幾原邦彦
いくはらくにひこ
1964年12月21日生まれ。長らく徳島県出身といわれてきたが、実は大阪府出身。
徳島に実家はあれど、住んだことは無いとTwitterで発言。
小説も書けば演劇のプロデュースもするが、主にアニメ監督として知られる。
そのルックスとパフォーマンスから、メディアでは“アニメ界のヴィジュアル系”という冠で紹介されることがある(さいとうちほ曰く「アニメ界の小室哲哉」)。庵野秀明の旧友であり、渚カヲルのモデルとなった人物としても有名である。(※後述)
『美少女戦士セーラームーン』初代アニメにおける、劇場版の初代監督であり、同時に2代目シリーズディレクターである。演出としては当然、無印から参加している。無印での演出参加は6話、11話、15話、21話、26話、31話、36話、46話。おわかりいただけただろうか?
そう、あの武内直子に苦言を呈させたという「ぶっ壊レイちゃん」の主犯として有名な人物である。(ただし、これはあくまでネタ的なものでありガチな意味で主犯というなら当時のSDである佐藤順一やシリーズ構成の富田祐弘だって共犯である)
さらに『セーラームーン』においては、あの公式が末期とまで称された「アニメイトカセットコレクション」(のちのサウンド・ドラマ・コレクション)その中でも特に「ぶっ壊れっぷり」が著しい初期3作(そのいち・そのに・PRELUDE OF ROMANCE)の演出(監督)をも務めている。(こちらは佐藤・富田はほぼノータッチ)
1997年、『少女革命ウテナ』でポストセラムン・ポストエヴァに飢えていたアニメファンたちのハートを虜にし、さらなる活躍が期待されたところだったが、1999年の『劇場版少女革命ウテナ』以来長らくアニメ業から離れ(離れさせられたという説もあり)、2000年代を通過する。
2011年にようやく12年ぶりとなる監督作品、アニメ『輪るピングドラム』が7月~12月に放送され、以降『ユリ熊嵐』(2015年)、『さらざんまい』(2019年)とオリジナル作品を世に放っている。
独特の止め絵、バンクのトリッキーな使い方・ギャグ演出・演劇の手法を模した映像表現に定評がある。耽美的な作風は出崎統の影響をしばしば指摘され、本人もそれを認めている。演出家としては「セル画の枚数・作画の力に頼らずに面白い物を作る」ことをポリシーとしている。
作品の登場人物の名前に、ある程度の縛りを設ける事が多い。
寺山修司率いる劇団「天井桟敷」に代表されるアングラ演劇から多大な影響を受けているほか、ギャグ作品に造詣が深く、中村明日美子に『がきデカ』をお薦めするなどのエピソードがある。ピンドラを『バケツでごはん』・『ペンギンの問題』の2作品を「ペンギン物」と同列に観ているという。
『少女革命ウテナ』の決闘シーンの合唱曲、第二期EDテーマを担当したJ・A・シーザーは、寺山がホームレスの中から見出した人物で、しばらく寺山の映画などで音楽を担当し、後、新しく立ち上げた「万有引力」での楽曲が、『ウテナ』で使われることとなる。
『美少女戦士セーラームーン』制作当時、親交のあった庵野秀明が「渚カヲル」のモデルにした人物という逸話が有名だが、外見上か性格上か、庵野との関係性においてのモデルなのかは明確には不明のままである。
幾原本人はこの点について「その話は僕はまったく関知してないけど、まったく思い当たる節がないというわけでもない」と答えている。
まだ『新世紀エヴァンゲリオン』の準備中に、セーラームーンのスタッフと慰安旅行に行った際のメンバーの中に庵野がおり、みんなが潰れてしまった後に露天風呂に2人で並んでつかって延々と語り過ごした時間を、24話「最後のシ者」を見た際にも思い出したとのことである。
監督
『劇場版セーラームーンR』(1993年)
『少女革命ウテナ』(1997年)
『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』(1999年)
『輪るピングドラム』(2011年)
『ユリ熊嵐』(2015年)
『さらざんまい』(2019年)
原作
『ノケモノと花嫁』(2006年)
以下pixivision
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