆候と一致する、月が赤く染まる皆既月食の日であった(しかし低気圧等の関係により雨や曇天等で見られない地域が多かった模様)。
ディノバルド ライゼクス ガムート タマミツネ 鏖魔ディアブロス
※奇しき赫耀のバルファルク、傀異克服バルファルク:モンスターハンターライズおよび続編のサンブレイクに登場する変異体(特殊個体)。
ゴア・マガラ、シャガルマガラ、ゴグマジオス、ガイアデルム:同じ骨格で、翼脚を持つ古龍種モンスター。
赤い彗星:シャア・アズナブルの異名。バルファルクもそのまま「赤い彗星」と呼ばれるが、飛行速度は並の飛竜や古龍の3倍どころではない。
ティアマト彗星:アニメ映画『君の名は。』に登場する彗星。同作の公開時期とMHXXの発表時期が近く、似ているとして話題に上がった。
ライガーゼロファルコン、クォーツ・ドラゴン:色々と共通点が多い奴ら。前者はバルファルクと同じくハヤブサがモチーフである。
メインモンスター(メインシリーズ)
ディノバルド/ライゼクス/ガムート/タマミツネ→バルファルク/鏖魔ディアブロス→ネルギガンテ
オフラインラスボス(メインシリーズ)
ディノバルド→バルファルク→マガイマガド
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