手放すな、欲望は君の命だ
概要
人と人との繋がり(関係)をテーマにしたSFアニメ作品。
2019年4月からフジテレビ、関西テレビ、東海テレビ、サガテレビ、岩手めんこいテレビ、さくらんぼテレビ、秋田テレビ、鹿児島テレビなどで、ノイタミナ枠にて放送された。また、フジテレビとは約1ヶ月遅れでアニマックスでも放送されている。
MAPPAとラパントラックの共同制作。
監督、シリーズ構成は幾原邦彦。
作品内では輪るピングドラムやユリ熊嵐のようなトリッキーで独特な表現が多い。
すしざんまいは関係ない、念のため。(但し放送開始に合わせて本当に公式コラボが行われた。)
作風
本作はぱっと見のイメージでは視聴者を選ぶ内容である。
主要キャラの大半が男性である事から所謂BLもの、腐女子向けと評価される事も多く、実際に幾原氏が過去に手がけた作品然り同性愛の要素も存在する。(あまつさえ放送に先行して連載されたスピンオフ作品はBL誌連載であった。)
更にバトルや変身の場面の肝となる尻子玉を奪い合う描写は非常にグロテスクで、1話はそのシーンが非常に強調されていた事もあり視聴者選びに拍車をかけた。
(放送1年前にゲゲゲの鬼太郎(第6期)の第9話にて同じく河童が尻子玉を奪う描写が話題になったが、本作における表現は鬼太郎の比ではない。これを受容出来るかがこの作品を視聴する上での最大のハードルと行っても過言では無い。)
また、唐突なミュージカルの開幕など表現方法に面食らった人も多いだろう。
しかしながら話の本筋は戦隊ものである。アニメ版のスーパー戦隊シリーズ、男子版のプリキュアといって差し支えない。主人公の3人が各々の大切な人やものを守るために浅草に襲来するゾンビ達と戦うという実に王道な内容である。
そしてこの作品は人間の欲や秘密が重要な題材となっており、思春期特有の不安定な心に始まり、未成年の子どもたちが現実でも晒されている問題や過酷な環境にも切り込んでいる。更に深夜時間帯の利を活かし人間の性(ジェンダー、性的指向、性欲)についても度々扱っている。
このように、ゾンビとの戦いで己や周囲の人間たちの負の側面に否が応でもぶつかりながら、人と人との「つながり」について探っていくのがこの作品である。BLを好む層を狙ったことは間違いないが、本質は対人関係が希薄になっていく現代に人間と人間のつながりは何か、それは善いものかを問う社会派の戦隊作品と言えよう。
評価
初回と最終回はTwitterでトレンド1位を獲得する程の盛り上がりを見せ、その他の回もランキング入りを度々果たし、特に第10話ではトレンド上位を独占した。
円盤の売上げも初動3000枚代を保ち続け、1巻は累計で6000枚以上にまで伸ばし近年のアニメ作品の中では成功の部類に入る。
また、東京アニメアワードフェスティバル2020のアニメオブザイヤー賞で10位、アニメファン賞では4位に選ばれた。
同じような特徴を持つ作品で例えれば、ジャンルは違えどポプテピピック枠と言えようか。(但しあちらの方が一回り円盤の売上げは勝っている。)
ストーリー
舞台は東京浅草。
ある朝、中学2年生の矢逆一稀は転校生の久慈悠と喧嘩になり、その弾みで河童の像を破壊してしまう。これによって河童のような謎の生命体ケッピを目覚めさせてしまい、ケッピの逆鱗に触れてしまった彼等はクラスメイトの陣内燕太ともども尻子玉を抜かれ河童にされてしまう。
河童に変身した3人は「欲望フィールド」といる生きている者には不可視の裏の世界に転送される。そこには夜な夜なゾンビが襲来しており、元の世界に人間として戻るためにはゾンビを倒さなければいけないと告げられる。
そしてゾンビに勝利すれば願いを叶える「希望の皿」が入手できる代わりに誰か1人の隠し事が全員に共有されるという代償が待ち受けているのだった。
秘密の共有によって運命共同体となった3人は各々の過去に向き合いながら、大事な人とものを守るためにゾンビ達との戦いに身を投じることを決意する。
主な登場キャラクター
- 矢逆一稀(CV:村瀬歩)
- 久慈悠(CV:内山昂輝)
- 陣内燕太(CV:堀江瞬)
- ケッピ(CV:諏訪部順一)
- 新星玲央(CV:宮野真守)
- 阿久津真武(CV:細谷佳正)
- 矢逆春河(CV:釘宮理恵)
- 久慈誓(CV:津田健次郎)
- 陣内音寧(CV:伊瀬茉莉也)
- 吾妻サラ(CV:帝子)
- カワウソ(CV:黒田崇矢)
話題
映像制作について
・キャラクター原案のミギー氏によれば、放送4年前の2015年に仕事の依頼があり、さらに映像制作のラパントラックのツイッターによれば2016年時点で第1話の制作が始まっていたとのこと。
また、当初は2クール展開を目標にしていたが放送枠の都合で1クールに短縮したという噂がある。(情報源と真偽を募集)
サントラについて
2019年7月21日、8月18日放送分のダーウィンが来た!(NHK総合放送)にて、本作品のサウンドトラックが用いられた。
特に8月18日分はカエルの特集時にさらざんまいのうたを流すという明確に意図的な選曲で話題となり、監督の幾原氏も言及するほどの盛り上がりを見せた。(ちなみに燕太のテーマも使われた模様。)
関連イラスト
関連動画
ラジオ
アニメ『さらざんまい』ラジオ番組「ぷれざんまい」
放送局は超!A&Gで、『A&G TRIBAL RADIO エジソン』内の10分フロート枠を経てアニメが放送されてからは30分に拡大しエジソンから独立した。
MCはケッピ役の諏訪部順一&監督・シリーズ構成の幾原邦彦
関連タグ
一般 | 幾原邦彦 MAPPA 2019年春アニメ |
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users入り | さらざんまい100users入り → さらざんまい500users入り → さらざんまい1000users入り |
腐向け棲み分け用タグ | srznmi【腐】 |
その他 | すしざんまい(2019年4月1日にコラボレーションを実施) |
関連作品
ユリ熊嵐...監督の前作。こちらは女性の恋愛に焦点を当てている。
星合の空...同じく2019年放送のアニメで中学2年生の男子が主人公、中学生達が抱える問題の題材に共通点がある。2クールの予定が1クールになったという意味でも同じで有り、それに対する監督の対応の差が真逆であったことが有名。
エイジ...重松清による作品。やはり中学2年生の男子が主人公で同級生が起こした事件や主人公の周りにある問題の題材に共通点がある。終盤で「キレる」という事を人と人との繋がりに喩えて主人公が答えを出す。
外部リンク
個別
pixivision
- ファンアート特集 - 君とのつながりを手放さない。(2019.06.21公開)