概要
語源は萩本欽一がジミー大西の「ボケ芸」にほれ込んで楽屋に呼んだら、実は「芸としてボケてたのではなく元からああだった」という事に対し、周りに「天然だった」とつぶやいた事から。
現在では「常識的知識や価値観を備えておらず、独自の知識や価値観に基づいて行動した結果、周囲からボケた行動だと認識される人々」の通称となっている。厳密にはこれは周囲と個人の価値観の相違であり、誰しもが少なからず有している事柄である。
この言葉に否定的なイメージはほぼ無い。というか一種の萌え要素と化している。
しかし、一方では馬鹿・変人という言葉の代わりに使われたり(「バカ」とか「変な人」とはっきり言ってしまうと角が立つので)、厳密には天然ボケではないものの、ちょっとしたミスが多かったり、ただ単に雰囲気や言動がおっとりしているというだけで天然と言ったり、さらには何でもかんでも少しでも周りとは異なるところがあるだけで簡単に天然と言ってしまうような傾向も見受けられ、天然ボケの定義があいまいなまま言葉だけが独り歩きしているようでもある。
本人がその行動の効果を承知した上で、予めある意図を持ってわざと天然ボケのように装うことを指して、「計算」や「狙う」という表現が使用される。
そのような行為を行う人のことを「ニセ天然」「エセ天然」「計画ボケ」「養殖」「ぶりっ子」「カマトト」と呼ぶこともあるようである。
性格設定としての「天然ボケ」
諸々の考え方はあるが、語源に合わせれば当人は真面目(または普通)のつもりでも、周囲の大勢からすれば非常識的あるいは「ボケている」と判断されるような行動・価値観を披露する性格。
重ねて言おう、「当人は大真面目である」。
架空の作品に登場する人物においては、概して独特のマイペースさを持つ人として扱われることが多い。特に漫画などの娯楽作品では、常人の予測できない言動をとることで「自覚なしに周囲を困らせる厄介者」というネガティブな見方がされることもあるが、「面白い人」などといった好意的な見方をされることもしばしばある。
しかし『天然』と付く以上、「本物」の天然ボケは周囲とのズレを全く意識していないのであり、それを狙ってわざとズレた言動を起こしたり、あまつさえ天然ボケを「自称」する人間は前述の「ニセ天然」であり、むしろ他人の油断を誘おうとしている「腹黒」と評価される場合もある。
付随する性格として、大らかなのか世間知らずなのかで大別されることが多い。
異説
「顔のいいバカ」という身もフタもない意見もある。
参考外部リンク
やったねジミーちゃん、美男子認定だよ。
天然ドS
この手の性格のキャラはそれゆえにそれが自分の家族であってもしばしば相手を無意識のうちに傷つける事がある。そのためこういったキャラはしばしば「ドS」要素を含むことがある。
>鬼畜こけし 鬼畜和菓子 鬼畜スカーフ
アホの子との違い
芸能界由来の天然という言葉に対して、アホの子はもともと萌え属性用語である。
また「意図」に注目して天然と腹黒を区別する天然に対して、アホの子は純粋に頭が悪いもしくはわざと無茶するのが特徴という「結果」に注目する。中には行動が常識的でないヤンキータイプがいるのも少なくない。
詳細は→アホの子参照
誤用
真面目なキャラ、大人しいキャラ、素直クール、ゆるふわ系、おっとり系で性格のいいキャラが天然ボケと言われることがあるが、この性格のキャラに天然ボケ要素が付くことが多いだけで、この性格自体は天然ボケとは言わない(真面目系クズも同様)。
詳細は→シリアスな笑い だいたい合ってない だいたい合ってる参照
例えば、暴力、性的な物事、他人の不幸「以外」に関心を示すのが普通の視点で、そうじゃないほうが普通じゃない視点(ボケ)といった見方もできるのだ(平和ボケと戦争ボケが同時に存在している点からも分かる)。
ある人物が天然ボケかどうかが、登場人物ではなく、漫画の出来事を傍観する読者にしか分からないケースや絶対に邪魔が入らないフィクション以外で長い間隔でボケる天然ボケを認識できないケースもある。
関連イラスト