概要
長方形を二分したコートの中にいる『内野(ないや)』と呼ばれる敵プレイヤーへ5秒以内に投げたボールをぶつけて倒す競技である。先に相手チームの内野を全滅させたチームの勝利。
なお【Dodge】とは「避ける」という意味。(よく勘違いされるが、「当てる」や「ぶつける」などの意味ではない)
ボールが接触したら即アウト、というわけではなくぶつけられたボールを地面に落ちる前にキャッチすればセーフとなる。顔面にぶつかった場合は危険行為の反則処理としてセーフになることもある。
プレイヤーは内野だけではなくコートの外にも『外野(がいや)』と呼ばれる者も存在し、その配置上内野は常に相手チームから四方を囲まれた状態となる(前方が内野、側面と後方が外野)。内野がアウトになると外野になる為、劣勢になっても大勢の外野による猛攻撃で挽回できる。また、一般的なルールとして、外野から投球して相手の内野のメンバーをアウトにした場合、投球した外野のメンバーは内野に入れるため、外野からの攻撃はその意味でも重要である。
相手内野をアウトにせんがために殺意にも似た勢いでボールを投げあう様はさながら格闘技のようである。
公式ルールの整備は後述の通りごく最近であったため、学校の体育の授業や遊びでやる場合には適当なローカルルールで行われることも多い。
実際のプレイ風景
その単純なルールから小学生〜高校生におけるお昼休みの過ごし方の定番となっており、学校によっては全学年参加、または町内会主催の強制イベントとなることもある。そのため、
運動神経のない者は盾またはカモ扱いされ早々に退場させられることもある。その扱いの酷さとボールのダメージが原因でドッジボールを嫌う者も少なくない。狙われたら間違っても背中を見せて逃げてはいけない。正面から挑めばキャッチできる可能性もあるし、ここぞという時に度胸を出した場合は運動神経のない者でも最後まで残れる可能性すらある。それを見越して足元を狙うケースも非常に多いが、それはそれで機転を利かせて跳躍で避けたりする手がある。ただしキャッチできる腕前が無い状態で、相手チームからの攻撃を避け続けるのは、傍から見ていると盛り上がるが、プレッシャーはハンパない。
その一方で、弱い者への攻撃をナイスプレーで防衛し男を見せることも可能。この場合、チームとして負けてしまった場合でもヒーロー扱いされることもある。
pixivでは、『撃ち合い、避け合う』という性質上東方projectと相性が良いともされる。
ドッジボールの競技大会
上記の通り日本の小中学校では非常になじみ深いスポーツであるにもかかわらず、ごく最近まで競技大会がまともに開催されることが少なく、日本ドッジボール協会(J.D.B.A)が立ち上げられ公式ルールが制定されたのはなんと平成3年のことである。初代会長は元レスラーで当時議員だった馳浩、現会長は橋本聖子。
そのために「ドッジボール部」も昔は殆ど現実には存在せず(漫画などのフィクションでは存在したが)、長らく子供の遊びと思われていた。
現在は小学生を対象とした全国大会が開催されており、全国に本格的なチームも多数ありハードな練習を行っている。
しかし中学生以上を対象とした大会や国際大会は一応あり日本代表チームも組織はされているもののまだ未整備な部分が多く、参加チームも少ないのが現状である。
小学生でドッジボールの有力選手となっても中学校以上でそのまま選手として続ける環境はまだ不十分である。
中学校、高校ではドッジボール部がある学校は極めて少ない。
そのため、中学生以上は他競技に転向するか、学校外のクラブチームに加入するしかないことが多い。
日本ドッジボール協会の公式ルールでは1チーム12〜20人でコートに出るのは12人、試合時間は5分、ボールをキープできるのは5秒以内となっている。
その他
実際の競技では1回当たったらアウトだが、ゲーム作品においては内野に体力が存在し、ボールが当てられると体力が減りゼロになると脱落、と体力制になっている作品もある。
「熱血高校ドッジボール部」にちなんで「テクノス式ルール」と呼ばれることも。
ドッジボール廃止?
作家の勝部元気氏がドッジボールを学校でやらせるのを禁止すべきとツイートし物議になった。
また、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学のバトラー教授は、ドッジボールが攻撃やカタルシスの出口として用いられていると語り、他人を利用して自分の利益を得ようとしたり、より低い地位のグループを社会の端に追いやったり、グループの多数派が標的と決めた少数派を追い回す風潮と作っているとして、教育の場での廃止論を展開。