「わたしにできるの…?ユキやいろはちゃん達みたいな事が…。ユキを守りたい…そしてもしも、それがわたしにできるなら!」(第19話)
概要
『わんだふるぷりきゅあ!』に登場するキャラクター。私立湾岸第二中学校の2年生の女の子。メスの白猫のユキを飼っている。
母・猫屋敷すみれが、アニマルタウンに新たにコスメショップ「Pretty Holic」を開店するため、ともに街へ引っ越してきた。このショップが入る建物の2階が自宅。
物語序盤からしばらく一般人として登場していたが、人間の姿となったユキ(キュアニャミー)との出会いをきっかけに、プリキュアやガルガルの事件に関わるようになる。
なお、最初は人間態のユキが自分の飼い猫であることに気づいていなかった。
その後、自分のクラスメイトでプリキュアでもある犬飼こむぎ(キュアワンダフル)や犬飼いろは(キュアフレンディ)の協力者となった。
プリキュアになったのは第19話。まゆの「ユキを守りたい」という強い思いに応えるように、彼女の目の前にシャイニーキャッツパクトが現れ、キュアリリアンとして覚醒した。
海外で動物カメラマンとして活動する父・猫屋敷貴行との親子関係も良好。まゆは彼に対して好意的な感情を抱いている。
第6話ではテレビ電話を通じて会話するシーンが描かれており、第34話では日本に帰国した父との再会に感激する姿が見られた。
飼い猫のユキを溺愛している。普段は控えめでおとなしい性格だが、ユキの話になると急に饒舌になる。
キービジュアルでも、夢中でユキの写真を撮る姿が描かれている。
また、第19話放送後に公式サイトで公開されたプロフィールで、ユキを出演させた動画をキュアチューブに投稿していることが判明。
本編では第31話から、キュアスタでユキの写真・動画投稿が開始されている。
ユキの匂いを嗅いで心を落ち着ける、いわゆる猫吸いをする癖があり、パニックになりそうなときは彼女の毛並みに顔を埋めて精神を安定させる。
しかし、スキンシップが行き過ぎてユキに引っ掻かれることも多く、まゆの腕や脚には傷が絶えない。だが、それでもまゆは懲りずにユキをかわいがり続ける。
口癖は「こわくない、こわくない」。当初は自分を落ち着かせるための言葉だったが、プリキュアとして覚醒してからは、他者の不安を和らげる言葉としても使われている。
変身時にも、このセリフを使用している。
誕生日は11月5日(劇場版公式Xより)。この日は「縁結びの日」として知られる。
さらに、本作の舞台となる年が2024年である(第42話のカレンダーの描写を見るかぎり)ことから、まゆの生年月日は年齢から逆算すると、2010年11月5日となる。
プロフィール帳によれば、好きな色はライトグリーンで、好物はクッキー。クッキー好きはこむぎと同じ。
性格
控えめで引っ込み思案な性格。幼い頃から怖がりで、高所や雷、さらにはドッジボールさえ苦手だった。
心配性で考えすぎることも多く、一人で悩みを抱え込むことがある。
また、人見知りも激しく、第1話では街の新しい住民に興味を示すいろはと窓越しに目が合いそうになっただけで隠れてしまっていた。
こうした性格にコンプレックスを感じており、「わたしもいろはちゃんみたいになれたら」と呟く姿が描かれている。
そうした悩みや思いの丈を飼い猫のユキに打ち明けることが、彼女の心の支えとなっていた。
集中力が高く、一度何かに夢中になると周囲の声が耳に入らなくなる「過集中」の傾向がある。
第31話にて、まゆ自身も「よくないってわかってるけど、(自分の意思では)どうしようもない」と吐露している。
この特性が原因で中学1年生の頃、唯一の友達だった知覧友真と疎遠になってしまった過去がある。
この経験がトラウマとなり、転校後は「私にはユキさえいればいい」と友達作りを諦めるようになっていた。
このような性格や特性から、飼い猫のユキからはまるで保護者のように接されることが多い。
しかし、根は優しく、弱い存在を思いやる心は強い。プリキュアとして覚醒する前から、危機に陥った相手を放っておけず、危険な行動に出ることもあった。
この大胆な行動が結果として命を救ったこともあるが、まゆを大切に思うユキとのすれ違いを招く原因にもなった。
物語が進み、まゆが少しずつ対人関係に向き合えるようになると、それまで見られなかった新たな一面が現れてきた。
特に、第23話でクラスメイトの兎山悟がいろはに好意を抱いていることに気づいて以降は、2人の関係に関心を持つようになった。
ときには冗談を交えて悟をからかうこともあり、初期の控えめでおとなしい様子からは想像しにくい振る舞いを見せることもある。
まゆの行動は一見おせっかいに思えるが、実際には2人の仲を応援したいという気持ちからくるものであり、時には気配りを見せる場面もある。
総じて、まゆは「他人との適切な距離感を保つのが苦手で、それゆえ引っ込み思案になりがち」という難儀な特徴を持っているといえる。
しかしその根底には、仲間や弱い存在を思いやる優しい心があるのである。
容姿
猫になった姿については猫まゆを参照。
焦げ茶の髪を左にサイドテールに纏めており、ターコイズ色のシュシュで留めている。瞳の色は赤銅色。
女子中学生にしてはかなりの高身長で、男子の悟と肩を並べるほど。
腕や足にはユキに引っ掻かれた無数の傷痕があるが、ユキを大切に思っているためあまり気にしていない。
夏服
シアン色のカーディガンに、緑色のボタンがついた黄色いノースリーブシャツを合わせている(第30話でわずかに左肩が見え判明)。
スカートは3段階に分かれたフリル付きの緑色のロングスカートで、足元はピンクのソックスと、ピンクのリボンがついた茶色のサンダルを履いている。
映画版
大きな襟が付いた薄緑色のパフスリーブのロングワンピースを着用している。
冬服
青いハイネックの上に黄緑色のセーターを重ね、青緑色のフリル付きロングスカートを合わせている。足元は青のショートブーツでまとめている。
家族構成
※猫屋敷家も参照
父:猫屋敷貴行
母:猫屋敷すみれ
ペット:ユキ(白猫)
実家は前述通り『Pretty Holic』。小泉学園から引っ越してきた。(第8話でクラスメイトから質問攻めにあった際に言及)
※ちなみに「小泉学園」と字面だけ見ると学校名に思えるが、東映・東映アニメーションが撮影所やスタジオ、関連施設を設けている大泉学園という地名をもじった小ネタ。初代『ふたりはプリキュア』の舞台も同名だが、関連性があるかは不明。
スペック
コスメショップを営むすみれの娘なだけあり、メイクが得意。
また裁縫の腕前も高く、いろはに贈った手作りのハーネスは彼女から高評価を得ている。超人的な能力を持つユキも、自分の裁縫の腕はまゆより劣ると思っている。
加えて料理も得意で、動物用のメニューまで作ることができる。
身体能力は中学2年生の平均水準で、変身前でもすさまじい運動神経を持つ他のチームメンバーには劣るが、運動が苦手な悟よりは上である。
余談
- 「こわくない、こわくない」という口癖はキャストオーディションよりも前から決めており、自分を鼓舞する目的であった口癖が、キュアリリアン覚醒後はガルガルをなだめる意味合いにもなっていったとのこと(アニメージュ2024年7月号81頁より)
- アニメージュ増刊号によるとキャラコンペ段階では現在の兎山悟のような知的キャラを想定されていた。そこから大幅な変更が加わり、外見設定共々、当初のキャラクター設定は悟にほぼ引き継がれた経緯がある。
- 2024年ネット流行語では猫屋敷ユキと一緒にノミネートに選出された。初登場と発表の第一印象から現在の変わりように、視聴者からもインパクトが強力すぎたゆえに印象が残るキャラだったのだろうか…。
演者について
当初は放送開始前に行われたオンライン会見にてキュアリリアン役で出演する事が発表されていた。
いろは役の種﨑敦美氏同様、本人も猫の飼い主であり、しかも2匹も飼っている。
とても嬉しかったです。事務所のマネージャーさん方もとても喜んでくださって、それがまた嬉しくて…。私は2匹の猫ちゃんと一緒に暮らしているのですが、帰宅してすぐ「君たちのおかげだよ」と結果を報告しました。
オーディションの時は、猫ちゃんと触れ合った経験がある方が感覚を掴みやすい台詞が多かったので、うちの子達への感謝の気持ちでいっぱいでした。
特に素敵だなと感じたところは、キャラクター達に自立や成長があるところです。自分の足で立てる精神状態にあってはじめて、プリキュアに変身することができる。そこに感動や共感を覚えて、「私もプリキュアになりたい!」と思わされます。
人一倍優しい子だからこそ、傷ついたり、自信をなくしてしまうことも多いのかなと思っています。他人を想って行動できる彼女ならではの成長があって、そこにまた魅力を感じますし、自立したキュアリリアンとしての姿を見た時は本当に感動しました。
各話エピソード
本編
■第1話
- 『Pretty Holic』の2階でまゆは新生活に胸を膨らませていた。愛猫ユキの頭を撫でながら、「この町、動物がたくさんいるから『アニマルタウン』って呼ばれてるんだって。ユキ、いっぱい友達出来るといいね」と語り掛けるが、『そう言うまゆは?』とでも言いたげなユキを見て、「わたし?もちろん、わたしも頑張って友達いっぱい作るよ!」と握り拳で決意表明。
- しかしユキが疑わしそうな表情をするので、「あっ、何その顔~」と否定しようとしたところで、窓の外を子犬を連れた女の子が通りかかる。ユキを見つけた子犬が吠え、女の子もこちらを見上げるが、視線が合いそうになったまゆは、「うわあ!」という悲鳴と共に窓枠の下に隠れてしまう。
- ガタガタ震えている間に、女の子はユキに向かって「可愛い猫ちゃん発見!初めまして!わたし、犬飼いろは!この子はこむぎ!よろしくね!」と挨拶して去って行った。その後ろ姿を恐る恐る見送り、ほっと一息ついたところで、ユキから『何やってんの!?』とばかりに猫パンチでツッコミを入れられる。
- 呆れ果てたようなユキに、「うぅ…べ…別に逃げてないからね!急にこっち見るからびっくりしただけで…」と精一杯の言い訳。でもその子の事は気になり、「あの子…ユキに向かって自己紹介してたね…変わった子…」と呟いていた。
■第2話
- フレンドリィ動物病院&サロンで青いリボンを手に取り「わぁ…可愛い……ユキに似合うかも……」とうっとり。
- いろはの父に何を飼っているのかと訊ねられると、頬を染めながらも饒舌になり、「猫です。ユキって言うんですけど、真っ白な毛並みはツヤツヤのサラサラで、起きてる時も寝てる時もすごく可愛くって、どんなリボンやアクセサリーでも似合うから、いろんなのを付けてあげたくなっちゃうんです」とユキの可愛さを捲し立てるように語り出す。
- そこに兎山悟が店内に入って来たことで、人見知りモード発動。アクセサリーを見るふりをして背を向ける。続いていろはが現れても見るふりを続けていたが、後で二人の様子を壁から覗き込み「あの子、ここの家の子なんだ……」とつぶやく。
■第4話
- 朝、甘えるユキに鼻を舐められて目を覚まし、「ユキ、おはよう。今日も可愛い、気持ちいい、最高……♡」と頬ずりする。まゆの至福のひと時だった。
- 母のすみれは、念願だった自分の店『Pretty Holic』がいよいよオープンとあって上機嫌。客が来るかどうか不安がるまゆに、すみれは「まゆが作ったチラシをたくさん配ったし、これ見て来てくれる人たくさんいると思うわ」と太鼓判を押すが、まゆは「知り合いが1人もいない町でいきなりお店開くって、ママってチャレンジャー過ぎ!わたしはママのセンス大好きだけど、この町の人達が気に入るかわからないし…。お客さん1人も来なかったらどうしよ~…」と、どんどんネガティブモードに入り込み涙目。
- そこでユキを抱き上げ、「はぁ、ふわふわ~、いい匂い~、ユキの匂いって落ち着く~♪」と、思いっきりユキの匂いを吸って心を落ち着かせる。そんな小心者で不安定なご主人様に、ユキも困ったようなため息をついた。
- 開店時間になり、「お客さん、来てくれるかな?」と不安げにキョロキョロしていると、轟音にも等しい足音を響かせ土煙を上げつつ爆走してくる小犬連れの女の子の姿が。一番乗りを目指して来たというその女の子は犬飼いろはと名乗り、まゆがデザインしたチラシを見てやって来たらしく、いきなり「まゆちゃん、よろしくね!」と『ちゃん』付けで挨拶し、ユキの事も知っているなど、かなりぐいぐい迫ってきた。
- いろはが連れている犬のこむぎは店内に入れられないと言うことで、一旦犬を置いてくると去っていったいろはは、しばらくすると女の子をもう一人連れてやってきた。その女の子の名前も「こむぎ」だったのでまゆは少し混乱してしまうが、いろはが適当に誤魔化す。
- いろはにメイクを指導することになり、「他人にメイクするのなんて初めて。ちゃんとできるかな…落ち着いて、こわくない、こわくない」と大いに緊張し、固い表情で「いろはちゃんはどんなメイクがいい?」と訊ねた後は、メイクに集中しすぎて会話が続かず無言状態に。幸いいろはは、「メークも凄いけど集中力も凄いね。ずっと一言も喋らずにやってたよ」と好意的に受け取ってくれた。
- こむぎにアイカラーを勧めるも、「目の周りをコレで」という伝え方がマズかったのか、こむぎはパンダメイクになってしまった。その姿がおかしくて頬を緩める。
- 別れ際にいろはは「まゆちゃんまたね!また来るし、学校でも会えるね!」と言ってくれたが、まゆは「学校…」と呟くと俯いてしまう。いろはに怪訝そうな顔をされるも、「うん…またね」と精一杯の笑顔で見送った。
- 部屋に戻ると緊張から解放され、「はぁ…疲れた…けどちょっと楽しかったかも。いろはちゃん、もしかして友達になってくれるかな…」と呟く。だが脳裏をよぎったのは、前の学校で休み時間に誰とも話す事無く、一人淋しく本を読む自分の姿だった。やっぱり怖い。どうしても前向きになれない。「わたしにはユキがいるし…」自分自身に言い訳するかのように零しながら、まゆはベッドに横たわり、いつしか眠り込んでいた。
- ふと、「おーい、まゆちゃーん!」と自分を呼ぶ声で目を覚ます。いろはだった。出迎えると、彼女は「サプライズプレゼント!これあげる!」とお散歩バッグを差し出した。しかもいろはとお揃いの品だという。困惑して「どうしてわたしに…?」と尋ねるが、いろはは「まゆちゃん、ユキちゃん、アニマルタウンへようこそ!これからよろしくねって事で!」と笑顔を見せた。
- 家路につくいろはの背中を見送り、まゆはバッグを愛おしげに抱き締めた。何かが変わりそうな気がする…。
■第5話
- 「いろはちゃんがくれたこのバック、お揃いなんだって~!お友達になれるかな~」と目を輝かせてユキにお散歩バッグを見せつけうっとり。
- それからハッとなって「そうだ、お返ししなきゃ!お散歩バッグを貰ったからお散歩グッズでお返しした方がいいのかな……おやつだと好き嫌いがあるし……」と迷った末にユキに抱きついて「助けてぇ~!」と懇願。
- ユキの匂いをかいで凄まじい勢いで顔を埋めながら抱き上げる。その効果があったのか、机に向かって一心に何かを書き始めるのだった。
■第6話
- 裁縫に集中しすぎて母親が部屋に来ても気づかない。そこでユキが机に飛び降りてくると「ユキ、なぁに遊びたいの?」と声をかけたところでママがパパから連絡が来たと伝えられ「パパから!?」と物凄く嬉しそうな笑顔を見せる。パパとリモートで会話をしているとママが「もういろはちゃんって友達が出来たのよ。ね?」と水を向けてきたので赤面しながら「ま、まだ友達ってわけじゃ……」とやんわり否定。親子の会話を眺めていたユキは安心したかのようにため息をつくのだった。
■第7話
- こむぎ用に作った服を母親に見せて絶賛されたことから、いろはの家に向かうことに。
- ユキを連れて行こうとするも彼女は「ひとりで行け」と言わんばかりに尻尾で方角を示す。
- いろはの家に着くもこむぎと喧嘩して落ち込んでいる様子を見て激しく動揺。
- (いろはちゃん…元気がない。なんか悩んでるみたい。励まさないと……でも何言えばいいの!?)考え過ぎて何も思い付かず手で頭を抱えて煩悶。そのときに傷だらけの腕をいろはに見られたことから「ユキちゃんに引っ掻かれたの?」と指摘されると「足も傷だらけだよ。引っ掻かれる事もよくあるし、言う事聞いてくれない事もたくさんあるよ。思う通りになんて全然ならないけど…でも、大好きだから。痛い事されてもわがままされても可愛いんだよね」と語り、いろはを深く納得させる。ハーネスを渡すことができ、大喜びしたいろはにハグをされて慌てたが、最後は軽くバイバイした。
■第8話
- 私立湾岸第二中学校編入当日の朝、部屋で歩き回りながら自己紹介の練習をしている間に(もしイキナリ失敗しちゃったら……みんなに嫌われちゃったら……)と不安と緊張がエスカレートしていき、いつものようにユキに頬ずりと猫吸いをする。愛猫の匂いをたっぷり吸いこんで落ち着きを取り戻しユキに礼を言う。「ありがとう、ユキ。新学期の1日目、頑張ってくるね」
- 登校して自己紹介の時を待つ間も練習していたが、先生に呼ばれいよいよ教室へ。ところがガチガチに緊張していたせいで内容をすっかり忘れてしまい……
- (あれ、なんて言うんだっけ?『はじめまして、猫屋敷まゆです』だった。集中!最初さえ上手く言えたら……『はじめまして猫屋敷まゆです。』猫屋敷……猫……ば、馬場? ネコババ? えっネコババ!? 違う違う何言ってるの? え、ちょ、ちょ……ちょ、ちょっと待って!?)
- 黒板に書かれていた担任の名前が目に入ったせいで大混乱、必死に思考を整理しようとする間にも歩みは止まらず……「は……はじめまして!猫馬場敷まゆです!!」と盛大に事故ってしまう。
- (間違えたーーーーッ!!!)赤面し「もう、終わった…」と絶望しかけるも、いろはのフォローで平常心を取り戻したところでユキの話題を振られ「ユキっていう名前で雪みたいに真っ白い猫なんです。白いのはとっても綺麗好きだからで、爪とぎとかグルーミングが上手なんです。お風呂は苦手で嫌がるけど、ふてくされた顔もすっごく可愛くて…」とユキの語り全開モードに突入。だが「それに、この間なんか…」と言いかけたところでハッと我に返り…
- (また間違えたーーーーッッ!!!!)更に赤面してしまうが、内容が大いに受けたことと再度のいろはのフォローによりクラスに溶け込むことができた。席はいろはの右隣となった。
- (ど…どうしよ~!ちゃんとお話したいのに~!)休み時間に、まゆに興味を持った大熊・蟹江たちクラスメイトから矢継ぎ早の質問攻めに遭い、汗をかきながら困惑の表情を浮かべた。
- 放課後、いろはから学校を案内され、悟と出会う。以前にも悟とすれ違った事があったが、ここで漸く悟にも挨拶できた。悟はヘルマンリクガメの健康チェックをしており、リクガメに餌をあげるのをすすめられ、いろはと餌やり。リクガメがパクパクと餌を食べる姿にとても嬉しそう。
- 帰宅し、ユキにスリスリしながら嬉しそうに自己紹介があんなに練習したのにうまくいかなかったと語ったあと、ベッドに寝転がってからいろはが助けてくれたこと、動物のエサやりの手伝いをしたことを報告し「学校楽しかった」と告げる。その言葉にユキは窓辺にスタスタと歩いていく。カーテンを開けると美しい夕日が。その景色に感動しながら言った。「ユキ。学校、明日も楽しみだよ」
■第9話
- こむぎが転校してきたことに「こむぎちゃんも転校してきたんだ」と喜ぶ。
- こむぎの自己紹介では終始笑顔で、授業中にこむぎが落とした消しゴムを拾ってわんわんポーズで頬を赤らめてときめいた表情を見せたり、ピアノに乗るこむぎを見て考え込んだ仕草も。
- たまたまトイレから出てきたところに犬に戻ったこむぎを抱いたいろはに遭遇。こむぎの耳を見て「やっぱり犬のこむぎちゃん!お家からついてきちゃったの?」とたずねるが、人間に化けていたことまでは気づかず。今回の出番はここまで。
■第10話
- 『Pretty Holic』は今日も千客万来で、開店前の不安が杞憂だった事にほっとするまゆ。さらにすみれから「新しいアイテムを作りたいから、何か素敵なアイデアがあったらお願い」と頼まれて胸をときめかせる。早速ユキに「お店の新アイテム、わたしがデザインしていいんだって~!」とダイブして抱き着こうとし、嫌な顔をしたユキにかわされるが、それでも抱き締めて「えへへへ~…どうしよう~♪どうしよう~…」とニヤニヤしながら、『やれやれ…』と言いたげなユキに頬ずり。
- 授業もそっちのけでノートにデザインを描き連ね、馬場園先生に指名されても全然気づかない。いろはに声を掛けられてようやく我に返り、大慌てしたところで、後ろの席のこむぎに「わぁ~、何描いてるの!?」と、授業も余所にデッサンしていたのを暴露されてしまい、二人まとめて先生に叱られる羽目に。
- 騒いだ事をこむぎといろはに謝罪されたので、「うちのお店にわたしの考えたアイテムを置いてもらえるかもしれなくて、そしたらアイデアが止まらなくて…」と事情を説明。いろはやクラスメイトにも「全部可愛い」と絶賛され、早速すみれにデザイン画を見せたところ、「まゆのイチオシはどれ?全部作りたいけどそうもいかないでしょ。せっかくならまゆの気持ちが一番こもっているものがいいな。それを使ってくれる人の最高の笑顔が浮かぶような…」と問われる。
- デザインは量産したものの、改めてそう言われると悩んでしまい、考え込む。いつものように「ユキはどれがいいと思う?」と頼ろうとするが、ユキの反応も相変わらず素っ気ない。「だよね~…。でもそんなつれないところも可愛い♡」
- 一から考え直す事にしたがなかなか浮かばず、気分転換に散歩していると、いろはと悟に出会う。泥まみれになったこむぎをいろはが洗っている姿を見て、「懐かしいな…」と呟いたまゆは、ユキと出会った時の事をいろは達に語り出した。
- 小学4年の冬休み、まゆは父・貴行の撮影の仕事に同行して山間の村を訪れていた。貴行が無人の古民家の写真を撮っていた時、周囲を散策していたまゆは、薄汚れた1匹の白猫を見つける。降りしきる雪を淋しげに仰ぐ姿が、まゆにはとても綺麗に見えた。しかしまゆの存在に気付いた白猫は、古民家の床下に隠れてしまった。
- 回想シーンの付近の古民家は、合掌造りに似ている。規模も大きく、最も可能性が高いのは世界遺産にも登録された岐阜県白川郷と思われる。
- 貴行に「あの子は首輪もしていない野良猫。勝手に触ってはいけない」と制止され、その場は諦めたが、どうしても気になる。宿泊先の村の人曰く、いつの間にかそこに棲みついていて、親兄弟の姿も見かけないし、どこかから来た人に捨てられたのか人間嫌いなのだという。
- 翌朝床下を覗いてみると姿は見えなかったが、「ニャ?」と鳴き声がして、振り向くと白猫がいた。「今のあなたの声?とても…とっても綺麗な声ね」近づいてゆくと、白猫は不審げな顔をする。「あっ、大丈夫。わたし触らないよ!」警戒心を解こうとしたが、白猫は興味なさげにまた床下に潜っていった。
- それでもやっぱり気になるまゆは、毎日白猫の様子を見に行った。大粒の雪を手袋に取って、「わぁ…見て~、わたしこんな大きな雪初めて。レースみたいで綺麗だね~…って。猫ちゃんの方が知ってるか、えへへ」と話し掛けると、ようやく白猫がまゆに近づいて来た。そこでまゆは手袋を外し、後ずさりしながら「ほら、見える?」と言うと、手袋の上に降ってきた雪の粒が乗った。空から降るいつもの雪が、近くで見るとこのような形をしているのだと知り、白猫は「ニャー」と一声鳴いた。何を思っていたかはわからないが、まゆは白猫と心が一歩近づけたような気がした。
- 「これ猫ちゃんにあげるね」と母が編んでくれた帽子をプレゼントするなどし、交流を続けたが、父の仕事が終わり、明日は村を去る日となった。まゆは「今日はね、お別れに来たんだ。わたし明日、パパとお家に帰るの。もっといろんな事お話したかったな…うちの家族の事とか、わたしの住んでる街の事とか…」と語り掛けるが、白猫はその途中で背を向けて床下に戻ってしまった。やはり言葉が通じないのでは致し方ない。「じゃあね。ずっと元気でね」と言い残してまゆは立ち去った。
- 翌日、お世話になった村人に礼を言って車に乗ろうとした時、鳴き声がしてふりむくと、まゆがプレゼントした帽子を咥えた白猫の姿があった。帽子を返しに来たのだ。「お別れに来てくれたの?わたしを呼びに来たの?」と尋ねるまゆに応える白猫の声も淋しげだった。
- 「ごめんね、うれしいけど無理なの」と一度は背を向けたまゆだったが、涙が溢れてきた。「わたしだって…わたしだって一緒にいたいよ!触れなくても、ツンってされても…一緒にいられたの、楽しかったの。うれしかったの!あのままずっと一緒に…一緒にいてくれるだけで…」止まらぬ涙を拭うまゆに、白猫も一際はっきり「ニャア」と鳴きながら歩み寄ってきた。まるで『行かないで、わたしの気持ちも同じよ』と言わんばかりに。「猫ちゃん!」たまらずまゆは白猫に駆け寄り、連れ帰る事にした。
- 「生き物を飼うっていうのは簡単じゃない」「これからずっとお世話するのよ」と心配する両親を、「うん、絶対する!」と固く決意したまゆは、白猫を綺麗に洗った。村での薄汚れた姿とは見違えるような純白の毛並だったとわかり、「そうだ、あなたは今日から『ユキ』!雪の日に出会った雪色の『ユキ』!どうかな?」と命名。新たな家族の一員として迎えられ、ユキも嬉しそうな鳴き声を上げる。手作りのチャームも気に入ってくれて、かくしてまゆとユキの絆は育まれたのだった。
- 話を聞き終わり、「わたしも見たかったな、ユキちゃんの笑顔」といろはが言うのを聞いたまゆは、「これだ!」と閃いた。いろはに礼を言って急ぎ帰宅すると、「待っててね、ユキ」とユキに一声かけてから、一心不乱に新たなデザインを描き直し始めた。その間、『Pretty Holic』の外の道路では、プリキュアとアライグマのガルガルが大乱闘を繰り広げていたが、集中モードのまゆは全然気付かず仕舞い。
- 「出来た…!見て、ユキ!どう?」完成したイラストを見せると、ユキは満足げに鳴いた。それはユキをイメージした猫型のチャームだった。お客にも大好評で、「みんなとっても喜んでくれてる。でも一番喜んでるのはきっとユキね」とのすみれの言葉にまゆは微笑み、近づいてきたユキを愛おしげに抱き上げた。「だって、ユキの笑顔を一番見たかったんだもの」
■第11話
- クラスメイト達が見晴山の謎の巨大生物の噂話をしており、いろはや悟が調べに行くというのを横で聞いていた。家に帰ってユキにその話をしながら、最初は「いいなぁ、わたしも見てみたいなぁ」と未知の動物を想像してうっとりしていたが、「あ、でも…!凶暴だったらどうしよう…いろはちゃん達大丈夫かなあ!!?」と考え過ぎてぐるぐる目に。ユキの鳴き声で我に返り、気分転換も兼ねて買い物に出かける。
- ユキのミルクを買い込み、帰宅する途中も見晴山を眺めつつ、「大丈夫かな、いろはちゃん達…」とまだ心配が収まらない。その時、公園の鏡石が一瞬輝いた。まゆが妙な気配を感じてふり向いた時には輝きは消えていたが、代わりに一人の美少女が現われる。
- 「綺麗な子…」と見とれると、美少女はまゆに近づいてきて「山に…山には行かないで。これ以上関わっては駄目」と謎の警告を与え、すぐさま踵を返した。そしてまゆが「待って!どういう事!?」と尋ねた時には、美少女の姿は煙のように掻き消えていた。「あの子、誰なんだろう…」
- 戻ると、ユキが『Pretty Holic』の店先のプランタースタンドで昼寝していたので、「あのね、さっき不思議な子に話し掛けられたの。全然知らない子なのに、わたしの事知ってるみたいで…本当に誰なんだろう?」と報告。気になって悩むまゆを横目に、ユキは素知らぬ顔で毛繕いしていた……。
■第12話
- 年代物のミシンで、ユキ用の服を作るまゆ。良い出来で微笑んでいたが、没頭していた為いつの間にか夕方になっており、ユキにおやつをあげるのも忘れていた。しかし振り向いてみるとベッドの上にユキの姿はなく、定位置である店先のお昼寝台にもいない。青ざめながら家中を探しても見つからず、体が震え始めた時、鳴き声が聞こえた。いつの間にかユキはベッドの上に戻っていたのだ。「今までどこにいたの?」と思い切りユキの匂いを吸って一安心。
- その夜、無意識に枕元を手探りし、いつも横で寝ているユキを触ろうとしたが、またもユキの姿が消えている。そんな事が繰り返され、すっかり落ち込んで教室でため息をついていると、いろはとこむぎが声を掛けてきた。「困っているなら力になりたい」といういろはに勇気づけられ、最近ユキが時々いなくなっているような気がすると打ち明ける。気付くとどこにもいないのに、探しているといつの間にか部屋の中に戻っており、確信が持てない為、まゆの悩みと不安は尽きなかった。
- いろはは悟に相談し、「猫は凄く狭い所も通れるし、ドアや窓を開けられる子もいる。猫屋敷さんは引っ越してきたばかりだから、まだ知らない隙間があるのかも」とのアドバイスを受けて、「もしユキがいなくなっちゃったらどうしようって…」と不安に怯えるまゆに、ユキが本当にいなくなっているか確認する事を提案。「明日はまゆちゃん家に集合」と言われ、感謝しつつ表情が明るくなる。このことをすみれに報告すると、大喜びでおやつの準備を考える等、まゆ以上にテンションが上がっている。まゆは緊張でその夜はろくに眠れず仕舞。
- いろはと犬の方のこむぎが来訪。「こむぎちゃんは一緒じゃないの?」と尋ねると、いろはは妙に焦りながら、「え~っと、こむぎは後から来るって!」と説明するので、とりあえず招き入れる。部屋の様子や、裁縫の数々をいろはが絶賛するので、照れつつもまゆは嬉しい。だがその様子を、窓際のユキは不機嫌そうな顔で眺めていた。
- いろははフクロウ型の監視カメラも用意してくれた。あれこれ気を遣ってくれるいろはに申し訳なく、「せっかくのお休みなのに、ユキの事で手伝わせちゃって」と詫びると、いろはは「そんな謝る事じゃないよ。友達でしょ?」と応えてくれた。
- 「えっ…友達…!」まゆにとっては今まで縁のなかった『友達』という甘美な響き。思わず頬を染めてうっとりするも、気取られないように、「あっ、そう!友達!…友達」と取り繕った。しかし内心の喜びは隠し切れない。自分にも『友達』ができたのだ。そんなまゆといろはの様子を、相変わらず不機嫌そうに眺めていたユキは、いろはが声を掛けてもそっぽを向いて行ってしまった。
- するといろはが突然そわそわし始め、「カメラが1台じゃ足りないよね、家に帰ってお父さんにもっと借りて来るよ」と言って、そそくさと出て行った。さらに人間の方のこむぎが「遅くなってごめんね!わたしもいろはと行ってくるから!」と一瞬だけ姿を見せてすぐ消えた。何となく不安になったまゆはいろはの後を追い掛ける。
- 「二人とも足はっや…全然追いつけない」息が切れて一休みしていると、茂みの中から視線を感じた。それも獲物に狙いを定めた猛獣のごとき鋭い視線を。時は折しも逢魔が時。不気味な気配に怖くなって走り出した矢先、巨大なフクロウのようなガルガルが出現する。逃げてもすぐ追いつかれ、恐怖で絶叫するまゆに、怪物が鋭い足の爪を振り下ろそうとした時……銀髪の不思議な少女がその攻撃を受け止めていた。
- 少女は怪物を軽々と蹴り飛ばし、ミサイルのように飛ばしてきた羽もバリアで跳ね返しながら、まゆに「これ以上、関わっては駄目」と告げる。聞いた覚えのある台詞……先日、公園の鏡石の近くで出会った謎の美少女が放ったものと同じである。「あなたは…」まゆが尋ねても返事をせず、少女は怪物を追って姿を消した。取り残されたまゆは呆然となったまま呟く。「一体、あの子は…」
■第13話
- 「ねぇユキ!あの子にまた会ってね、今度は助けてくれたの!」ユキを相手に例の謎の美少女の事を熱心に語り掛ける。神秘的でありながら、なぜか知らない人という感じがしない彼女の事が、まゆは気になって仕方なかった。「もう一度会いたいな…でもわたし、名前も知らない。あなたは誰…?」
- 公園の鏡石のところを通りかかって、また彼女の事を思い出す。ここで出会った美少女と、怪物から助けてくれた銀髪の少女はおそらく同一人物。でも一体誰なのだろう…?その時、山の方から鳥が一斉に逃げ出し、木が倒れるのが見えた。「何かいるの…?」不安に襲われるが、先日の彼女の「これ以上関わっては駄目」という言葉が脳裏をよぎった。「危ないから来ないでって事?でも…あの子が来るかも…!」彼女に会いたいという思いが恐怖心に勝っていたまゆは、危険を承知で山に向かう。
- 現地に着くと、「ガルガル…!」と唸り声を上げるハリネズミのような怪物を発見する。先日のフクロウの怪物と同類ならば彼女が現れるかもしれない。とりあえず身を隠そうとしたものの、うっかり木の枝を踏んづけた音で気付かれてしまい、怪物は体を丸めて回転しながら襲ってきた。
- そこへこの間と同じように銀髪の少女が現われ、すかさずバリアでまゆを守る。「あなたは…!」そのバリアが完全に怪物を跳ね返した時、今度はまた見知らぬ二人組の少女が駆け付けてきた。その片方の子が「キュアニャミー」と銀髪の少女に呼び掛けた事で、まゆは彼女の名がキュアニャミーだと知った。
- しかし会話は、戻ってきた怪物の突進で遮られた。キュアニャミーはまゆを抱きかかえると、猪突猛進してくる怪物の攻撃を、ひらりひらりと樹上を飛び回って回避し、「しっかり掴まってなさい」と、怪物を踏み台にし、「それじゃ」と二人組の少女に怪物の相手を任せてその場から跳び去った。
- 安全な場所で降ろされ、キュアニャミーはまゆに帰宅を促す。「さっきの二人は…?」「言った筈よ。これ以上関わらないでって」確かに、彼女の警告を無視して自ら危険に首を突っ込んだのだから、返す言葉が無い。「ごめんなさい…。」うなだれるまゆに背を向け、キュアニャミーは立ち去ろうとした。「あ…あの!助けてくれてありがとう!」精一杯声を上げて、礼を告げるまゆの声にキュアニャミーの足が止まった。気分を害したかと思い、おどおどしながら「ごめんなさい、わたし…でも…」と言いかけた瞬間、数メートル先にいたはずのキュアニャミーはまゆのすぐ目の前に音もなく立っていた。
- 「いいのよ、貴方が気にする事じゃない」キュアニャミーは、まゆの髪についていた木の葉を取った。口調はクールそのものでも、母親が娘にするような愛情のこもった仕草だった。「ねぇ、また会えるかな?」まゆが尋ねた時には彼女の姿は今度こそ消えていた。「キュア…ニャミー…」
- 帰宅後、「探してたあの人、キュアニャミーって言うんだって。でも…どうしていつも助けてくれるのかな?」と、目を輝かせてユキに報告する。まゆの中では、キュアニャミーの存在はますます大きくなっていた。「また会えるといいな…」
■第14話
- 帰宅してユキがご飯を一口も食べていないことに気づき、ベッド下を見てみると顔色を悪くしたユキの姿が。慌てていろはの家に飛び込み「ウチのユキを助けてください!!」と涙目になって懇願。疲労が原因だとわかったものの、まゆの不安は消えない。
- そこでいろはがお泊りを提案すると、身体を震わせ(どうしよう。わたし、お友達のお家にお泊りなんてした事無い。いいのかな、大丈夫かな……)と不安になるがユキに促される形で一晩泊めてもらうことに。いろはの家族と一緒に食卓を囲んだり(この時、こむぎが膝に乗りたいアピールをしてきたのを見たユキが猛烈に不機嫌な顔をしている)お風呂上りにいろはと一緒にアイスキャンディーを食べたりと充実した時を過ごす。
- 就寝前、まゆはいろはに感謝を口にした。「わたしも、すごく楽しかった!わたし、こういうお泊り初めてで、今までお泊りするほど仲良いお友達っていなくて。正直不安だったんだけど、でも、いろはちゃんのおかげで笑って過ごせた。ユキの事心配で、あんなに泣きそうだったのに……ありがとういろはちゃん」
- ガルガルが出現し早朝に部屋を出ようとするいろはとこむぎに気づいて目覚める。ごまかそうとするいろはに業を煮やしたこむぎが口を開くと「今、こむぎちゃんが喋った……?夢見てるのかな?」と自分の両頬を引っ張り目がぐるぐるになりながら真実を確かめようとする。いろはに(戻ってきたら)自分を信じるように言われたことで落ち着きを取り戻すが、今度はふたりが心配になりあとを追いかけることに。
- ガルガルの戦いに巻き込まれ駆け付けた悟と共に避難し、そこでいろはとこむぎがプリキュアであり(更に人間のこむぎと犬のこむぎが同一人物である事と)ニコガーデンのアニマル達を救う為に戦っている事実を知らされる。ニワトリのガルガルの音波攻撃に人よりも聴覚に優れたこむぎの方がダメージが大きいと気づき、それを聞いた悟のアイディアで戦局を変えることに成功する。
- ガルガルの浄化後にこむぎからプリキュアになるよう誘われるが、「それは絶対ムリ!!」と拒否するも、協力できることがあればなんでもすると申し出た。
- その後部屋に戻ってキュアニャミーが今回は何故か現れなかった事を話すが、ユキがいろはとこむぎに対して何故か敵意混じりの視線を送っていたが、まゆ達はこの事に気づいていなかった。ユキのこの表情の意味は…?
■第15話
- いろはや悟に連れられてニコガーデンへ。メエメエを紹介されるも、初対面の相手に緊張するのは相変わらずで、最初はいろはの陰に隠れておりモジモジ(しかも若干薄暗いトーンで作画されている)。だがメエメエの姿を見るや動物好きの血が騒ぎ、「わぁ~、もふもふ~!あははは、気持ちいい~!ふわっふわ、もふっもふ~♪」と大喜びでモフりまくり、「勝手に触っちゃダメェ~!」と怒られる。
- 部外者には口外厳禁と言っておいたにも拘らず、あっさりプリキュアの事がバレてしまったいろはとこむぎに頭を抱えつつ、悟の説得もあって、とりあえずメエメエはまゆを容認。多忙な彼の為に、まゆはニコガーデンの整備を手伝いを志願する。コウノトリに運ばれて空を飛び、いろは達は広大なニコガーデンの風景を満喫していたが、高所恐怖症のまゆは「こわくない、こわくない…やっぱり怖い!」とメエメエにしがみついていた。しかし、メエメエの頭上に翼を休めたイヌワシを初めて間近で実物を見たり、絶滅種であるはずのジャイアントモアがいたりする等、怖いことをすっかり忘れて感激した模様である。
- 街を荒らしながら逃げ回るガルガルを、必死に追いかけるワンダフルとフレンディ。手伝うとは言ったものの、今のまゆにこの場で出来る事は何もなく、ただ祈るのみ。その姿を遠くから傍観していたキュアニャミーは「関わっては駄目と言ったのに…」と苦々しげに呟くも、まゆに危険が及ばなかったため、今日は介入しなかった。
■第16話
- いろはがため息をついて悩んでおり、「珍しいね、いろはちゃんが元気ないなんて」と声を掛けている時、クラスメイトの蟹江達が、鏡石が光ったという話をしているのを聞きつける。まだ引っ越して間もないまゆは首を傾げ、悟に鏡石について説明してもらった。
- 下校後、自分の部屋でお裁縫。自宅裏手の林でひと騒動起こるのが未然に食い止められていた事など知る由もなく…。
- その夜、「いろはちゃんから電話があったよ。悩み事解決したって!すごいね…あんなに悩んでたのに」とユキに報告。今朝のいろはは、こむぎが人間になれる事を両親に秘密にしているのが心苦しく悩んでいたのだが、それがバレてしまったものの、温かく受け入れてもらった事で結果的に悩みから解放されたのだった。
- 「これからも苦しんでる動物達を助ける為に、プリキュア頑張るって…」まゆは夜空の月を見上げた。自分にもいろはのように悩みを自力で解決できる強さや、動物を助けられる力があれば…。「わたしもいろはちゃんみたいになれたらな…」そのまゆの願いが聞こえたかのごとく、鏡石は不思議な輝きを放っていた。
■第17話
- いろはに誘われ、動物の『赤ちゃんツアー』に出かける事に。楽しそうにいそいそと準備するまゆの表情に、すみれは「赤ちゃんの頃を思い出すわ。昨日までいなかった新しい生命があって、家の中が輝いて見えた」と昔を懐かしむ。まゆも「ユキが初めて来た時は、家の中がまるで違って見えた」と言うが、すみれに「でもユキは赤ちゃんというより、まゆのお姉ちゃんみたい」とからかわれる。同意するかのようにユキも一声。
- 鏡石の前で待ち合わせ中に、鏡石の言い伝えを思い出し、「もし本当に願いがかなうなら、もう一度キュアニャミーに…」と思う内にいろはと悟が到着。ハイテンションないろはに引率され、ツバメや鹿やウサギの赤ちゃんを見て回る。ウサギの赤ちゃんは体を寄せ合って温めあうと聞き、自分もそのもふもふに包まれる図を想像し、「埋まりたい…」と口走る。
- 昼食の際、ふと「ユキが赤ちゃんの頃に出会えていたら、寒い思いも淋しい思いもさせずに済んだのに」と零すも、「でもユキはまゆと出会えて幸せワン!」とこむぎ達に励まされた。そんな中ガルガルが現われ、プリキュアの戦いを見守っていると、道路を横断するカルガモの親子の姿が目に入った。トラのガルガルの攻撃で道路に地割れが走り、雛が地割れに呑まれそうになったのを見て、思わずまゆは手を伸ばしてそれを救う。だがガルガルがまゆ目がけて襲い掛かってきた。ワンダフル達の救援も間に合わず絶体絶命…!
- その時、目の前に飛び込んできたのは、家にいるはずのユキだった。ユキは密かにまゆの後を尾いて回り、見守っていたのだ。「しょうがない子ね…言った筈よ、これ以上関わっては駄目だって」なんとユキは人語でしゃべり、その姿は例の美少女の姿に変わる。「ユキ…あなただったの?」キュアニャミーの正体はユキだったのだ。
- ニャミーはガルガルを叩きのめすも、まゆを抱きかかえてその場を去った。戦闘後、迷惑をかけた事をいろは達にまゆは謝ろうとするが、ユキは怒りの表情でいろは達に宣告する…。「わたしはまゆを守りたいだけ。なのに貴方達は、まゆを危険な事に巻き込もうとしている!これ以上、まゆに関わらないで…!!」
■第18話
- いろは達に突きつけた「これ以上、まゆに関わらないで」とのユキの思いがけぬ言葉に、どう返事したらよいかわからず、まゆは口ごもるが、ユキはそんなまゆの手を引いて、1秒たりともいろはの近くに居たくないとばかりに歩き出す。
- しばらく離れたところで、「待って、ユキ…」と懇願すると、ユキは立ち止まってまゆの方に向き直る。「なぁに?まゆ」と返事をされて、改めてユキと会話ができるのだという喜びがこみ上げてきた。いろは達への申し訳なさはとりあえず脇に置いて、「夢みたい、ユキと話せるなんて…」と感激するまゆに、「そうね、わたしも思ってた。まゆと話せたらいいのにって。いつもたくさん話し掛けてくれたのに、返事が出来なくてもどかしかった」とユキも笑顔で応えた。ようやくお互い共通の願いがかなったのだ。
- 「わたし、いつもユキにいっぱい話してたよね。毎日いろんな事……あっ…」その時、まゆはふと思い返す。毎日ユキに話し掛けつつ、ユキが嫌がるのもお構いなしに、全身の匂いを盛大に吸いまくっていたことを。今目の前にいる美少女にあんな事やこんな事を…。「イヤァァーーーッ!!!!!」顔を真っ赤にして絶叫と共にユキの前から逃げ去るまゆであった。
- 帰宅後、すみれに気取られないように何とか取り繕いながら自室に辿り着く。改めてユキが人間やプリキュアになれるようになった経緯を尋ねると、ある夜ガルガルが近くまで来た事があり、その際にまゆがくれた首輪のチャームが光ってコンパクトが現われ、プリキュアになれたのだという。
- 続けて「ユキはいろちゃん達と一緒にプリキュアやらないの?」と問うも、「わたしはまゆを守りたいだけ。あの子達と手を組むつもりは無い」ユキは首を縦に振らない。「でも…ガルガルになっている子達は望んであんな風になったんじゃない。本当はみんな仲良しで可愛い子達で…いろはちゃん達はガルガルになった子達を助けて、元の世界に帰してあげてる」と懇願したが、「それはわたしとまゆには関係無い事。ガルガルに襲われて危ない目に遭って、凄く怖い思いをした。そうでしょう?あの子達と関われば、また怖い目に遭う。だから必要以上に関わらないようにね」と、逆に釘を刺されてしまった。
- 翌日、学校での清掃時間、まゆが悩んでいる事を見透かしたかの如く、いろはとこむぎが話しかけてきた。「まゆちゃん、今日は距離が遠いな~」「ユキに『近づいちゃ駄目』って言われたから?」「いいのいいの。ユキちゃんの気持ちもわかるし。ユキちゃんと一緒にプリキュアできないのは残念だけど、わたしはこれからもまゆちゃんと仲良くしたいな。だって友達だし!」いろはの言葉に、まゆは胸を打たれる。そう、ユキは認めてくれなくても、いろはとこむぎも大切な友達なのだ。
- しかし下校時にこむぎがガルガルの気配を察知するとユキが現われ、またもまゆを強引に連れて帰ろうとする。だがいろはとこむぎは気を悪くせず、「まゆちゃん、また明日ね!」「バイバイワ~ン!」とにこやかに挨拶してから、ガルガルの元へ向かっていった。まゆは負い目を感じると共に、己の非力さを痛感する。
- 翌日、プリキュア達が取り逃がしたガルガルと思われる生物の噂話を耳にしてしまい、自分にも奇跡が訪れないかとコンパクトを弄ったが何も起こらず、ため息をつく。
- ユキがガルガルの接近を感じ、いろは達に連絡を取ろうとするまゆを制して、「その必要は無いわ。仲間なんて要らない。わたしだけで十分。家から絶対に出ちゃ駄目。いいわね?」と釘を刺した上で、ユキは窓から飛び出して行った。しかし、やはりまゆはユキが心配で居ても立ってもいられない。ガルガルに襲われた時の恐怖が頭をよぎったが、「ユキに何かあったら…こわくない、こわくない!」ユキへの思いで恐怖心を振り払い、まゆはユキの後を追い掛けてゆく。
- 街中を探し回っていると、既に片付いたのか、キュアニャミーの変身を解いたユキの姿があった。「ユキ!良かった、無事で…」と駆け寄るが、ユキから返ってきたのは「どうして家を出たの?出ないようにって言ったでしょ」という叱責だった。そして再度「それに、犬飼いろは、犬飼こむぎ これ以上あの子達と関わっては駄目」と言い渡す。
- 「どうして…」「貴女の為に言ってるの。あの子達は貴女を危険な目に遭わせて、平然と笑ってる」「そんな事…」「あの子達と居たらまた怖い目に遭う。もう話し掛けられても相手にしては駄目」もはや警告を通り越した無理強いに、まゆは遂にこらえきれなくなった。「だって友達だし!」いろはの屈託のない笑顔が脳裏をよぎる。ユキはかけがえのない友達だけど、いろはやこむぎだって同じくらい大切な友達。それなのに…。
- 「いいわね?」ユキが念を押した瞬間、「よくない!!!勝手に決めないで!!!」と反論、この時初めてユキに怒りを露にした。愕然となるユキの表情を見て我に返ったまゆは、咄嗟に自分の発した言葉が信じられぬかのように口を押える。その時、逃げたガルガルの行方を追っていたいろはとこむぎが居合わせ、いたたまれなくなったまゆは、ユキを振り切ってその場から走り去ってしまう…。
■第19話
- 「わたしはどうして怖がりなんだろう…みんなが平気な事がどうして駄目なんだろう…」まゆは過去の夢を見ていた。遠足で友達に高台からの景色を観ようと誘われた時も、ドッジボールの時も、何かにつけて恐怖心が先立ち、足がすくんでしまう。それを救ってくれたのがユキの存在だった。「不思議…ユキといると怖さが和らいで…」しかしふと目を覚ますと傍らにユキの姿は無い。まゆは不安に襲われた。
- 翌朝になってもユキは見つからず、すっかり沈み込んでしまうまゆ。そこへすみれが、まゆのデザインしたコンパクトが再入荷したから手伝うよう頼んできた。品切れになるほど大人気だったのは嬉しいが、今の彼女はそれどころではなく、暗い顔のまま。すみれが「このコンパクトを手にした人はみんな笑顔になる。まゆは凄いわ、大勢の人達を笑顔にする力があるんだから」と褒めても、まゆは「そんな事ない…猫のデザインは元々人気あるし…わたしにそんな力は…」と俯く。
- するとすみれは、まゆが小さい頃に作ったリリアンのブレスレットを取り出し、「時間をかけて一生懸命作ったものを全部あげちゃう。喜んでもらえるのが嬉しいからってそういうまゆの優しい気持ちが、みんなの幸せを紡いでつなげているのよ。ユキだってそう、まゆが作った首輪のチャーム、すごく気に入ってた。まゆの気持ちが嬉しかったのよ」と励ました。まゆは「でもわたし…ユキに嫌われちゃったかも…」と涙声になるも、「でも一緒にいたいんでしょ?」という母の温かい一言が心に沁みた。「みんなを笑顔にする力…幸せを紡いでつなぐ力…本当にわたしにそんな力があるなら…」
- そんな時、街中の動物達が騒ぎ出し、まゆはガルガルが現われたと気付くと共に、ユキが心配になり現場へと向かう。「ユキー!ユキ、どこ!?」捜し回るまゆの前に転がって来たのは、ガルガルの光線を浴びて小人サイズに縮んでしまったニャミーだった。彼女を拾い上げ、ガルガルの攻撃から逃げて物陰に隠れたまゆを、ニャミーは「どうして来たの!?」と叱るが、まゆは「ユキに会いたかったから…」と真剣な眼差しで訴える。
- 「ユキ、いつも傍に居てくれたよね…わたしが怖がってる時も、心細い時も…いつも一緒にいて『大丈夫だよ』って励ましてくれたでしょ…言葉が通じなくても伝わってたよ…ありがとう、いつも助けてくれて」まゆの感謝の言葉を聞いたニャミーの瞳も潤んでいた。「それはわたしの方…まゆが居てくれたから…まゆがいなかったらわたしは…」
- だがガルガルがまゆに襲いかかる。まゆは必死で逃げたが、袋小路に追い詰められてしまった。「まゆ!あいつの狙いはわたし!わたしを置いて逃げて!!」血相を変えたニャミーの叫びに、まゆは恐怖心に押し潰されそうになりながらも、首を横に振った。「まゆ!お願い!!あなたに何かあったら耐えられない!!」悲痛な声で訴えるニャミーに、まゆは勇気を振り絞って叫んだ。「わたしもだよ!!ユキがいなくなるなんて考えられない!これからもずっと一緒にいたいから…。だから…あなたはわたしが守る!!!」
- その勇気を聞き届けたかの如く鏡石が輝き、シャイニーキャッツパクトが出現。それを手に取ったまゆは、4人目のプリキュア、キュアリリアンに変身を遂げる。「結んで紡いでつながる世界、キュアリリアン!こわくない、こわくない」
- 「ガルガル、もうやめよう。あなたがわたしやユキと闘う必要なんて無いの」リリアンの説得にも耳を貸さず、ガルガルはドングリ弾で攻撃してくる。リリアンはニャミーを拾い上げて悟に託す。まだ心配な表情を浮かべるニャミーに「わたし頑張る。見てて」と笑顔で応えたリリアンは、ドングリ弾や光線の連射も華麗に躱しつつ、「わたしは敵じゃない!あなたの力になりたいの!」と説得を続ける。が、突進したはずみで顔面に木の枝が刺さってしまい、ガルガルは痛みで更に暴れ始めた。
- 「暴れては駄目!あなたの傷が酷くなっちゃう!」呼びかけても、半ば錯乱状態のガルガルは建物をよじ登り、足を滑らせて高所から転落してしまう。リリアンネットを展開してガルガルをキャッチし、無事着地させたリリアンは、「怖かったんだよね、独りぼっちで心細くて…わかるよ、わたしも同じだったから…あなたはもう独りじゃないよ。頑張ったね、もう大丈夫」木の枝を引き抜き、優しく顔を撫でながらガルガルを抱き締めた。大人しくなったガルガルはそのまま浄化されてキラリンハムスターとなり、ニャミー・ワンダフル・フレンディも元の大きさに戻った。
- 弱っていたキラリンハムスターはワンダフルとフレンディによってニコガーデンへ送り帰され、リリアンは二人に礼を言う。しかしニャミーだけは複雑な思いを抱えたまま、その輪に加わらず、離れた場所で立ち尽くしていた。変身を解いたまゆとユキは、無言でしばし向かい合っていたが、まゆが呼びかけると、ユキは後ろめたそうに視線を逸らす。
- ようやくユキが口を開いた。「わたし…わたし…まゆの傍にいたい!ずっと…一緒にいたい…!!」まゆはその手を取り、優しく抱き締める。「一緒にいよ、ずっと…。」ユキも涙を流してまゆを抱き締めると、猫の姿に戻り、まゆの腕の中で嬉しそうな笑顔を見せた。もう一方的に守り守られる関係ではない。お互いに守りあって、ずっと一緒に。大切な友達なのだから…。
■第20話
- いろはから、キュアリリアンになった事を報告する為にニコガーデンへと誘われ、行く前から緊張するが、ユキは「行かない」と拒否。「そんなぁ~!一緒に行こうよユキぃ~!見た事もない素敵な世界、ユキにも見せたいよ~!わたしもユキがいると心強いし…」ほっぺスリスリしながら上目遣いで瞳を潤ませて頼み込み、何とか説き伏せる。
- しかし二人の加入を歓迎するメエメエに、「は…はい、わたしに出来る事は頑張ります」とぎこちなくも決意表明するまゆに対し、「協力はしないって言ってるでしょ」とユキの姿勢は変わらず、何処かへと行ってしまった。ユキを捜す中、「やっぱりユキがみんなと一緒にやっていくのは難しいと思う。ユキね、大勢の中にいる事に慣れてないの。だからこの状況、どうしていいかわかんないんだと思う」とユキの気持ちを推し量るまゆだったが、こむぎやいろはに「ユキちゃんはまゆちゃんの事が大好きだから。わたし達や他のみんなとも、もっと仲良くなれる」と励まされた。
- 見つけたユキは、歓迎パーティーでは少し態度を軟化させていたが、帰宅してから「やっぱりいろはちゃん達と一緒にやらない?」と誘ってみても、無言のまま視線を逸らした。まだ皆と仲良くできないのだろうかとまゆが沈み込んでいると、ユキが何かに気付いたような素振りを見せる。「もしかして…ガルガル?」ユキは尋ねてくるまゆの方を向こうともせず「何でも無いニャ」と気の無い返事。だがまゆには判った。ユキは自分を戦わせたくないが為に、嘘をついているのだ。しかし放っておけば、罪の無いアニマルが不本意に暴れて自他を傷つけてしまう事になる。意を決したまゆは立ち上がった。
- 部屋を出ようとするまゆを、ユキは引き留めようとするが、まゆの決意は変わらず、駆け出して行った。「確かにガルガルの事ちょっと怖いし、一人だと少し不安だし…でも、今日会ったニコガーデンのアニマル達 わたしはあの子達を助けたいの。わたし、プリキュアだから!」
- ワンダフルやフレンディと共にキツネのガルガルを追いかけるが、変化の術に翻弄され、「ストップ、お願い!こわくないこわくない 一緒に…」と呼びかけても、小柄ですばしっこいガルガルを捕まえられない。見かねたニャミーが合流し、二人で挟み撃ちにすると、ガルガルは今度は大木に化けるが、体力が尽きてダウンした。ニャミーはとどめを刺そうとするも、キラリンコジカとの交流で、ガルガルになっている時の孤独で苦しい心境を聞かされ、思いとどまった。
- しかしその隙に、ガルガルは額の宝石から反撃の光線を放つ。不意を突かれたニャミーがその光線の直撃を喰らいそうになった時、リリアンが両手を広げてニャミーを守るべく立ちはだかった。「リリアン!!危ない!!!」ニャミーは叫ぶが、リリアンは渾身のバリアを張り、光線を弾き返す。「リリアン、貴女そんな力が…」驚くニャミーに、リリアンは笑顔を見せた。「自分でもびっくり…。きっと…ふふ、今日はニャミーと一緒だからだね!」ニャミーと一緒だから、守りたいと思ったから、リリアンは思いがけぬ力を発揮できたのだった。
- 「ニャミー、一緒にあの子を助けてあげよう」差し出すリリアンの手を、受諾しながら取るニャミー。するとシャイニーキャッツパクトがアミティーリボンタンバリンへと形を変える。二人は合体浄化技プリキュア・アミティールミエールを繰り出し、ガルガルを元のキラリンキツネの姿に戻した。「フフッ、悪くないわ」穏やかな笑顔を見せるニャミーに、「ニャミー!大好き~!!♡」と大喜びで抱き着くリリアンだった。
- かくしてめでたくユキ=ニャミーもプリキュアの仲間入り…と思いきや、素直に承諾する彼女ではなく、「やってもいいけど条件があるわ」と言い出した。「ちょ…ちょっと待ってユキ!わたしも聞いてないんだけど…!!?」慌てるまゆを、「言ってないもの」と軽くいなしたユキが提示した条件とは、自分をまゆの中学に通わせる事だった。「やだもぉ♡ユキ~♡♡♡わたしと一緒に学校通いたかったの?♡♡うれしい~♡♡♡早く言ってよ~♡♡♡♡」一転して大喜びし、ユキに頬ずりするまゆ。まゆのスクールライフはますます楽しく賑やかになってゆく。
■第21話
- ユキが転校生として2年1組へ。しかし先生からこむぎの隣の席に座るよう言われたユキは、まゆにぴったり密着して着席。クラスメイトはどよめき、まゆは耳まで真っ赤に。自室でいつもくっついて寄り添っている事が普通なのだと思い返すものの、さすがに人の姿で同じ事をされてはたまらない。改めてユキの席を慌てて教えたが、ユキはまゆの隣席の狸原に自分と席を変わるよう要求。人間態でもユキのマイペースぶりは平常運転だった。
- しかしユキは「(普通の)人間のふりなど簡単なことだ」と言ってのけ、いざ授業となるとあらゆる分野で並外れた知力・技量を見せつけ、まゆ達を驚愕させる。家庭科の授業では「刺繍は思った以上に難しい。普段から楽しそうにやっているまゆは凄く上手い」などと事もなげに言っては、「ユキの方がすごいよ」とまゆは感嘆。対照的にいろは&こむぎは画伯っぷりを披露。
- ユキは昼食に豪華な重箱入りの弁当を持参。「いつの間に作ったのか」とまゆは愕然となり、「(家族の)皆が寝ている間に」とさらり。ママにバレずに済んだことを内心安堵していると、ユキは焼き魚の切り身を箸で差し出してきた。まゆの遠慮もお構い無しに口に押し込まれ、ハンカチでまゆの口元を拭うなど、すっかりユキのペースに巻き込まれていた。
- 同席していた狐崎と狸原から演劇部へと勧誘されたユキに「まゆは入るの?」と振られる。しかしあがり症のまゆにとって演劇部は肌に合わず、「人前に出るのはちょっと…」と謝絶すると、ユキも「じゃあわたしも入らない」とあっさり断った。
- 昼食後、ユキに自分以外の人とも関係を持ってもらうべく、「せっかく学校に通うんだし、わたし以外の人ともお友達になってみたら?」と窘めてみたが、「必要無いわ。わたしが此処にいたいのは、まゆと一緒にいたいから。そしてまゆを守りたいから。人の姿になってまゆとずっと一緒にいれて嬉しい」とユキは微笑む。いつも寄り添ってくれるユキの心遣いは嬉しく、狐崎達に対して気は引けたものの、まゆもそれ以上強くは言えなかった。
- いろはとこむぎに刺繍を教えていると、いろはが「刺繍したハンカチをみんなで交換しない?」と提案してきた。するとユキは「そんな事しないわ、絶対に」と冷たく拒絶。自分を思っての事とまゆは察したが、それでもまゆは「わたし…交換したいな」と自らの意思を主張し、やむを得ずユキも従った。
- そしていざ本腰を入れて刺繍を始めると、集中モードのまゆは周囲の音が耳に届かず、話しかけられても返事すらしない。しかしいろはは「周りの声も聞こえないくらい集中してるんだ。かっこいいなあ」と不機嫌にならず、寧ろその集中力を称賛してくれた。それを聞いたユキは、まゆの過去について語るべく、いろはを教室の外に連れ出した。こむぎも後に続いたが、まゆは全く気付かぬまま刺繍を続けていた。
- ふと気が付くと、ユキやいろは、こむぎの姿がない。「わたし…集中すると周りの声が聞こえなくなって…もしいろはちゃん達が話しかけてたのに無視してたら……」苦い過去を思い出してしまうが、悟は「犬飼さんは猫屋敷さんの事、『集中して凄い』って言ってたよ、大丈夫」と優しくフォロー。まゆは友達がその集中力を心から肯定してくれたことに胸が熱くなり、涙と共にささやかな笑みを浮かべるのだった。
- 校庭にジャイアントパンダの超大型ガルガルが出現。あくびの催眠波で学校中のみんなが眠入ってしまい、まゆやいろはもダウン。一人元気なこむぎがいろはを叩き起こして一足先に変身したが、猫である自分が「わんだふる」などと犬っぽい名前を口にする事に抵抗のあるユキは変身を躊躇。そこでまゆは「こんなのはどうかな?」と耳打ちし、二人は「ニャンダフルプリキュア!」と名乗る。ニャミーも「気に入ったわ」とご満悦。
- しかしガルガルのいびきでまたも催眠波が発生し、リリアンは眠り込んで倒れそうになる。咄嗟にニャミーはリリアンの頬をつねって目を覚まさせる。「ふぇ!?」赤くなるリリアンに、ニャミーは自分をつねらせる事で意識を保った。戦闘中に、美少女二人が頬をつねり合っている可愛くシュールな絵面が発生。その後、ニャミーがワンダフルを巨大なタイヤに変身させ、喜んでひとしきり遊び大人しくなったガルガルを浄化した。
- こむぎが刺繍されたハンカチをプレゼントされて喜ぶいろは。まゆが貰ったいろは作のユキの刺繍は相変わらずの画伯っぷりだったが、いろはが一生懸命縫った思いが伝わり、まゆも「こちらこそ…ありがとう!」と感喜する。こむぎとユキも以前よりも更に仲を深めた。まゆもユキも過去を乗り越え、新たに大切な友達を手に入れたのだった。
■第22話
- 『フレンドリィ動物病院&サロン』にて、ペット用のケアグッズを前にテンションが上がりまくるも、肝心のユキはまるで興味なし。そこへドッグトレーナーの犬束が訪れ、いろはとこむぎはドッグスポーツの「アジリティ」に挑戦する事になるが、ユキがやはり無関心な為、まゆは見学。
- やった事の無いアジリティに対しても「よくわからないからワクワクするんだよ」と前向きないろはに、「わからないワクワクかぁ…いろはちゃん達はすごいなあ」と羨望の眼差しを送っていると、「羨ましがる事は無い。まゆだって凄いニャ。だって、このわたしがパートナーになってあげてるのよ、自信持ちなさい」とユキが持ち上げる。
- さらに、完全に自己流ながらもアジリティを満喫するこむぎの姿に、「すごく楽しそうだよね」と言うと、「こっちも楽しいでしょ」とユキが返したので、「えぇ~?もしかして焼き餅焼いてる?大丈夫、わたしはいつだってユキ派だよ?もちろんユキと一緒の時間もすっごく楽しい!」と頬ずりしたり匂いを吸ったりして「う~ん♪はぁ~幸せ♡」といろは達そっちのけでイチャイチャ。
■第23話
- 浴衣に着替え、ユキを七夕祭りに誘うが、ユキは「騒がしいのは苦手ニャ」と相変わらず素っ気ない。「ユキがいればもっともーっと楽しいよ!浴衣着て、美味しい物食べて…楽しそうじゃない?」そんなまゆの願いを無碍にも出来ず、少し心が揺さぶられたようではあったが、ユキの分の浴衣が無いことを盾にまだ渋っている。「わたし、浴衣もう1枚持ってるよ。ママに頼んで着せて…」と言いかけた時、まゆの『大きな独り言』を聞きつけたすみれが入ってきてギクリ。
- 「えっと…あのね、わたしの友達が浴衣を着たいって言ってて…」と取り繕おうとしたが、ユキは「まゆの友達 ユキです」と人語でしゃべるや、美少女の姿に変身。「…ユキ?」「はい、すみれさん。御挨拶が遅れて済みません」「いいえ~♡」「まゆとお祭りに行きたいので、浴衣を着せて貰えないでしょうか?」「喜んで♡」愕然となるまゆの前で、プリキュア史上稀に見る理由での正体バレはあっさり完了。
- すみれは愛猫が人間に変身した事実を大した驚きもなく受け入れ、ユキに着付けと化粧を施す。「ママ…びっくりしないの?ユキが人の姿になって…」と尋ねるまゆにも、「びっくりしたわよ。パパが送ってくる写真見た時みたいに」と、いつものおっとりした笑顔。2匹のオランウータンとの3ショットをしたり、ワニを撫でたり、大蛇を体に巻きつけたりするのと、ネコが人間に変身するのは別次元の話のような気もするが…。ともあれ、「この町に来た時、何か素敵な事が起こりそうな予感がしたけど…アニマルタウン、思ってた以上に素敵な町ね」と微笑む母の広い心のおかげで、まゆの悩みは一つ解消した。
- 七夕祭の会場で合流した悟に報告し、「猫屋敷さんのお母さんって実は大物なのかも」と感心されていたところに、浴衣姿のいろはが到着。頬を染める悟にピンと来て、「えっと、もしかして…兎山くんっていろはちゃんの事が好きなの?」と身も蓋もないストレートな質問を悟に耳打ちする。目に見えて動揺する悟の表情を見て確信し、「そうなんだぁ」と今にもみんなにバラしそうな天然の笑顔を見せるまゆを、悟は離れた場所に引っ張って行き、「この事、内緒にしといて貰えるかな?」と懇願した。
- 「えぇ~どうして?二人仲いいし、いろはちゃんだって兎山くんの事、すごく信頼してると思うけど?」何の悪気もなくまゆはぐいぐい押してくるが…悟「それは友達としてであって…犬飼さんは僕の事、そういう風に意識してる訳じゃないから…」まゆ「確かにいろはちゃんって、男の子も女の子も動物もみんな平等に友達って感じだね」今の悟の想いに、まゆも理解を示す。「だから、内緒にしてて。困らせたくないんだ…。それに、気まずくなるのも嫌だから」照れ笑いしつつ、今の関係を壊したくない悟の顔はどこか切なげだった。
- そこでいろはの下駄の鼻緒が取れたのに気付き、悟はすかさず駆け寄って修理する。その間、二人の会話を邪魔させまいと抑えていたこむぎを解放したまゆは、「内緒にって言いながらすぐ助けに行ってる…!好きが溢れてるっ!とってもお似合いだよ!わたし!二人を応援する!」と尊みに感激して目を輝かせる。冷めた目のユキに「応援 それ、楽しい?」とツッコまれても、「すっごく楽しい!」と興奮状態。
- みんなが短冊に願い事を書く時も、「書かないの?いろはちゃんともっと仲良く…」と、いろはに聞こえそうな距離で悟を後押しし、慌てふためかせる。「そんな事書かないからね!今は困っている動物達を助ける事が大事だから!」と返され、「そうだね、わたしもそう書こう」と短冊に『困ってる動物達を助けられますように』としたためる。ユキにも書くかどうか尋ねると、微笑みながら「もう叶ってるからいい♡」との返事。
- 白鳥のガルガルを浄化してキラリンスワンに戻し、これで全てのキラリンアニマルが揃った。「『困ってる動物達を助けられますように』まゆが短冊に書いた願い、叶ったんじゃない?」とのユキの言葉に、「そうだね、叶っちゃった!」と笑顔のまゆだったが、その傍らで「やったね、悟くん!」と喜ぶいろはと、「うん。僕も願い事叶っちゃった」と返す悟を見て、「はわぁ~♡♡♡」とまたも大興奮。
■第24話
- キラリンアニマルが勢揃いし、ニコガーデンが本来の美しい姿を取り戻した。これもプリキュアのおかげと感謝され、「わたしとユキは途中からだし…いろはちゃんとこむぎちゃんはすごいよ」と謙遜するも、キラリンハムスターから「リリアンから助けてもらって嬉しかったキラ」と礼を言われて嬉しくなるまゆ。
- ゴリラのガルガルが出現し、まゆは、昨日ニコガーデンで出会った、母親が姿を消して淋しそうにしていた子ゴリラを思い出した。あの子の母親なら一刻も早くニコガーデンに帰してあげたいが、ガルガルは電波塔によじ登り、鉄骨を引き千切って投げつける暴れっぷりで、迂闊に近づけない。
- その時何かを閃いたニャミーが「わたしに任せて!」と言うや、キラリンスワンの力を借りて飛び立った。意図がわからず狼狽するワンダフルとフレンディを制し、リリアンは「ニャミーの事、信じてあげて!」と彼女の動きを見守る。
- ニャミーがドングリの枝をガルガルに見せると、動揺したガルガルは大人しくなった。それは昨日の子ゴリラが落としたもので、ガルガルは我が子の事を思い出したのだ。リリアンとニャミーはアミティールミエールでガルガルを浄化する。
- 笑顔のゴリラ親子の姿を見て一同が安堵する中、こむぎが「ねぇねぇユキ、どうしてあの小枝持ってたの?」と尋ねると、「別に…落ちてたのを拾って何となく持ってただけ」と視線を逸らして素っ気なく答えるユキ。その照れ臭さを隠した顔を見て、まゆはクスッと笑った。『何となく』のわけがない。ユキがゴリラ親子を再会させてあげたいために、子ゴリラが落とした小枝を拾っていたのは明らか。どんなにクールで素知らぬ顔をしていても、ユキの優しさはまゆが誰よりも知っているのだ。
■第25話
- いろはに誘われ、共同での自由研究の為に海へやってきた。海に着くや否や早速悟をいろはの件でイジり倒す。まゆ「兎山くん、聞いたよ。もう夏休みの宿題終わってるって。それなのに来てくれたんだ」悟「犬飼さんに自由研究の手伝いをお願いされて…」まゆ「ふ~ん。愛だね!」
- 今回の主目的はウミガメの産卵の観察。しかし、産卵時間が夜間とはいろはが知らなかったため、一転して遊ぶ事に決定。いろはやこむぎは勿論、悟やまゆもしっかり水着を用意しており、唯一渋っていたユキもまゆが水着を準備していた為押し切られた。
- その後、サーフィンをエンジョイするいろはに見とれる悟の背後で、勝手に創造した彼の心の声をアテレコするまゆ。まゆ「犬飼さん ドックランを走るキミも良いけど、笑顔で波を乗りこなすキミも良い…。つまり、何をやってもかわいいって事さ…。キミの笑顔の輝きには、夏の太陽だって敵わない。僕は、そんなキミの事が、す…す…好きっ…!」悟「ちょっと猫屋敷さん!?ななな何言ってるの!!?」悟が取り乱しても何ら悪びれず、水を得た魚のように煽りまくる。悟「僕そんな事思ってないよ!!?」まゆ「本当ぉ~??」
- 猫の本能ゆえに水が苦手で、さざ波にも怯えるユキに「ちょっとだけ一緒に入ってみる?わたし、そばにいるから」と手を差し出す。「大丈夫。こわくない、こわくない」まゆにリードされ、ユキも海への恐怖を打ち消し、二人は微笑み合う…が、海中からユキを驚かそうと飛び出したこむぎのせいで台無し。
- ランチを食べながら、悟からウミガメの卵に関するレクチャーを受ける一同。しかしそのすぐ近くの砂浜に埋まっていたのは、ウミガメのガルガルの卵だった。孵化したガルガルの甲羅に飛びつき、リリアンは「お願い、暴れないで!落ち着いて!」と宥めようとしたが、ガルガルはますます暴れる一方。一旦離れるよう呼びかけるニャミー達の声も無視し、「絶対に…放さない!」と懸命にしがみつく。そしてガルガルはリリアンを乗せたまま、海に逃げ出した。
- 「ねぇ!落ち着いて!お願い!」リリアンの声に耳も貸さず、ガルガルは深く海中へと潜っていく。「息が苦しい…怖い…」このまま長時間海中にいたら、いくらプリキュアでも息が続かず溺れ死んでしまう。恐怖で折れそうになるリリアンだったが、ガルガルの呻き声が耳に入ってきた。「そうか…、そうだよ…。この子もきっとガルガルになって苦しいはず…怖いはず…」水を怖がっていたユキの姿が脳裏をよぎる。「大丈夫…一人ぼっちになんてさせない…。こわくない、こわくないからね…」リリアンはガルガルにしがみつきながら、心の中で懸命に呼び掛けていた。
- ガルガルが沖合の小島に上陸したところで、ニャミー達が追いついて応戦するが、ガルガルの水流砲を浴びたリリアンは、この辺りの海水が異常に低温な事と、砂浜にウミガメの卵が埋まっている事に気付く。卵は砂が過剰に冷えると孵化できなくなってしまう。という事は、ガルガルの水流砲の巻き添えをこれ以上喰らったら、卵が危ない…!
- リリアンからそれを聞いたニャミーは、「リリアンはここまで一人で頑張った!今度はわたしの番!わたしが…!」と独力でガルガルに対抗しようとするが、その耳にリリアンの声が届く。「『絶対にみんな来てくれる』そう信じてたから、わたし諦めないでいられた、頑張れた。今だって一人じゃない。わたし達も…あの子も…卵も…だから……」あの時リリアンは一人で突っ走っていたのではない。皆が来ることを信じていたから頑張れたのだ。ニャミーもその思いを汲み、初めてワンダフルやフレンディと力を合わせてガルガルを捕え、浄化に繋げた。
■第26話
- 刺繍糸を使い切ってしまい、炎天下に買い物に出かけるまゆとユキ。暑さのあまり、砂漠を歩いているような幻覚が見え始め、世紀末を放浪するかのごとき格好で「刺繍糸…刺繍糸…」とうわ言のように繰り返しつつ歩を進めていると、同じくこの猛暑の中、半ば正気を失いながら「お散歩…お散歩…」と繰り返すいろは&こむぎに出会う。
- いろは「まゆちゃん…無事だったんだね!」まゆ「生きててよかった…いろはちゃん…!」だが感動の再開も束の間、こむぎが倒れ、ユキも人間態が解けてダウン。オアシス目がけて水をせがんだところで、水をかけられてようやく現実に戻る。打ち水の最中にうっかり水をかけてしまったにもかかわらず、何故か二人から涙ながらに礼を言われた悟は状況が解らずただ困惑する。
- 兎山家に招かれ、冷房の効いた部屋でようやくみんな回復。いろはを自室に招き入れた事に周章狼狽する悟を見てまゆは後ずさりし、壁の陰から覗いてニヤニヤ。いろは「…え?まゆちゃん…何してるの?」まゆ「今日は本当アツいなぁと思って。外も、室内も」。悟は赤面し、何一つわかっていないいろはは「???」。
- 夏の間のペットの散歩や部屋での過ごし方を教わり、そうめんやソーダ入りゼリーを御馳走になった後は、まゆも涼感グッズを披露。
- そんな酷暑の中にガルガルが出現。「この暑さじゃガルガルも熱中症になっちゃうかも」と心配して駆け付けたが、よりによって相手は暑さに強いラクダのガルガルで、プリキュア達の方がグロッキー気味。そこでリリアンはキラリンペンギンの力を借りて周囲に氷結を発生させる。「暑いなら涼しくすればいいんだよね!」全員が元気を取り戻し、逆に氷が解けた湿気でガルガルの方がバテたところで浄化に成功。
- 浄化後、周囲は再びうだるような暑さに戻り、一同解散。しかし、何か心に引っ掛かるものを感じるまゆ。そして、丸一晩経った後に当初の目的であった買い物をド忘れしていた事を思い出し、「刺繍糸…買わなくちゃ……。」と呟きながら、再び炎天下を放浪の旅に出るオチになったのだった。
■第27話
- 「ユキってほんとにかわいい♡艶々な毛並みも、涼やかな顔も、全部全部好き~!」まゆは今日も平常運転で頬ずりし、ユキを閉口させる。「やりすぎニャ」と猫パンチを喰らっても、「う~ん、猫パンチもいい~」、呆れたユキがちょっと距離を取っても、「そういうつれないところも可愛い~♡」と底無しの溺愛っぷり。
- いろは達が『ツチノコ大捜索大会』に誘いに来た。しかしツチノコを知らないまゆは「ツチノコって…何?」と首を傾げるも、悟やいろはに「ヘビに似ているが誰も捕まえた事の無い未確認生物」と説明を受けて興味が湧き、「みんなで探せば楽しいよ」と言われて乗り気になる。昼寝していたユキも「一緒だと嬉しいんだけど…どうかな?」とまゆに誘われれば、「仕方ない、つき合ってあげるニャ」と当然同行する運びになった。しかしこの時寝ていたユキは「ツチノコがヘビに似た生き物」という説明を聞いておらず、後の悲劇(?)につながる事に…。
- 『ツチノコ大捜索大会』の会場で、『Pretty Holic』の屋台を出しているすみれを発見。「ツチノコ探しにサラサラパウダーは必要でしょ?せっかくツチノコに会うならお洒落した方がいいじゃない」母の天然ぶりと商魂には、まゆも脱帽。
- 昼食中、メエメエからニコ様の卵の様子を尋ねる電話が来たが、何とこむぎが持ち歩いていたとわかり、慌ててメエメエが合流。ところがひょんな事からその卵が穴の中に転がり落ちてしまい、ガルガルの気配もあった為、一同はキラリンハムスターの力で小さくなって穴の中に突入する。そこに現れたツチノコのガルガルの姿にニャミーは顔面蒼白で絶叫し、彼女のそんな顔を初めて見たリリアン達は唖然。猫はヘビの類いが大の苦手だったのだ…。
- 無理しなくていいとニャミー気にを遣うも、「全然恐くない!」と引き退がることを彼女のプライドが許さない。その時、ガルガルと視線が合ったフレンディとリリアンは首から下が石化してしまう。「怒ったツチノコさんの目を見ると動けなくなるので、気をつけてくださ~い」メエメエの声が聞こえてきて、「それ、もう少し早く知りたかったな…」と愚痴をこぼすも、時既に遅く大ピンチ。
- 襲い来るガルガルの牙から、ニャミーはリリアンを抱えて攻撃をいなす。だが、彼女の表情にはいつもの余裕が全く見られず、冷や汗を流し、無理に恐怖心を抑えているのが顔に出ている。そうこうする内にワンダフルも石化してしまい、残るはニャミー一人だけ。
- ニャミーだけでも逃げるよう叫ぶも、ツチノコ型ガルガルへの恐怖とリリアン達への想いの板挟みになっていたニャミーは意を決して、ニャミーシールドでガルガルの突進を跳ね返した。「わたしが逃げる?笑わせないで。仕方ない…構ってあげる!こっちよ!」ガルガルをリリアン達から遠ざけながら、跳び回って翻弄する。しかも相手と視線が合わないように、目を閉じたまま戦うという離れ業だった。
- しかし流石に直接愛撫するのは駄目で、「そんなの無理ニャアアアアア!!!!!」とニャミーがギャン泣きした時、天井が崩れ陽の光が差し込む。悟がスコップで地面を掘って穴を開けてくれたのだ。日光でガルガルは弱体化し、リリアン達の石化も解けた。ニャミーとリリアンはすかさずアミティールミエールでガルガルを浄化する。
- 大捜索大会終了後、ユキは猫の姿に戻ってまゆの膝で「疲れたわ」とばかりに大あくび。「ありがとね、ユキ。恐かったのに頑張ってくれてかっこよかった」「全然格好良くなかった」「ううん、とってもかっこよかった!」その対話の直後、何かのシルエットを見てユキは悲鳴を上げていたが、そんなところもかわいいし、いつでもまゆを守ってくれるかっこよく素敵な友達なのであった。
■第28話
- クラスメイトの大熊の家族が経営する大熊牧場へ、みんなで遊びにやってきた。牧場の広大な敷地には花畑もあり、「パッチワークの絨毯みたい!」と目を輝かせた。
- 乳搾り体験で、大熊に指名されて初めての乳搾りに挑むが、牛の巨体を前に体がすくみ、「こわくない、こわくない…」と自分に言い聞かせても、牛の鳴き声一つで「あぁっ!ご、ごめんね、嫌だった?」とビクつく始末で、結局ユキに泣きつく。
- 出現したアルパカのガルガルは、口から溶解液のボールを吐き、後ろに回ればキックで応戦される等で近づけない。しかしバリアなら溶解液が通じない事がわかり、リリアンはキラリンスワンの力を借りて空を飛びながらガルガルを翻弄し、溶解液ボールは残りの3人がバリアで防ぎきって、ガルガルを浄化した。
■第29話
- 早朝いろはから、ニコの卵にひびが入ったと連絡があり至急出向くと、ニコが誕生。ニコガーデンの創造主にしてはあまりにもフランクなノリのニコに、犬組は「こむぎでーす!」「いろはでーす!」と平常運転の挨拶を返すが、やはり初対面の相手に緊張するまゆはしどろもどろ。ユキに促され、「…初めまして猫屋敷まゆです…!この子はユキです…!」と棒読みで、ある意味平常運転のご挨拶。
- ニコガーデンを闇に包んだ張本人・ガオウの部下、ザクロとトラメがアニマルタウンに現れた。仲良くしようと訴えるワンダフルやフレンディの声を拒絶したザクロ達は憎しみを露わにし、「自分達狼を絶滅させたのはお前達人間だ」と糾弾する。初耳の悲惨な事実に「そんな…!」とショックを受けるリリアン。
- プリキュア達は4体に分身した新怪物ガオガオーンに圧倒され、ワンダフルとフレンディが繰り出したフレンドリベラーレも破られる。トラメはフレンディを「ナメんなよ…そんなんでオイラ達を止められっかよ」と嗤い、ザクロもリリアンの顎を指で持ち上げ「アンタ、顔色悪いね。恐いんだろ?フフ…恐いなら逃げればいいのに」と愚弄する。
- そしてアミティールミエールも通用せず、痛撃を食らったリリアン達は変身解除に追い込まれ大ピンチ。その時遠吠えが聞こえてきて、「ガオウ様?」「ガオウ様があたしを呼んでるわ~♡」「帰って来いって言ってるだけだろ!」ザクロとトラメは、プリキュアなど最早眼中にないとばかりの余裕の言い合いをして去って行き、4体のガオガオーンもトラメの掛け声で何処かへと散って行った。「オマエら、好きにしていいぞ。思いっきり暴れて来い!!」辛うじて命拾いした一同だったが…。
- 心身ともに打ちのめされた一同の中で、誰よりも心に傷を負ったのはいろはだった。「悪いのは…わたし達なの…?」自分達人間が狼を絶滅させ、あのような憎悪と復讐に駆り立てたという事実の前に、彼女は絶望で押し潰されそうになっていた。「狼達は凄く怒ってる…。当然だよ…仲良くしたいけど…」蚊の鳴くような声で自分を責めるいろは。誰とでも友達になりたいと常々口にするいろはの優しさを知っているだけに、だが自分も狼を滅ぼした人間という種族の一人だと感じるだけに、まゆも泣きそうになり、いろはに何を言えばよいのかわからなかった…。
■第30話
- ガオガオーンの絶え間ない破壊行為で静まり返るアニマルタウン。まゆも頭から毛布を被って部屋に閉じこもっていたが、ガオガオーンに対する恐怖も然る事ながら、狼の絶滅の責任を感じて打ちひしがれていたいろはの件も心に重くのしかかる。「あんないろはちゃん、初めて見た…。どうしたらいいの…?」
- そんな時、鼻歌が聞こえたので階下に降りてみると、すみれがクッキーを焼いているところだった。「ママ、何してるの?」「クッキーを作ってるのよ。お客さん、笑顔になってくれるかなって思って」「今日はお客さん来ないんじゃ…」「そうね。でも不安になってお店に来る人がいるかもしれない。何か自分にできる事をしたくてね」お客様が来るか否かではなく、大事なのは今自分に何ができるか。すみれのポジティブな姿勢にまゆは感じ入る。
- 狼の遠吠えが聞こえ、戦慄するまゆに、ユキが呟く。「わたしもああなっていたかも。わたしはまゆに助けられたから。でもわたしだけじゃない。あなたは恐がりだけど弱くない。今だってシャイニーキャッツパクトを手放そうとしないじゃない。ガオガオーンや狼達を助けたいと思ってるでしょ?」ユキは人間態に変わると、まゆの手を取った。ユキ「わたしがついてる」まゆ「ユキ…」
- しかしまゆはその手の温度に気付いた。「ユキの手、冷たい…。ちょっと震えてる?」「ほんの少しだけね」平然を装っていても、やはりユキも恐いのだ。まゆは手を握り目を閉じてユキに寄り添った。安らぎが二人を包む。「不思議だね、恐いのが消えていく…」
- ユキの申し出により、初めて4人で「わんだふるぷりきゅあ!」と名乗りを上げる。しかしガオガオーンは手強く、叩きのめされるプリキュア達。しかし決してあきらめず動物達を笑顔にしたいという4人の思いがニコの心を動かし、ダイヤモンドリボンスタイルにチェンジしたプリキュアは合体浄化技エターナルキズナシャワーでガオガオーンを浄化。元に戻って怯えるニコサルを、リリアンは「恐かったね、もう大丈夫だよ」とニコガーデンへ送り返した。
■第31話
- ユキの写真に見とれる猫屋敷母娘。すみれはユキの写真をキュアスタに投稿してはどうかと勧めてきた。「お店の宣伝にもなるし、お客様も可愛いユキを見れて幸せだし、いい事ばっかりじゃない」乗り気の母に対し、まゆは即答できず悩む。
- 翌日、その件をいろは達に相談し、不安を打ち明ける。「全世界の知らない人達も見るから…わたしのアップした動画のせいで、ユキやお店が悪口言われたらと思うと怖くて…」「一度嫌われたら修復するのは難しい」とのニコの言葉を受けて一瞬狼狽える。その刹那、彼女の脳裏をよぎったのはのは、前の学校で知覧友真との友情が壊れた苦い記憶…。
- うつむくまゆに、ユキが手を重ねた。「まゆ、大丈夫。被写体はこのわたしよ。悪く言われる訳ないじゃない。でしょ?」自信満々でウインクするユキに、まゆは勇気づけられる。
- とは言え、いざ写真を投稿しようとするとなっても、やっぱりビビって投稿ボタンが押せない。「こわくない、こわくない…やあーーっ!!」気合一閃でボタンを押したものの、「この内容で大丈夫?」という再確認メッセージを見てまた気力を失いかける始末。散々ユキに後押しされて、ようやく投稿を完了する。
- その効果は絶大で、いろはや悟、クラスメイトにも絶賛され、『Pretty Holic』にはユキ目当てに訪れる客も。「よかった…みんな優しくて…」一安心してコメント欄を覗いてみたところ、「ネコ出せばバズるんだからお手軽だよな」という心無いアンチもあったが、それに対する反発や擁護の方がずっと多く、胸を撫で下ろす。
- 翌日にはそのアンチコメントの主からも「俺が悪かった ユキちゃんが可愛過ぎる」という謝罪書き込みがあり、気を良くしたところでやはり心に浮かぶのは友真の事。「ねぇユキ、もしかしたら…前の学校の知覧さんとも仲直りできるかな…したいな…」しかしいきなり顔を合わせに会いに行くほどの度胸もない「何かきっかけ…そうだ、キュアスタ!知覧さん、ユキの事気に入ってくれてたし、ユキに会いにお店に来てくれれば…また話すきっかけになるかも…!」
- 「そんな事しなくても…」ユキの制止もを聞かず、「どうしよう!どんな動画撮ったら知覧さん喜ぶかな?新作!新作考えないと!!」かぶせ気味にまくし立てると、ノートに真剣な表情で向かい始めた。こうなるともう周囲の声は聞こえない。ユキは「集中モードニャ」と呟くと昼寝に入る。
- しばらく経つと、なんと友真が『Pretty Holic』の前にやってきていた。『フレンドリィ動物病院&サロン』にペットのチンチラのこてつを診せに来た友真は、偶然いろは・こむぎとの対話でまゆがアニマルタウンにいる事を知り、訪ねて来たのだった。テラスで一心不乱に書き物をしているまゆに話し掛けるが、集中モードのまゆには全く聞こえていない。
- 「あの…猫屋敷さん…猫屋敷さん…」繰り返し呼ぶ声にユキは気が付いたが、まゆは反応なし。やはりまだあの時のことを根に持っている思い込んだ友真は、悄然と俯いて立ち去ってしまった。「まゆ!!あの子が来てるニャ!!まゆ!!」ユキがテーブルの上に飛び乗った事でようやく我に返ったまゆだったが、「あの子が!知覧友真が来たの!」慌てて立ち上がるも既に友真の姿はなく、まゆは愕然となった。彼女と仲直りするどころかあの時の二の舞になってしまった……。「また…やっちゃった……。」
- 「またやっちゃった…。また嫌な思いさせた…わたしやっぱり駄目だ…。知覧さんとはもう…」啜り泣くまゆだったが、ユキが叱咤する。ユキ「そんな事無い!まゆは駄目なんかじゃない!いろははまゆの事わかってくれた。ちゃんと話したら、あの子だってわかってくれるかもしれないでしょ?」まゆ「でも、もう話せない…。」ユキ「追いかければいいじゃない!あの子はお店まで来てくれた。今度はまゆが勇気を出す番!もし上手くいかなくても、わたしもいろは達もいる。大丈夫!」ユキの力強い励ましに、まゆはようやく顔を上げた。ユキの言う通り、まだ終わりではない。「…ありがとう。そうだよね…諦めるのはちゃんと話してから!」
- しかし友真の後を追いかけている時、ユキがガオガオーンの気配を察知。いろは達と合流して変身するが、ニコがあのガオガオーンがニコアニマルではない旨を呟く。更に友真がこてつの名を叫びながら現れた。このガオガオーンは、こてつがザクロによって怪物化させられた姿だったのだ。「やめて、こてつ!!わたしだよ!友真だよ!!一緒に帰ろう!!」必死の呼び掛けにも答えず、ガオガオーンは友真と母親に攻撃を加える。フレンディ達が間一髪で救出し、気を失った二人を避難させている間に、リリアンとニャミーはガオガオーンに対峙した。
- 「早速お勉強の成果が出たね。偉いぞガオガオーン」ザクロの凶行に怒りを露にするリリアンとニャミー。リリアン「非道い…!こてつちゃんになんて事させるの!!」ニャミー「大好きな飼い主を襲わせるなんて許せない!!!」ニャミーがザクロの相手をし、リリアンはガオガオーンと対峙する。「こてつちゃん、大丈夫。こわくない、こわくないからね。すぐに助けてあげるから」
- そしてリリアンの脳裏には友真との思い出が甦ってきた。「知覧さん…わたし達、似た者同士だったよね…。大切なお友達が居るのも一緒だった。だからきっとあの時も…わたしがユキに支えてもらったように、あなたの傍にはこてつちゃんが居て…。大切なお友達と引き離される…そんな辛い事、絶対にさせない!!」ガオガオーンを取り押さえるべくリリアンネットを出すが、簡単に破られた為、網目を細かくしてネットの強度を上げようと集中モードに入り、拵えた強化ネットでガオガオーン捕らえ、浄化に成功。
- その後の診察の結果、こてつに異状はなかった。ほっとした友真の前に、まゆは真剣な表情で相対する。「知覧さん…あ…わたし…謝りたくて…あの時は……ううん…今日もごめんなさい!無視しちゃったのわざとじゃなくて…わたし、集中しちゃうと周りが見えなくて…本当に気付かなくて…良くないってわかってるけど、どうしようもなくて…」精一杯の言葉で謝罪するまゆに、友真も応えた。
- 「わたしもごめんなさい!あの後、猫屋敷さん話しかけてくれようとしてたのに無視しちゃって……あ!でも無視したかったんじゃなくて、つい逃げちゃっただけなの!わたし『何かしたかも』『嫌われたのかも』って思ったら、怖くて…」二人とも内向的な性格ゆえに、相手の気持ちを確認するのを恐れ、一歩踏み出す事ができなかっただけだったのだ。
- 「知覧さん…仲直り…できるかな…?」「仲直り…したいな……」長きにわたる誤解は遂に解けた。そしてまゆはあの時渡せなかった、こてつを刺繍したハンカチを差し出す。「あのね、知覧さん、これ…ほんとは去年のお誕生日にあげたかったの。貰ってくれる?」「うん!ありがとう!」かくしてまゆと友真は、一度失った友情を取り戻すことに成功したのだった。
■第32話
- いろはのお誘いでアニマルタウンの動物園『ふれあいパーク』へみんなでやって来た。「一度来てみたかったの!」と目を輝かせる。「ここにはわたしが小さい頃からずっと大好きで会いに来てる動物がいるんだよ」と言ういろはに、「いろはちゃんの推しなんだね」と返すと、「推し?」と首を傾げられる。動物好きだが芸能やサブカルには興味の無いいろはらしい発言。
- 入園客が動物と直に触れ合うコーナーを見て「えぇっ!?動物がいる!動物園の動物って、こんな触れるくらい近くを歩いてたりしないんだよ!」とびっくり。こちらはいかにもインドア派で知識がネットに偏っているまゆらしい発言。更にコモンリスザルが肩に飛び乗って、「凄い!見るどころか肩に乗ってもらえるなんて」と大感激し、隣でリスザルに嫉妬してジト目のユキには気付かず。
■第33話
- 『フレンドリィ動物病院&サロン』にて、ユキの爪切りが上手くできているか診てもらい、爪切りが苦手なユキの爪をヤスリであっという間に整える剛のテクニックに感嘆。その後も、剛が高い声と『マルっとスマイル』で動物をリラックスさせる有り様に目を見張っていた。
- いろはの部屋に招かれドギマギする悟を「好きな子の部屋は緊張するよね~」といつもの如く煽りまくる。そしていつもの如く首を傾げるいろは。
- 豚のガオガオーンを河川敷に誘導する為に、剛に倣った『スマイルお父さん作戦』を敢行するプリキュア達。なかなかガオガオーンがこちらを見てくれず、苛立つニャミーを「マルっとアニマルスマイルだよ!」と宥めて、二人で「こっちであーそーぼー☆」とニャンダフルスマイル。何とかガオガオーンを河川敷の泥だまりに誘い込んで浄化した。
■第34話
- 「ユキ~、あーそぼっ!」ユキにじゃれに行くも、ユキは乗り気でなない。しかしまゆも手慣れたもので、すかさずユキの好きな猫じゃらしを持ち出してアピールする。堪えていたユキだったが、結局本能には勝てず、猫じゃらしまっしぐら。
- そこへ久々に日本に戻ってきた父・貴行が帰宅した。「パパだ!」ぱあっと顔が明るくなったまゆは、猫じゃらしに夢中のユキを放置して、貴行の腕に抱き着いて甘える。ユキはそんな父娘の様子を、複雑な表情で眺めていた。
- 翌日、貴行の写真展にいろは達を招くが、ユキはなぜか「今日は一人で過ごしたい気分」と拒んで留守番していた。実はユキは昨夜の事で、まゆを貴行に取られたような気分になってちょっと拗ねていたのだが、まゆはそれに気付かなかった。
- 貴行にいろは達を紹介すると、いろは・こむぎ・悟の事をちゃんと知っていて、「テレビ電話でまゆはいつも君達の話をするんだ。とても大事で大好きな友達だって」とあっけらかんと会話の内容を暴露する。「もう、パパってば~!」と赤面するも、いろはとこむぎが「嬉しい!わたしも大好き!」「こむぎもだ~い好き!」と抱き着いて来て、結果オーライに。結局まゆが気がかりでこっそり様子を窺っていたユキも、それを見て一安心する。
- 帰宅するとユキがおらず、こむぎに匂いを追跡してもらうと、ガオガオーン相手に苦戦していた。咄嗟にリリアンネットで救出したが、猫のガオガオーンは俊敏な動きと鋭い爪で襲ってくる強敵。「相手が猫なんてどうすれば…」その時ニャミーは「あなたには得意技があるじゃない!」と思わせぶりな事を口にする。
- 「得意技?」「思い出して、あれよ!」ようやく思い当たったリリアンはキラリンキツネの変身能力を使い、ニャミーを巨大な猫じゃらしに変える。絶妙な猫じゃらしさばきでガオガオーンはすっかり虜になり、「さすがねリリアン、あなたの猫じゃらしに抗える猫はいない!」と絶賛したニャミーが元に戻ったところで、エターナルキズナシャワーで浄化した。
- 元の姿に戻った猫は、この辺りを縄張りにしているボス猫で、ユキは仲間の猫達に取り囲まれて感謝の雨嵐を受ける。照れるユキをニコが「あの子、ニコの前ではち~っとも隙を見せなかったのに、友達にはああいう顔するんだぁ~」とからかい、それを聞いたまゆも「友達…そっか。ユキ、猫の友達いたんだ…何だか嬉しいな」と自分の事のように喜んだ。その夜は「ユキ!話を聞かせて!何がどうしてどうなってああなったの?いつも一緒にいるユキに、わたしの知らない世界があったなんて!ユキの事知りたいな~」「落ち着くニャ。今日は街を散歩して、迷子の子猫に会って…」と、いつも以上におしゃべりが弾むまゆとユキだった。
■第35話
- 屋上に忘れ物を取りに戻ったところ、悟が女子生徒に告白され、断る場面を目撃する。結構モテるらしく時々告白されるようだが、ユキに「それ全部断ってるのね。いろはが好きだから?」と核心を突かれた悟は無言のまま。「兎山くんは気持ちを伝えないの?」とまゆに問われても、悟は「犬飼さんを困らせたくないから。それに今の関係が壊れるのも嫌だし」と淋しげな笑みを浮かべるのみだった。
- そのいろはがいそいそと下校しようとしているところに出くわし、何を急いでいるのか尋ねる悟に、いろはは「今日はね、ケイジくんが来るんだ~!わたし、だ~い好きなんだ!」と満面の笑顔で答え、悟の眼鏡がパリーン!まゆが「ちなみにどんなところが、す…好きなの?」と尋ねると、「ケイジくんはねぇ、すっご~く格好いいの!頭が良くって頑張り屋さんで、足もとっても速いんだ☆」と、いろははすっかり恋する乙女の顔で、滝のような汗を流す悟には全然気づいていない。
- 「兎山くん、ライバル出現だよ!やっぱりいろはちゃんに…!」口の中に「Go!」の文字を浮かべながら後押しするが、「幾ら足が速いって言ったって、今現在人類の最高速度は約45km/h。これを超える…」などと、悟はショックで現実逃避を始める始末。「兎山くん~!!しっかり!!戻って来て~!!」そんなやり取りにも「?」とわかっていないいろはは更に、ケイジくんを紹介したいからみんなも家に来るよう無邪気に言い出す。
- 『フレンドリィ動物病院&サロン』まで来たものの、心の準備ができずにドッグランの外壁にこそこそ隠れて、ユキに「何で隠れるの?」とツッコまれる悟とまゆ。そうする内にいろはの声が聞こえ、覗いてみると長身で二枚目の青年の姿が。しかもこんなやり取りまで耳に入ってきた。「ケイジくん、はしゃぎ過ぎだよ~」「大好きないろはちゃんに会えたからね、大目に見てよ」「───!!! い、い、い、い…今いろはちゃんの事!!だ、だ、大好きって!!」「……!!!」
- そこでいろはに気付かれ、「紹介するね、ケイジくんと飼い主の圭一さん!」と種明かし(?)される。ケイジくんとはシェパードの名前で、青年は単なる飼い主だったのだ。ケイジくんは嘱託警察犬を目指しており(ここでまゆが「食卓警察犬?」と一ボケ入れる)、「なるほど、だから『頑張り屋さん』…良かった」と悟は胸を撫で下ろすが、「そうでもないんじゃない?」とのユキの言葉に、再び顔を曇らせた。今は恋人ではないとしても、犬の散歩の話などで馬が合ういろはは、圭一との会話がとても楽しそう。もし本気になったら…。
- 「僕、今日はこれで」立ち去る悟の後を、まゆは慌てて追いかける。「ごめん。見てたらどうしてもモヤモヤして…」心情を吐露する悟に、まゆは懸命に訴えた。「兎山くん、告白しよう!ずっといろはちゃんの事を想ってきたんでしょ?言葉にしなきゃ伝わらないよ!?いいの!!?いろはちゃんが他の誰かと付き合っちゃっても!!」
- 「それは…嫌だ…!」悟もようやく積極的な意思を見せたが、ユキは「決まりね。戻りましょう。あの圭一とかいう人に取られる前に告白するの」といきなり話を進めようとし、まゆも「大丈夫、こわくない、こわくない!だってわたし、結んで紡いでつながる世界のキュアリリアンだもん!!二人の仲も結びたい!!」と、完全に暴走モード。
- まだ心の準備が出来ず、どう気持ちを伝えたらよいのかと尻込みする悟に、「そういう時は経験豊富な先輩達に聞いちゃお~☆」と、今度はニコが首を突っ込んできた。ニコガーデンへ移動し、メエメエの協力も得てアニマル達の求愛行動を勉強する事になるが、悟がいろはを(異性として)好きだと知らなかったメエメエは「あんなにいっぱいお話していたのに!」と嫉妬(?)で泣き崩れた。…て言うか、泣きすぎて溶けていた。
- そこでニコから「いろはのどんなところが好きなの?」と聞かれた悟は、初めて大福と出会った時、蛇に襲われて怪我をしていた大福を『フレンドリィ動物病院&サロン』に連れて行った際にいろはと出会った事、大福を気遣う自分を「優しいね」と褒めてくれたいろはの笑顔に惹かれた事などを明かした。まゆは「その気持ちを素直に伝えたらいいんじゃないかな」と改めて後押しするが、悟は「素直、素直…つまりシンプル且分かりやすく整理して…」と自分の世界に入ってしまい、傍らで「悟くんはいつまでもわたくしと友達ですよね!?これからもお話してくれますよね!?」と取り乱すメエメエの声も聞こえない有り様で、どう見ても前途多難。
- カンガルーのガオガオーンを浄化して、「悟くん、アドバイスありがとう!おかげで今日も…」と礼を言ういろはの前に悟は真剣な表情で立つ。まゆが声にならぬ程興奮して見守る中(ついでにメエメエが、ニコによって口に×マークをつけられて制止される中)、悟は意を決して口を開いた。悟「犬飼さん…」いろは「うん、なぁに?」悟「……帰ろっか!」まゆ&メエメエ「「ズコー!!」」
- 結局何も進展しないまま一件落着……とはならなかった。「もう驚かさないで下さいよ。いろは様に好きって告白するかと思ったじゃありませんか!」と、メエメエが口走ってしまったのだ。予想外の事態に一同モノクロ化、まゆもショックの余り『ガラスの仮面』ばりに白目を剥いた顔のまま次回に続くという笑撃のラスト。さあ、どうなる!?
■第36話
- 気まずい空気が流れる中、ただ一人状況をわかっておらず、平常運転でいろはに抱き着くこむぎ。まゆは「えっと…こむぎちゃんの『好き』とはちょっと違うっていうか…」と説明し、暗に『邪魔しちゃ駄目』と止めようとしたが、「違うって?」とお子ちゃまこむぎには理解不能で首を傾げるのみ。
- 慌ててメエメエが「今のは冗談です!悟くんがいろは様に告白するなんて、あるわけないじゃないですか!」と苦し紛れにフォローし、いろはもそれに乗って収めようとしたが、逆にこのアクシデントで覚悟を決めた悟は遂に心に隠し持っていた想いをいろはにぶつける。「冗談じゃないよ…。犬飼さん、ボクは…君が好きだ!」
- 拳を握り締め、固唾を飲んで見守っていたまゆは、待ちに待った悟の一言で「はぁ~♡♡♡♡♡」と自分が告白されたかのような興奮の絶頂に。しかし当のいろはは思いもよらぬ展開に動揺し、真っ赤になって「バイバイ」と言い残して逃げ出してしまった。慌てて後を追ったが、半ばパニックで爆走するいろはには追いつけず、息が切れてきたところでユキに「あれに追いつくのは無理」と止められる。その二人の横を、暴走機関車こむぎが追い抜いて行った。
- いろは捕獲はこむぎに任せ、今日は遅くなる旨を母に連絡しながら『フレンドリィ動物病院&サロン』の前で待っていると、お散歩に満足げなこむぎと、(色んな意味で)疲れ切ったいろはが"お散歩"から帰ってきた。いろはは早速、「話聞いて~!」と泣きついてきて、まゆは「うんうん、その為に来たんだよ」と喜んで迎えるが、「こむぎもお話するワン!」と満面の笑顔で全く悪気なく邪魔をするワンちゃんが1匹。
- 「えっ!?え~っと…」他の時なら楽しくおしゃべりしたいが、今日ばかりはちょっと…。視線で助けを求められたユキがこむぎの相手を引き受けてくれたので、ようやくまゆはいろはの部屋で本題に入った。
- 「兎山くんは、いろはちゃんの事ずっと好きだったんだよ」「ええ……ウソ~?」鈍感ないろはは案の定、まゆからすれば傍から見れば明確な悟の熱い視線やリアクションに全く気付いていなかった。逆にいろはから友達の『好き』と恋愛の『好き』の違いを問われて、「恋愛の『好き』は…ドキドキする感じ?」と返すが、友達といる時のワクワクと恋愛のドキドキとはどう違うのかと更に踏み込まれ、「どうって…わたしも恋愛経験無いから…」と答えに窮してしまう。
- しかしいろはの母・陽子は、いろはが悟に告白された事を一目で見抜いた。陽子曰く、何度か告白された事はあるけど、自分から告白したのは夫の剛が初めてであり、これからもずっと一緒にいたいと思う、普通の友達とはちょっと違う特別な気持ちを感じたからとの事。
- 翌朝の登校時、まともに顔も見られないいろはに対し、悟が「昨日言った事は忘れて。これからも今まで通り友達でいいかな?」と伝える場面を目撃する。休み時間に悟を呼び止めて「兎山くん!本当にいいの?」と問い詰めるも、悟は「いいんだ。これ以上犬飼さんを困らせたくないから」と微笑んで見せた。きっとその言葉の半分は本音、でも半分は嘘。いろはを思うが故に、自らの思いを押し殺そうとする悟に、まゆはかける言葉が見つからない。偶然その場に居合わせた大熊と蟹江も、雰囲気の尋常ならざるを感じ取りつつ、ただ見ているだけしかできなかった。
- そんな中、トビのガオガオーンが出現。更に「人間にしてはいい目をしている」と悟を気に入ったザクロが、彼を攫ってゆこうとする。フレンディは必死にガオガオーンを追い、リリアンはニャミーとの連携でフレンディを援護。リリアンネットでガオガオーンをキャッチしたかに見えたが、反動でその背中からザクロと共に悟も放り出されてしまい、一瞬「しまった!」という顔になるリリアンだったが、フレンディが追いついて悟を抱き止め、更にワンダフルがプニプニバリアーで着地させてくれたおかげで大事に至らず、ほっと胸を撫で下ろした。
- 改めて見つめ合う悟といろはを残し、ユキ共々一足先に帰ろうとしたところ、またも全く悪気なくお散歩を所望する子が1人。すかさずユキとまゆは「散歩、付き合ってあげる」「わたしも一緒に!」と左右からこむぎの腕を取り、「みんなでレッツゴー!」とニコの号令でクールに退場。二人きりになった悟といろはは、お互いの『特別なワンダフル』を確かめ合うのだった。
■第37話
- ユキとお出かけの途中、鏡石の前で悟を見かける。「兎山くん、どこかへお出かけ?」「あ、うん。…い…犬飼さんと…」小声で答え、赤面する悟の顔を見て、まゆはピンと来た。「え?そ…それってデートって事!?」「う…うん…」恥ずかしげな悟に、「わ…わぁ……」と驚くが、まゆの心の中では悟の言葉は凄まじく眩い閃光を放ち、「わーーーーー!!!!わあああああーーー!!!!」と大騒ぎ。
- そこへいろはが到着した。いろはと悟の「ご…ごめんね、待たせちゃって…」「ううん、今来たところだから…」というベタで初々しいやりとりを聞くにつけ、その尊さに興奮が頂点に達したまゆは「はぁあああ~~~!!!!!」と光に呑まれて消し飛んだ。
- 「いろはちゃん!そのワンピース素敵!ねっ!」まゆの形相と剣幕に圧され「え?うん!か…可愛いね…」と赤面しながら言う悟と「あ…ありがと…」と照れるいろは。そして二人の間に漂う甘酸っぱく濃密な恋の空気を胸いっぱいに吸い込んでご満悦のまゆ。しかしいろはと悟はそれぞれこむぎと大福を連れて来ていた。「今日のデート、こむぎちゃんと大福ちゃんも一緒なの?」と尋ねると、二人は雁首揃えて普通に「「うん」」とお返事。
- 「そっか…二人にとってはそれが当たり前なんだ。でも…でも…初デートだよ!?デートといえば、二人きりであんな事やこんな事してアハハウフフの、恋のときめきアバンチュールでしょォォォォ!!!??」まゆの妄想の中では、花畑で花の冠を作ったり、一つのジュースを一緒に飲んだり、砂浜で追いかけっこするいろはと悟の姿が次々と浮かぶ。いくら愛するペットと言えど、今日という今日ばかりはその神聖な空間に不必要だろうに、この恋愛ビギナー達ときたら…。
- 顔を覆って悶々とするまゆの心中をすかさず察したユキが「今日はわたしが遊んであげる」と子守り役を買って出た。さらに、悟をいろはに取られたくないメエメエが散歩という体で偵察に現れた(=二人の恋路に水を注しにきた)ので、「じゃあ大福ちゃんはメエメエとニコ様に預かってもらっていろはちゃんと兎山くんは二人でデート!ねっ!ねっっ!」と笑顔で圧をかけまくる。
- こむぎ・ユキと共にショッピングモールを散策。可愛らしい服を着せてもらってはしゃぐこむぎに、「特別なお出かけの時は素敵な服を着ていつもよりもっと素敵な自分になるんだよ」といろは達に思いを馳せながら教えた。こむぎはわかったのかわからないのか、「素敵な自分…」と呟いてきょとん。
- フードコートでメロンソーダを飲んで休憩中していると、偶然にもショッピングモール内の水族館に向かういろはと悟が通りかかった。ここでこむぎに気付かれては台無しと、どうにかこうにか誤魔化しながらユキと共に二人をこむぎの視界から隠すのに四苦八苦。
- そんなまゆ達の隙を突いて、諦め悪く二人を尾行していたメエメエが水族館に入ろうとしたところを捕まえる。弁解も逃走も無用と両角を掴み、屋上遊園地まで連行して来たその矢先、第三のお邪魔虫・トラメが現われてキリンのガオガオーンを誕生させた。早くいろはを呼ばなければと焦るメエメエを、まゆが制止する。自分もいろは・悟にいろいろ助けられ感謝しているからこそ、二人だけでいる時間を純粋に楽しんでほしかったのだ。
- 「いろはちゃん、まだガオガオーンに気付いてないよね? 今日のガオガオーンはわたし達だけで助けたいの…!メエメエも知ってるでしょ!!? 二人共いつも誰かの為に頑張ってる。だから…お互いの事だけを考えて素敵なデートをして欲しいの!!お願い…!」まゆの懸命の訴えに、少しでもピンチになったら二人を呼ぶという条件でメエメエも譲歩した。感謝したまゆ達は3人だけで変身する。
- しかし長い首を振り回すガオガオーンのパワーは凄まじく、ワンダフルとニャミーはショッピングカートの山に生き埋めにされた上に、カート同士が絡まって出られなくなってしまう。孤軍奮闘するリリアンはリリアンネットでガオガオーンを食い止めようとするが、徐々に押されてゆく。だがその脳裏にいろはと悟の笑顔が浮かんだ。大切な友達の楽しい時間を絶対に守らなくては…!「大丈夫だよ…ガオガオーン!わたし…あなたと仲良くなりたい!!」
- フレンディの発していた言葉を口にして懸命に耐えるリリアンの姿は、メエメエの胸を打った。ニコや大福と共に物陰に隠れていたメエメエは意を決して飛び出し、絡まったショッピングカートを獅子奮迅の勢いでほどいて、ワンダフルとニャミーを救出する。
- そこへ、水族館の外に出た為に事態に気付いたフレンディが駆け付けた。「フレンディ、ごめんね。デートを楽しんで欲しかったの…」初デートを楽しんでほしくて呼ばなかった事と、二人の時間を守りきれなかった事を詫びるリリアンに、「ううん、ありがとうリリアン」と感謝の言葉を返すフレンディ。その気遣いだけで十分嬉しいのだから。「みんな!!首じゃなくて脚だ!キリンの首は凄く強いけど、首や体に比べたら脚は細い!!」悟のアドバイスを受けた一同は、脚部にバリアを集中させて動きを止め、ガオガオーンを浄化する。
- いろはが恋愛に夢中になってプリキュアの役目を放棄するのではという心配は杞憂に終わり、悟も今まで通り話し相手になってくれると約束されたメエメエがようやく落ち着いて一件落着。デートを『とってもワンダフルなお出かけ』と解釈したこむぎに、笑顔を見せるまゆ。名前で呼び合う事にした二人に絡んでくるこむぎを慌てて制止する等、今日は最後まで気を遣いっぱなしだったが、そのまゆの奮闘のおかげで、いろはと悟の初デートは無事に幕を下ろしたのだった。
■第38話
- こむぎの前の飼い主を知っている人が現われたと、悟からの連絡が入る。「こむぎちゃんの前の家族か…こむぎちゃんは、いろはちゃんと出会う前の事、覚えてるの?」と尋ねるも、こむぎは全く覚えていない。そしていろはがその飼い主である栗原という老人に会いに行く事を決めたと聞き、まゆは「でも、もしこむぎちゃんを返してって言われたら…」と不安になって現地まで付き合うが、栗原がいろはとこむぎの絆を認め、託してくれた一部始終を見届けて安堵する。先週まで、悟いろに興奮してしゃべりまくっていた反動か、今日は出番控え目。
■第39話
- 今日はハロウィン。母とユキと共に猫メイドの仮装をして、お客にペットとお揃いのメイクを施すなどで、店のお手伝い。
- 『フレンドリィ動物病院&サロン』を訪れると、いろは達がお菓子を配っていた。いろはと悟がお揃いの仮装をしている事に目敏く気付き、「二人はウサギの仮装だね、似合ってる、お似合い~!」と早速ニヤニヤ。更に「二人の写真撮ろうよ、記念に!そこに並んでみて…兎山くん、もっと寄って!」と今日も安定の悟いろ暴走モード。
- こむぎが姿を消してしまい、手分けして探している最中、ユキがいつもの闇の気配を察知した。河川敷に駆け付けると、いろはや悟と共にこむぎがいて、「よかった、こむぎちゃん見つかったんだね」と一安心するも、いろははその場にいた狼の格好をした男を指して、「それよりも気を付けて!あの狼がガオウだよ!」と警告する。
- ニコから聞いていた敵の首領との思わぬ邂逅に、まゆとユキにも緊張が走る。しかしシャイニーキャッツパクトが闇の力で封じられて変身できず、更にこむぎがガオガオーンにされてしまい、大ピンチ。人間の姿になったニコが闇を撥ね返し、いろはの必死の叫びに応えたこむぎが元に戻った事で最悪の事態は免れたが、必ずや人間に報いを与えると宣言し、「時が満ちた時、お前達の世界は終わる」と言い残して消えたガオウに、一同は戦慄する。
- 次回は駅伝で放映がお休みの為、1週早く「HAPPY BIRTHDAY 11・5 キュアリリアン」のエンドカード。当日にはちゃんとpixiv絵師からもお祝いイラストが。
■第40話
- ガオウの手がかりを求めて遠吠神社を訪れたが、探索するニコの力の影響でまゆは猫、いろはは犬の姿になってしまう。大慌てしつつ、犬の習性で走り回るいろはに対し、まゆはユキに抱っこされて撫でられご満悦。犬いろはからは「まゆちゃんが溶けかけてるワン!」と羨ましがられる。
- 「ニコニコパワーの回復はみんなの笑顔次第」という事らしいので、ペットフリーエリアでみんな遊ぶ事に。「わたし、ちょっと猫を体験してみたかったの」と少し前向きになったが、犬同士で全力で走り回るいろはやこむぎを横目に、引き続きユキに撫でられたり、喉をゴロゴロされたりと、こちらは受け手に回っただけでいつもとあまり変わらぬ光景。
- するとユキに抱き上げられて、日頃のお返しとばかりに思いっきり猫吸いされる。驚いて顔面にぺちんと一発食らわせ、「ユキ、ごめんニャ!思わず猫パンチしちゃったニャ!」と謝るも、ユキはますます上機嫌で猫じゃらしを取り出し、これまた日頃とは立場逆転で目一杯遊ばれる。そうこうしている間にニコニコパワーが溜まり、ガオガオーン襲来のときには元に戻れた。
■第41話
- 演劇部がアニマルタウンの演劇祭に出るというので、狐崎と狸原が改めてユキを勧誘するが、ユキはあっさりお断り。しかし烏丸が持ってきた古い文献にインスパイアされた狐崎は、狼の王と村の青年の友情を描いたファンタジー活劇「狼王ウルフェン」を速攻で書き上げる。
- いろはがお手伝いを志願し、まゆもモジモジしながら「劇の衣装って前から興味あって…普段は着ないようなお洋服も作れるし」と動機を告白すると、狐崎は歓喜しつつ「ユキさん、まゆさんが作ってくれる素敵な衣装…着たくな~い~?」と搦め手でユキに再アタック。まゆも「ユキが着てくれるなら、すっごくすっごく頑張るから!」と目をキラッキラさせながら迫り、遂にユキも屈して出演を承諾した。
- そして本番の日、狼王ウルフェン役の狐崎と村の青年役の狸原には、中世風の見事な衣装を作り上げて感謝され、「気に入ってもらえてよかった。衣装作りってすごく楽しくて…手伝わせてくれてありがとう!」と逆に礼を言うまゆ。だがやはり一番は森の女神役のユキで、その神秘的な美しさにきゅーん♡ 「すっごく似合ってる!最高!本物みたい!」と、目を輝かせて大興奮しながら写真を撮りまくっていた。
■第42話
- 鷲尾町長から貴行に、来年のアニマルカレンダーの写真を撮って欲しいとのオファーが来た。海外生活が長い貴行のために、まゆ達はアニマルタウンの案内や動物の紹介を買って出る。
- 色々な犬がいるとの事で海浜公園へ。フリスビーにジャンプする犬に下から滑り込んだり、かけっこするこむぎや犬達の前を素早く横断したり、悟に走り寄る大福をスライディングしつつ撮るなど、貴行はプロならではのダイナミックな体勢で撮りまくり、まゆを感嘆させる。それは体勢と言うより目線の問題で、撮りたい物と同じ目線にカメラを構えると、表情が良く撮れるとの事。下から撮ると迫力が出ると聞いて撮ったユキの表情はなかなか圧のある出来栄えに。
- 貴行の写真はどれもこれも捨て難いものだったが、まゆが提案したのは動物と人々が笑顔で映る写真を集中的にピックアップしたもの。「どの写真にするか迷ったけど、テーマを決めて選んだの。テーマはね、『みんなでニコニコ』!パパが撮った宝物な瞬間の中から、人と動物が一緒にニコニコしてるものを選んだの。これがわたし達の大好きな…」そこでいろは・こむぎと声を合わせ「ワンダフル~!…なアニマルタウンですって物を!」と会心の笑顔のまゆは、「僕がいない間もまゆが毎日ニコニコして過ごせてるって知れた。パパは本当に嬉しいよ」との父の言葉に含羞む。かくしてまゆや仲間達、アニマルタウンの人々と動物のニコニコが溢れたアニマルカレンダーは無事完成と相成った。
■第43話
- 「ユキは寒がりだから、少しでも暖かくなれば」とお揃いのマフラーを編み、登校したところ、クラス中の注目の的となり、ユキは「まゆが"わたしの為に"編んでくれた、この世に二つしかないマフラーよ、どう?」と得意満面。「わたしもカニ柄のがほしい」「プレゼントに喜ばれそう」「俺にも編んでくれよ!」等々、口々にせがむクラスメイト達は、まゆをマフラーでぐるぐる巻きにしてまで独占欲をアピールするユキに「欲しいなら自分で編みなさい!」とすげなく断られ、できる気がしないと意気消沈していたが、見かねたまゆはマフラーの隙間から顔を覗かせて「じゃあ…わたしが編み物教えるよ!」とレクチャーを申し出る。
- 高らかに宣言したものの、「つい勢いで言っちゃったけど…プレゼントにするって言ってたし、責任重大だよね。わたしに先生なんてできるのかな…」とため息をつくまゆを、ユキは「できるに決まってる」と力強く励ます。こむぎやいろはにも後押しされ、わたしの編み物で人と人を結び付けられるのなら、それってすごく素敵な事だよね…よし、頑張ろう!」と、まゆはようやく前向きになった。
- みんなに教えるのならたくさん毛糸が要るという事で、ニコの案内でニコガーデンに出向き、メエメエに分けてもらう事に。彼の部屋には手編みのセーターやポンポンが多数飾ってあり、「まゆ様、もしや手芸がお好きなのですか?今は何を?」「レース編みでドイリーを!」「わたくしはバスケット編みで手袋を!」「メエメエ上級者!」「まゆ様こそ!」と、ユキ達そっちのけで意気投合して盛り上がる。
ところでこの毛糸の原料ってやっぱり…
- そしてまゆ先生の編み物教室開始。一段目から悪戦苦闘する面々に、懇切丁寧に教えてゆく。特にいろはは熱心で、『クリスマスに悟くんにプレゼントしたいんだ!』という心の声が聞こえてきそうな勢い。悟いろウォッチャーまゆも心の中では『兎山くん、絶対喜ぶ~!』と大歓喜。おめでたさのあまり、和傘の上で悟を回していた。
- 解散した後、「みんなの役に立ててよかった」と充足感に浸りつつ帰宅しようとしたところ、学校の敷地内をふらふら歩くザクロの姿を目撃する。こっそり後を尾けてみると、校舎の裏庭で小枝と蔓を使って編み物の真似事をしつつ、「こんなもん、ガオウ様に渡せるわけない…」と何やらため息をついていた。実はザクロは、街中で一つのマフラーを一緒に巻くカップルを羨み、まゆの編み物教室を密かに覗き見て、「手編みのプレゼントをガオウ様に贈りたい、でも編み方を人間に教わるなんてとんでもない」と、一人悶々としていたのだった。
- そんな彼女にまゆは声を掛けた。「編み物に興味があるの?編み物したいなら…わたしが教えてあげる!」突拍子もない申し出に、ザクロはもちろんユキも驚くが、まゆは持っていた編みかけのマフラーと棒針を差し出す。「これを使って。ここの目に棒針を入れて、毛糸を編み込んでいくの」「なんで…」「ガオウの事が好きなんでしょ?」「だ…だったら何?」図星を指されて赤面するザクロに、なおもまゆは続ける。「わたしは、思いを結ぶお手伝いがしたいの」「はぁ?あたしは敵だし!」「誰であっても、誰かを思う気持ちはとても素敵なものだもん!」
- 後ろではユキが「まゆ、あなたって子は…」と複雑な表情をしていたが、まゆはお構いなしに「ねぇねぇ、ガオウのどんなところがいいの?」と好奇心丸出しで問い詰める。「ど…どんなって…」「一杯あり過ぎる?」「す…透き通った目でしょ、スラッとした鼻筋でしょ、体も大きいし、毛並みだっていいし…」「うんうん、それから?」「って言うか~、もはやぜーんぶ!ガオウ様に見つめられると心臓バックバクで、息も出来なくなっちゃう~!キャ~!イケ狼~!」頬を染めたり、嬌声を上げたり、その姿は人間の年頃の娘と何ら変わりない。「ガオウの事大好きなんだね!」まゆはザクロに好感を持った。
- しかしそこでユキが冷徹に割って入った。「あなたが誰に恋しようと勝手だけど、だからって何をしてもいいわけじゃない。ガオウは自分の為に、罪のない動物達を傷つけてる」容赦ない指摘にはっとなるまゆ。ザクロは「違う!そんなんじゃない!ガオウ様は懐が深くて、仲間を何より大切にするお方だ!」と猛然と反発する。
- 「ガオウ様は自分の身を犠牲にしてでも仲間を守る…そんな愛情深い狼なんだ。あたしはガオウ様の為だったら何だってできる…ガオウ様が望むのはこんな事じゃない!人間共の世界を壊す事だ!」己の恋心を押し殺すかのように棒針をへし折ったザクロは、まゆ達の前から飛び去って学校の飼育エリアに侵入し、蟹江が世話をしていたサワガニのズワイくんをガオガオーンに変えてしまう。
- いろはとこむぎも駆けつけて一同は変身するが、ガオガオーンの吹いた泡で3人が捕えられ、たちまちリリアンは孤立無援に。リリアンネットも簡単にハサミで切り裂かれ、青ざめるリリアンにガオガオーンが迫ってきた。だが恐怖に屈しそうになる自分自身を、リリアンは懸命に鼓舞する。「こわくない、こわくない…わたしは怖がりで、以前は人と関わるのが怖かった。嫌われたらどうしようって不安だった。でも、糸を結ぶように大切に大切に紡いでいったら…いつの間にかたくさんの友達ができていた…そうしてみんなとつながった糸が、今のわたしの力になってるの。だからわたしはこわくない!」
- 凛として顔を上げたリリアンは再びリリアンネットを繰り出す。またもガオガオーンに切断されるが、切られたところをすかさず編み直し、何度切られようと何度でも補強する。そしてネットは遂にガオガオーンのはさみが通らない程頑丈になった。「切られても切られても何度でも結び直す!ほつれや破れを直せば、より強いものになる!」根を上げたガオガオーンが逃げ出そうとしたところをキラリンパンダの催眠波で眠らせたリリアンは、捕まった3人を泡から助け出し、エターナルキズナシャワーでガオガオーンを元の姿に戻した。
- 変身を解いたまゆはザクロに「一緒に編み物しない…?」と呼び掛けるが、「何度も言わせるな!あたしは敵だ!」と、もはや心を開こうとはしなかった。ニャミーに「ガオウが優しい心を持ってるって言うなら、なぜ町を壊したり動物を苦しめるの?人間の世界を壊して、それでガオウが幸せになれるの?」と痛い所を突かれて一瞬たじろぐも、「黙れ!あんたらにガオウ様の何がわかる!」と吐き捨てて、ザクロは姿を消した。
- その後一同は悟から、先日の古文書に書かれていた狼とはガオウの事だったと聞かされる。まゆはザクロが編み物の真似事をしていた小枝と蔓を見つめ、口を開いた。「ザクロが言ってたの。ガオウは仲間思いで愛情深い狼だって…。わたし、もっとザクロやガオウ達と関わっていきたい。怖い目に遭うかもしれない、拒絶されるかもしれない…でもみんなの思いを紡いで、つないでいきたい。わかり合うために…」今日は駄目だったけど、絶対諦めない。いつかきっとザクロやガオウとの思いを結んでみせる。まゆは固く心に誓うのだった。
■第44話
- お鶴の愛犬フクが彼女の家に来て18年になるので、お祝いをしようといろはに誘われる。何か贈り物という事で、「ブランケットはどうかな?パッチワークで作りたいと思って」とのまゆの提案により、皆が刺繍した布をまゆがつなぎ合わせてブランケットを作る事に。
- しかしお祝い会の当日、フクは老衰で起き上がれなくなっていた。更に折悪くガオガオーンが出現。しかも何とティラノサウルスで、まゆは「ニコガーデンに絶滅した動物もいるのは知ってたけど、恐竜まで…」と青ざめながらも変身する。
- ガオガオーンのパワーにプリキュア達は圧倒され、リリアンはニャミーと共にキラリンベアーの力でなんとか抑え込もうとするが、軽々と吹き飛ばされ、樹木に叩きつけられ半失神状態に。大ピンチかと思われた時、なぜかガオガオーンの動きが止まり、エターナルキズナシャワーで浄化に成功した。実は、容体が悪化したフクを病院に連れて行こうとしたお鶴が、ガオガオーンが破壊した道路の大穴の前で立ち往生しているのを見たトラメが、わざとガオガオーンを浄化させ、その際発動する修復現象によって道路を復元して、お鶴を行かせてやったのだった。
- 陽子の診断の結果、フクはもはや寿命を迎えており、「最後のひと時は自宅で過ごさせては」との勧めで、一同はお鶴の家に戻る。まゆは「これ…フクちゃんへのプレゼント。わたし達が刺繍したんです」とブランケットを差し出し、喜んで受け取ったお鶴はそれをフクにかけてやった。フクはこむぎの通訳を通じて『お散歩一杯連れてってくれてありがとう』『お鶴ちゃん、だ~い好き』との感謝の言葉をお鶴に伝え、彼女の腕の中で永遠の眠りにつく。まゆはその美しい光景を前に、顔を覆い、涙を流していた。
■第45話
- フクが亡くなって以来、いろはに元気がない。「大丈夫!元気だよ~!」と答えるものの、無理に空元気を出しているのは明白であり、まゆと悟は心配する。どう声を掛けたらよいかわからず苦悩する二人に、クールなユキは「そっとしておくのがいいんじゃない?」と言うが、悟「何かしたいんだよ!」まゆ「ほっとけないんだよ!」とハモって反発する彼氏&親友コンビ。
- 「じゃあ元気がない時、自分だったらどうする?」とユキに聞かれ、「わたしはユキをすりすりすれば癒されるよ~」と、エア猫吸いで恍惚の表情になる。末期症状…もとい溺愛極まれり。
- 黒い卵がもうないと知らされてがっかりするも、プリキュア達と一緒に思い切り走り回って満足したトラメは、自ら望んでエターナルキズナシャワーを浴びせてもらい、恨みから解放されて昇天した。フクに続いての友達との別れに、また悲しみを押し殺して無理に笑顔を作るいろはを見たこむぎは、「くっついてぎゅ~っとしてたら元気になるから!だから一杯ぎゅ~!」と抱き着く。まゆも「わたしも!ぎゅ~!」と続いていろはをハグし、「早く早く!」とばかりに、悟に視線を送りながら指で手招き。悟も赤面しつつハグに加わり、皆の友情でいろはは立ち直った。
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