心・技・体!!
概要
「体操」をテーマに、体操選手達の熱く、それでいて時に笑え、時に泣ける物語が描かれる。
監督は清水久敏、シリーズ構成は村越繁、キャラクターデザインは深川可純、音楽は横山克、制作はMAPPA。
2020年10月から12月にかけて地上波ではテレビ朝日系列の『NUMAnimation』枠にて放送された。この他、ABEMA、TERASAなどの動画配信サイトにて配信されているほか、朝日新聞社系のCSテレビ局の一つであるテレ朝チャンネル1でも放送された。
体操が題材となるアニメは「ガンバリスト!駿」以来24年ぶりだが、あちらがスポ根の王道を往く内容なのに対し、本作はピークを過ぎケガに喘ぐベテラン選手(しかも引退勧告を突きつけられてしまっている)が主人公と、他のスポ根アニメとは一線を画した内容となっている。
OP主題歌はORANGERANGEの代表曲『上海ハニー』の、出演者によるカバーだった事や、登場キャラクター達が組体操で「TAISO」(体操)を表現しているが、SとOの体勢がとても常人にはできなさそうな物であった為、密かな話題になっている。
第3話ではTV放映版にて「トップガン」のBGMが使用され、以降も数々の洋画ネタが登場したが、ネット配信ではパロディ曲に差し替えられた。なお、ブルーレイ(ボックス)での対応は未定。
この他、時代背景が2002年であったことを反映して、モーニング娘。をはじめとした当時の流行歌やアザラシのタマちゃん(雑誌記事)などが作中で登場している。しかしながら(流石に)Yahoo!はパロディされた名義になっているなど現実世界とはやや差異がある。
あらすじ
時は2002年。
体操選手の荒垣城太郎は嘗て一流アスリートであった。
しかし、年波や肩の怪我等の要因が重なり、最近では思うように演技が出来なくなっていた。
娘の玲の為にも一度は引退を考えた城太郎であったが、謎の青年レオナルドとの出会いが、彼の運命を大きく変えることになる。
登場キャラクター
荒垣城太郎(CV:浪川大輔)
本作の主人公。29歳。
嘗ては体操選手の日本代表として何度もメダルを獲得し、後ろ髪を結った姿から「サムライ」と呼ばれていた。
体操に情熱を注ぐ熱い男だが、結構な天然ボケをかますことも多々あり、体操への情熱も相俟って天草からの引退勧告をそれと知らずに蹴り続けていた。
一方、娘想いな面もあり、一度はこの先の玲との時間も考えて引退を決めるが、引退会見でそれを撤回。
様々な困難に直面しながらも、体操選手として戦い続けることを選んだ(この時に口にした「引退しま…せぬ」が作中世界で話題となった)。
肩を慢性的に痛めていた他にも、良くも悪くも真っ直ぐな性格が災いして練習のし過ぎで「オーバートレーニング症候群」に陥りかけていたが、ブリトニーの診察を受けて復活。
同時に、今まで自分が如何に周りに支えられていたのかも痛感した。
城太郎の一人娘。9歳。
明朗快活な小学生ながらしっかり者で、家事もこなせる。
華麗に動く父親や母親が出演していた作品を見ていた影響で忍者が大好き。
レオナルド(CV:小野賢章)
城太郎と玲が出会った異国人の青年。16歳。通称「レオ」。
色白につぶらな瞳と儚げな印象が強いが、幼い子供のようなハイテンションな言動が多く、マイペース過ぎて常識に欠ける面もあるなど、良くも悪くも幼しげで純粋無垢。
一方、人懐っこい面もあり、友樹と直ぐに打ち解ける等社交性は高い。
また、忍者のように頭巾を常時着用しているが、正装に着替えると周囲が注目する程のイケメンになる。
日本語はまだ不慣れらしく、「拙者」や「ござる」等時折話し方が時代がかることもある。
身体能力は非常に高い。
何やら黒服の集団に狙われており、彼らに見つかると強制送還させられてしまう模様。
何故か城太郎を知っているらしく、旅行先で偶然出会った彼の自宅まで着いてきてしまい、そのまま居候することになる。
同時に、マリの勧めにより彼女の店で働くことになる。
その正体は天才バレエダンサーであり、周囲からの期待や羨望の眼差しに耐えられず、ある時ネットで見かけた日光江戸村へ忍者スタントマンとして亡命してきた事が荒垣家との出会いの切っ掛けになった。
城太郎を親の敵の如く嫌う、日本体操界のホープ的存在。17歳。
高い実力を誇る上、努力家でもあるが、自分のこと以外は眼中になく、コミュ障気味なこともあって、周囲からやや孤立気味。
天草紀之(CV:堀内賢雄)
城太郎のコーチ。
雰囲気は渋いが、彼なりに選手のことを常に思いやっている。
一方で明るい兆しの見えない今の体操業界を憂いている。
親バカのきらいもあり、娘がファンだというサッカー選手のベッカムの髪型に似せているが、似合っていないと不評な模様。
引退を勧めた上に慢心から自分の意思を蔑ろにした城太郎を一度は突き放してしまうものの、内心では彼を心配し続けており、自分の至らなさを自覚して頭を下げてきた城太郎と再び歩んでいくことを決めた。
滝沢友樹(CV:吉野裕行)
城太郎と同じクラブの体操選手。
子供たちの指導役でもある。
軽い性格でチャラ男のような口調で喋る他、テンションが上がるとラップ調になる。
レオナルドを「レオ丸」と呼ぶ。また、他人の声真似も非常に上手い。
表向きは軽薄だが、努力家でもあり、13年という長い月日をかけて磨いてきた技術は城太郎にも匹敵しうる。
中ノ森真彦(CV:平川大輔)
(画像左側)
鉄男のコーチ。
孤高な鉄男とは対照的に常に朗らかな笑みを絶やさず、物腰も柔らかな人物。
城太郎とも顔見知りである。
一匹狼気質な鉄男には頭を悩ませている一方で、「てっちゃん」と呼び、教え子として信頼している。
故に、彼が気の迷いを見せた際には厳しい声で静かに一喝する等、時折コーチらしい一面を見せることもある。
リュウ・リュウショウ
CV:神谷浩史
中国のエース体操選手にして、体操界世界最強の呼び声も高い実力者。
実際、日中合同合宿では日本トップレベルの鉄男を下している。
無駄話を好まない為寡黙な人物だが、必要とあれば普通に会話する。
良くも悪くも合理的且つ客観的で、自分の限界もほど近いことを悟っている一方で、「死ぬまでやり続ける」と宣言する城太郎にはやや呆気に取られている同時に興味を持っている。
中国の女性体操選手。推定小学高学年~中学生。
明るくフレンドリーな年相応の感性の持ち主だが、金メダルを取る実力者。
一方で、体操以外にもやりたいことが沢山あるらしく、行く行くはアイドルにもなりたいと思っている。
知世の大ファンであり、合宿経由でその夫である城太郎を経由して玲と知り合い、友達になる。
荒垣マリ(CV:田中敦子)
城太郎の母親。
池袋でスナックマリーを経営しており、年に似合わぬド派手で豪快なファッションが特徴。
ぶっきらぼうに見えるが、職業柄様々な人生を垣間見てきた故に器量もあり、レオナルドのこともあっさり受け入れた。「来るもの拒まず、去る者追わず」がポリシーで、他人に対して余計な詮索はしない。
但し、取るもんはきっちり取っており、家賃回収の名目で自分の店で彼を働かせている。
カラーギャングの舎弟が大勢いる。
荒垣家で飼われてる南米産の鳥で一人称は「ワイ」または「ビッグバード」。
緑色の羽毛と大きな嘴を持ち、オオハシの近縁種と思われるが詳しくは不明。胸にハートのような模様がある。現地で幸せを呼ぶ鳥と呼ばれている種類らしい。
目がイっており、口やかましく鳴いたり、こぼしたおかずを拾い食いする為、玲から折檻を受けて白目で絶叫するのがお約束。
あゆ(CV:水樹奈々)
スナックマリーのバイト。
ガングロメイクが特徴的な姿の典型的なギャルだが、赤壁の戦いなど歴史に詳しい一面を持つ他、外国語も意外と堪能。
また、「元傭兵」という独自設定があるらしいが、それに違わず動体視力や護身術も手強いなど、妙にハイスペックな面が多い。
レオナルドの教育係も務める他、玲の宿題もよく手伝う等面倒見も良い。
同じギャルの親友が大勢いる。
滝沢に言い寄られているが、軽くあしらっている。
ブリトニー(CV:小山力也)
スナックマリーの常連客。本名「川本」。
スキンヘッドに派手なメイクが特徴のニューハーフ。
普段は女言葉を使って落ち着いた雰囲気で話すが、激昂すると荒っぽい口調になる。
職業は整体師で針治療も出来る。
医師としての知識や腕前は確かな物であり、心身ともに追いつめられていた城太郎を救って見せた。
レオナルドを密かに気に入っている。城太郎のリハビリを兼ねて始めた太極拳は周囲の人々の注目を集め、今や多くの人が太極拳に参加している。
荒垣知世(CV:三石琴乃)
故人。城太郎の妻で玲の母親。
旧姓「三船」。
本編開始前に病死している。
生前は時の大女優であり、世界的にも有名だった模様。
玲曰く何でも完璧にこなしてしまう正に理想の母親そのものであったらしいが、それは娘の前だけの話。
実際はずぼらな時はとことんずぼらで、夫婦喧嘩の際にも大声で怒鳴るだけでは飽き足らず、手を挙げたこともあったらしい。
関連動画
関連タグ
ユーリ!!!onICE:本作と同じMAPPAが手掛けたオリジナルスポーツアニメ。また、東京都(をはじめとする関東地方に加えて長崎県)における放送局が本作と同じ。
RE-MAIN:これまたMAPPAが手掛けたオリジナルスポーツアニメ。本作同様テレ朝チャンネル1(など)にて放送。
いわかける!:テレビ朝日系列にて本作の後枠で放送されたスポーツアニメ。こちらはスポーツクライミングを題材としたもの。
鬼瓦権造:スナックマリーの常連客の一人の元ネタ。
NUMAnimation枠
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