「ガルガルしないで、一緒に『わんだふる』しよ!」(第7話)
本項では主に人間の姿について説明する。犬の姿についてはこむぎ(プリキュア)を参照のこと。
概要
『わんだふるぷりきゅあ!』に登場するキャラクター。メスのパピヨン犬(妖精などではなく純粋な小型犬)。本作の主人公。
本作の主人公で、元々は迷子犬だったが、雨の日に現在の飼い主である犬飼いろはに保護された。(詳しくは後述)
プロフィール帳によると、好きな色はピンク、好きな食べ物はクッキー。
誕生日は5月13日。(『だいすきプリキュア! わんだふるぷりきゅあ!&プリキュアオールスターズ ファンブック vol.1』より)この日は「愛犬の日」として知られている。
年齢は不明(後述)。
プリキュアに変身したきっかけは、第1話。いろはと海浜公園を散歩していたところに現れた謎の怪物・ガルガルである。
ガルガルに襲われたいろはを助けたい一心で、必死に吠え続けたこむぎ。その強い思いに応えるように、こむぎが公園で見つけていた鏡石のような石がワンダフルパクトに変化。
こむぎは人間の少女の姿となると、キュアワンダフルへと変身した。
動物が人間の姿に変身してプリキュアになる設定や、亜人プリキュアが主人公になるのはシリーズ初。
前作では異世界人が主人公だったが、本作ではついに人間ですらないキャラクターが主人公となった。
変身能力を得たこむぎは、犬の姿でも人間の言葉を話せるようになったが、犬の姿で話すと一般人に怪しまれるため、いろはからは人前で話さないように注意されている。
一人称は基本的に「こむぎ」。人間の姿では「わたし」も使い、キュアワンダフルに変身している間は主にこちらを用いる。
犬の姿の際は語尾に「ワン」が付く。
また、いろはの口癖「ワンダフルー!」を真似した「わんだふるー!」という口癖を持つ。
この表記がひらがななのは、こむぎがまだカタカナを読めないため。(アニメージュ誌2024年3月号より)
犬の姿と人間の姿は、ワンダフルパクトを使って自由に切り替えられる。ただし、眠気や疲れが強いときには、自動的に犬の姿に戻ってしまう。
人間の姿に特別な執着があるわけではなく、状況に応じて犬と人間の姿を使い分けている。
第1話で人間に憧れていたのも、「人間になればもっといろはと一緒にいられる」と考えたからにすぎない。
人間の姿になると体質も人間と同様になる。作中ではたびたび動物にとって有害なものが登場するが、そんなときは「人間の姿になってから」と注意されるのがお約束となっている。
人間の姿になったことで、いろはと同じ私立湾岸第二中学校に通うようになった。学校では「いろはの従姉妹」という設定で周囲に説明している。
ちなみに、飼い犬に苗字があることを不思議に思う者もいるかもしれないが、動物病院などでは普通に見られる扱いである。
性格
純粋で素直、表情豊かで人懐っこい性格。また、好奇心旺盛で食べることが好き。
自分を拾ってくれたいろはのことが大好きで、毎朝ベッドに飛び込んで起こしに行くほど。人間に変身していろはと直接会話ができるようになったことを心から喜んでいる。
元が犬であるため、人間社会の常識には疎い部分があり、人間の姿をしていても犬らしい行動をとることが多い。
説明を聞くのが苦手で、メエメエが話している最中にいろはと遊んだりじゃれたりすることもしばしば。そのたびに「話を聞いてくださ〜い!」と叱られる様子が描かれている。
また、素直すぎる性格が災いし、思ったことをそのまますぐ口にしてしまう癖がある。
そのせいで秘密にしておくべきことをうっかり話してしまい、いろはたちが慌てて止める場面も少なくない。
こむぎは小型犬ながら勇敢な一面を持っており、いざという時には敵に立ち向かう強さを見せる。
だが、動物としての本能的な恐怖が出ることもある。
例えば、猛獣タイプのガルガルの咆哮を聞いただけで足がすくみ、震えて動けなくなったこともある。
(特にライオンなどは、動物園にも行ったことがないこむぎにとって未知の存在であり、初めての経験も相まって戸惑っていた)
しかし、大好きないろはと一緒にいたいという強い想いで、こむぎは恐怖を克服してみせた。
また、いろはに対する愛情が強すぎて分離不安のような傾向が見られることもあった。
例えば、登校するいろはを引き留めようとして服に噛みついたり、いろはが学校にいる間は家族の呼びかけにも応じず、窓辺で外を眺めていたりすることがあった。
プリキュアの力を得た後も、いろはと遊ぶ時間が減ることを嫌がり、初期にはプリキュア活動を拒否する場面も見られた。
活動に前向きになった時も、その行動原理は「いろはが幸せでいるため」という一貫したものだった。
当初、こむぎは「みんな大好き素敵な世界」という変身口上を唱えつつも、「みんな」や「世界」といった大きな概念には興味を持っていなかった。
しかし、物語が進む中で、いろは以外の「みんな」や「世界」にも少しずつ関心を向けるようになっていく。
第2クールに入る頃には、ガルガルを助けるために自主的に行動するまでに成長を見せた。
なお、こむぎは本作のプリキュアメンバーの中で唯一、「恋」という感情を理解していない。
そのため、いろはを好きな兎山悟といろはの間に割って入ろうとして、猫屋敷まゆや猫屋敷ユキに止められる場面が何度も描かれている。
容姿(人間態)
犬としての姿についてはこむぎ(プリキュア)を参照。
茶髪の二股に分かれたポニーテールで濃いピンクの大かなリボンを結んでいる。ぱっちりとした大きな赤色の瞳の少女。外見年齢や身長はいろはと同程度。
前髪に犬形態の時同様クリーム色の癖っ毛がある。元々が犬で動物の為か、猫口になっているのも特徴(キュアワンダフル時にも共通している)。
服装
私服
春服と冬服の2種類があり、春服は第1話~39話、冬服は40話以降に着用する。
春服はパステルピンクのフード付きパーカーワンピース。胸辺りにはアクセントの濃いピンクの蝶結びのリボンを結んでおり、ウエスト辺りの両サイドにハート型のポケットが付いている。
左腰にワンダフルパクトを収めるポーチを付けている。
スカートの下はショート丈のインナーを着用している。
足元は洋服と統一がとれたピンク系統のハイカットスニーカーに、短めの白ソックスを履いている。
冬服はパステルピンクとビビッドピンクの長袖パーカーワンピースで胸部分に薄紫のリボンが着いている。
靴はピンクのロングブーツ。
制服
私立湾岸第二中学校の女子制服のトップスとキュロットパンツ、紅色のリボンタイの組み合わせとなっている。
家族構成
※犬飼家も参照
年齢
こむぎの年齢は明確には分かっていない。本人もいろはに拾われる前の記憶がなく、公式にも特に明示されていない。
ファンブックには人間の姿について「14歳くらい」と記載されているが、これは「14歳くらいの人間に変身している」という意味であると考えられる。
(犬としての実年齢が14歳なら、人間換算で70代の老犬となってしまうため)
犬としての実年齢については、物語開始の2年前にいろはに拾われているため、最低でも2歳(人間換算で24歳)以上と考えられる。体格などから、ファンの間では5~9歳程度ではないかと推測されている。
小型犬の一般的な年齢換算では人間の30~60歳程度にあたるが、作中では外見相応の無邪気で明るい性格として描かれている。
また、人間の姿が犬としての実年齢に比例していない理由は明らかになっていない。
「いろはと一緒にいたい」というこむぎの願いが鏡石に反映され、いろはと同年代の姿を与えられたのかもしれない。
スペック
脚が速く、体力や反射神経に優れているなど、全体的な身体能力が非常に高い。
たとえば、サッカー部の男子・猪狩勝の強烈なシュートをすべてキャッチしたり、極めて短時間で学校を一周したりすることができる(その際、猪狩が全力で走っても追いつけなかった)。
さらに、その間ずっとガルガルの卵を頭に乗せていたが、一度も落とさなかったことから、バランス感覚も抜群である。
なお、走るときに両手を広げる癖が見られることがある。
また、人間の姿でも犬特有の鋭い嗅覚を保っている。
加えて、すべての動物の言葉を理解できる。声帯がなく、鼻を鳴らすことで表現するウサギの大福の言葉も正確に理解可能。
この能力は人間の姿でも失われないが、悪に染まって荒ぶるガルガルとのコミュニケーションは難しい模様。
正体が犬であるため人間社会の常識には疎いが、発想力や行動力には優れている。
学校に行くために家を飛び出した際には嗅覚を使っていろはを追跡したり、速い馬型のガルガルにはキラリンライオンの力で加速して対処したりと、柔軟な判断を見せる。
寝相は悪く、基本的に仰向け(へそ天)で爆睡する。
また、前述の通り人間の姿で眠ると犬の姿に戻ってしまうが、眠気が強くなるほどテンションが上がり、逆に目が冴える特性を持っている。
ただし、限界を超えると突然電池が切れたように爆睡してしまう。ちなみにこの特性は飼い犬あるある。
こむぎの過去
現在は犬飼家の一員として暮らしているこむぎだが、元々は保護犬である。
保護当初のこむぎは非常に警戒心が強く、人に懐こうとしなかった。
いろはの母・犬飼陽子は、こむぎの体は傷だらけだが、それ以上に「心に深い傷を負っている」と判断していた。
いろはがこむぎを発見したとき、こむぎには首輪がついており、以前は誰かに飼われていた可能性が高い。
当初は「元の飼い主が見つかるまで」という条件で一時的に犬飼家に預けられていた。
こむぎ自身も「いろはに拾われる前の記憶が曖昧」と語っており、その過去は不明だった。
ファンの間ではこむぎの過去について、「大好きだった前の飼い主と離れて苦しんでいた」という説と、「前の飼い主に辛い目に遭わされていた」という説があった。
そして、第38話でその一端が明らかになり、前者が事実であることが判明した。
こむぎの元の名前は「栗原マロン」で、栗原という人物に愛情を持って飼われていた。
しかし、栗原が老人ホームに入所することになり、マロン(こむぎ)は結城綾子によって動物保護施設に引き取られることに。
マロンは栗原と離れることを嫌がり、ケージの鍵を解除して窓から脱走。その先でいろはと出会うことになる。
こむぎは栗原と再会した際、その撫でられる感触から、かつて大切にされていたことを思い出している。
栗原によれば、マロンは「小食で臆病」だったといい、現在のこむぎとは正反対の性格になっている。
栗原がいろはにこむぎを託すことを認めたため、前の飼い主に関する問題は解決したものの、こむぎにはいまだ多くの謎が残されている。
- いろはに拾われるより前の記憶が曖昧になっている理由
- 栗原との再会で一部の記憶は戻ったものの、保護施設から脱走し、いろはと出会うまでの間に負った心と体の傷についての詳しい経緯が不明である
- 少食で臆病だったマロンが、現在の明るく活発な性格へと変わった理由(記憶を失ったためにしても、正反対すぎる)
- 保護施設を脱走してから2年間、結城綾子に連絡が届かなかった理由。綾子が警察に捜索願を出していたことや、陽子も保護当時に法律上届け出をしているはず※のことを考えると、この期間の動きに謎がある
※迷い犬の保護には警察と保健所への連絡と、遺失物拾得届を提出することが義務づけられており、それが怠られた場合、刑法254条の占有離脱物横領罪に問われる。(これは犬を含めた動物は基本、法律上では物として扱われるため)
なお、こむぎが普通の犬であるならば血縁関係の兄弟姉妹がいる可能性が高いが、いろはが発見した際には一匹だけであったため、詳細は不明である。
栗原や綾子の証言にも、こむぎの出生に関する情報は含まれていない。
しかし、これについては特に説明がないまま物語は終わってしまう模様。
余談
- 主人公が「普通の犬」である設定は『プリキュアシリーズ』のみに留まらず、ニチアサ全体でも類稀なる特徴である。
- 主人公が動物であったニチアサ作品はメイプルタウン物語など過去にも存在する。
- しかし、それらの作品は主人公以外の登場人物も擬人化された動物であったのに対し、本作は人間たちが住む世界での動物主人公となっている。
- 特に実写では主人公にするのはまず難しい設定である。
- 主人公が動物であったニチアサ作品はメイプルタウン物語など過去にも存在する。
- 地球人以外のプリキュアメンバーで名前がひらがな表記になったのは花海ことは/キュアフェリーチェ以来8年ぶりの事例となる(『Go!プリンセスプリキュア』以降、基本的に地球人の名前はひらがな、異世界人や亜人の名前はことはを除いてカタカナ表記で統一されていた)。
- バンダイから販売されているプリキュアチョコのパッケージには、キュアワンダフルが板チョコを手に持ってるイラストが描かれている。しかし、犬にとってチョコレートは大変危険な食べ物である(原料のカカオに含まれる「テオブロミン」という成分が原因)。
- そのため、「このパッケージはよろしくないのでは」「子供たちが飼い犬にチョコを食べさせる事故が多発しそう」「公式は犬の生態を知らずに作ったのでは」と放送前からも物議を醸していた。
- しかし、パッケージにそれに関する注意書きはされており、上記のように、人間の姿だと食性も人間と同じになることが判明したため、ワンダフルの姿ではチョコレートを食べても健康面での問題はないと思われる。もっとも、幼いメイン視聴者が誤解する可能性がないとは言い切れないが。
- そのため、「このパッケージはよろしくないのでは」「子供たちが飼い犬にチョコを食べさせる事故が多発しそう」「公式は犬の生態を知らずに作ったのでは」と放送前からも物議を醸していた。
声優について
演者の長縄氏はHUGっと!プリキュアの十倉じゅんな・未来の戦士以来6年ぶりのプリキュアシリーズ出演で本作はレギュラーでの再登板となる。
まさか自分がプリキュアになれるなんて思っていなかったので、本当に信じられないという気持ちでした。 その後すぐに、嬉しい気持ちと頑張りたい気持ちと感謝の気持ちと、たくさんの想いが込み上げてきて泣いてしまいました。
夢と憧れが詰まっていると思います。
小さい頃見ていて、プリキュアのように可愛く変身したり、かっこよくバトルしたくてたまりませんでした。
自分もプリキュアになれる日が、ある日突然くるのではないかとワクワクもしていました。
そんな素敵な気持ちをくれる作品だと思っています。
小さい頃プリキュアを見ていて、たくさんの素敵な思い出や気持ちを作品からいただきました。
今プリキュアを楽しみにしてくれている皆さんにも、夢と憧れを、思い出とワクワクする気持ちを、それからたくさんの「わんだふる~!」をお届け出来たらと思っています!
精一杯頑張ります!
韓国版ではパク・シユン(박시윤)氏がこむぎの吹き替えを担当。
パク・シユン氏は韓国国内では『エヴァシリーズ』のアスカ役や『SPY×FAMILY』のアーニャ役、ゲームでは『ブルーアーカイブ』の杏山カズサ役(韓国版)などを演じており、高い演技力で長縄氏の演技をしっかり再現しており日本人のファンからも評価が高い。
なお日本では飼い主の声優がアーニャ役を担当している為、日本とは逆の構図になった。
各話エピソード
『ひろがるスカイ!プリキュア』第50話
(最終話、初回放送版&TVer版)
- 毎年恒例となるバトンタッチ映像で先行登場。キュアスカイやエルちゃんとキュアワンダフルの姿で共演し、「元気いっぱいですね」と評された。簡単な自己紹介の後、最後は「ホップ、ステップ、ジャーンプ!」の台詞と共にジャンプをする様子の静止画で締めくくった。
- ここ近年の作品の傾向とは異なり最終話本編には登場しなかったが、ひろプリ最終話ラストシーンでキュアスカイに助けられた女の子のCVが長縄氏という説がある。
本編
■第1話
- 朝、一緒のベッドに寝ていたいろはより早く目覚め、「待ちきれないよ、早く行こう」とばかりにダイブしていろはを起こすこむぎ。こむぎはいろはが大好きだった。日課である朝の散歩で、いろはと共にアニマルタウン中の動物に挨拶して回る。
- いろはがバレーボール部の助っ人の為、慌てて出かけようとするが、片時もいろはと離れたくないこむぎは、しがみついて駄々をこねまくる。「こむぎ、おすわり!おてて!握手!イエーイ!」と仲良しサインを交わした隙にようやく引き剥がされても、陽子の手の中でジタバタ。いろはが玄関を出ると急いで2階に駆け上がり、いろはの部屋の窓から見送るという未練たっぷりの有り様。
- 陽子は「気持ちはわかるよ、こむぎはいろはが大好きだもんね。学校にもお出かけにも一緒に行きたいよね」と理解を示してくれたが、やはり淋しいものは淋しい。二人の小さい女の子が仲良く笑いながら歩く姿を、こむぎは羨ましげに眺めていた。自分が人間だったら、ずっといろはと一緒にいられるのに…。
- いつの間にか眠り込んだこむぎは夢を見ていた。いろはに「お散歩楽しいね~、こむぎ!」と話し掛けられる自分は人間になっていて、手をつないでいる。しかし友たちから遊びに誘われたいろはは、こむぎの手を…ではなく、リードを放す。こむぎも元の犬の姿に戻ってしまっている。「こむぎはお留守番ね」と言い聞かせて走り去るいろはを懸命に追いかけるが、その背中は遠くなるばかり…。
- 目が覚めて思い出すのは、夢の中でいろはと手をつないだ事。だが現実は厳しく、犬の自分と人間のいろはが手をつなぐなんて、土台無理な話でしかない。しょんぼりしているところに丁度いろはが帰って来たので、一転して大喜びでお出迎え。頭を撫でてもらい、ブラッシングにおやつで満足したところで、午後のお散歩へ。
- 鏡石のところで「姿が映らないのに鏡石と呼ばれるのはなぜか」と考え込む兎山悟と彼のペットであるカイウサギの大福に出会い、「『鏡石に姿が映ると願いが叶う』って言われてる」といろはが言うのを聞き、鏡石を見つめてみたが何も起こらず、ため息をつくこむぎ。しかし目を逸らした時、一瞬鏡石に自分の姿が映った事にこむぎは気付かなかった。
- 気を取り直して午後の散歩を楽しむこむぎといろは。その道中、2人(1人と1匹)は引っ越しトラックの作業員達が引っ越しの準備に取り掛かっていた所を見かける。どうやらこのアニマルタウンに新しいお店がオープンするようだ。そのこむぎといろはを、2階の窓から1匹の白い猫とこの街に引っ越して来た飼い主である女の子が見ていた。いろはと視線が合いそうになった女の子は驚いて隠れてしまったが、いろはは白猫に元気よく挨拶し、「またね~!」とその場を後にした。こっそり覗いていた女の子は飼い猫に猫パンチを入れられながらも、「あの子、ユキに向かって自己紹介してたね。変わった子…」と呟くのだった。
- 多くのペットと人々が集う海浜公園で一休み。いろはが投げたボールを追いかけていると、淡い光を放つ不思議な石を見つけるが、光はすぐ消えてしまい、首を傾げる。手にしたいろはが「ちょっと鏡石に似てない?」と呟いた時、嫌な雰囲気を感じたこむぎは唸り声を上げ始めた。公園中のペットも一斉に吠えたり怯えたりしている。地響きを立てながら現れた嫌な雰囲気の正体、それは巨大な羊のような黒色の怪物だった。
- 「ガルガルー!!!」見た事もない怪物の咆哮にすっかり怯えたこむぎは後ずさりし、いろははこむぎを連れて逃げようとするが、腰が抜けて動けない男の子と、飼い主を守ろうとするセントバーナードがいるのを見て、助けるべく走り出した。さっき見た夢と同じように、いろはが遠ざかって行く……だが追い掛けたくてもこむぎの足は震えて動かなかった。
- 指笛を吹き、自分に注意を引いて怪物から逃げ回るいろはだったが、足がもつれて転んでしまった。迫る怪物に、こむぎは遠くから吠えるのが精一杯。その瞳には大粒の涙が溢れていた。怖い。でもそれより、いろはのピンチに何もできない自分が腹立たしい。足が動かない自分が悔しく情けない。自分が人間だったら、もっと勇気があったら…。
- 怪物は前足を振り上げて、いろはを踏み潰そうとしていた。助けなくては、大好きないろはを自分が…!「ワン!」一声吠えたこむぎは勇気を振り絞って走り出す。いろはに向かって一直線に突っ走り、「ワオーン!」と魂の叫びを上げた時、不思議な石が眩い光を放つ。「いろはーーー-!!!」こむぎの吠え声は人語になり、その姿は人間の少女へと変わっていた。
- 両手を広げて怪物の前に立ちはだかるこむぎ。「プリキュア・マイエボリューション!」不思議な石はワンダフルパクトとなり、こむぎはさらにキュアワンダフルへと変身を遂げる。「みんな大好き素敵な世界!キュアワンダフル!いっしょに遊ぼ♪」
- 「いろはを傷つけちゃ…だめー!」怪物の突進を肉球型バリアで防ぎ、「何ガルガルしてるの!言う事聞かないとおやつ抜きだよ!」と叱りながらも、なおも襲い来る怪物をひらりひらりと躱し、楽しげなワンダフル。手に負えないと言わんばかりに逃げ出した怪物を「待て待て~!ははっ、追いかけっこだね!」とまるで牧羊犬の如く笑顔で追いかけ、とうとう疲れ果てた怪物を追い詰めた。
- そしてワンダフルは、怪物が自分の身にまとわりつく闇の気配を嫌がっている素振りに気付いた。「あなた、苦しいの?」動きが鈍った怪物に近づいたワンダフルは、怪物をそっと抱き締める。「こうするとね、苦しいのがなくなるんだよ。ガルガルしないで一緒に遊ぼ♡ 楽しい事、うれしい事がいっぱい。世界は素敵にわんだふる!なんだから」優しく諭された怪物の体から邪悪なオーラが消えてゆき、羊のような生き物が倒れていた。
- 変身が解けたこむぎは、「これでいろはと一緒だよ!」と満面の笑顔。半信半疑だったいろはも、「おてて、握手、イエーイ!」といつもの仲良しサインに応じる目の前の少女がこむぎだと信じざるを得ない。
こむぎ「ワンワン♪わんだふる~!」
いろは「えぇ~!?なんか…ものすっごく…ワンダフル過ぎな~い!!!?」
2人のわんだふるな物語は、始まったばかり!
■第2話
- 羊が目を覚まし、「この度は助けていただきありがとうございます」と礼を言い、いろはが「羊が立った!しゃべった!?」と驚くと、横から割り込んで、「いろは、いろは!こむぎも立ってるよ!しゃべってるよ!こむぎね、ずっといろはとおしゃべりしたかったの!だからうれしい!」と抱き着き、いろはも「わたしもこむぎとおしゃべりしたかったよ。すごいね、夢かなっちゃった!」と手を取り合って喜ぶ。おかげですっかり忘れられた羊は「話を聞いてくださーい!」とブチギレ。
- 彼は執事のメエメエと名乗り、「羊がメエメエ!」との早速のこむぎのボケに「し・つ・じでございます!」とキレながらも、動物の楽園ニコガーデンを謎の黒い闇が襲い、自分や仲間達は怪物に変えられた事を明かした。そこでこむぎが「ガルガル!メエメエ『ガルガル~』って言ってたよ、だからガルガル!」と口を挟んだ事で、以降この怪物の仮称を『ガルガル』と命名。
- ガルガルになった動物達を助けてほしいと依頼され、軽ーく「いいよ、いろはと一緒ならね!」と快諾するも、「こちらの人はプリキュアではないのでダメェ~!です」と拒絶されるや、「じゃあやだ!」と反発。「こむぎはいろはと一緒に遊びたいの!お散歩行ったり、ボール遊びしたり忙しいの!」といろはと一緒でいたい事を理由に依頼をお断り、「プリキュアが遊び優先とは~!」とまたまたキレられる。
- キレ疲れたのとガルガルになった反動で、眩暈を起こしたメエメエがキラニコトランクの中に入って休養したので、とりあえず帰宅。こむぎの事を両親にどう説明すべきかいろはが思案中に、こむぎが「これ押してみたかったんだ!」とインターホンを勝手に鳴らしてしまい大慌てしたが、こむぎの姿は犬に戻っていた。ぐっすり眠るこむぎを見つめながら、いろははメエメエの頼み通り動物を助けたいという思いと、こむぎを危ない目に遭わせたくないという気持ちの板挟みになって悩む。
- そんないろはの苦悩を余所に、翌朝こむぎはいつものようにいろはにダイブして叩き起こす。「いろは、おはようワン!お散歩行こ!」と犬の姿のままでも人間語が話せるようになっており、「やった~!いろはといつでもおしゃべりできるワン!」と大はしゃぎ。その調子で、起こしに来た陽子にも「おかーさん!お母さん、おはよ…!」と挨拶しようとするので、うれしいけれどいろはの頭痛の種は増える一方。
- 嫌な気配を感じ、人間になって駆け付けてみると、ダチョウのガルガルを発見。いろはが「どうしよう…」と呟くのを見たこむぎは、「こむぎ、ガルガル捕まえてくる! いろは、あの子を助けたいんでしょ? こむぎを助けてくれたみたいに!」と、すぐさまいろはの思いを読み取った。こむぎはかつて、怪我をして動けなかったところを、小学生だったいろはに助けられたのだ。
- 「痛くて、寒くて、一人ぼっちで、淋しくて、怖かったけど…いろはが抱き締めてくれてほっとしたよ。こむぎはね、いろはがいるから毎日わんだふるなの! ガルガル放っといたらいろは、わんだふるじゃなくなっちゃうよね?だからこむぎ、行くよ!」そう言ってこむぎはキュアワンダフルに変身した。
- しかしダチョウのガルガルは俊足で逃げ回り、嘴で突かれたり蹴られたりとワンダフルは苦戦。その姿を見て、いろはの心に「こむぎが痛いとわたしも痛い。こむぎと一緒の毎日がワンダフルなの!」という思いが溢れた時、いろはの前にもワンダフルパクトが出現し、キュアフレンディに変身を遂げる。
- 目をキラキラさせて「うわぁ~!うわぁ!わぁ!一緒だ!お揃いだ~!フレンディ!フレンディ!フレンディ!フレンディ!」と大はしゃぎするワンダフルを、そうそう喜んでいる場合ではないとフレンディが手で制すと、いつもの習慣で『待て』の態勢に。2人はガルガルを追いかけ、「友達になろうよ!」「一緒に遊ぼ♪」と闇から解放し、元のダチョウのような鳥の姿に戻してあげた。
- だがガルガルにさせられた反動で弱っているらしく、メエメエに相談した結果、ニコガーデンで休ませようという事になり、いろはとこむぎ、メエメエとダチョウは、キラニコトランクの中の不思議な空間からニコガーデンへと向かう。
■第3話
- ニコガーデンに到着。こむぎは「すっごい広いドッグランだ!」と犬に戻って走り回り、いろはも可愛い動物がいっぱいの光景に釘付けで歓喜。「わんだふる~!」「ワンダフル~!」と2人揃って大はしゃぎし、またも忘れられたメエメエを「話を聞いてくださ~い!」とキレさせる。
- メエメエが奇妙な果実を食べさせるとダチョウは元気になった。「ニコガーデン特産の、美味しくてニッコニコになるニコの実」との事で、一口食べたいろはの「美味しい!グミみたい!」という声を聞き、自分も食べようとするが、「グミだったら犬は食べちゃダメ」と待ったをかけられる。人間には大丈夫でも、犬には危険な食べ物がたくさんあるのだ。
- すると「え~!?だったら!」と人間に再変身して食べる。とりあえず何とも無いようで、いろはも「人間の姿ならいっか…いいのかな?」となし崩しに納得した。
- 続いてお茶も勧められるが、犬の習慣でダイレクトに舐めようとして「熱っつーい!」と舌を火傷。
- メエメエはニコガーデンの歴史や、主であるニコ様が闇の襲来時に行方不明になった事を語り、プリキュアである二人に助けを求めるが、二人はニコの実で遊ぶのに夢中で話半分。なぜガルガルになったのかもよくわからないというメエメエに、「わかんないなら無理だね!」と身も蓋もない答えを返し、「諦めないで考えて!」とツッコまれた。
- どうやってガルガルを探せばよいのか悩むいろはに、「匂いでガルガル探すワン!ガルガルの匂いは『グルルルル、ギャフーン』って感じなんだよ!」と得意顔で説明。いろは「…ってどんな匂い?」
- 翌日ガルガル捜索のために散歩に出かけると、早速『グルルルル、ギャフーン』な匂いを察知。向かった先では、悟がウサギのガルガルに襲われていた。プリキュアである事を知られてはいけないとメエメエに釘を刺されてはいたが、「友達のピンチを放っとけない!」といろははフレンディに変身。当然こむぎも後に続いてワンダフルに変身し、二人まとめて悟に秘密をバラす形になった。
- ガルガルをキラリンウサギに戻し、ニコガーデンへ連れ帰る。悟も連れてきたためメエメエは慌てふためき立腹するが、「ニコガーデンの秘密は守るし、ニコ様を探すには手は多い方がいい」と悟に丸め込まれた。お気楽なこむぎは「みんな一緒でワンワンわんだふる~!」といろはに抱き着き、今回は一件落着。
■第4話
- 仲間になった悟は、早速ガルガルについて情報収集、「悟君、頼りになる」と感服するいろは、こむぎも続けて「(頼りに)なるワン!」と感激。その時、いろはのキラニコトランクを通じてメエメエから呼び出しがあり、ニコガーデンへ。
- 前回助けたキラリンウサギの力でニコガーデンが一部復旧する様子を見せてもらうが、こむぎ達に感謝するメエメエの話の途中でとあっさり帰ろうとするこむぎといろは。『Pretty_Holic』が新装開店のため一番乗りで行きたいのであった。毎度話を聞いてもらえないメエメエは、慰めてくれる悟に「わたくしともお話しして!」と連絡先を交換。
- 大急ぎで『Pretty Holic』へ駆け付け、開店一番乗りを果たしたこむぎといろは。店前に猫屋敷まゆの姿があった。
- 店に入ろうとしたところで店主のすみれに「ごめんなさい、ワンちゃんはちょっと…うちはコスメショップだから苦手な香りがあるかもしれないし、小さな物とか食べてしまったら大変だから」と丁重にペットの入店をお断りされる。「出直そうか?」と言い出すいろは、犬の姿のまま「えー?」と思わず漏らした不満の声をまゆに聞かれ、またまたいろはを慌てさせる羽目に。
- 一旦引き返し、いろはに「人前でしゃべっちゃメッ!だよ」と叱られるが、「こむぎもいろはと一緒に行きたいワン!行きたいワン!一緒に行きたいワン!行きたいワン!」と転げ回って駄々をこねる。しかし例によって「じゃあ人間になっちゃう?」「なっちゃうワン!」で解決。
- 人間の姿で「こむぎだよ!」と自己紹介。さっきの犬と同じ名前である事や、その犬はどこに行ったのかを怪しまれるも、いろはが笑って誤魔化し、何とか店内へ。その様子をユキが見つめていた。
- コスメの香りを堪能するも、いろはに犬っぽい挙動を指摘され、「ワン!…じゃなくて、うん!」と訂正。そこに3人のマダムが来店し、すみれは接客。まゆはいろはのお試しメイクを対応することに。こむぎは店の外に、数日前ここで見かけた白猫を発見し、「おーい!ユキ!ユキ!」とフレンドリーに呼び掛けるも、ユキの反応は薄い。
- それでもお構いなしに「ねぇねぇ、こむぎの事知ってる?こむぎはユキ知ってるよ!この前いろはとお散歩してる時見たから。こむぎは犬だけど人間にもなれるんだよ。あっ、言っちゃいけないんだっけ?でも猫ちゃんだからいいよね!いいのかな?」と大事な秘密も簡単に口を滑らせつつ、一方的にまくし立てるこむぎにユキも『馴れ馴れしい』とばかりに呆れ顔。
- 「でねでね!こむぎがお座りするといろはも一緒にお座りしてね!すっごく仲良しなんだよ~、エヘヘ」と止む事の無いマシンガントークで昼寝もできず、さすがのユキも『もううるさい!』とばかりに猫パンチを喰らわせる。ところが黙るどころか、こむぎは「今の猫パンチ?こむぎ、パンチ初めて!もっかい!もっかい!もう1回パンチ!パンチ~!」と逆に大喜び。
- そこで、まゆといろはが談笑しているのに気付き、「いろは笑ってる!楽しそう!こむぎも入れて~!」と瞬時に興味がユキからいろはに移って、店の中へUターン。自分もメイクしたいとおねだりし、まゆからアイカラーを手渡されたものの、よくわからず塗りたくったため、タヌキ顔に。でもいろはが「こむぎ、タヌキみたいで可愛い!」と吹き出したので、「タヌキこむぎ、可愛い!」と満悦。
- 店からの帰り道にガルガルを発見するが、今日の相手はやけに小さく逃げ足が特に早い。「すばしっこい子だね!絶対追いつくよ!」と速度を上げようとしたところで、フレンディが「あの子、もしかして怖がってるのかも」と気づく。
- そっと近づいても警戒して逃げるガルガルは、道路に飛び出してトラックに轢かれそうになるが、間一髪でフレンディが救い、トラックの方もワンダフルが張ったプニプニバリアで事故を免れる。その後、2人でタヌキのガルガルを浄化し、ニコガーデンへ送り出した。
■第5話
- いろはにリードをつけてもらい、喜んでお散歩のこむぎ。そこで、愛犬ポンがリードをつけるのも散歩も嫌がるので困っているえまという女の子に出会う。いろはが手を差し出すと、ポンは何ら怪しむ事なくいろはの手を舐め、えまの母に「ポンちゃんがこんなにすぐ懐くなんて」と驚かれるが、一瞬でもいろはを取られてヤキモチを焼いたのか、こむぎは「ムーッ!」とちょっと不機嫌。
- いろはは彼女を自宅に連れてゆき、剛と共にいろいろアドバイスする。こむぎがリードに慣れている事に感心するえまの声を聞いて、「こむぎは最初からお散歩大丈夫だったもんね!」と内心ドヤ顔するも、いろはが「こむぎもリード苦手だったんだよね」と事実を明かし、「ワン!?」
- えまの帰宅後、「こむぎもお散歩イヤイヤしてたんだね、すっかり忘れてたワン」と言うこむぎに、「仕方ないよ、その頃はこむぎもまだ子犬だったし」と答えたいろはは当時の事を思い出す。怪我をしていたこむぎを連れ帰り、もし本来の飼い主が見つかったらお別れするのも覚悟で「この子と仲良くなりたい」と母にお願いした日。それ以来、根気強く不安を取り除き、リードを嫌がられても近くに布団を敷いて一緒に寝たりして信頼関係を築こうとするいろはに、徐々にこむぎも心を許していき、やがてリードをつけてお散歩もできるようになったのだった。
- 「どうしてリードをつけても大丈夫だと思えるようになったの?」といろはに問われ、「だって、これはいろはが選んでくれた物ワン。それにリードをつけると、いろはを近くに感じるワン!いろはと一緒にいるこむぎは、ずーっと楽しくてうれしくて、わんだふるなんだワン!」と笑顔で答えるこむぎ。いまやリードは不安や支配の象徴ではなく、いろはとこむぎをつなぐ絆となっていた。
- 「そう言えば、人と人が一緒にお散歩する時にリードはないワン?こむぎ、人の姿の時も欲しい~!」とジタバタしつつおねだり。それをやるといろはに様々な誤解を招くことになってしまう問題が…。困ったいろはが「そうだ、人の姿の時は…」と言いかけた時に、ガルガルの匂いを察知。アニマルタウンの海岸には、ペンギンのガルガルが作り出した氷山が出現していた。
- 慣れない氷上で悪戦苦闘しながらも、氷の橋を作って町へ向かおうとするガルガルを捕まえたワンダフルは、橋が崩れて寒海に落下しそうになる。フレンディが伸ばした手も間に合わなかった…と思いきや、ワンダフルパクトから愛用のリードが飛び出して二人の手をつないだ。
- まだ海に落ちそうな状況は変わらず、フレンディは懸命にワンダフルを引っ張り上げようとするが、この状況下でワンダフルは「わかったよ、フレンディ。人の姿の時はリードの代わりにお手手がつなげるんだね!初めてニコガーデンに行った時も、さっきも、今だってそう!こうやってお手手をつなげば、リードをつなげてる時みたいにフレンディを近くに感じられるんだね!」と目を輝かせる。「ワンダフル、今それ言ってる場合?でも…わたしも同じ事を思ってた!」と苦笑しつつフレンディも笑顔で応えた。
- だが橋は完全に崩壊し、二人とも海に落ちそうになった時、鏡石が光を放ち、二人は宙に浮いていた。そしてリードがフレンドリータクトに姿を変える。「これってプリキュアの新しい力?」と驚くフレンディに、ワンダフルは「わかった!リードは信頼の証だって言ってたよね?わたしとフレンディの仲良しパワーが、このキラキラになったんだよ!」と解釈する。その時、「わたしの力を使ってキラ!」とニコガーデンからキラリンウサギが呼び掛ける声がフレンディに届いたが、「えっ?どこどこ?そんな声聞こえなかったけど?」と、なぜかワンダフルにはその声は聞こえない。更にタクトの力でフレンディはモードチェンジできたのに、ワンダフルにはやはり何も起きなかった。
- ガルガルを浄化してニコガーデンに帰した後、「なんでタクトが使えなかったんだろう?…せっかくいろはとお揃いなのに~」と拗ねていたものの、「犬の姿でも人の姿でも、これからもたくさんお散歩しようね!」と、いろはに手をつないでもらい機嫌を直したこむぎだった。
■第6話
- ニコガーデンへ訪れたいろはと悟、キラリンペンギンの回復とフレンドリータクトのキラリンウサギの能力に感激する。一方、こむぎは「力を合わせてないワン……」「フレンドリータクト、こむぎはどうして使えなかったワン?」とフレンドリータクトを使えなかった事に劣等感を感じていた。「プリキュアとして何か大事なものが欠けているのでは」とのメエメエの言葉を最後まで聞かず、「こむぎもタクト使いたい!使いたい!使いたい!使いたいワ~ン!いろはと一緒に使いたいワン!使いたいワン!使いたいワ~ン!」と走り回るわ、いろはにしがみつくわで騒ぎまくる。「ちゃんと話聞いて!」と叫ぶメエメエはもちろんスルーされる。
- ドッグランでいろはにマッサージされるこむぎ。「お手て!握手!イエーイ!」といつもの仲良しサイン、ご褒美のクッキーにがっつき「おいしいワン!」と大喜び。そこに陽子が現れ、こむぎの声を聞かれてしまい、いろははなんとかその場しのぎで誤魔化した。その時、来客が現れる。
- 愛犬チョコの予防接種に訪れた戌井という女性。注射を怖がって暴れるチョコは、いろはに宥められて落ち着きを取り戻した。その時、こむぎはいろはの周囲を走り回り大騒ぎ、陽子に自宅に連れられ待機させられてしまう。
- 実はこむぎはいろはのお手伝いをしたかったのだが、「お手伝い?う~ん、じゃあ…」と投げたボールを拾ってきて褒められ、いろはを喜ばせるお手伝いという意味では役に立ったものの、「違~うワン!すっごく楽しいけどこういうのじゃないワン!こむぎはいろはの役に立ちたいワン!」と猛抗議。「じゃあ、一緒に寝てくださ~い」と添い寝され、ご機嫌で眠りかけたところで、「ワフ?これもちょっと違…」と思いながらも結局爆睡。目先の欲望と楽しさには滅茶苦茶弱い。
- 翌朝、「お散歩、お散歩♪ いろはとお散歩♪」と玄関に出てみると、いつも使っているお気に入りのリードが無い。あのリードはフレンドリータクトに姿を変えてしまったのだ。いろはとの絆を育んできた思い出の品でもあったリードが無くなってショックのこむぎは、別の物を用意しようとするいろはに、「嫌ワン。いろはと一緒に選んだのに…あれでずっとお散歩してきたのに…こむぎ、あのリードじゃなきゃ嫌ワン!」とわがままを言い出す。
- 「そんな事言ったって、無いんだからしょうがないでしょ」「いつものがいいワン。あれじゃないと駄目ワン!」「わがまま言わないの!」「絶対嫌ワン!絶対嫌ワン!あれじゃなきゃ絶対お散歩しないワン!!」「じゃあ今日のお散歩は中止!!」とうとう二人は喧嘩になってしまう。
- 家の中ではお互いそっぽを向いて口も利かずにいたものの、いろはの両親も心配するばかり。ドッグランで大福と追いかけっこをしている時も、悟とおしゃべりしているいろはが気になって、よそ見しながら走ったおかげで柵に激突。いろはが心配して声をかけても、意地を張ってまたそっぽを向く。しかしガルガルの咆哮が聞こえ、「こむぎ、行くよ!喧嘩は一旦終わり!ガルガルを止めよう!」と、いろはが私情より使命感を優先して呼んでくれたので、渡りに船とばかりに笑顔になって「ワン!」と返事。このまま仲直りできるかと思ったのだが…。
- 見つけたのは巨大なライオンのガルガル。ワンダフルにとってライオンは未知の動物で、「何?何?何の動物?ライオンって何?」ときょとん。それでも「わたしに任せて!どんな動物だって追いかけて…」と意気込むワンダフルだったが、ガルガルが大音量で一声吠えるや、体がすくんでしまう。ガルガルが飛び掛かって来ても、足が震えてその場から一歩も動けないまま、攻撃を食らって吹っ飛ばされてしまう。
- 「手がブルブルする…足も動かなくて…なんで?」と動揺するワンダフルに、「それはおそらく君の本能だよ」と悟が解説した。ライオンを知らなくても、百獣の王の貫禄に対して本能が恐怖を感じているのだ。フレンディは「ワンダフル、退がってて。悟くんと大福ちゃんと一緒に安全な所にいて」と言いつけ、単身でガルガルを説得しようとしたが、相手は聞く耳を持たず襲ってくる。
- ガルガルの視線に怯え、悟に避難を促されるも、「やだ!…やだやだやだ!いろはと一緒にいたい!」と頑なにこだわるワンダフルはフレンドリータクトを取り出すが、やはり何も反応しない。それどころか、ワンダフルに気付いたガルガルが襲ってきた時、フレンドリータクトはワンダフルの手の中から消えてしまった。動けないワンダフルを庇おうとしたフレンディは、二人まとめて薙ぎ払われて変身が解けてしまいしてしまい大ピンチ。しかしガルガルが突如苦しみ始め、山奥へ逃げ去ったため、九死に一生を得た。
- 「こむぎ、退がっててって言ったでしょ!どうして出てきたの!!?」といろはに叱られ、「だって…だってこむぎもいろはと一緒に!」と言い訳しても、「全部一緒は無理なの!!怖くて震えてたでしょ!!?」「こむぎだってプリキュアワン!」「危ない時は退がってて!」とまたも言い合いになってしまう。悟に宥められて、逃げたガルガルの行方を調べる為に一旦その場は収まったが、家に帰ってからはこむぎは一言も発さなかった。
- その日の深夜、目を開けたこむぎはこっそりとベッドを抜け出した。「いろは、ごめんワン…役に立てなくてごめんワン…。いろは、バイバイ…」眠っているいろはに別れを告げ、家を出るこむぎ。行く当てなど何も無い。降り始める冷たい雨の中、走り出したこむぎの姿は、夜の闇の中へ消えてゆく…。
■第7話
- 家出の翌朝に雨は止み、野宿していたドックランのベンチの下でスズメにつつかれて目を覚ますと、いつものように「いろは!おはようワ…!」とダイブしようとして頭をぶつけ、タンコブを作るこむぎ。「でも!大丈夫!こむぎは一人でも人間になれるし!行きたい所へ行って思い切りお散歩しちゃうワン!」と空元気を出してぴょんぴょん跳ね、同時にタンコブをベンチに何度もぶつけまくる。いろいろな意味で心配。
- 早速人間態になり、意気揚々とお散歩に出かけようとしたところ、もっと散歩がしたくて飼い主に駄々をこねる犬の姿を見かける。やっぱりいろはが一緒にいないと…。一人でいたこむぎを見かけた悟が声をかけてきた直後、一気に悲しみが込み上がり「ワオ~ン!!ワオ~ン!!」と物凄い量の涙を噴水のように噴き出し泣き叫ぶ。この状況に悟もあたふたして困惑するばかり。
- 兎山家に連れて行かれ、大福の干し草を食べるこむぎ。大福と会話ができる事、彼が意外にハードボイルドな口調である事を知らされ、悟はびっくりしてスマホを落とす。こむぎ曰く、何と無く大福の考えが分かるとの事。「会話が出来るこむぎちゃんと犬飼さんが羨ましい」と言うが、こむぎは「ずっといろはとおしゃべりしたいって思ってたワン。そしたらもっと仲良くなれると思って、いろはも喜ぶと思ってたのに……でも…怒られたワン…」としょんぼりする。そんなこむぎに悟は尋ねる。「こむぎちゃんはどうしてプリキュアになったの?」
- 「いろはが危なかったから…一緒にいたかったから…気が付いたらプリキュアになってたワン。でも、いろはに怒られちゃった…。こむぎ、嫌われたあああ゛あ゛~~~!!!」再び号泣するこむぎを慰める悟は、「タクト使えなくていろはの役に立てなかったし、困らせて怒らせたから嫌われた」という彼女に対し、「犬飼さんがそう言ったの?違うならどう思ってるのか、本人に聞いてみなよ」とアドバイスする。「言葉はね、自分の気持ちを伝えるだけじゃない。相手の気持ちを聞く事も出来るんだよ。話し合いしてみなよ」
- 山の方でガルガルが暴れているのを見つけ、先の戦いから気遣う悟にも「でもいろはは行くから。困っている子がいたら、いろはは絶対に助けに行くから!」といろはを信じるこむぎの決意は変わらない。人間態になって走り出しかけたところで、「悟、『マブダチ』って何?大福、悟の事『マブダチ』だって言ってるよ。仲良しだね!☆」と嬉しそうに指摘して、改めて走り出した。
- 駆け付けた先では、フレンディがガルガルに追い詰められていた。「こむぎ!来ちゃダメ!逃げて!」フレンディが制止するのも構わず突っ込もうとするも、やはりガルガルの咆哮を聞くと、恐怖心で体が硬直してしまう。だがその時、先刻の「こむぎちゃんはどうしてプリキュアになったの?」という悟の問い掛けが脳裏をよぎった。
- 「最初は…最初はいろはを守りたくて…そしたらいろはもプリキュアになって…おしゃべりして、一緒に走って楽しかった。でもいろははそれだけじゃない。いろはは優しいから、困ってる子達を放っておけない。それがどんな相手でも助けようとする。助けられた子達はみんなうれしそうで…いろはもうれしそうで…あっ、そっか…こむぎもそうだった!」今こそ、いろはのために勇気を出さなくては。「怖い…でも…いろはを助けたいから!!」恐怖に打ち勝ったこむぎはワンダフルに変身する。
- 体当たりでフレンディを救ったものの、逆に突進を食らって崖下に転落するワンダフル。だが、気遣うフレンディに「みんな元気…みんな仲良し…そういうのがいいんだよね?いろはの『わんだふる』を守りたい…だからわたしはプリキュアに…キュアワンダフルになったんだよ」と、ワンダフルは笑顔で応える。
- ワンダフルはいつものペースを取り戻していた。そして遂にフレンドリータクトもその勇気に呼応して発動し、キラリンペンギンの力でスピードスケートスタイルになったワンダフルは、滑走しながらフレンディと言葉を交わす。「ワンダフル、怖くないの?」「怖いよ。でも…一緒だから大丈夫!」「わたし、こむぎと…ワンダフルと一緒にいる時が、最高にワンダフルだよ!」「いろは…大好き!♡」手を握り合った二人はさらにタクトの新たな力を引き出し、新浄化技プリキュア・フレンドリベラーレでガルガルを苦しみから救い出す。「ワンダフル、やったね!」と喜ぶフレンディに、「うん、話し合いっていいね!」と返したワンダフルは、悟に礼を言うがごとくウインクした。
- 元の姿に戻ったキラリンライオンがニコガーデンの一部を復旧し、メエメエが「こむぎ様、お見事です!」と感謝を述べた…時には二人の姿は既にニコガーデンにはなく、今朝出来なかったお散歩にいそいそと出かけようとしていた。まゆに貰ったお手製の洋服ハーネスをつけたこむぎもご機嫌で、「いつものリードとは違うけど、いい?」と尋ねるいろはにも「どんなリードでも、いろはが持ってくれたらいいワン!」と気持ちを改めて満面の笑顔。「ねぇ、変身する時二人で一緒に決めポーズしない?」「するワン!どんなの?」「そうだね~…こんなのどう?」「わぁ~!可愛いワン!」と会話も弾む。やっぱりいろはと一緒の時が一番わんだふる!
■第8話
- 遅刻しそうになるいろはを「早く学校行くワン!」と促したかと思いきや、一緒に玄関を満面の笑顔で飛び出そうとしており、どうみても学校に行く気満々。「いやいや…こむぎはお留守番だよ?」と止められても、一点の曇りもない澄みきった目で「なんで?」と返答。「いろはと一緒に行くワン!人間の姿になって行くワン!連れてくったら連れてくワン!」と何度もジャンプして訴え、いろはの顔面にダイブするなど駄々をこねまくるが、後頭部の気持ちのいいところをなでなでされて、恍惚の表情で脱力した隙にいろはに逃げられる。
- しかしおとなしく待っていられる訳がなく、人間態になってドッグランの塀を飛び越え、学校を目指す。いろはの匂いの痕跡を追って学校を目指したものの、商店街で焼き魚や焼肉や花の香りなどにつられて、本来の目的そっちのけではしゃぎながら右往左往。走り疲れた頃にはすっかり道に迷い、犬の姿に戻っていた。
- 辺りを見回すと、以前来た事がある『Pretty Holic』の店舗を発見。外で昼寝していたユキを見つけると「おーい、ユーキー!」と猛スピードで走り迫る。「何してるワン?こむぎはねぇ、今迷子になってたとこ!ねぇねぇ遊ぼ!追いかけっこ楽しいワン!」と一方的にまくし立てる。昼寝を邪魔されたユキが不機嫌そうに立ち去ろうとして「あ・そ・ぼー!」とダイブして迫りじゃれついた為、キレたユキは威嚇してきた。しかしこむぎには効き目がないどころか逆に喜ばれ、「ワウ?それ面白いワン!ワオーン!」「シャー!」「ワオーン!」「シャー!」「ワオーン!」「シャー!」と2匹の威嚇合戦(?)はエンドレスに続くのであった。
- 猫は寝る子と言われる程睡眠時間が長く(成猫で平均12~16時間程)、一生の大半を寝て過ごす。走り回るのが好きな犬とは異なり、双方の価値観の違いが描かれるシーンであった。
- ガルガルの気配を察知し、「ガルガルの所に行けばいろはに会えるワン!」とユキの目の前で人間の姿に変化、「ユキ、またね」と立ち去った。学校に急行していろはと合流。変身していつも通りに「おいで、追いかけっこだよ~!」と走って誘き寄せようとしたが、馬のガルガルは俊足で、たちまち追いつかれそうになる。フレンディが飛び乗って鎮めようとしても、振り落として今度は校舎目がけて突進するガルガル。ワンダフルはキラリンライオンの力で脚力をブーストし、超スピードで翻弄して疲れさせたところで、フレンドリベラーレで元の姿に戻した。
- 来てくれて助かったと礼を言ういろはに、「えっへん!学校に来る途中も楽しかったし、今日は最高だったワン!」とドヤ顔&ご満悦のこむぎだったが、「犬のまま一人で街に出ちゃダメだってば!」とそれはそれで叱られ、「だって~…学校行きたかったワン…」とちょっとへこむ。しかしその願いは思わぬ形でかなう事に…。
■第9話
- 夢の中でいろはと共に勉強に励むこむぎ。クッキーを数える問題に挑戦するも、数えている途中で我慢できなくなり、かぶりつこうとした時に目が覚めると、メエメエが訪れていた。
- 「素晴らしい話を持って参りました」という彼は、湾岸第二中学の制服を取り出す。なんとニコダイヤの奇跡により、こむぎは学校に通えるようになったという。何らかのご都合…もとい常識改変が起こったらしいが、メエメエの説明の途中でこむぎは大喜びで犬の姿のまま制服を着て走り出し、例の如く「話を聞いてくださ~い!」とキレられる。
- 嬉しさより不安が大きいいろはを余所に、「♪学校、学校、いろはと学校!楽しみだねぇ」とこむぎは上機嫌。学校に着くや目を輝かせ、誰彼構わず「おはよう!」と挨拶して回ったかと思うと、サッカー部の朝練をボール遊びだと勘違いして乱入し、猪狩勝のシュートをキャッチするなどして、いろはを振り回す。
- 転入生という事だが、「ワンワ~ン!こむぎだよ!よろしく!」と普段のペースで自己紹介。青くなるいろはと悟の気も知らず、「どこから来たの?」「あっちだよ!」、「好きな食べ物は?」「ドライよりウェットだよ!」と質問にフリーダム回答し、苗字も聞かれるが、悟が「犬飼さんの従姉妹だから、同じ『犬飼』かな!?」とフォローしてくれたため、晴れて『犬飼こむぎ』となった。いろはと同じ苗字になった事で感激もひとしお。
- すると同じクラスだった勝が、今朝のリベンジとばかりに勝負を挑んできた。「キミにはキーパーの素質がある。絶対にキミからゴールを奪ってみせる!」と燃える彼は、体育の授業でサッカー対決をするが、いろはと長年ボール遊びをしてきたこむぎには全弾キャッチされ完敗。
- しかし、いざ授業になると鉛筆や教科書の使い方がわからず、窓の外の蝶を追いかけようと席を立ち上がったり、音楽の授業では机の上で歌い出すなど奇行を連発し、その都度いろはと悟は誤魔化すのに四苦八苦。それでも「面白い子」としてクラスメイトたちには受け入れられ、お昼にはみんなからお弁当を分けてもらえた。だが箸やスプーンの使い方も知らないので、犬食いしようとしていろはに止められる。
- 腹が膨れたと同時に睡魔も襲ってきて、廊下に座り込んで眠り始めた瞬間に犬の姿に戻ってしまう。
- いろはが慌てて隠そうとした時にまゆに見られたが、「犬のこむぎが家からついてきた」と解釈したおかげで命拾い。呑気に眠りこけるこむぎの姿に、「こむぎちゃん、学校に来れてうれしかったんだよ」と呟く悟。散々振り回されたいろはも、こむぎが喜んでくれるならと微笑む。
- 目を覚まし、勝の匂いを嗅ぎつけて行って見ると、彼はバランス感覚を鍛えようと頭にガルガルの卵を乗せてランニングをしていた。彼が足を滑らせて卵を落とした隙にこむぎが頭部でキャッチ。頭に卵を乗っけたまま瞬く間に敷地を一周して戻ってくるというバケモノじみた運動能力で勝を振り切った。回収に成功はしたものの、卵は孵化してアヒルのガルガルが出現する。
- 羽毛はフワフワ柔らかく、池に入ってのんびり泳ぐ習性も普通のアヒルそのものであり、変身したワンダフルとフレンディも悟も愛嬌のある姿を前に心を和ませるが、やはり相手は気性の荒いガルガル。池の水を吸い込んで高圧水流砲を撃ってきた。重量を活かしたボディプレスも使ってくるガルガルに苦戦するも、悟のアドバイスにより、ワンダフルがプニプニバリアーを駆使し、ゴールキーパーの要領でガルガルを受け止め、無事浄化した。
- 勝の暑苦しいサッカー部への勧誘も、「今日はもういいや、いろはとお散歩行くから。イカリ、また今度遊ぼうね!」と華麗にスルーしてお断り。しかし「学校楽しかった!」と言うこむぎを、「学校は楽しく遊ぶところじゃなく、勉強するところ。成績が悪かったらいられなくなるかも」と、いろはは真面目な態度で叱った。「こむぎ…ううん!わたし、頑張る!だっていろはと一緒にいたいもん!」と、一人称を"こむぎ"ではなく"わたし"にしてまで、こむぎは真面目に学校に通う決意を固めた。返事が「はいワン!」になるあたりまだまだ前途多難だが、こむぎのわんだふるな学校生活がスタートしたのだった。
■第10話
- 前回、真面目に勉強すると約束したものの、やっぱり授業内容が理解できずうつらうつら。一方、前の席のまゆは『Pretty Holic』に出す新商品を熱心に考えていて、先生に当てられて大慌て。そのノートに描かれたイラストを目ざとく発見したこむぎは、「あぁ~、何描いてるの?わぁ~、楽しそう!☆こむぎもやる~!」とはしゃぎ、もらい事故というか自ら巻き込まれる形で、まゆ共々先生に怒られる。
- 悟からガルガルの卵の情報を聞いて張り切り、「こむぎ、頑張るワン!」と辺りの匂いを嗅ぐや、いきなり「あった~!」と突進。しかしそれはただのサッカーボールで、泥に突っ込んだこむぎは全身真っ茶色に変色。「違った、ボールだったワン」と自分でオチをつけた背後ではいろはが引きずり倒されており、「こむぎ…。急に走っちゃダメって言ってるでしょ」と叱られたが、舌を出してウインクしながら可愛く誤魔化した。
- 水飲み場でいろはがこむぎを洗う姿を見て、通りかかったまゆは「懐かしいな…」と呟く。初めて出会った時のユキを思い出したとの事で、いろはが「えっ、あのユキちゃんが泥だらけだったの?」と驚くと、こむぎも「聞きたい!聞きt…」と思わずしゃべってしまった為、いろはは焦って台詞をかぶせて誤魔化す羽目に。
- 雪が降る山間の村でのユキとの出会いを一通り語り終えたまゆは、新商品のインスピレーションが浮かび、走って帰って行った。こむぎ「かけっこかな?」悟「違うと思うよ」本日は徹底してボケ担当のこむぎであった。
■第11話
- クラスメイト達が、見晴山に巨大生物が出たという噂話をしており、「ガルガル~」と叫ぶこむぎ。後日ガルガルではないかと調査に行く事に。いろはに誘われた悟は、「これってデートのようでは」とそわそわしていたが、待ち合わせ場所に着くや、こむぎははしゃいで「おっはようワン!」と飛びついた弾みで頭突きを食らわすわ、悟そっちのけで走り出すわで、いろは共々すっかりピクニック気分。
- 「すごいワ~ン!木がいっぱい!お花がいっぱい!ちょうちょもいっぱい!」自然を満喫、ようやく悟も追い付き「悟、遅いワン!」と指摘。悟から手作りのクッキーも御馳走になり「悟、すごいワン!」と感激、一通り満足してからようやく捜索開始。ガルガルの匂いも痕跡もなかなか見つからない。そこで「おーい、ガルガル!出てくるワン!」と叫ぶこむぎ、そこに現れたのは『Pretty Holic』の常連マダム3人組だった。山菜の採取に来たのだという。結局手掛かりは掴めなかったものの、いろはの推理で祠周辺を探すと熊のガルガルが出現した。
- 地面を砕く超パワーを前に、一旦距離を取ろうとしたが、悟の「熊に背中を見せちゃ駄目だ!」の叫びと共に、ガルガルが迫ってくる。「熊は強い生き物だけど臆病で、急に近付いたり走ったりすると怯えて攻撃してくる」との説明を受け、「わたし達、敵じゃないよ」と説得しようとしたが、謎の声によって凶暴さが増しているガルガルには通じず。しかし樹上から落下したワンダフルを、フレンディが偶然肩車でキャッチした事で、相手が自分より大きい生き物だと誤認したガルガルは怯えて大人しくなり、フレンドリベラーレで浄化に成功。
- 元に戻ったキラリンベアーは、『もう一人のプリキュア』と戦ったらしい。謎が残ってしまい、いろは達は首を傾げるが、こむぎが「でもみんなでピクニック楽しかったワン!」と締めくくり、とりあえず今回は一件落着。
■第12話
- 最近、ユキが時々姿を消しているとまゆが悩んでおり、いろはが悟に相談すると、「猫はわずかな隙間でも通れるし、ドアや窓を開けられる子もいる」との事。いろはが「猫ってすごいんだね」と相槌を打つので、すかさず張り合って「犬もすごいよ!鼻が利くし!お散歩大好きだし!」とアピールし、「そうだね~」といろはに頭なでなでしてもらいご満悦。
- ユキの動向を探るべく猫屋敷家へ。しかしまゆに開口一番、「こむぎちゃんは一緒じゃないの?」と尋ねられ、いろは共々冷や汗。嗅覚でユキの行方を探す為に犬の姿で来たのだが、学校では人間のこむぎが行く約束をしていたのを忘れていたのだった。「え~っと、こむぎは後から来るって!」といろはが辛うじて誤魔化した。
- ユキが外に出ていないか確認するために、「集中するワン!ユキの匂いを見つけるんだワン!」と珍しく真剣に嗅覚で追跡。「わかる…わかるワン!ユキがどこを歩いたか、こむぎにはお見通しワン!」とドヤ顔になり、さらに画面を三分割する演出で、名探偵のように「ユキの匂いはここで止まってるワン!」と断言するも、そこはいつもユキが寝ているプランタースタンド。その上、当のユキはまゆの部屋に戻っていて、窓からこちらを眺めており、結局あまり役に立たず。終わった後は眠気が襲ってきて、いつも通りヨダレを垂らしながら、だらしなくへそ天で爆睡。
- ガルガルの気配を察知して跳ね起き、いろはを促すと、いろはは「ユキ用の監視カメラが1台じゃ足りないから、家から取ってくる」との口実で、まゆの部屋を飛び出した。こむぎも一瞬だけ人間態になってまゆの前に現れ、「遅くなってごめんね!わたしもいろはと行ってくるから!じゃね~!」と断りを入れるという見事なアリバイ工作。
- 森へ駆け付けると、地べたに転がってもがいているフクロウのガルガルを発見。宙へ舞い上がった相手が何らかの攻撃準備態勢に入り、「な…なんか嫌な予感!」と身構えた時、見知らぬ銀髪の少女が、ワンダフルとフレンディの前に姿を現した。少女は羽ミサイルの乱射もものともせず、高々と飛び上がって、上空のガルガルに攻撃を加えて撃墜し、落下したガルガルにとどめを刺そうとする。
- 「ガルガルを傷つけないで!」「喧嘩はメッ!仲良くしよっ!ねっ!」ガルガルを庇って立ちはだかったワンダフルとフレンディの前に、ようやく少女は攻撃の手を止め、その間にフレンドリベラーレで浄化する事はできた。そして少女は「わたしの名前は…キュアニャミー」とだけ名乗ると姿を消した。ワンダフルとフレンディは唖然となったまま、彼女を見送る。「わたし達と同じ……プリキュア!?」
■第13話
- プリキュアでありながらガルガルを倒そうとするキュアニャミーについてメエメエに報告し、「何か目的がありそうなんだよね」といろはが言うと、「じゃあニャミーに聞くワン!探すワン!みんなで探せば見つかるワン!」とこむぎが能天気でストレートな提案を出し、ニャミー捜索を開始。
- とはいうものの、匂いはよく覚えていないし、外見も白い服を着ていたという事くらい。しかし早速こむぎが「見つけたワン!」と走り出すが、その相手は白っぽい服を着ているだけの幼い女の子。さらにこむぎは犬の姿のまま「君はニャミーワン?」とド直球に尋ねてしまい、いろはは口を塞いで大慌てで逃げ出す羽目に。
- その後も白くて無関係なものばかり発見し、「さあ、白状するワン。正直に言ったらこのクッキーを食べてもいいワン」と刑事ドラマ風にヤギの置き物を尋問したり、「長くて白い髪の持ち主」という事で観光馬車のアーサーさんのところへ行ったり、コモンドール犬を紹介されたりと、脱線ばかりで捜索は全く進展せず。しかし、マダム三人組の持っていたコンパクトからニャミーの匂いを感じ取り、『Pretty Holic』へ。
- コンパクトは全て売り切れていたが、まだニャミーの匂いがする。今度は人間態で、すみれに「すみれさん、キュアニャミーなの?」と尋ねるも、「キュアニャミーって何?可愛い響きね」と、ある意味ニャミー以上に可愛いらしく答えられ、空振り。更にユキを見つけ、何かの匂いを嗅ぎつけた…と思いきや、「すっごい美味しそうな匂い!何食べたの?こむぎ、お腹空いちゃった!」と再び空振り。
- 学校中の動物に聞いて回ったが収穫はなく、疲れてぐったりしているとガルガルの気配を察知。変身して駆け付けると、ニャミーがガルガルの攻撃からまゆを守っている現場に出くわした。ハリネズミのガルガルは、回転攻撃がニャミーのバリアに通じないと見るや一旦退却していった。
- まゆはもちろんワンダフルとフレンディとの面識はなく、駆け寄った二人に「あなた達は?」と怪訝そうな顔をするので、またまた口を滑らせそうになったワンダフルは、フレンディにまたまた口を塞がれる。そこへガルガルが逆襲してきたが、ニャミーはまゆを抱きかかえたまま軽々と突進をかわし、ガルガルを踏み台にして着地した後、さっさと姿を消した。おかげでコケにされたガルガルの怒りの矛先はワンダフル達に向けられてしまい、二人は回転攻撃から必死で逃げまわる。
- そこへニャミーが再び現われ、木に体毛を突き刺してしまい身動きがとれなくなったガルガルに対し手刀を構える。ワンダフルは彼女にしがみついて制止しながら、「ニャミーもプリキュアなんでしょ?まゆの事助けてくれたし!」と説得すると、「わたしはあの子が言うから様子を見に来ただけ。貴方達の邪魔もしない。それで良いでしょ?」とだけ言い残し、去って行った。そこでガルガルに倒された大木を見たワンダフルは、「フレンディ!トゲトゲどうにかなるかも!」とひらめき、フレンディが重ねがけしたリボンバリアを敢えて突破させた後、大木で行く手を通せんぼして、ガルガルが疲れ切って大人しくなったところで浄化に成功した。
■第14話
- まゆが、具合が悪いユキを『フレンドリィ動物病院&サロン』に連れてきた。幸い疲れが溜まっただけとわかり、まゆはいろはの勧めで、今夜はユキ共々犬飼家にお泊りする事に。点滴を打ってだいぶ快復したユキだったが、こむぎが笑顔で吠えかけても、「シャッ!」と警戒感も露わな鳴き声を上げるだけ。こむぎがまゆの膝に乗せてもらい、仲良くする様子も、ユキは不機嫌に眺めていた。
- 翌朝未明、ガルガルの気配に気づいたこむぎはいろはを起こすが、まゆが気付く前に何とかしようと準備している時、「ガルルッル~!」と街中に響くガルガルの咆哮で、まゆが目を覚ました。言い訳が思いつかず、あたふたするいろはに痺れを切らしたこむぎは、「もう!早くガルガルのとこ行くワン!」としゃべってしまった。寝ぼけ眼で「今、こむぎちゃんがしゃべってた…」と驚くまゆに、腹を括ったいろはは「帰ったら全部話すから、今はわたしを信じて」とだけ言って、こむぎと現場に向かう。
- ニワトリのガルガルの超音波攻撃は、聴覚に優れた犬であるワンダフルにとっては天敵で、「耳が壊れちゃうよ~」とダウン。そこへ駆け付けたまゆの「わたしも二人の力になりたい」という言葉に勇気づけられ、「まゆ~、わんだふるだよ!」と抱き着いて喜ぶワンダフルは、フレンディと共にバリアで音波攻撃を跳ね返して勝利。
- 「こむぎ達と一緒にプリキュアやろうよ!」とのこむぎの能天気なお誘いはさすがに無理だったものの、まゆは悟同様、秘密は守ると共に今後も協力する事を約束してくれた。「やった~!これでまゆもプリキュアの仲間だ!」とバンザイし、「じゃああれやろっか?」「うん!」「「ワンワン、わんだふる~!」」と、いろはと共に締めくくって今回はめでたく一件落着。ただ一匹、怒りの視線でこむぎといろはを睨みつけるユキを除いては…。
■第15話
- ニコガーデンを訪れ、メエメエにまゆをご紹介。当然「関係ない子連れて来ちゃダメェ~!」とダメ出しされ、「あれほど言っちゃダメェ~と言ったのに…」と文句を言われるも、「うん、だから言ってないよ」「そうだワン、バレただけワン」と、いろはとこむぎは全く悪びれず、頭を抱える気の毒なメエメエ。
- 悟にとりなされ、まゆはメエメエの仕事を手伝う事に。ニコガーデンの中を案内されながらキラリンアニマルの家へ行くが、アニマル達はこそこそと何かを準備している様子。こむぎは空気を読まずストレートに尋ねに行き、「何でもないキラ~!」とアニマル総出で押し留められる。
- それを見たメエメエは、自分を祝う為にパーティを開こうとしていると推察し、パーティを心置きなく楽しめるよう日常業務を張り切って片付けるが、そこへガルガルがアニマルタウンに現れたとの報が入った。メエメエはパーティを無事開くべく、いろはやこむぎを叱咤して出陣。
- 鹿のガルガルは袋小路に追い込んでも、俊足と跳躍力を生かし、ビルの合間から屋上へと逃げ回る。その正体がキラリンコジカと見抜いたメエメエは、好物の特製鹿せんべいで誘き寄せ、ガルガルの動きを止めた。ワンダフルとフレンディはフレンドリベラーレで浄化に成功したが、巻き添えを食らったメエメエはきれいなメエメエ化。
- キラリンアニマル達が準備していたのは、自分達を助けてくれたプリキュアへのパーティと知り、メエメエは落ち込む。しかしアニマル達は同時に、ニコガーデンを単身で手入れしているメエメエに対する感謝の絵も用意してくれていた。感涙にむせぶメエメエは、「執事として、これからもニコガーデンの為に、メェ~一杯頑張ります」と決意を新たにするのだった。
- 放映翌日の5月13日はこむぎの誕生日。何歳なのかはおいといて、pixiv絵師からは恒例のバースデーイラストが多数贈られた。
■第16話
- 学校に登校するこむぎといろは、そこに1羽の鳥が飛んでくる。その後、いろはの母・陽子の車と遭遇、動物園へペンギンの診察へ行くという。そこで「お母さん、お仕事偉い」と言い出すこむぎ、「こむぎです」と自己紹介、飼い犬と同じ名前である事を怪しまれ、いろはも誤魔化し切れそうにない心境だった。
- 学校で「悟、おはよう」とはしゃぐこむぎ、一方のいろはは元気がない。いろは曰く「嘘つくと罪悪感で胸が痛い」「ワンダフルじゃない」とのこと。
- 鏡石の話題で盛り上がる蟹江と猿渡達、こむぎ達4人も同じ話題で盛り上がる。こむぎ曰く「いろはといっぱいおしゃべりしたい」と願ったとのこと。
- 鏡石の前に立ち止まるこむぎといろは、「全然読めないし何も分からない」「ワフーン」と頭を抱えるばかり。
- ペットフリーエリアへ向かったこむぎといろは、そこで少年と白い犬と遭遇。少年と並走するこむぎ、いろはも白い犬と並走する。
- 互いに自己紹介するいろは、少年に「小葱」「玉葱」と勘違いされ、「こむぎだワン!犬は玉葱食べちゃダメワン!」と憤慨して喋ってしまった。自身を自慢する少年、白い犬とこむぎにツッコミを入れられる。その後、少年と白い犬は立ち去って行った。
- 帰宅すると「ダメェ~!」とメエメエに怒られるこむぎといろは、「ダメェ~!絶対に言っちゃダメェ~!」と叫ぶと、そこにいろはの両親が現れる。羊のフリをするメエメエ、こむぎに「メエメエ羊みたい」と笑われて「みたいじゃなくて羊です!」と憤慨。結局、こむぎが喋る場面も、メエメエの存在も両親にバレてしまう結果となった。
- ガルガルの気配を感じ、両親の目の前で人間の姿になったこむぎ、ガルガルの居場所へ向かいプリキュアに変身した。
- 突風に煽られるワンダフルとフレンディ、「こんにちはガルガル」と喋るガルガル、「こんにちはガルガル、ちゃんとご挨拶して偉い」「一緒に遊ぼ」と感激するワンダフル。突風に吹き飛ばされ、そこに悟が現れる。今回のガルガルはインコとのこと。上空へ飛び上がるガルガル、ワンダフルがジャンプするも届かず、またも突風に吹き飛ばされてしまう。キラリンコジカの能力でガルガルの背中に飛び乗るフレンディ、屋上に着地するとガルガルに「ガルガルじゃなくて遊ぼだよ、遊ぼ」と教える。
- 気が緩んだ隙にプリキュア・フレンドリベラーレでガルガルを浄化、元のインコの姿に戻った。
- 帰宅すると両親が「お帰り」、メエメエが「お帰りなさいませ」と出迎え。父もこむぎといろはのプリキュア活動に感激し、メエメエもあたふたするばかり。こむぎも父に懐いていた。
■第17話
- いろはが、動物の赤ちゃんを観察する『赤ちゃんツアー』を企画し、悟やまゆと共にアニマルタウンの動物の親子を見て回る。母ウサギの下に5羽の子ウサギが体を寄せ合っているのを見て、「赤ちゃんウサギが1、2……い~っぱいいるワン!」。どうやらまだ、3以上の数字は「いっぱい」らしい。
- 「カルガモは子供が生まれると、食べ物が多い場所を探して引っ越しするんだ」「子ガモにたくさん食べさせるためなのね」「そうそう、一杯ごはんを食べないと」との悟・まゆ・いろはのやり取りを聞く内に盛大にお腹が鳴り、お昼ごはんに。しかし、こむぎを模して作ったといういろはのおにぎりは、ダークマターを思わせる奇怪なビジュアルの代物。「ワフッ!?こむ…ぎ…?」とショックを受けつつ冷や汗を流していた。
- ユキとまゆが出会った頃の話題になり、「今でも思うの。もっと早く会えてたなら、ユキに寒い思いも淋しい思いもさせずに済んだのにって」と言うまゆを、「大丈夫ワン!まゆと出会えてユキは、すっごくわんだふるワン!」と励ますこむぎ。自分と同じ境遇のユキなら、きっと今は幸せだというこむぎの考えは決して間違いではなかったのだが…。
- トラのガルガルが出現し応戦するも、凄まじいパワーに手こずるワンダフルとフレンディ。さっき公園にいたカルガモの雛が、ガルガルの引き起こした地割れに呑まれそうになり、まゆが必死に助けたが、ガルガルは彼女めがけて襲い掛かる。その時、まゆを守るように立ちはだかったのはユキだった。ユキは「しょうがない子ね…これ以上関わっては駄目だって」としゃべったかと思うと、キュアニャミーに変身する。
- 意外な正体に、「ユキちゃんが…」「わぁ~!キュアニャミーだったんだ!」と驚き喜ぶフレンディとワンダフル。ガルガルを浄化した後、「ユキもプリキュアなんてうれしい!これからは一緒にプリキュアしよ!」と笑顔で駆け寄るこむぎだったが、「一緒?何故?」という彼女の冷たい一瞥にたじろぐ。
- 孤独な時に救いの手を差し伸べられ、恩人であるいろはやまゆを守りたい思いでプリキュアに覚醒したというところまでは、こむぎとユキは同じだったが、その後が決定的に違った。いろはと一緒にガルガルも助けてあげたいと願うこむぎに対し、まゆを厄介事に巻き込みたくない、彼女を危険に晒す者は、ガルガルは勿論、たとえいろはやこむぎであってもまゆの前からは排除せねばならぬとユキは考えていたのだ。ユキは怒りと共に冷たく言い放つ。「わたしはまゆを守りたいだけ。なのに貴方達は、まゆを危険な事に巻き込もうとしている!これ以上、まゆに関わらないで…!!」
■第18話
- 今回はプリキュア放送通算1000回!
- ニャミーの件をメエメエに報告し、「『ニャ』ってつくから猫ちゃんだと思ってたワン」とドヤ顔になるも、「プリキュア一緒にやろって誘ったんだけど、やなんだって!」とプンスカ。無邪気で単純思考のこむぎには、ユキが断る理由が理解できなかった。
- ガルガルの気配を感じ、駆け付けた先には大きな穴が掘ってあり、中にハムスターのガルガルを発見。地中のトンネル内を逃走するガルガルをワンダフルは追いかけるが、ガルガルの体は突然縮小し、小さい穴の中へ飛び込む。ワンダフルも突っ込もうとしたが、頭がつっかえて逃げられてしまう。
- 翌日、そのガルガルが公園に出現。またも逃げるガルガルを巣穴の中まで追いかけると、多数のトンネルや部屋があり、さながら迷路の様相を呈していた。ガルガルはドングリをマシンガンのように発射して迎撃し、再び体を小さくして逃げ去ってしまう。フレンディがキラリンウサギの聴力を借りて、地中を掘り進む音を辿って追いかけた先では、ダウンしているガルガルにニャミーがトドメを刺そうとしているところだった。
- 「ガルガルに痛い事しちゃダメでしょ、めっ!」待ったをかけたワンダフルは、引き留めるフレンディの手も払いのけて歩を進めるニャミーの前に、両手を広げて立ちはだかった。「どいて」「やだ!どかない!」押し問答の間にまたもやガルガルはトンネルに飛び込んで逃げ、もはや関心のないニャミーの姿も消えていた。
- ガルガルはどこへ行ったのか考えながら帰ろうとしたところ、まゆとユキの姿を見かけ、いつもの調子で「あっ、まゆ、ユキ!」と手を振るが、まゆは突然走り出し、ユキもその後を追ってゆく。呑気なこむぎは、二人の間の微妙な空気を察する事もなく「どうしたんだろ?」と怪訝そうに首を傾げるだけだった。
■第19話
- 匂いでガルガルを探そうとしたが見つからずお手上げ。いろはが「平気平気。『猿も木から落ちる』って言うし」と答えると、「猿?お猿さんいるワン?」と妙な方向で食いつく。動物のことわざもたくさんあるという話題になり、『犬も歩けば棒に当たる』と聞いて、「昨日いろはとおしゃべりしながら歩いてたら、ポストにドーンって当たったワン!」気を付けてお散歩しましょう。
- 「じゃあハムスターは?」と尋ねると、悟は「ハムスターはキヌゲネズミ科。ネズミの仲間だから『窮鼠猫を噛む』。追い詰められたネズミは逆に猫を襲うっていう事」と解説する。しかし本当にそのことわざ通り、ガルガルがニャミーに対して逆襲しようとしていたとは、この時誰も知る由が無かった。
- なおも捜索を続けていると「ワフ?この匂いは…『猫も木から落ちる』!」と、樹上で昼寝しているユキを発見。しかし露骨に迷惑顔のユキはこむぎやいろはが挨拶してもそっぽを向き、「む~!もう一緒に遊んであげないよ!?」と怒る素振りを見せても(そもそも向こうは一緒に遊ぶことを望んでいないが)、まるっきり無視。しかしいろはは、ユキがその街路樹の上からまゆを見守っている事に気付いていた。
- まゆと喧嘩した事をいろはに指摘されても、「わたしはまゆを守るだけ。まゆに嫌われても構わない」と素っ気ないユキに、こむぎは感情的になりながら「嘘ワン!ユキはまゆが大好きなんでしょ?こむぎはいろはに嫌われるなんて絶対やだワン!ユキだって、まゆと一緒に遊んだ方が楽しいに決まってるワン!」と言い聞かせる。一度いろはと喧嘩して、心ならずも家出した経験のあるこむぎは懸命に訴えるが、ユキは頑なにこむぎと視線すら合わせようとしなかった。
- そこでガルガルの出現を察知し、見つけて「今度こそ!」と意気込んで変身するも、ガルガルはまたまた地中に潜って逃走。追いかけた先では、今度はニャミーがガルガル相手に臨戦態勢に入っており、「ニャミー!またガルガルに痛い事しようとしてるでしょ!メッ!」「貴方達が確り止めないからじゃない」と押し問答に。ところがその隙にガルガルが額の宝石から放った光線を浴びた三人は人形のようなサイズに縮んでしまった。謎の声の主から自分以外の生物も縮小化できる能力を与えられたガルガルは、前回自分を痛めつけたニャミーに復讐しようとしていたのだ。ワンダフルとフレンディは、ガルガルに遠くへ蹴り飛ばされてしまう。
- 大型犬の背中に着地し、そのサイズでは無理と引き留める悟を「早く戻ろ!ニャミーを助けなきゃ!」と説き伏せ、彼の肩に乗って現場に戻ると、ニャミーを助けたまゆがガルガルに追い詰められていた。だが「ユキを守りたい」と勇気を振り絞ったまゆの思いが鏡石に通じシャイニーキャッツパクトが出現、彼女はキュアリリアンに変身する。ワンダフルはフレンデイと共に、悟の肩の上で「わんだふる~!!」と大喜び。
- リリアンは暴れるガルガルを見事に宥めて浄化。同時にワンダフル達も元のサイズに戻った。キラリンハムスターもニコガーデンに送り届け、残る問題はまゆとユキの事だけ。複雑な思いに無言のままのユキの前にまゆが立つ。まゆから目を逸らすユキに、こむぎといろはは『ほら、ちゃんと本当の気持ちを伝えて!』と無言のジェスチャーで呼びかけた。ようやくユキは「わたし…まゆの傍にいたい!ずっと…一緒にいたい…!!」と素直な本音を吐露し、まゆも「一緒にいよ、ずっと…。」と応え、二人は抱き合った。こむぎといろはも、手を取り合って二人の和解を密かに喜ぶのだった。
■第20話
- いろはや悟から、プリキュアになった事を報告する為にニコガーデンに行こうと誘われ、早くもプレッシャーモードのまゆ。能天気なこむぎは「なんで?ニコガーデン楽しいよ?」と首を傾げるが、まゆのようなタイプは一度行った事があっても、改めて挨拶するとなると新たな緊張が発生するのであった。
- その一方ユキは行くことを拒み、渋々連れて来られても、メエメエに「協力はしないって言ってるでしょ」と反発するなど、相変わらず非友好的。まゆはユキがそんな態度を取るのは自分と同じく大勢の中に入るのに慣れていないからとユキの気持ちを推し量る。
- そんなまいに、こむぎが「う~んと…まゆはこむぎ達と一緒にいるの嫌って事?」と感傷的に尋ねると、「え!?……そそそそそんな事ある訳ないよ!仲良くなれてすごくすごくすごくうれしい!」とまゆは全力で否定。それを聞いたこむぎといろはの「じゃあユキもそうかもしれないワン!」「そうだよね。だってユキちゃん、まゆちゃんの事があんなに大好きになったんだもん。だからわたし達や他のみんなとも、もっともっと仲良くなれるって!」との励ましの言葉は、不安だったまゆの心を明るくした。
- 歓迎パーティーも終わって解散した後、ガルガルが出現。小柄ですばしこい上に、消防車に化けたりするキツネのガルガルに悪戦苦闘するも、リリアンとニャミーの互いの信頼に共鳴してアミティーリボンタンバリンが誕生、合体浄化技アミティールミエールでガルガルを浄化した。
- 一件落着後、ユキはプリキュアの仲間入りする条件として、自分をまゆの通う学校に転入させる事を要求した。意外な申し出に驚きながらも、こむぎは大喜び。学校生活がもっと充実したものになりそうな予感!
■第21話
- ユキが転校生として2年1組に加った。「ユキも同じクラスで一緒に遊べるね!」と堂々と発言し、馬場園先生から「学校は勉強する所ですよ」と釘を刺される。一方そのユキは、先生からこむぎの隣の席を指定されても、堂々とまゆの椅子に並んで着席し、まゆを赤面させると同時にクラス中をどよめかせた。
- しかしユキは、まゆに「ユキの席はこむぎちゃんの隣だよ」と言われても、犬のように興奮状態で手を振るこむぎもスルーし、まゆの隣の狸原に席をどくよう命じる始末。それでもこむぎは全くめげる事無く「ユキ~!こむぎはここだよ~!」と笑顔でアピールし続けていた。さすがの無敵メンタル。
- 「学校の事、わたしが教えてあげる!すっご~くわんだふるー!な場所なんだよ!」などと説明になっていない説明をするこむぎ"先輩"。「わんだふる」の意味を問われても、「わんだふるはわんだふるだよ!」と返し、いろはも「『ワンダフルー!』って気持ちの事をワンダフルって言うの」と同様の説明をしたため、流石のユキも「何もわからないんだけど…」と柳眉を震わせ大困惑。
- 悟が「『素晴らしい』『凄い』という意味だよ」と解説すると、「そうなんだ!」と第21話にして初めて意味を知り、ユキに意味もわからず知らずに使っていたことを呆れられる。それでもお構いなしで「ユキもすぐわかるようになるよ!だってわたし達、『わんだふるぷりきゅあ!』だもんね」と言うと、「わんだふるぷりきゅあ?お断りよ。わたしは猫なのに、『ワン』だなんて」と否定される。
- そんなユキは勉強も美術も運動も料理(弁当)もパーフェクト。刺繍も難なくこなすが、対照的にこむぎの作品はいろは共々、刺繍と言うよりウソ発見器の波形のような代物。
- 改めてまゆとユキに刺繍を教わるも、糸を針の穴に通すのにもいまだ四苦八苦(ただし上達は著しく、今度はちゃんとクッキーに見える図柄になっていた)。そこでいろはが「刺繍したハンカチをみんなで交換しない?」と提案するが、ユキはなぜか顔色を変え、「そんな事しないわ、絶対に」と拒否。しかしまゆが承諾した為、ユキも渋々付き合う事に。
- ところが皆で刺繍を始めると、まゆは集中モードに入ってしまいいろはやこむぎが声を掛けても返事一つしない。しかしいろはが「すごいね、まゆちゃん。周りの声も聞こえないくらい集中してるんだ」と褒めると、ユキは何かを思ったのか、いろはを教室の外へ呼び出した。こむぎも後に続き、「こむぎちゃんは呼ばれていない」と彼女を呼び止めるもスルーされた悟、そしてそれらのやり取りも耳に入らず刺繍に没頭するまゆが残された。
- 吹き抜け広場でまゆの過去を聞かされた後、こむぎは開口一番「全然わかんない」と発した。こむぎのような能天気な子にはわかるまいと思ったユキだったが、こむぎといろはは下述の台詞と共に笑顔を見せる。「いろはとわたしは仲良しだけど、喧嘩した事もあるよ。ユキだってまゆと喧嘩してたよね?いろはと喧嘩して悲しかったけど、もっと仲良くなれたよ。わたしといろはは、これからもず~っと一緒!ねっ!」「明日喧嘩するかもしれないからって、今日仲良くするのをやめちゃうのは淋しいよ。わたしはユキちゃんともっと仲良くなりたい。喧嘩しちゃうかもしれないけど、それでも…!」
- 決して単なる能天気ではない、彼女達は傷つく事を恐れず、仲良くなりたいという強さを持っている。ユキの手を取ったこむぎの「だって、一緒に遊んだ方がわんだふるー!でしょ」という純真無垢さが、頑なにまゆを危険から遠ざけようとしていたユキの心を揺さぶった。
- そんな時、校庭に超巨大なジャイアントパンダのガルガルが出現、あくびで催眠波が発生し、先生も生徒も、いろはやまゆも眠りに落ちてしまう。まゆを起こそうとして自分も眠りそうになるユキに「ユキ!起きて~!」と活を入れたこむぎは、眠るどころか、「まだ眠くな~い♪おやつ食べる~♪お散歩行く~♪プリキュアする~♪」と一人だけ異様なハイテンション。眠くなるほど逆に寝たくなくなり、意地でも遊びたくなるお子ちゃま気質が幸いした模様。ほっぺたにコンパクトをぐりぐりされて、ようやく目覚めたいろはと共に変身する。
- 「ガルガルが眠ると同時に、みんな同時に眠ってしまった。ガルガルを起こせば…」ニャミーの推察を聞き、「みんな起きる!」と一人突っ込んで行き、校庭で大の字になって眠るガルガルに無策でダイブし自滅するワンダフル。
- 一計を案じたニャミーはキラリンキツネの力を借り、「そんなに元気なら、ガルガルと遊んできなさい!」とワンダフルを巨大なタイヤに変身させた。ワンダフルも動揺するどころか、「わぁ~!何これ~!ブ~ン!!」と大喜びしながら校庭を爆走する。「風?わたし今、風になってる!」
- ガルガルも完全に覚まし、初めてガルガルと遊べて大はしゃぎするワンダフルと地響きを立てて全力でじゃれあった。ようやく遊び疲れて大人しくなり、ワンダフルも力尽きて眠り込んだところで、ニャミーとリリアンが浄化してキラリンパンダの姿に戻した。
- ユキからちょうちょの刺繍のハンカチをもらい、こむぎが大喜びする一方、「これは何?」とこむぎの相変わらず心電図のような作品に首を傾げるユキ。「雪だるまだよ!」と言われて思わず吹き出したユキに、「あ!ユキ笑ってる!」とこむぎも笑顔に。『犬猿の仲』ならぬ『犬猫の仲』だった二人も、すっかり打ち解けて友達になっていた。
■第22話
- ドッグトレーナーの犬束に誘われ、ドッグスポーツの「アジリティ」に挑戦。しかしハードルはスライディングで潜り抜け、トンネルの上を走り、スラロームは横を走って完全スルーするというダメっぷり。それでも100点満点と言わんばかりのドヤ顔で帰ってきて、「全然できてない」といろはに呆れられる。
- だが、意思疎通がきちんとできている事を犬束に褒められたこむぎといろはの本領は、リスのガルガル戦で発揮される。フレンディの「わんだふるご~!」の号令で、ワンダフルはフレンディの出したリボンバリアの上を巧みに跳び移ってガルガルを捕獲。そのコンビネーションはニャミーとリリアンと悟を感嘆させた。
- いろはから「全部のコマンドに反応できててすごかったよ」と褒められ、「だってね、ばっちりできるとすっごく楽しいんだよ!ユキも絶対やった方がいいよ!行くよ!わんだふるご~!」と一方的にまくしたててダッシュするも、ユキにスルーされ、「なんで走らないの!?」「何で走らなくちゃいけないのよ」やっぱりユキとはいまいち噛み合わず。それでも懲りずに「ほらユキ!わんだふるご~!」と元気に夕陽目がけて走るこむぎだった。
■第23話
- 「わぁ~!鏡石すっごくキラキラしてる!すっごい映ってる!おっきいワンダフルパクトみたい!」いつものアニマルタウンの交差点ではなく、なぜか夜の草原にある鏡石は眩く光り輝いている。それに見とれるこむぎの耳に、何かの動物の遠吠えが聞こえてきた。「うん…?誰…?」
- 「ワォ~ン…」再び聞こえた遠吠えはどこか悲しげで、何かを訴えているようでもあった。「泣いてるの…?ねえ!こっちおいでよ!一緒に遊ぼうよ!何かお願いあるなら、鏡石にお願いしなよ!おーい!おーい!」だが懸命に呼び掛けても、もう声は返ってこない…。
- そこでいろはに起こされ、こむぎは目を覚ました。夢だったのだ。いろはに話すとそれはお祭りの夢かもしれないと言われ、「お祭り?みんなで食べたり遊んだりするやつ?いろはと一緒にお祭りワン!」と途端に夢の事も忘れ、喜んでこむぎにダイブ&頭突きを食らわせる。「お祭りワ~ン!!」
- ミニスカ浴衣に着替え、まゆや悟達と合流。鏡石の周りに願い事が書かれた短冊が飾られている。自分も願い事を書こうとするが、「わたしのお願い事はね、いろはと毎日一緒に遊びたい!」「それ、もう叶ってない?」「じゃあ、いろはとお話したい!」「それも叶ってる」等々ツッコまれ、潜考の末に一旦保留してお祭りを満喫する。
- お祭り屋台も一通り回って、皆でラムネを飲みながら小休止。こむぎは空き瓶を灯りに透かし「キラキラ〜…」と見とれていたが、ふと何かに気づいて視線を落とすと、そこには人々と動物たちの笑顔と笑い声…瓶1本になんか収まらないほどの“キラキラ”が溢れかえっていた。感極まったこむぎはいろはに抱きつき、気持ちを分かち合う。
「いろは!」
「うん?なぁに?」
「お祭りって楽しいね!すっごく、すっごく…」
「「わンだフる〜!!」だねっ!」
- 鏡石神社にはたくさんの動物の石仏が安置されていた。神社の娘であるクラスメイトの烏丸曰く、山奥の遠吠神社にはオオカミの石像が祀られているという。悟から「オオカミは100年ほど前に、人間に狩られたり、伝染病や様々な原因で絶滅した」と解説され、「でもこむぎ聞いたよ、山の方から『ワオ~ン』って」と言ってみたものの、ユキから「夢でも見たんじゃない?」とあしらわれる。しかしこむぎには、あの悲しげな遠吠えが単なる夢とは思えなかった。
- 鏡石がライトアップされ、短冊に書かれた人々のいろいろな願い事が照らし出された。漸く願い事を思いついたこむぎは短冊にしたためる。いろはに願い事を尋ねられた時、祭りの会場を白鳥のガルガルが襲撃する。
- 羽ばたいて突風を起こすガルガルを「こらー!ビュオーってさせちゃダメー!」と叱るが、相手は聞く耳持たずそのまま池のほとりへ飛び去る。ガルガルの雄叫びを聞いたワンダフルには、それが夢の中の遠吠えと重なって聞こえた。「泣いてるみたい…」
- 「泣かないで~!」感情に身を委ねてガルガルに飛びつくも翼で弾き飛ばされ、フレンディのリボンバリアでキャッチされる。ワンダフル「お願いしたのに…」フレンディ「短冊に書いてた事?」ワンダフル「うん…だって、一人でさみしいのやだから…」戦闘中なのにしんみりしている間に、ニャミーとリリアンがガルガルを捕獲。フレンドリベラーレでガルガルはキラリンスワンに戻った。
- 「こむぎの願い事はどうだった?」といろはに聞かれ、「叶ったよ!バッチリ!あのね、わたしのお願い事は…」と答えたこむぎは、山の方へ向けて大きな声で叫ぶ。「『みんななかよし ワオ〜〜〜〜〜ン!』」今日のキラリンスワンだけでなく、山の中の淋しい誰かとも仲良くできますように。願いを込めたこむぎの声が夜空に響くのだった。
- しかしそんなこむぎの想いを知ってか知らずか、山奥の遠吠神社では謎の黒い影が不気味に目を光らせていた。何かが始まろうとしている…。
■第24話
- キラリンアニマルが全て戻ってきた事でニコガーデンは完全復旧。そしてニコダイヤが輝き、メエメエが「もしやニコ様では?」と見守る中、角の生えた不思議な卵が現われた。「え~!ニコ様って卵だったんだね」と驚くこむぎを「卵ではございません!」と即否定したものの、「いえ、今は卵なのですが、本来はキラキラと輝く高貴なお姿で…」とメエメエもどうしてこうなったのかわからない様子。
- それでもキラリンアニマル達は「ニコ様の卵!ニコ様の卵キラ!」と大喜びで、「ニコ様ニコ様ニッコニコ♪」と卵を囲んで踊り出し、こむぎも「ツノツノ卵♪ツノ卵♪」と合いの手を入れ、お遊戯会の様相に。
- しかしその夜、メエメエが預かったはずの卵がいろはの部屋に出現。更に、一度ちゃんとメエメエに返しに行ったのに、朝になったら再びいろはの部屋に戻っている始末。きっとニコ様の何らかの意思ではと判断し、人間界で育てる事になる。
- こむぎ・ユキ・大福が密着して温め、いろは・まゆ・悟が手をかざすと、卵は淡く輝いた。「ニコ様の卵、うれしそうワン!」とのこむぎの言葉に、「きっと皆様の温かい気持ちがニコ様にも伝わっているのですよ」とメエメエも納得。だが人間界がよっぽど居心地が良いのか、その後再度メエメエに引き取られても、卵は速攻でいろはの部屋に戻ってきてしまい、いろはとこむぎは頭を抱える羽目になる。
■第25話
- 共同で自由研究をする為に海へ。こむぎは「砂もサラサラでふかふか~!」と人間態のまま砂浜にスライディングするなど、早くもテンションMAX。その肝心の研究テーマである海亀の産卵は夜間でないと見られないとわかり、急きょ海遊びに変更になる。唯一乗り気でなかったユキを除き、いろはやこむぎ、まゆも悟もみんな水着を用意済みで海へGO!
- 砂の城を黙々と作るユキの顔面に「ここ掘れワンワンワーン」と砂の塊をぶつけたり、いろはと一緒にサーフィンしたりして海を満喫。カナヅチの悟に「とっておきの犬かき教えてあげる!」と言いつつ沈んでいったかと思えば、水が怖くてまゆに手を引かれているユキの前に水中から「バァーーッ!!」と現われて驚かせるなど、神出鬼没の暴れっぷり。
- そんなこんなでいつも通り、こむぎとは『犬猫の仲』だったユキだが。まゆ=リリアンの仲間を信じる気持ちに心動かされ、ワンダフルやフレンディと初めて共闘してガルガルを浄化する。更に「もう!こむぎ!いろは!しつこいニャ!」と名前呼びになるほど親密度もアップ。そして「今、名前を呼んでくれたワン!もう1回呼んでほしいワン!」とウザ絡みして「絶ぇ~っ対!いや!!!」とユキがキレるオチになるのは相変わらず。
■第26話
- 「こむぎ平気?暑くない?」「全然平気ワン!」朝の散歩の時間、既に猛暑でバテ気味のいろはに対し、こむぎは「もっともっとお散歩するワ~ン!」と元気いっぱい。しかしさすがのこむぎも暑さでだんだんおかしくなってきて、まゆ&ユキと出会った時には、虚ろな目で「お散歩…お散歩…」と繰り返す有り様で、とうとうダウン。一同は砂漠の幻覚を見ながらも、偶然打ち水をしていた悟に助けられる。
- 悟の部屋に招かれ、エアコンの涼しさで生き返った後は大福と追いかけっこをしたり、ユキにダイブして追い回されたり、大福の真似をして『バタン寝』したりとはしゃぎまくる。
- ガルガルを浄化して帰ってみると、出迎えたメエメエはもふもふの毛が無くなってスリムになっており、「キャハハハハハッwww!!メエメエほっそ~!何それ!!?めっちゃ薄いワ~ンwww!ハハッwww!!」と転げ回って大爆笑するこむぎ。いろは相手に暑いのなど平気と見栄を張ったものの、猛暑に耐えかねて剛に毛を刈ってもらったのだった。まあ暑い時は無理しちゃダメェ~!という事で。
■第27話
- 『ツチノコ大捜索大会』にまゆを誘ういろは。いろはが興味のあるものはこむぎも興味津々で、まゆの膝に飛び乗って「まゆも捜すワン!」、寝ているユキにも「ユキも行こうよ!ツチノコ捜そう!」と迫るなどノリノリ。
- ツチノコは見つからないまま昼食に。「こむぎもいろはと一緒にデザート頑張って用意したよ!」と取り出したのは、大福を模したうさぎりんご。あのダークマターを作り出したいろはとの共同作業とは思えないちゃんとした代物で、悟に喜ばれる。
- メエメエから連絡が入り、ニコ様の卵の様子を訊かれたいろはが、今日は外出だから家に置いてきたと答える前に、なんとこむぎが荷物の中から卵を取り出す。こむぎ「だっていつもお留守番じゃ淋しいでしょ?」メエメエ「だからってお菓子と一緒に持ち歩いちゃダメェ~!!」
- その卵をメエメエが手を滑らせて落としそうになり、いろはとこむぎがレシーブ、悟がキャッチし損ね、まゆがお手玉し、最後にユキが猫パンチを喰らわせるというほぼコント状態の末に、哀れニコ様の卵はコロコロ転がって近くの穴の中へ。
- キラリンハムスターの力で縮小化した一同は穴の中に突入するが、現われたのはツチノコのガルガルで、ヘビが苦手なニャミーは悲鳴を上げたりギャン泣きしたり恐怖で震えたりと、まともに戦えそうにない。更に、ガルガルと目が合ったフレンディとリリアンは首から下が石化してしまった。
- ピンチの中、ワンダフルは「大丈夫、わたしに任せて!」とガルガルの背中にしがみつく。「大丈夫、ほらガルガルしないで、ねっ!」説得成功……と思いきや、ガルガルと視線が合ってしまい「あれ?」、そして半石像と化して、「あれ~!!?」と悲鳴を上げる羽目に。
- 最後に残ったニャミーは、目を閉じて戦う事でどうにかガルガルに対抗する。「すごいすごい!後はガルガルをなでなでして落ち着かせてあげて!」「優しくなでなでだよ!なでなで~!」たじろぐニャミーを石化状態の苦痛などまるで感じさせない満面の笑顔で後押しするも、既に精神的に一杯のニャミーは「そんなの無理ニャアアアアア!!!!!」とギブアップ。幸い、悟が地上から穴を掘って巣穴の天井を崩した事で、ガルガルは苦手な日光で弱体化、一同は危機を脱した。
■第28話
- 夏の日射しの下、『おおくま牧場』と書かれた看板とにらめっこの末「おおくま!」とひらがなだけ読んで傍らのユキに会心のドヤ顔を決める。直後「…牧場。」とツッコまれても、こむぎの大はしゃぎはノンストップ!「そう!牧場に!来たよぉーー!!!」「こむぎ、牧場初めて!すーっごく楽しみ」端からテンション最高潮で、広大な敷地内で動物と触れ合ったり、スタンプラリーをしたりして満喫。
- 自分達で搾った牛乳を材料に作ったアイスを「甘くて冷たくて美味し~い!」と大喜びであっと言う間に平らげ、「あっ…もうない…」と涙目になるも、いろはから「ちょっとだけだよ」とわけてもらい、すぐご機嫌が直った。可愛い。
- シープドッグショーで牧羊犬に追われる羊の群れの中にメエメエを発見。「わたくし、この牧場の羊ではありません!」とダウンし、牧羊犬にせっつかれる彼にこむぎが「メエメエ、頑張れ~!」と声援を送ると、観客の子供達も応援し、それを聞いて奮起したメエメエは猛ダッシュで羊の群れをぶっ千切って、柵の中へ一番乗りでゴールインした。
- 呑気に「楽しそうだったね!」と言うこむぎに「違うんです!わたくしがしたかった楽しみ方はこうなんです!」というメエメエの想像図はどれも悟とキャッキャウフフするものばかり。どんだけ悟ラブなのか。
■第29話
- 夜明け前、こむぎがふと気づくと卵がまばゆい光を放ち、カタカタ揺れてひび割れ始めている。ユキや大福、アニマルタウン中の動物が、何かを感じていた。大慌てでいろはを叩き起こし、メエメエ・まゆ・ユキ・悟を緊急召集して皆が見守る中、卵が割れてニコが復活した。
- が…ニコガーデンの創造主とは思えぬ軽いノリでフレンドリーなニコにこむぎは興味津々。「こむぎで~す!」と元気いっぱいにご挨拶し、角をぺちぺち触って「ニコ様の角きれい!」とはしゃいでは、メエメエに「こむぎ様!勝手にニコ様に触っちゃダメェ~!」と叱られる。
- ニコガーデンを闇に包みアニマル達をガルガルに変えた黒幕は、絶滅したニホンオオカミの群れのリーダー・ガオウだと聞かされていた時、アニマルタウンに今までにない不穏な気配を感じる。戻ってみると、ガオウの部下ザクロとトラメが現われた。
- トラメが黒い卵に力を注ぎ、「ガオガオーン!!」と咆哮を上げる凶暴な怪物が誕生。「えっ…ガルガルとちょっと違う?」「『ガオガオーン』って言ってた!」いろはとこむぎのやり取りを聞きつけたトラメは「ハハ!ガオガオーンか、そりゃいい!」と気に入り、この新怪物の呼称はガオガオーンに決定。
- こむぎが人間に、更にキュアワンダフルに変身するのを見たトラメは突っかかってきた。「お前…!犬なのになんで人間なんかと連んでんだ?」「それは一緒にいるとわんだふるだからだよ!みんな元気でみんな仲良し!そういうの、わんだふるって言うんだよ!」いつもの笑顔で言い放つワンダフルだったが、ザクロとトラメはそんなワンダフルの無邪気な純粋さを受け入れてくれるような相手ではなかった。
- 「わたし達はニコガーデンのアニマルを助けたいだけ。あなた達とも友達になりたい」フレンディの言い分を聞いた二人は「人間は我々狼を滅ぼした。人間なんかと仲良くできる訳がない」と逆上し、猿のガオガオーンを差し向ける。フレンドリベラーレもアミティールミエールも破られたプリキュア達は為す術もなく敗北。ガオウの雄叫びにより二人が帰還した為九死に一生を得たが、人間が狼を追い詰め絶滅させたという事実に、いろはは打ちのめされてしまう…。
■第30話
- ガオガオーンの暴れ回るアニマルタウンの街角から人と動物の影が消えた。剛と陽子は不安を感じながらも「傷ついた動物達が運ばれてくるのに備えて、まずは腹ごしらえ」と前向きな姿勢を見せる。しかし「いっぱい食べるワン!」と言うこむぎに対し、前回のショックを引きずるいろはは食欲もなく部屋に閉じこもってしまった。
- ベッドの上で膝を抱えて俯いたままのいろはを、こむぎは人間態になって抱き締める。「こうすると元気になるんだよ。いろはがぎゅってしてくれて、こむぎいっぱい元気になったから!こむぎね、いろはと一緒に遊べればいいって思ってた。でも…まゆやユキ、悟、大福、クラスのみんな、ニコガーデンの子達…いろんな子達と会って一緒に遊んで、前よりもっとも~っとわんだふるになったよ!!いろは、狼と友達になりたいんでしょ?」「なれたらいいんだけど…」「なれるよ!だってこむぎも最初はガルガルしてたけど、いろはの事大好きになったよ!ガルガルだった子達とも今はすっごく仲良しだし。いろは、世界中の動物と友達になるんでしょ?」「うん…」「こむぎも、ワォ~ンな狼達と友達になりたい!なれたらすっごくわんだふるだよね!!」どこまでも明るく無邪気なこむぎに元気付けられ、ようやくいろはに笑顔が戻った。いろはを守るためにプリキュアになって以降、仲間や友達、わんだふるな動物達との出会い、そして数多の経験や出来事がこむぎを大きく成長させていた。人間への怨みを募らせている狼達とも永遠に相容れないわけじゃない。同じく人間に激しく怯えていた自分を人間のいろはが救い出してくれたおかげで、見える世界がわんだふるになったこむぎが言うのだから。どうすればいいのかなんてわからない。でも、だからと言って、諦めて絶望しても何も変わらない。「そうだね…」「行こ!一緒に!」そうして差し伸べられた手を取り、いろははこむぎに厚い感謝の意を伝えるのだった。「ありがと、こむぎ…」
- トラメとガオガオーンを発見して変身しようとした時、ユキが四人一緒に力を合わせることを申し出た。気位の高いユキが自ら歩み寄ってくれた事に、いろはもこむぎも顔を見合わせて喜び、4人揃っての初名乗り。
「みんな一緒に!」
「せーの!」
「「「「わんだふるぷりきゅあ!」」」」
- ガオガオーンの猛攻に圧されながらも、プリキュア達はキラリンアニマルの力を借りて反撃。ワンダフルはキラリンベアーの超パワーでガオガオーンの左右からの攻撃を受け止める。
- それでも次第に劣勢になる中、トラメに「そろそろ限界か?」と嘲られても、フレンディは「まだやるよ、あなた達と話せるまで!」と諦めず、「わかんねェな。こっちは嫌いだって言ってんのになんで!?」と言う彼に、ワンダフルも「一緒に遊んだ方が楽しいから!」とブレない姿勢を見せる。ニャミーとリリアンも加わり、4人は手を取り合った。
フレンディ「みんな元気で…」
ワンダフル「みんな仲良し!」
ニャミー「簡単じゃない。でも…」
リリアン「そうなれたら嬉しいから!」
フレンディ「それが…」
「「「「わたし達のワンダフルだから!!!!」」」」
- プリキュア達の思いがニコの心を動かす。もし力が及ばないのなら、ニコはプリキュア達から変身能力を取り上げ、自らガオウに対峙するつもりでいたが、遂に4人を認めたのだ。「わたくしの願いは全ての動物達が笑顔になる事…」ニコの願いに対し、「わたし達と同じだ!」と答えるワンダフルと、うなずくフレンディ・ニャミー・リリアン。「そうですね。貴方達となら…」そしてニコはダイヤモンドリボンキャッスルを生み出し、ワンダフル達はダイヤモンドリボンスタイルへと覚醒を遂げる。合体浄化技プリキュア・エターナルキズナシャワーでガオガオーンに勝利する。
■第31話
- まゆがキュアスタにアップしたユキの写真を陽子に見せようと、「お母さ~ん、これ見た~?」とタブレット片手に階段をバタバタ降りてきたところ、チンチラのこてつを診てもらいに来ていた知覧友真と出会う。彼女の雰囲気を見るや、「友真って何だかまゆと似てるね!まゆはいろはの友達でね、隣の町から引っ越してきて、『Pretty Holic』っていうお店がお家でね」とまくし立て、偶然にもまゆを探していた友真が彼女の元を訪れるきっかけを作ることになった。
- そのこてつがザクロによってガオガオーンに変えられてしまう。「この子は今、人間は敵だってお勉強し直してるとこなの、邪魔しないで」と嘯くザクロに、「そんなお勉強、嫌だよ!フレンディと一緒に遊べばわかるもん!」とワンダフルは反発。リリアンが強度の上がったリリアンネットを編み上げる間、チームワークでガオガオーンの攻撃を凌ぎ切り、浄化に繋げた。
■第32話
- みんなでいろはお勧めの動物園『ふれあいパーク』へやってきた。「ユキも初めて?こむぎも初めて!ワクワクだね!ドキドキだね!」初っ端からテンション高くユキに絡み、その後もいいリアクションを取りまくる。
- いろはのお気に入りであるおばあちゃんインドゾウのさくらは、いろはが動物と友達になりたいと考えるようになったオリジンだった。いろはの呼び掛けに鳴き声を上げるさくらに対し、「さくら、いろはに会えて嬉しいみたい!」と感じ取り、いろはとさくらが初めて出会った時のエピソードを聞いて、「小っちゃいいろはに優しくしてくれてありがとう、さくら!」と手を振るこむぎ。
- 動物と人間が仲良くするのが気に入らないザクロは、さくらをガオガオーンに変えてしまう。だが破壊をやめさせようとする仲間のゾウを含む他の動物達の姿にガオガオーンは苦しみ出し、ワンダフルも「さくらの声が聞こえる」と、ガオガオーンの中でさくらが抗っている事を感じ取った。そしてフレンディの心を込めた説得によりおとなしくなったガオガオーンを、プリキュア達はエターナル・キズナシャワーで元のさくらに戻した。
■第33話
- 今日はドッグランにたくさんの犬が来ている為、こむぎは朝からテンション高く大はしゃぎ。シーズーのモカとじゃれて取っ組み合ったり、芝生の上を転がり回ったりと全力で遊びまくる。しかしそのモカは、なかなか飼い主の言う事を聞かず手こずらせていた。
- 外で遊んで真っ黒になっても、大人しくお風呂に入ったりブラッシングさせてくれず困っているという飼い主に、剛は「まずは友達にならないと」と、こむぎも交えて一緒に遊び始め、『マルっとスマイル』で安心させて、モカの心を掴む事に成功。やんちゃだったモカも素直にトリミングを受け始めた。
- ちなみに、モカと一緒に芝生を転げ回って芝まみれになっていたはずのこむぎは、「うわ~、楽しかった!」と人間態で戻ってきた時は、全然汚れていない小綺麗な姿だった。便利な変身。
- トリミングを終え、見違えるようにさっぱりして帰って行くモカ。「みんなをマルっとスマイルにしちゃうお父さんの手は魔法の手だワン!」と感嘆したこむぎは「いろは~、こむぎもブラッシングして欲しくなってきたワン!」とおねだりし、ユキまでも珍しく「わたしもブラッシング…」とまゆに甘える。剛の魔法の手と『マルっとスマイル』は、動物や飼い主みんなをニコニコにするのだった。
■第34話
- まゆの父・貴行の写真展に行くが、珍しくまゆの傍らにユキの姿がない事に気付き、「ねぇねぇ、ユキは?」と尋ねると、一人でお留守番しているとの事で、「いつもまゆと一緒なのに」と不思議がる。実はユキは昨晩、久々に帰宅した貴行にまゆを取られたような気がして、ちょっと拗ねていたのだった。
- 『Pretty Holic』に行くと、留守番しているはずのユキはおらず、まゆもどこへ行ったか心当たりがない。「じゃあこむぎが見つけてあげるワン!」と匂いを嗅いで後を追ったところ、ユキはニャミーに変身して猫のガオガオーンと戦っていた。
- 浄化されて元に戻ったガオガオーンはこの辺りを縄張りにしているボス猫で、ユキは仲間の猫達に取り囲まれて感謝される。猫達は何を言っているのか悟に聞かれたこむぎは、「『アネゴ~!一生ついていくでヤンス!』って言ってるワン!」と通訳した。
■第35話
- いろはが『ケイジくん』について「ケイジくんはね、すっごーくカッコいいの!頭が良くって頑張り屋さんで、足もとっても速いんだ!」と絶賛する背後で、ダンディな顔をしたり、ガリ勉スタイルになったり、久々にタイヤになったりと、顔芸全身芸連発。
- そのシェパードのケイジくんが嘱託警察犬を目指していると聞いて「わぁ~、すごい!」とまゆが褒めるので「ワン!」とドヤ顔。当然ユキに「別にあなたは褒めてない」とツッコまれる。
- トラメがカンガルーのガオガオーンを暴れさせている現場に、いろはと二人で駆け付けたところ、「? なんか少なくね?もっといっぱいいたろ」と言われ、「いっぱいじゃないよ!全部で4人!」「3より多い時は『いっぱい』だ!」「違うよ、3の次は4!わたし学校で習ったもん!」と、"高度な"やり取りをしているところで、遅れてやってきたユキから「威張るような事じゃない」と辛らつなお言葉。
- ちなみに第29話では4体に分身したガオガオーンを「1、2…いっぱい!」と表現していたので、3以上の数を数えられるようになった事が判明。匙も投げずに、3の次は4だときちんと教えてくれる素晴らしい湾岸第二中学校。
- ガオガオーンの強力なパンチとキックで近づけない為、キラリンライオンのダッシュ力で翻弄し、「これなら当たらないもんね!」と得意満面になるも、ここでもニャミーから「近付けないのは変わらないけどね」と本日3度目のツッコミ。
- 悟が意を決していろはに告白すると見たユキは、こむぎが雰囲気を壊さないようにと口をそっと押さえ、こむぎもよくわからぬまま大人しく成り行きを見守る。しかし悟は結局勇気を出せず腰砕けになり…と思いきや、今度はメエメエが「もう驚かさないで下さいよ!いろは様に好きって告白するかと思ったじゃありませんか!!」と余計な事を言ってしまい、事態は二転三転するが、こむぎは状況がさっぱり呑み込めず「好き?」とポカンとしたまま。今日は徹底してボケ役だった
■第36話
- 「好き?悟、いろはの事好きなの?」ただ一人事態がわかっていないこむぎはド直球で悟に切り込んだ上に、「こむぎもね、いろはの事だ~い好き!一緒だね!」と硬直したままのいろはに抱き着く。「え~っと…こむぎちゃんの『好き』とはちょっと違うっていうか…」「違うって?」「好きにもいろいろあるの」「いろいろって?」と、まゆやユキに窘められても首を傾げるばかり。お子ちゃまのこむぎにとっては恋愛は理解の範疇外だった。
- 悟に改めて告白されたいろはは真っ赤になってその場から逃げ出すが、たちまちこむぎが追いついてきた。「いろは、なんで走ってるの?」「わかんない!!」「どこに行くの?」「わかんない!!こむぎ!わたしどうすればいい!!?」「何が?」「何がなんだかわかんないよ~!!!!」悩めるいろはに対し、どこまでも単純で無邪気なこむぎにとっては答えは簡単。今一番したい事をして、行きたい所に行くだけ。「じゃあお散歩しよ!」そのままいろはを引っ張ってダッシュでお散歩へ。
- (色んな意味で)疲れ切ったいろはを余所に「いっぱいお散歩して楽しかったワン!」と満足して帰宅すると、まゆとユキがいろはの事を心配して待っていてくれた。(※この時のこむぎは犬の姿に戻っていた。)「まゆちゃ~ん!話聞いて~!」といろははまゆに泣きつくが、「こむぎもお話するワン!」と、"大事な話"である事を察せず、こむぎはいつも通りいろはにくっついて行こうとする。さすがに見かねたユキが子守役を買って出てくれた。力の限り遊び続け、いろはとまゆ、そして陽子の話が核心に入る頃にはユキ共々熟睡。
- トビのガオガオーンを浄化した後、改めて見つめ合う悟といろは。しかしマイペースなこむぎはお構いなしで「あ!空が赤くなってきたよ!いろは!夕方のお散歩に…」と言い出して、「散歩、付き合ってあげる」「わたしも一緒に!」「みんなでレッツゴー!」とユキ・まゆ・ニコによって連行(?)されるも、意外なメンツのお誘いに喜びながら、「いろは!先行ってるね~!」とお散歩に出かけていった。こむぎが自分のいろはに対する『好き』と、悟といろはの間の『好き』の違いを理解できるのはいつの日になるのやら。
■第37話
- 陽子と共におめかしに勤しむいろは。「今日のいろははいつもと違うワン!なんかキラキラしてるワン!」こむぎにもそう一目でわかる程ウキウキして輝いて見えた。それもそのはずで今日は悟との初デート。しかしもちろんこむぎには理解の外であり、「デートって何ワン?」陽子「大好きな人と一緒にお出かけする事…かな」「じゃあ、いろはとこむぎのお散歩はデートワン!」陽子「う~ん、それとはちょっと違うのよね…」と相変わらず。
- いろははこむぎを、悟は大福を伴って待ち合わせ場所に集合。そこへまゆとユキが偶然居合わせる。こむぎに「まゆとユキもいろは達と一緒にデートワン?」と尋ねられたまゆは、それでは今までと変わらないと気を回す。こむぎは自分とユキが預かり、大福はデートに割り込もうと画策するメエメエに押し付ける形でいろはと悟が二人きりになる事を演出した。
- いろはと悟がデートをしている間、まゆ達に連れられてショッピングモールを訪れる。「いろんなお店がいっぱい!」いろはが着ていたのと似たデザインの服でおしゃれをしたり、初めてのメロンソーダに目を輝かせるなどして満喫していたが、何と悟といろはが同じショッピングモール内の水族館に向かっており、まゆとユキはこむぎに気付かれないよう四苦八苦。
- ガオガオーンを浄化した後、まゆ達に買って貰ったハート型サングラスをかけながら「こむぎわかったよ!デートって、すっご~くワンダフルなお出かけなんだよね。だからいろは、今度はこむぎとデートしてね!」とやっぱりわかってないけど、ピュアなこむぎの発言に、ユキは呆れてため息をつき、まゆは微笑む。ともあれ、当のいろはや悟も含めて、みんなにとってわんだふるな1日だったのは間違いないようである。
■第38話
- 「いろはいろは~!なでなでしてワン!」「よ~しよしよし」いつものようにいろはに抱っこされ、後頭部ののハートマークの模様を撫でてもらっている時が、こむぎの一番幸せな時間。そしてこれまた大好きなボール拾いに興じていた時、やって来た一人の女性客が「マロンちゃん!?」と驚き、スマホの写真を見せる。そこにはこむぎそっくりの犬の写真が写っていた。
- 動物のボランティア団体を営んでいるその結城綾子という女性は、いろは・剛・陽子に事情を説明する。彼女の団体では様々な事情飼えなくなった人達からペットを預かって世話をしており、マロンの前の飼い主も施設に入る事になった為に、こむぎことマロンも結城達に託されたのだが、ある日マロンはケージを脱け出して姿を消してしまったのだという。それが2年前の話、ちょうどいろはがこむぎを拾った頃だった…。
- いろは達が結城から説明を受けている間、こむぎは悟や大福、そして悟に呼ばれたまゆやユキと共に外で待っていた。まゆに「いろはちゃんと出会う前の事、覚えてるの?」と尋ねられても、何一つ覚えておらず、前の家族と言われてもピンと来ない。更に悟が「前の家族がこむぎちゃんを引き取りたいって言う可能性もある訳で…」と口にしたので、そんな事考えられないとばかりに、ムッとなって「いろはとこむぎはずっと一緒だワン!」と言い返す。
- そこへ「お待たせ」といろはが走ってきた。不安な気持ちを打ち消すがごとく「いろは!待ってたワン!一緒に遊ぶワン!」とおねだりするが、いろはは「その前にお出かけの準備だね。さっきの人はボランティアの方だったの。それで、こむぎの前の家族に会いに行く事にしたよ。こむぎも一緒に行こうね」と事情を説明する。愕然となり「なんで…?」と尋ねるこむぎ。いろはは自分を嫌いになったのか?離れ離れになっても平気なのだろうか?
- こむぎに加勢するように、まゆが「でも、もしこむぎちゃんを返してって言われたら…」と問い、こむぎも「いろはとこむぎはずっと一緒だワン!ねっ?いろは!」と頑張るが、いろははすぐに返事ができず、しばしの躊躇の後、「大丈夫、心配いらないよ」と無理に微笑むのが精一杯。いろはとてこむぎを手放したくない。しかし元の飼い主が見つかった以上、相手が望むならば返してあげるのが筋が通った正しい形だと理解した上での、苦渋の決断だった。
- その夜は二人ともまんじりともせず、翌日は仲良く目の下に隈を作ってげっそりした顔で、山奥の介護施設を訪れる。いろは・まゆ・悟が入館手続に行っている間、元気のないこむぎをユキが「どうしたの?あなたらしくないじゃない。いつもは所構わず走り回って、遊ぼう遊ぼうって迷惑な犬なのに」とからかう。「こむぎ、迷惑じゃないワン!」と気色ばむこむぎをユキは優しく抱き上げ、「一つ教えてあげる。こむぎといろはは強い絆で結ばれている。二人の絆がそう簡単に切れる筈は無い。わたしが言うんだから間違いないニャ」と励ましてくれた。いつも素っ気なくクールなユキの温かい言葉に、こむぎは感謝した。「ユキ…ありがとうワン」
- いろはとこむぎは、こむぎ=マロンの前の飼い主だった栗原という老人に面会する。「2年前にマロンがいなくなったと知って、胸が張り裂ける思いだった。わたしが施設に入らなければ離れ離れになる事はなかった…本当にマロンには申し訳ない事をしたね」と謝罪した上で、いろはに「マロンを抱っこさせてもらってもいいかな?」と願い出た。こむぎが恐る恐る膝の上に乗ると、栗原はいろはと同じように、こむぎの後頭部のハートマークの部分を愛おしげに撫でた。心が安らぐ。記憶はないのに、この愛情のこもった手の感触を体が覚えている。(この感じ…なんか知ってるワン…。優しくて…温かくて…いろはが一番なのに…なんで…なんで?)
- マロンとこむぎについてそれぞれ知っている事を語り合って談笑するいろはと栗原だったが、「今までマロンを大切に育ててくれてありがとう」との栗原の言葉を聞いたいろはは俯いた。そして次に彼が口にするであろう言葉を遮るかのように切り出す。「わたし、2年前にこむぎを保護した時に、お母さんと約束したんです。もしもこむぎの前の家族が見つかったら、ちゃんとこむぎとお別れして、前の家族の元に返してあげるって…」
- (そんなの聞いてないワン…!)こむぎが眠っている間にいろはと陽子の間で交わされた会話なので知らないのも道理だが、首輪をつけていて誰かの飼い犬である事、どんなにこむぎが『いろはと一緒に居たいと』主張しても、法律上は『物』もとい『所有物』である以上、本来の持ち主であり、飼い主が見つかったらお別れするというのがいろはと陽子の約束だった。又、こむぎが約束の事を知ってしまうと栗原に会うのを拒否してしまう可能性があった為、いろはも事前に伝える事が出来なかったのである。「だけど…毎日こむぎと過ごして、どんどん仲良くなって、いっぱい喧嘩して…わたし、こむぎの事が大好きになって…!!」溢れる思いと共に、いろはの目から涙がこぼれ、こむぎも涙を浮かべる。
- 「こむぎと離れるなんて絶対に嫌!!わがまま言ってごめんなさい。でもわたし、ずっとずっとこむぎと一緒にいたいんです!だから…お願いします!!」いろはは懸命に栗原に訴え、深々と頭を下げて懇願する。(いろは…!!)こむぎも声を出して抱き着きたいのをこらえていた。栗原が自分を愛してくれていたのはよくわかる。でもやっぱりいろはとお別れしたくない…。
- そんな時まゆ達を見つけたトラメが、オコジョのガオガオーンをけしかける。こむぎはすぐさま察知し、悟が栗原を避難させている間に4人は変身する。しかし素早さと凶暴性を併せ持つガオガオーンは、分身して見える程のスピードでプリキュアを翻弄し、ニャミーとリリアンを一撃で倒した上で、続いてワンダフルに鋭い爪を振り上げた。
- 「リボンバリア!」すかさずフレンディがワンダフルを庇う。ガオガオーンがバリアを噛み砕こうとしても必死にこらえるフレンディの姿を見たワンダフルの脳裏に先刻の『こむぎと離れるなんて絶対に嫌!ずっとずっとこむぎと一緒にいたいんです!』といういろはの声が響いた。(わたしだって同じ!ずっとずっといろはと一緒にいたい!)二人の思いは一つ。ワンダフルはフレンディに加勢して、プニプニバリアーでガオガオーンを弾き飛ばした。再び高速で走り回るガオガオーンには、キラリンウサギの聴力で本物の居場所を突き止めて皆で先回りしながら包囲して対抗。疲れ果てておとなしくなったガオガオーンは、エターナルキズナシャワーで浄化された。
- 「おじいちゃ~ん!」戦いが終わった後、こむぎは人間態のまま栗原に抱き着いた。「こむぎね、ちょっとだけ思い出したんだ。おじいちゃん、いつもこうやってぎゅーってして、いっぱいなでなでしてくれたよね。すごくホッとして嬉しかった。こむぎね、おじいちゃんと一緒にいれてすっごくわんだふるだったよ!いろはが教えてくれたの。元気で仲良しで最高!って事。こむぎ、おじいちゃんもいろはも大好きみんなの事も大好き!みんながわんだふるな世界って、とっても素敵だよ☆」
- 驚く栗原から、いろはは慌ててこむぎを引き離す。「こ…こむぎ!人間の姿で言ってもわかんないよ!」「ワオン!じゃあ犬に戻って…」「犬の姿で喋っちゃダメ!」「えぇ~!?じゃあどうする?」こむぎの気持ちは嬉しいが、例の如く先走って変身がバレそうな発言をするものだから、どう言い繕うべきかとあたふたするいろはとこむぎ。だが突然現れた見知らぬ女の子に抱き着かれて困惑していた栗原は、その正体に気付いてわずかに驚いた後、全てを理解していろはに声を掛けた。
- 「犬飼さん…さっきのお願いの返事をしないといけないね。マロンを…いや、こむぎをこれからもよろしくお願いします。君たちはこれからもずっと一緒だよ。二人は最高にワンダフルだからね」彼はマロンが人間になった事も、この2年の間にマロンがこむぎとしていろはとの固い絆を結んだ事も受け入れ、これからもずっと一緒でいる事を認めてくれたのだ。「はい!」声を合わせて返事した後、こむぎといろはは万感の思いで見つめ合う。そして木陰から、その様子を眺めて微笑む謎の少女の姿があった…。
■第39話
- 今日はハロウィン。アニマルタウンはコスプレした人々で賑わっている。「見て見て!こむぎの仮装、な~んだ?」と振ったものの、まゆやユキには「犬…かな?」「どう見ても犬でしょ」とそのまんまの回答をされる。正解は狼で、いろは曰くこむぎはずっと「狼になりたい」と言っていたとの事で、どうしてなのかとまゆに尋ねられ、答えようとしたところで蟹江と大熊が乱入した為に聞けず仕舞い。
- 人ごみの中に、妙にリアルな狼の仮装をした男を見かけ、嬉しくなって後を追いかけるこむぎ。橋の真ん中でようやく追いついて「見て見て!わたしも狼だよ!お揃いだね!」と話し掛けたが、男は無視してそのまま立ち去ろうとする。「それなら……ワオオーーーーン!!!!!」気を引くべく大きな声で叫ぶと、男は足を止めた。「────って狼は鳴くんだよね?えっと、こういうの何て言うんだっけ?」自問自答するこむぎに男は答える。「遠吠えだ」
- 「そうそう!遠吠え!遠くにいる友達への呼び掛けなんだよね。だからわたし狼になったんだ!『ワオオ~ン!!』って聴こえたら『ワオオ~ン!!』って返事するの!」まくし立てるこむぎに、男は再び背を向ける。「狼は……仲間はもう居ない……」
- 追いかけようとしたものの、ハロウィンイベントで立ちっぱなしの上、家からここまで走ってきたために、喉の渇きと疲労で変身が解け、犬の姿に戻ってしまう。男は驚くも、こむぎを川縁に運んで水を飲ませてくれた。一息ついてお礼を言った時、男の周りにリスや小鳥が寄ってきて体の随所に止まった。きっとこの人はいい人なのだろう。「いろはと同じワン。いろはも動物に好かれるワン。こむぎも大好きワン!」
- 男「お前、犬なのに何故人間の姿に?」「いろはとおしゃべりしたかったから、鏡石にお願いしたんだワン。狼さんもお願いあったら、鏡石にするといいよ」男が「俺の願いは…」と口を開きかけたところで、急に姿を消したこむぎを捜していろは達がやってきた。
- 「黙っていなくなっちゃ駄目でしょ!」「ごめんワン。狼さんとお話してたワン」「え!?こむぎ喋っちゃ駄目でしょ!!」「大丈夫ワン!狼さん、いろはみたいに優しいワン」すると男が口を挟んできた。その声は、暗く冷たい怒りが満ちたものだった「何故人間にすり寄る…?人間は欲深く冷酷な生き物だ。信じてはならぬ…!!」
- 「そんな事ないワン!いろはは…」こむぎの反論を遮り、水晶玉を取り出した男の全身から闇の気配が溢れ出す。それはガルガルやガオガオーンが現われる時と同じ空気…。いろは「気をつけて!あの狼がガオウだよ!」狼の格好は仮装ではなく素顔。男の正体は、ニコガーデンを襲い、多くのアニマル達をガルガルやガオガオーンに変えて苦しめてきた敵の首魁・ガオウだったのだ。
- 愕然となるこむぎ、臨戦態勢を取るいろは・まゆ・ユキ。「そうか…お前達がプリキュアか。我が放った黒き獣達を悉く鎮め、邪魔をする者共…!!」怒りと憎しみを露わにするガオウ。いろは達は身構えるが、ガオウの水晶玉の鬼火が揺らめくと、闇がワンダフルパクトやシャイニーキャッツパクトを包み、変身が封じられた。
- 「我等の邪魔をする者は赦さぬ…!!」狼の邪霊を召喚するガオウ。するとそこへニコが駆けつけ、邪霊を弾き飛ばした。そしてニコは人間の少女へと姿を変える。こむぎ「ニコエボリューションだワン!!」こむぎ達の前でこの姿になるのは初めてだったが、ニコは皆が知らない合間合間に人間態でアニマルタウンの様子を見守っていたのだ。
- ガオウ「やはり来たか…ダイヤモンドユニコーン…」ニコ「ガオウ…貴方ともう一度話したいと思っていました。人間は身勝手で残酷な生き物…貴方が言う様に、わたくしもそう思っていました。でも、このアニマルタウンの人々は違います。動物達を大切にし、共に仲良く暮らしています」ガオウ「今はそうでも…いずれ裏切る。人間はそういう生き物だ」ニコ「貴方が人間を恨む気持ちは解ります。ですが──」ガオウ「これ以上話す事は無い。我が願いは唯一つ。仲間の無念を晴らす為、人間達に報いを与える!!!」ニコの説得にも耳を貸さず、憎しみを滾らせてゆくガオウの手の中で、水晶玉が妖しく輝き始めた。
- 水晶玉の中には、ニコガーデン襲撃の際に奪い取ったニコダイヤの欠片が仕込まれており、ガオウはそれに負のオーラを注ぎ込む事で、アニマル達をガルガルやガオガオーンに仕立て上げていたのだ。「人間達に報いを与える為に!そして…人間に尻尾を振る動物達を目覚めさせる為に…!!」ガオウが呼び寄せた黒雲から稲妻が走り、それに打たれて気を失ったこむぎの体を闇が包む。「吠えろ…牙を剥け…!!」ガオウの声が頭に響き、いろはとの楽しい思い出が闇に塗り潰されると共に、こむぎの体はガオガオーンへと変貌してゆく。「誇りを取り戻せ…黒き獣となれ!!」
- いろは「目を覚まして!!!こむぎ!!!」ニコはバリアを張り、直接闇を注ぎ込もうとするガオウからこむぎを守る。その時、闇にほぼ侵食されたこむぎの心の中に一筋の光が射し込んだ。「ワオーン…」誰かの遠吠えが聴こえる。誰かが自分を呼んでいる…。そこへさらに眩しい光が照らしつけた。「こむぎ!!!!」いろはの声だ。いろはのところに戻らなくては…!「いろは~!!!!!」ガオガオーン化が解け、こむぎは元の姿に戻った。「いろは…いろはの声、聴こえたよ…」
- 「我が力を撥ね退けるとは…!!」ガオウは力の使い過ぎで衰弱し、ワンダフルパクトを封じていた闇の力も消えた。しかしニコも同じく力尽きて、人間態からダイヤモンドユニコーンの姿に戻ってしまった。そこへ駆け付けたザクロがコウモリをガオガオーンに変え、こむぎ達は変身して応戦する。
- 飛び回るガオガオーンに怯え、さっきガオウに寄り添っていた小鳥やリスも逃げてしまった。「ガオウ!こんな事しちゃメッ!こんなのわんだふるじゃないよ!」ザクロがコウモリに有利なように辺りを真っ暗闇に変えるが、元が動物で夜目が利くワンダフルとニャミーには通用しない。ニコ「わたくしは…人間を信じます。そしてプリキュアと共に貴方を止める!」さらに力を振り絞ったニコによって闇も打ち払われ、プリキュアは勝利する。
- ニコ「ガオウ…仲間の無念を晴らす為だとしても、罪の無い生き物達を傷つける事は許されません」ガオウ「それでも我は為さねばならぬ…」ニコとガオウの主張はやはり平行線のまま。「時が満ちた刻、お前達の世界は終わる…!!」不吉な言葉を残して去ろうとするガオウを、ワンダフルは呼び止めようとする。動物達が懐いて寄って来るガオウが根っからの外道とは思えない。もっとお話しすれば…。しかしガオウはザクロと共に消え失せた。ワンダフルは星が輝き始めた夜空を空しく見上げるだけだった…。
■第40話
- 山の上にある遠吠神社を訪れた一同。数々の情報から、ガオウの棲み処がここではないかと推測しての事で、以前こむぎが悲しげな遠吠えを聴いたのもこちらの方角だった。「あの遠吠えはガオウだったのかな?ガオウね、いろはみたいにリスや小鳥さんにすっごく好かれてた!わたしにも優しかったし!」こむぎの言葉を受けていろはが続ける。「わたし、ガオウとちゃんと話したい」その思いはみんな同じだった。
- 遠吠神社は長年誰も訪れた気配がなく荒れ果てていた。こむぎがガオウの匂いを嗅ぎつけ、ユキが探索するも社の中は無人。しかし最近までここにいたのは確かと、ニコが気配を辿るべく人間態になったが、力が上手く制御できず暴走し、その煽りでいろはが犬に、まゆが猫になってしまった。
- 「こういう時は遊ぼう!!いつか元に戻るなら、犬になったいろは達と今!いーっぱい遊びたい☆」途方に暮れるいろはに対し、こむぎはいつも通り能天気ながらポジティブ発言。ニコニコパワーの源はみんなの笑顔。ペットフリーエリアにて、みんなで遊ぶ事に。立場は逆転しても平常運転でじゃれ合うまゆとユキを横目に、こむぎは犬いろはと全力疾走して大喜び。
- トラメとガオガオーンが出現するも、遊んでいる内にニコニコパワーが溜まり、いろはとまゆは無事元の姿に戻って変身できた。カエルのガオガオーンは、なぜか近くにいるワンダフルとフレンディではなく、離れたところで動いたリリアンを攻撃し、悟は「きっとカエルは動く物しか認識できないからだ」と推察する。そこでプリキュア達は『だるまさんがころんだ』作戦を実行。
- ワンダフルとフレンディが前方に、ニャミーとリリアンが背後に立ち、一方がガオガオーンに振り向かれたら止まり、注意が逸れた隙にもう一方が動くという方法で間合いを詰めて行くが…
- 「後ろだ後ろ!……と見せかけて前だァ!!」指示に追われながらも手の内を読んだトラメフェイントに引っかけられ、ワンダフル達はかなりキツいポーズで固まってしまう。トラメが爆笑している隙にリリアンが一気に距離を詰めてリリアンネットで捕獲し、ガオガオーンは浄化された。だが敗れたにもかかわらずトラメは上機嫌で笑いながら退散していった。「お前ら!面白ェ事考えるな~♪楽しかったぜ!またな!」
- 呆気に取られながらもワンダフルは「トラメって…ほんとは一緒に遊びたいんじゃないのかな?」と呟く。リリアン「そう言えば、いつも『遊んでやる』って言ってるね」「みんなで一緒に遊べたらわんだふるだよね!」ワンダフルの言葉に笑顔でうなずく一同。きっとガオウやトラメと仲良くできるかもしれないという希望を見出し、プリキュア達の顔は明るかった。
■第41話
- 演劇部の狐崎と狸原が、アニマルタウンの演劇祭に招待されたという事で、再度ユキを勧誘しに来たが、ユキはさらっと「お断り」。こむぎ「ねーねー、えんげきって何やるの?」狐崎「ロミオとジュリエットよ」たぶんこむぎは「えんげき」自体が何かわかっていない。
- 烏丸が持ってきた古い文献には、スバル(昴)という男性と狼との、150年前の交流が記されていた。いろは「狼と仲良くしていた人がずっと昔にいたんだ!」こむぎ「わたしといろはみたい!」狐崎もそれに刺激を受け、ファンタジー活劇『狼王ウルフェン』を一晩で書き上げる。狐崎とまゆの勢いに押し切られたユキが出演を承諾したところで、こむぎもすかさず挙手。「はい!犬役には自信ありま~す!」
- 「でも、犬の出番は別に…」狐崎は難色を示すが、気がつくと彼女はいつの間にか膝の上でこむぎの頭を撫でていた。「なんて自然な演技力!!!」「恐ろしい子犬!!」狸原共々、逸材(?)の出現に戦慄。村の青年の飼い犬ウィート役として出る事になった。
- しかし演劇祭当日、劇の最中にカメレオンのガオガオーンが出現。劇の幕間を縫って駆け付けたものの、擬態で姿を消して攻撃してくるガオガオーンに苦戦する。そこでニャミーはキラリンキツネの力で、例によってワンダフルを変身させる。「おぉ~!なんだこれ~?」「メークブラシよ」伸ばした舌を辿り、本体に色を塗って炙り出すという奇策でガオガオーンを浄化した。
- 一方、劇はいよいよクライマックスを迎えていた。村の青年プレアデス役の狸原と、狼王ウルフェン役の狐崎の演技も熱を帯びる。「待ってくれウルフェン!たとえ狼であっても僕は…」「狼と人間 共に生きる道など無い…」プレアデスに背を向けて立ち去ろうとするウルフェン。その姿を見たこむぎの脳裏に、先日出会ったガオウの悲しみと怒りの混じった言葉がよぎる。『人間は欲深く冷酷な生き物だ。信じてはならぬ…!!』「そ…そんな事ないよ!!!!」こむぎは思わず舞台袖から叫んでいた。
- 一同は顔面蒼白。「そんな台詞なかったよね!!!?」「でも言ってしまった以上出るしかないよ…!!」いろはと悟に後押しされ、ギクシャクしながら舞台に出ると、狸原が「ウィート!君も森の女神にお願いして、話せるようにして貰ったのかい?」と咄嗟にフォロー。それでも台詞が浮かばずあたふたしていたところ、今度は森の女神役のユキが進み出て、「そうです。この者がどうしても伝えたい事がある…と」と、こちらも即興で話を合わせた。
- こむぎ「あのねっ!犬!と人が仲良しなんだから、人と狼もぜぇ~ったい仲良しになれるよ!あ!デートしたらいいんじゃない!?素敵なお洋服を着て遊びに行くの、デートって言うんだよ!」「一緒に遊ぼ!仲良くなればわんだふるだよ!」こむぎの大立ち回りでで観客は笑顔になり、劇は大団円となった。
- 「みんな、協力してくれてありがとう」「こむぎさんのアドリブにはびっくりしたけど、すっごく良かったよね!」感謝を述べる狐崎と狸原に、こむぎは素直に理由を答える。「ウルフェンがね、本当に悲しそうな狼に見えたの。だからつい言っちゃった」役者冥利に尽きる最高の褒め言葉と感激する狐崎だったが、一同が脱け出していた間に女神の代役を務めていたニコの事も気になっており、肝心のユキが拗ねて演劇部入りはやっぱり白紙というオチに。
■第42話
- まゆの父・貴行のアニマルカレンダー用の写真を撮影する事になった。みんなでアニマルタウンと動物達を案内する。人間態としては初対面で、是非1枚写真をと迫る貴行に、いつもの通りユキが断っていると、横からこむぎが「じゃあこむぎと一緒に撮ろう!」と割って入る。貴行「なんだ。友達が一緒がいいのか。仲良しなんだなぁ」ユキ「そ…それは…まぁ…」最近はこむぎの勢いに押されっ放しのユキだった。
- 一通り写真を撮って回った貴行は「いろいろな場所を巡ってわかったよ。この町では人と動物が様々な形で関わり合っている。お互いがお互いが思い合い、支え合い、必要だと感じている。その全ての瞬間が宝物に見えて、夢中でシャッターを切ってしまったよ。アニマルタウンは素晴らしい町だね」と感想を述べた。こむぎ「そういう時はこう言うんだよ!『アニマルタウンはわんだふる~!』って」
- なおこの時、いろは達が紅茶を注文した中で、こむぎだけがメロンソーダをズゾーと飲んでいた。第37話以来、よっぽど気に入ってたのね。
■第43話
- まゆの編み物教室の際、毛糸玉を転がし、猫の習性でユキが「ニャッ!」と飛びつくのを見て喜んでいたが、怒らせて引っ掻かれたらしく、その後のシーンでは右頬に某明治剣客のような十字傷ができて、膨れっ面になっていた。
- サワガニのガオガオーンが吐き出す泡を、「あわっ!あわっ!あわ~っ!」と懸命に避けるも、足を滑らせてすってんころりん。助けようとしたフレンディと仲良く泡に捕まり、身動きが取れなくなってしまった。今日はいい所なし。
■第44話
- 登校の途中、フクを散歩させているお鶴に出会い、この後は『フレンドリィ動物病院&サロン』へ行くとの事で、こむぎが「フクちゃん、『陽子先生に会えるからうれしいな』って言ってるよ!」と伝えると、お鶴も「あら、そう?」と笑っていた。お鶴の家に来て18年にもなると聞き、いろはがお祝いをしようと提案。3人は笑い合うが、その光景を遠目で見ていたニコは「あの子…」と呟く。ニコガーデンの創造主たるニコには、フクの寿命が近づいている事がわかっていた。
- まゆ達にも声を掛け、お祝い会の様々な準備にとりかかる。こむぎは犬の姿で招待状に肉球でスタンプを押したり、プレゼント用のパッチワークの刺繍に四苦八苦したり(Bパートにて映った完成状態では、こむぎが担当したらしき箇所は案の定画伯タッチだった)、料理の為にボウルを泡立て器で全力でかき混ぜ過ぎて剛を慌てさせたり。
- その料理の際、こむぎの料理の師匠いろはは、こむぎの様子を見て大笑いしていたが、自分の担当の鍋が吹きこぼれている事には気付かなかった。この師匠にしてこの弟子あり。
- しかしお祝い会の日、お鶴の家を訪ねると、衰弱が進行したフクは起き上がれなくなっていた。お鶴から「フクちゃんとお話ししてあげてくれる?」と頼まれ、「フクちゃん!今日はフクちゃんがこのお家に来て18年なんだって!18年お鶴さんとず~っと一緒!すごいね!」とこむぎは話し掛けるが、フクはぐったりしていて反応はなかった。
- その時ガオガオーン出現の気配を察知。忘れ物をしたという口実でお鶴の家を脱け出し、全員で山の方へ向かった。巨大な足音のような地響きが聞こえ、動物達が逃げ出すという異様な状況になっており、「みんな『知らない動物だ』って怖がってる…」とこむぎが口にした時、見た事もない巨体が姿を現す。ティラノサウルスのガオガオーンだった。
- 4人がかりでバリアを張っても、ガオガオーンは強大な顎の力で簡単に噛み砕き、道路さえも陥没させる。街へ向かわせまいと何とか山の方へ誘導するが、さしものワンダフルも悲鳴を上げながら逃げ惑うしかない。キラリンベアーの力で食い止めようとしたニャミーとリリアンもKOされてしまい、ワンダフルとフレンディは青ざめる。
- しかしなぜかガオガオーンの動きがピタリと止まり、その隙に何とか浄化できた。どうして止まったのかと首を傾げるリリアンに、「お腹が空いてたのかも!」と言うワンダフルの腹の虫が鳴り、「お腹が空いてたの、わたしだった!」と自分でオチを付ける。もちろんプリキュア達は知らない。容体が悪化したフクを病院に運ぶ途中のお鶴が、道路の大穴の前で困り果てており、それを見たトラメが浄化後の修復現象を利用して道路を直したという事を…。
- 「フクちゃんはもう今夜は越せないかもしれない。自宅で看取ってあげて」との陽子の診断により、皆はお鶴の家に戻った。まゆから、みんなで制作したパッチワークのブランケットを贈られ、「まぁ…見てフクちゃん。素敵な贈り物ね」とかけてあげると、こむぎが口を開いた。「フクちゃん、『ありがとう』だって!」微笑んだお鶴は、続くこむぎの言葉を聞いて驚く。「へぇ~、そうなんだ!『この座布団、初めてお家に来た時に、お鶴ちゃんがプレゼントしてくれたの』だって!ブランケットと座布団、一緒に使えばあったかフワフワだね!」
- 「こむぎちゃん…フクちゃんの言ってる事がわかるの!?」確かにこの座布団は18年前にプレゼントした物で、それを知っているのは自分とフクだけ。こむぎはフクの気持ちを想像して言っていたのではなく、本当にわかった上で伝えてくれていたのだ。こむぎはなおもフクの言葉を伝えた。「『お散歩一杯連れてってくれてありがとう』だって。『歩けなくても楽しかった』って」「フクちゃん…あなたと一緒に暮らせてわたし…わたし、と~っても幸せだったわ…あなたが来てくれてから、毎日が本当に楽しかった」とお鶴は滂沱の涙を流す。
- そしてニコが、フクの最後の願いを叶えた。フクは自分の脚で立って、お鶴に歩み寄って彼女の頬の涙を舐めたのだ。こむぎが言う。「『お鶴ちゃん、だ~い好き』だって!」「わたしもよ、フクちゃん!大好きよ、これからもずっと、ず~っと…」「『眠たいから抱っこして』って言ってるよ…」「ありがとう…フクちゃん」お鶴の腕に抱かれ、フクは幸せそうな表情で天国へ旅立って行った…。
■第45話
- ポンと仲良くペットフリーエリアを走り回るこむぎ。しかしそれを見ているいろはは元気がない。先日のフクの一件以来ずっとこうだった。こむぎはそんないろはの様子に気付くと、甘えるように足にすり寄った。
- メエメエとの通信で、全てのニコアニマルがニコガーデンに帰還したと礼を言われた時も、いろははぼーっとしたまま。するとこむぎはまた、いろはの足にすり寄って甘えるような仕草を見せた。
- そんな中、狼の遠吠えが聞こえたので探してみると、何か淋しげなトラメを発見。「あれ?今日はガオガオーンいないの?」とこむぎに素朴な疑問を呈された彼は「これから出すんだ!」と強がったが、いろはに「黒い卵になった子達はみんなニコガーデンに戻ったから、黒い卵はもうないよ」と教えられ、しょげかえってしまう。
- それでも空元気を出したトラメは「ならしょうがねぇ、今日はおいらが直々にお前らと遊んでやる!」と、遂にプリキュアに直接対決を挑む。しかし無邪気で能天気なこむぎは、その"遊ぶ"を字面通りに受け取り、「本当!?やったぁ~!」と目を輝かせて大喜び。
- 「あぁ?おい、なんで喜んでんだ!」「だって遊んでくれるんでしょ?何して遊ぶ?ボール投げ?かくれんぼ?」「そういうんじゃねえよ!本当に遊んでどうすんだ!」「一緒に遊ぶと楽しいよ!ねっ?いろは!お天気悪くても、喧嘩しても、悲しい事あっても、一緒に遊べばわんだふるー!だよね!」その言葉を聞いたいろはは、こむぎが妙に足元で甘えていたのを思い出した。あれは『悲しい事があっても、一緒に遊んで元気に、わんだふるになろう』というこむぎの励ましだったのだ。
- ようやく立ち直れたいろはは、合流したまゆやユキも交えてプリキュアに変身し、みんなで鬼ごっこを開始する。心行くまで山や草原を走り回り、「こうやってまた仲間と一緒に走りたかった」という思いが晴れたトラメは自ら望んでエターナルキズナシャワーを浴び、天へ還っていった。こむぎは「いろは、よかったね!トラメと友達になれたね!」といろはに語り掛けるが、いろはは一呼吸の間を置いてから「そうだね!」と返事をする。その顔は笑顔だったものの、フクに続いてトラメを失った悲しみを無理に押し殺しているのが見て取れた。
- そんないろはの顔をしばし見つめた後、こむぎはいろはに抱き着いた。「くっついてぎゅ~っとしてたら元気になるから!だから一杯ぎゅ~!」こむぎの無垢な心がいろはを癒す。まゆ、ユキ、そして悟もみんなでいろはをハグした。こむぎ達のわんだふるな友情に包まれたいろはは「友達って悲しいや苦しいもあるけど、でも嬉しいや楽しいはその何倍もあるから」とようやく前を向いて進む事ができたのだった。
■第46話
- ニコガーデンのクリスマスパーティーの席上で、プレゼントを贈り合ういろはと悟。43話で編んだ大福の刺繍入りマフラーはなかなかの出来栄えで、こむぎはいろはに抱き着きつつ、「いろはね!悟の為にと~っても頑張って編んでたんだよ!だからこむぎも頑張れ~って、と~っても応援したんだ!」制作秘話を披露。どうやら編み物をしているいろはの周りを単に跳ね回って遊んでいただけらしいが、それでもいろはには嬉しかったようで、「応援ありがとね、こむぎ」とお礼を言われてドヤ顔。「いろはと悟、特別なわんだふるでわんだふるだね!」
- ユキがパーティーを中座して別のクリスマス会へ行こうとしたので、「楽しそう!わたしも行く!」と食いつく。以前なら嫌な顔をしたであろうユキも、今やすっかりこむぎの扱いに慣れており、「好きにしたら?断ってもついてきそうだし」と了承する。
- 行った先はユキの知り合いである野良猫グループの集まりで、クリスマス会と言っても単にみんなで丸まって、暖を取りつつお昼寝するという集いだった。ユキが招き入れてもらったのを見て、犬の姿に戻り「こむぎも~!」と加わろうとするが、余所者の犬が突然仲間入りできるわけもなく、猫達に一斉に威嚇されてガーン!
- しかし「みんな大丈夫、その子は悪さはしないわ。わたしの…友達だから」と、ユキが取り成してくれた。ユキの口から「友達」と明言されたのは初めてで、大喜びで抱き着いて頬ずりし、その後は猫の輪の中でいつも通りよだれを垂らしながらへそ天で爆睡。
■第47話
- 初日の出を待っている間に砂浜を走り回り、「見て、みんな~!」「初!砂浜走りだよ~!」といろはと共に今年も元気でマイペース。日が昇って一同が「あけましておめでとう」を交わし合う中、こむぎは山の方へ向かって「みんな!よろしくワオーン!」と呼び掛ける。その山ではザクロが、初日の出に照らされるアニマルタウンを眺めながら「何さ、キラキラしちゃって…」と物憂げに呟いていた。
- 河川敷で凧揚げを見かけ、「みんな~!わたし達も混~ぜ~て~!」とユキの手を引いてダッシュ。鏡石神社では、干支のヘビの飾りつけに怯えるユキに対し、「じゃあ、わたしがガードしてあげる!これで見えないでしょ~!」と両手を広げてユキの視界からヘビを隠そうとするが、小枝を踏んで転びそうになり、逆にユキに助けてもらって、「『犬も歩けば棒で転ぶ』だぁ」と呑気な笑顔。最近はすっかり母娘のよう。
- アニマルタウンの上空を暗雲が覆い、ザクロに引き連れられた狼のガオガオーンが正月の街を襲う。しかしザクロは先日来、何度もプリキュアに説得された事もあり、人と動物が仲良く暮らすアニマルタウンを破壊したくないという思いが強くなっていた。それに人間に復讐したとしても幸せになれるわけではないと、何とかガオウを思い留まらせようとしたものの、彼の怒りを鎮める事ができず、やむなく出撃したのだった。その板挟みになった辛い思いが表情に出てしまっているのをリリアンに見抜かれたザクロは「ガオウ様を苦しめるこんな世界は全部壊す!」と涙ながらに叫ぶが、それを聞いたワンダフルは「それって、わたし達と一緒だね!」と意外な事を言い出した。
- しかしその後に出てきたのは「だってザクロもガオウも、わたし達もみーんな、仲間の事が大好きって事だもんね!だから一緒!」という言葉だった。アニマルタウンを破壊しようとするガオウと、守ろうとするプリキュア。方向性は全く逆なれど、その根底にあるのは仲間を思う気持ちだという事をワンダフルはちゃんとわかっていたのだった。それならきっとわかりあえるはずだと…。ザクロが動揺した隙に、ガオガオーンはエターナルキズナシャワーで浄化された。
- その後に残ったのは実物の狼ではなく、卵のような石。遠吠神社にあった石だった。こむぎが「ふーむ…」と興味深げに眺めていると、ニコが「まだ終わっていません」と緊迫した声で注意を促す。街を覆う暗雲は去らず、ガオウはガオガオーンの群れと共にアニマルタウンへと向かっていた…。
■第48話
- 「来た…!」こむぎ達が緊迫して身構える中、アニマルタウンに現れたガオウは、「申し訳ありません、ご命令を果たせず…」と詫びるザクロに、「ザクロ、すまない。辛い思いをさせた…後は俺がやる」と労いの声をかけた後、「時は満ちた。仲間達よ、人間に報いを!」と狼のガオガオーンを街中に放った。「そんな事しちゃメッ!」こむぎ達は変身して応戦する。
- 狼のガオガオーン達は、統率の取れた動きでプリキュアに襲い掛かり、悟は「狼は群れで行動する!チームで狩りをするんだ!」と注意喚起し、「狼って仲良しなんだね~」と呑気に感心するワンダフル。「感心してる場合じゃない、数が多過ぎる」とニャミーに釘を刺され、リリアンの「チームプレーなら私達だって!」の声により、プリキュア側も集団戦法に切り替えた。
- 乱戦の中、ニコはガオウを相手取るも打ち倒され、ニコダイヤの力を奪われた。必死の思いで放ったエネルギー波がガオウの仮面を砕いたが、その下の顔を見た一同は驚愕する。「狼じゃ…ない…」現われたのは狼ではなく、人間の顔だった。唖然となったニコが呟く。「あなたは…スバル…!」ガオウの正体は、鏡石神社の古文書を記した男・スバルだったのだ。
- 「俺は狼達と共に生きるつもりだった。だが、それはかなわなかった…賢く、誇り高く、仲間思いな狼達…しかし…そんな狼達を人間は忌み嫌い、棲み処を奪い、ガオウの命までも…俺は怒りを抱えたまま長い時を眠っていた。だが…目覚めてしまった。その時、声が聞こえたんだ。のうのうと栄えて生き続けている人間達の声が…!」そして彼の魂は、遠吠神社に奉納されていた狼の牙に憑依し、実体を得て甦ったのだ。「俺は許さない…狼達の怒り、無念、全てを忘れ去り生きる人間達を!ガオウに代わって友の無念を晴らす!」怨嗟に満ちた告白を終えたスバルは、ニコから奪った力で草木を急成長させ、アニマルタウンを森に変えてしまう。
- スバルの邪魔はさせぬと、ザクロはガオガオーンをプリキュア達に差し向ける。しかしフレンディの作戦で、ワンダフルを皆で追いかけたガオガオーンが一塊になったところで、フレンディはキラリンキツネの力でワンダフルを巨大タイヤに変身させる。リリアンネットで片側に蓋をした事で即席の檻ができあがり、ガオガオーン達を見事取り押さえた。
- 「あなた達と友達になりたい」というフレンディの真摯な思いに、ザクロは「あんた達、やっぱ嫌いになれないよ」と遂に根負けした。その言葉を待っていたワンダフルとフレンディは「やったー!!」とザクロに抱き着く。ワンダフルは「嫌いじゃないなら好きって事でしょ?嬉しい~!」と喜びながら高速スリスリ。
- ガオガオーンは浄化されたが、ザクロはスバルへの未練ゆえか消えなかった。「でもスバルはあたしじゃ駄目なんだ」と、彼の暴走を止められないと思うザクロに対し、恋愛ウォッチャー・リリアンが「諦めないで!好きなんでしょ!?惚れた相手ってさっき自分で言ってたでしょ?」と発破を駆ける。ワンダフルも「わたしもいろはの事大好きだよ!まゆもユキも悟も大福も!」と口を挟むが、例によってその『好き』はちょっと違うんですけど。
- ともあれ人を好きになるのは「特別なワンダフル」だとフレンディに説得され、ザクロとプリキュア達は協力してスバルを救う事を決意する。しかしその時、急激に成長を続ける森が怪物のように一同に襲い掛かった。ワンダフルは木の蔓に捕まって、フレンディが追いかける間に、地割れに呑まれそうになったニャミーとリリアン、ニコのワープで避難した悟やメエメエ達と散り散りになってしまった…。
■第49話
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聖あげは←犬飼こむぎ→咲良うた