「 絶 対 運 命 黙 示 録 」
概要
テレビアニメ『少女革命ウテナ』は、1997年4月2日から同年12月24日までテレビ東京系で放送された。全39話。略称は「ウテナ」。
『新世紀エヴァンゲリオン』、『機動戦艦ナデシコ』と並び、スターチャイルドレコードがプロデュースした1990年代を代表するアニメである。
Blu-rayは『Complete Blu-ray BOX』が発売中。
漫画版は少女漫画誌ちゃおにて1996年9月号~1998年3月号まで連載され、現在は文庫コミック全3巻、20年後を描いた『After The Revolution』が発売中。ただし漫画版の20年後ではなく、アニメ、映画、漫画の世界線が混ぜられた世界線となっている。
1999年夏には完全新作の劇場版『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』が公開された。
舞台化も数回されており、2018年には約18年ぶりの舞台化である『白き薔薇の蕾』が上映された、2019年は『深く綻ぶ黒薔薇の』Netflixを筆頭に、各種動画サイトでも配信中。
監督は『美少女戦士セーラームーン』でおなじみ幾原邦彦、シリーズ構成を榎戸洋司。
キャラクターデザインは長谷川真也が担当。
彼ら三人に、キャラクター原案及び漫画版を担当したさいとうちほ、プランニング小黒祐一郎を加えた製作チームがビーパパス(Bepapas)である。
アニメーション制作はJ.C.STAFF。
製作スタッフには細田守、錦織博、五十嵐卓哉、桜美かつし、金子伸吾、長濱博史、武内宣之、林明美、相澤昌弘、香川久といった、ウテナ以降に大活躍する若手が一堂に会するほか、小林七郎といった大御所も参加した。
また作中に流れる『絶対運命黙示録』をはじめとする合唱曲に、演劇実験室◎万有引力主宰者J・A・シーザーの協力を仰いでいる。
シュールで難解な展開、奇抜なデザイン、比喩や影絵を多用したアバンギャルドな演出、音楽にはアングラ劇団の合唱と、非常に独特な雰囲気と世界観をもった作品。
哲学的な言辞と象徴や図式を大小に首尾一貫してちりばめている。
小高い丘に建つ寮制の学校・鳳学園を舞台とし、「薔薇の花嫁」「エンゲージ」「王子様」「決闘」「革命」「世界の果て」など独自の抽象的なキーワードを軸に話が展開されていく。
最後まで具体的にそれらが何を指すのか明示しておらず、視聴者によって解釈がかなり異なる。
登場人物はそれぞれコンプレックスを抱いており、女同士、友人同士、兄妹間の愛憎を生々しく描いている。
近親相姦、同性愛など直接的ではないにしろ大胆に描いており、性描写も多い。
癖の強さゆえ人を選ぶが、熱狂的なファンを未だ多く持ち、海外での人気も高い。
公式が病気シリーズの常連であるが、それがウテナの個性であり魅力。
アクが強いのが苦手な方は、少女漫画のセオリー通りに進む漫画版から読み始めることを勧める。
ストーリー
それは、むかしむかしのおはなしです。あるところにお父様とお母様を亡くし、深い悲しみに暮れる幼いお姫様がいました。
そんなお姫様の前に、白馬に乗った旅の王子様が現れます。凛々しい姿、優しいほほえみ。王子様は、お姫様を薔薇の香りで包みこむと、そっと涙をぬぐってくれたのでした。
「たったひとりで、深い悲しみに耐える小さなきみ。その強さ、気高さを、どうか大人になっても失わないで。今日の思い出にこれを……」
「わたしたち、また会えるわよね?」
「その指輪が、きみをぼくのところへ導くだろう」
王子様がくれた指輪は、やはり、エンゲージリングだったのでしょうか……
それはいいとして、お姫様は、王子様に憧れるあまり、自分も王子様になる決意をしてしまったのです。
でもいいの? ホントにそれで…………
(第1話より引用)
幼い頃に自分を助けてくれた王子様に憧れ、王子様になりたいと願うようになった少女・天上ウテナは、入学した鳳学園で「薔薇の花嫁」と呼ばれる少女・姫宮アンシーと出会う。
エンゲージした者に「永遠」に至る「世界を革命する力」を与えるという「薔薇の花嫁」をかけて戦い続ける生徒会役員(デュエリスト)たちは、ウテナがかつて王子様から貰った指輪と同じ「薔薇の刻印」と呼ばれる指輪を持っていた。
ウテナもまたこの決闘ゲームに巻き込まれ、その背後にある「世界の果て」へと迫っていく…。
(公式より引用)
登場人物
生徒会編
黒薔薇編
鳳暁生編
ゲーム『いつか革命される物語』
その他
各話リスト
話数 | サブタイトル |
---|---|
第1話 | 薔薇の花嫁 |
第2話 | 誰がために薔薇は微笑む |
第3話 | 舞踏会の夜に |
第4話 | 光さす庭・プレリュード |
第5話 | 光さす庭・フィナーレ |
第6話 | 七実様御用心! |
第7話 | 見果てぬ樹璃 |
第8話 | カレーなるハイトリップ |
第9話 | 永遠があるという城 |
第10話 | 七実の大切なもの |
第11話 | 優雅に冷酷・その花を摘む者 |
第12話 | たぶん友情のために |
第13話 | 描かれる軌跡 |
第14話 | 黒薔薇の少年たち |
第15話 | その梢が指す光景 |
第16話 | 幸せのカウベル |
第17話 | 死の棘 |
第18話 | みつるもどかしさ |
第19話 | 今は亡き王国の歌 |
第20話 | 若葉繁れる |
第21話 | 悪い虫 |
第22話 | 根室記念館 |
第23話 | デュエリストの条件 |
第24話 | 七実様秘密日記 |
第25話 | ふたりの永遠黙示録 |
第26話 | 幹の巣箱(光さす庭・アレンジ) |
第27話 | 七実の卵 |
第28話 | 闇に囁く |
第29話 | 空より淡き瑠璃色の |
第30話 | 裸足の少女 |
第31話 | 彼女の悲劇 |
第32話 | 踊る彼女たちの恋 |
第33話 | 夜を走る王子 |
第34話 | 薔薇の刻印 |
第35話 | 冬のころ芽生えた愛 |
第36話 | そして夜の扉が開く |
第37話 | 世界を革命する者 |
第38話 | 世界の果て |
最終回 | いつか一緒に輝いて |
決闘
このアニメを象徴する、「薔薇の花嫁=姫宮アンシー」をめぐる生徒会同士の戦い。
薔薇の花嫁とエンゲージした者に、「永遠」に至る「世界を革命する力」を与えるという。
通常は立ち入り禁止となっている、決闘広場の森から特定の条件を満たした人のみ入ることができ、螺旋階段を昇った先にある、空中に浮かぶ逆さ城が照らす広場で行われる。
ルール
- 薔薇の刻印を持つ者が決闘に参加でき、薔薇の花嫁を持つ者との決闘を行える。
- 薔薇の花嫁を持つ者は、決闘の申し出を断ることができない。
- 決闘を行う者はお互いに胸に薔薇の花を付け、生死を問わず先に相手の薔薇の花を散らした者が勝ちとなる。
- 薔薇の花嫁を持つ者に勝利した者は、薔薇の花嫁を得る。
- 使用する武器は一部の禁止対象(銃・弓に代表される飛び道具など)を除き挑戦者側は自由だが、薔薇の花嫁を持つ者は「ディオスの剣」を使用する。
行われた決闘
話数 | 対戦相手 | 戦闘曲 | ウテナの使用剣 | 対戦相手の使用剣 | 心の剣 | 当てられた名前 |
---|---|---|---|---|---|---|
第1話 | 西園寺莢一 | When Where Who Which | 竹刀 | ディオスの剣 | - | 友情(amitie) |
第2話 | 西園寺莢一 | 肉体の中の古生代 | ディオスの剣 | 日本刀 | - | 選択(choix) |
第5話 | 薫幹 | スピラ・ミラビリス劇場 | ディオスの剣 | エペ | - | 理性(raison) |
第7話 | 有栖川樹璃 | 天使創造すなわち光 | ディオスの剣 | レイピア | - | 恋愛 |
第10話 | 桐生七実 | ラスト・エヴォリューション(進化革命前夜) | ディオスの剣 | サーベル,バリーイングダガー | - | 崇拝 |
第11話 | 桐生冬芽 | 封印呪縛 | ディオスの剣 | 日本刀 | - | 信念 |
第12話 | 桐生冬芽 | 何人も語ることなし | レイピア | ディオスの剣 | - | 自分 |
第14話 | 鳳香苗 | 不人幻魂合体術 | ディオスの剣 | - | - | 疎外(alieation) |
第15話 | 薫梢 | 架空過去型<<禁厭>>まじない | ディオスの剣 | エペ | 薫幹 | 執着(attache) |
第17話 | 高槻枝織 | 地球は人物陳列室 | ディオスの剣 | レイピア | 有栖川樹璃 | 嫉妬(jalousis) |
第18話 | 石蕗美蔓 | 円錐形絶対卵アルシブラ | ディオスの剣 | サーベル,バリーイングダガー | 桐生七実 | 焦燥 |
第20話 | 篠原若葉 | 幻橙蝶蛾十六世紀 | - | 日本刀 | 西園寺莢一 | 限界 |
第21話 | 苑田茎子 | 成熟年齢透明期 | ディオスの剣 | 日本刀 | 桐生冬芽 | 依存 |
第23話 | 御影草時 | ワタシ空想生命体 | ディオスの剣 | レイピア | - | 自覚 |
第25話 | 西園寺莢一 | バーチャルスター発生学 | ディオスの剣 | - | - | 関係(relation) |
第26話 | 薫幹 | 平俗宇宙に不滅の皇帝 | ディオスの剣 | エペ | 薫梢 | 誘惑 |
第28話 | 土谷瑠果 | 天使アンドロギュヌス | ディオスの剣 | エペ | 高槻枝織 | |
第29話 | 有栖川樹璃 | わたし万物百不思議 | ディオスの剣 | エペ | 土谷瑠果 | |
第32話 | 桐生七実 | 天然同胞宮殿遠近法の書 | ディオスの剣 | サーベル | 桐生冬芽 | |
第36話 | 桐生冬芽 | 寓意・寓話・寓エスト | ディオスの剣 | ロングソード | 西園寺莢一 | |
第38話 | 鳳暁生 | 体内時計都市オルロイ | ディオスの剣 | 世界の果ての剣 | - | 革命 |
ゲーム版 | 三条院千種 | ゲルツェンの首 | ディオスの剣 | かつての想い人のサーベル | ||
ゲーム版 | 生徒会(人数は進行状況により変化する) | さかさまボクとボクの部屋 | 生徒会の剣 | 生徒会の剣 |
主題歌
オープニングテーマ
作詞 - 奥井雅美 / 作曲・編曲 - 矢吹俊郎 / 歌 - 奥井雅美)
エンディングテーマ
『truth』(1-24話)
作詞 - 藤林聖子 / 作曲 - 新井理生 / 編曲 - 平間あきひこ / 歌 - 裕未瑠華
「バーチャルスター発生学」(25話-38話)
作詞・作曲 - J.A.シーザー / 編曲 - 光宗信吉 / 歌 - 上谷麻紀
『Rose&release』(最終回)
作曲・編曲 - 矢吹俊郎 / コーラス - 奥井雅美
挿入歌
合唱曲『絶対運命黙示録』
作詞・作曲 - J.A.シーザー
関連イラスト
公式企画
関連動画
第1話
オープニング
エンディング
関連タグ
作品全般・評価タグ
絶対運命黙示録 アドゥレセンス黙示録 幾原邦彦 90年代アニメ
少女革命ウテナ100users入り 少女革命ウテナ500users入り 少女革命ウテナ1000users入り 少女革命ウテナ5000users入り 少女革命ウテナ10000users入り
カップリング・グループタグ
詳細は「少女革命ウテナCP・グループタグ一覧」記事を参照。
その他二次創作タグ
『愛天使伝説ウェディングピーチ』:同時間枠前々々番組(『ウテナ』の直前は『赤ちゃんと僕』の枠移動後第3クール)。『美少女戦士セーラームーン』の元スタッフが制作に携わっていたり、漫画版がちゃお連載など、共通点が少なくない。
『機動戦士ガンダム水星の魔女』:ウテナの小説版とゲーム版脚本を手掛けた大河内一楼が、後にシリーズ構成・脚本を手掛ける作品。当該作でオマージュをしていると思しき箇所もある。