概要
日本のアニメーション作家・映画監督。本名は「新津誠(にいつ まこと)」。女優の三坂知絵子と結婚しており、子役の新津ちせは新海の娘。
1973年2月9日、長野県南佐久郡小海町に生まれる。実家は地元の有力な建設会社である株式会社新津組を経営している。
幼少期からSF作品を好み、小学生のころはスピードスケーター部、高校生のころは弓道部に所属していた。
中央大学文学部在学中からゲーム会社である日本ファルコムでアルバイトとして働き、卒業後に入社。パッケージビジュアルやオープニングムービーなどを制作するかたわら、自主制作アニメの制作を開始する。
2000年、『彼女と彼女の猫』が第12回CGアニメコンテストにてグランプリを受賞。2001年に日本ファルコムを退社し、フリーとなったあと、一人ですべてを製作した25分の短編アニメ映画『ほしのこえ』が一躍脚光を浴び、文化庁メディア芸術祭や星雲賞などで多くの賞を受賞した。
その後、2004年に初の長編アニメである『雲のむこう、約束の場所』、2006年に『ef』ゲーム版OP、2007年に連続短編アニメ『秒速5センチメートル』、2011年に長編『星を追う子ども』、2013年に中編『言の葉の庭』を制作する。
2016年、『君の名は。』は東宝が配給する夏のアニメ映画として全国公開され、興行収入250億円を超える大ヒットを記録。前作『言の葉の庭』の興行収入役1.5億円から100倍以上のジャンプアップを果たし、一躍その名が全国的に知られることになった。
2019年には『天気の子』、2022年には『すずめの戸締まり』が相次いで公開され、かねてからの人気もあって早くから注目を浴びている。
アニメやゲームのほかにも、Z会(クロスロード)や大成建設(「ごめん、同級会には行けません。いま、シンガポールにいます。」などの有名なCM)など、複数の企業のCM製作にも携わっている。猫好き。
作風
緻密で美しくクオリティーの高い風景や背景の描写を得意とし、演出や作風とともに高い評価を得ている。作風としてはSFを下地としながらも、抒情的な表現、男女の心理的な距離や、すれ違いを描く切ないストーリーに定評がある。風景については、現実世界のものを基本としたアニメーションになっているが、モデルとなった場所の再現度が桁違いに高い。そのお陰もあってか、風景のみを見せると「現実なのか二次なのか分からん」と言う声が多く上がったりしている。『君の名は。』では、開始1秒の時点で上空からのスタートであり、彗星が雲を突き抜けて来るのだが、その「雲の中」ですら再現度が桁違いに高い。また、村上春樹の作品に強い影響を受けていると語っている。
制作では業界ではまだ主流ではない絵コンテの段階の絵をつなげて音声を入れた「ビデオコンテ(Vコンテ)」を作り、アフレコや音楽、SEなどを入れる際の指標にしている。しかもそのときの全キャラの声を監督が一人で演じる。
また、新海の作品は基本的に冒頭部分語りから始まることで定評がある。主人公たちがそれぞれ語り(地の文)を務め、そこからストーリー展開、というのが新海のスタイルだと言われている。
『秒速5センチメートル』以降は小説の執筆も行っており、『君の名は。』『すずめの戸締まり』においては映画公開に先駆ける形で小説が発売された。
代表作
- 彼女と彼女の猫(2000年)
- ほしのこえ(2002年)
- 笑顔(NHK「みんなのうた」)(2003年)
- 雲のむこう、約束の場所(2004年)
- 秒速5センチメートル(2007年)
- 星を追う子ども(2011年)
- 言の葉の庭(2013年)
- だれかのまなざし(2013年)
- クロスロード(Z会テレビCM)(2014年)
- 君の名は。(2016年)
- 天気の子(2019年)
- すずめの戸締まり(2022年)
余談
- 2022年11月11日0:00よりいくつかの映画館にて上映を開始した新海誠監督最新作の映画『すずめの戸締まり』だが、TOHOシネマズ日比谷・新宿の2つの映画館で新海誠監督本人がサプライズで登場した。
関連動画
監督作品
新海誠監督作品&『君の名は。』特報(2015年12月)
新海誠監督作品&『天気の子』スペシャル予報(2019年7月)
タイアップCM
大成建設「シンガポール」篇(2018年9月)