概要
アニメ映画『君の名は。』に登場する架空の彗星(名前だけなら次回作である『天気の子』にも登場する)。
物語において重要な役割を担っており、この作品のシンボルのような存在である。
1200年周期で地球のそばを通過している周期性の彗星で、物語では10月4日に最接近して、月と地球の間を通過する。
なお、糸守町にある糸守湖も過去に落下した隕石によって形成された“隕石湖”であるとされており、町の外れにある御神体も、周囲の地形からおそらく落下してきた隕石の一部ではないかと思われるが、このティアマト彗星との関連については不明である。
関連タグ
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ネタバレ
この映画の顔とも言え、PVやオープニングなどでもその空に舞う天使の如き美しい姿で人々の目を魅了したティアマト彗星。
しかし、この彗星は1つの災害を引き起こした。
(※リンク先参照。今作最大級のネタバレに付き、閲覧注意。)
主人公の立花瀧は、三葉との入れ替わり現象が起こらなくなった後糸守町に関係する記憶が曖昧になってしまう。
その後瀧は糸守町に関する資料を調べたり、自らが糸守町へ行き三葉を探す旅をすることに…。
※ 以下、物語の本筋とはまったく関係ないネタバレ
余談
映画の劇場公開時、この彗星の接近を解説するニュースの場面において、背景に描かれた彗星の予測軌道が太陽の手前でターンするように描かれていた。
該当するのは序盤における宮水家の朝ご飯のシーンと、運命の日の朝に瀧が彗星接近のニュースを確認するシーン。
じつは、彗星も天体である以上、公転軌道(太陽の周りを回る軌道)を描く動き(ケプラーの法則。高校物理。教育時期や学校によっては中学で習う場合もある)をとる。つまり彗星である以上、劇中の該当シーンで示されるような軌道はとらない。
映画の公開後ネット上では「と学会」元会長のSF作家の山本弘氏や理系の作家や学生・生徒達などから当該箇所の指摘が行われた。
「物語の本筋とは直接的な関係はないものの」と配慮した上での指摘だが、ストーリー中重要な要素であっただけに、SF・理系のファンの中には興醒めしてしまったものもいた。
科学的に見れば初歩的なミスであり、山本氏は製作者に対し「手抜き」と厳しい評価を下している。(日本人の科学的常識がこの程度かと思えば寂しい話ではある。)
上記した該当シーン以外では正常な軌道を描いているシーンもあり、その後発売されたディスクメディアや配信版ではミスのあったシーンの修正がされたという。
意図して製作されたかは不明だが、ティアマトと天体との関係としては、ハインリヒ・シュリーマンの影響を受けて神話は実在すると考えた考古学者ゼカリア・シッチンが唱えた説に、
「太古の昔、火星と木星の間には第5番惑星ティアマトが存在し、アヌンナキという宇宙人が自らの住むニビル星の衛星でティアマトを割って地球と月と小惑星を生み出した」
というトンデモ説もある。
事実は小説より奇なり
地球に小天体が衝突した例は事実として存在する。
ツングースカ大爆発
1908年、ロシアのツングースカ地方で地球に飛来した小天体の空中爆発があり、東京都の面積に相当する森林が炎上、破壊された。人口密集地から外れており大きな被害は報告されていない(森林で狩りをしていた猟師などの被害は不明)。
爆発の光は数百キロ先からも観測され、その後数日間明るい夜空が続いた。ロンドンでは深夜の屋外で新聞が読めたと言う。
グリーンランドのクレーター
2018年にデンマークの科学者らにより、グリーンランドのハイアワサ氷河の下にに約31kmのクレーターが見つかった。一万年前のヤンガードリアスの原因か?との仮説があったが暁新生の温暖化の原因となった隕石の落下の可能性が高くなった。183km というとかなり遠いが二つ目のクレーターが埋まっているので世界で三例目になるかもしれない。ハイアワサクレーターの形はかなり糸守湖に似ているのは魅力的ではある。
フィクション作品の関連タグ
アクシズ…2つに分割し、一方は地球への落下ルートを辿る点で共通している。
バルファルク…彗星をモチーフとしたモンスター。PVでは青空をバックに赤い残光を引きながら飛翔するという演出があったのだが、それがどこかティアマト彗星を思わせるという声もあった。
ムー…劇中で登場する雑誌で、終盤に勅使河原が持っている号の表紙には「ティアマト彗星は人工天体だった!」と書かれている。