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ティラノサウルス

てぃらのさうるす

白亜紀後期を生きた恐竜の一種。 肉食恐竜、並びに多くの恐竜の中でも最も有名な恐竜であり、そこから『恐竜王』と呼ばれることもある。 名実とも、恐竜の代表格といえる種である。ティラノサウルス・レックス、T-レックスとも。
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概要

中生代・白亜紀後期に棲息していたとされる獣脚類の大型肉食恐竜。陸上の肉食生物としては史上最大級の生物であり、名実共に最も有名な恐竜である。
古くから最強の恐竜などとして非常にメディア露出が多く、恐竜の王者とも呼ばれ、多くのファンを虜にしている。
近年は良好な化石が多く見つかり、研究も盛んに行われている。

化石はアメリカとカナダから産出され、アメリカからはニューメキシコ、ユタ、コロラド、ワイオミング、サウスダコタ、モンタナ、ノースダコタの各州。カナダからはアルバータ州とサスカチュワン州から化石が発見されている。ティラノサウルスが生息していた白亜紀後期の北アメリカ大陸は東西を広大な内海によって分断されていた。西の大陸を「ララミディア」、東の大陸を「アパラチア」と呼び、ティラノサウルスはララミディアから化石が発掘されている。上記の各州もかつてララミディアを構成していた。

名前の似るティラノティタンというギガノトサウルスカルカロドントサウルスに近縁な大型種もいたので注意。

名称

学名:Tyrannosaurus Osborn, 1905

アメリカ自然史博物館の古生物学者で、ヴェロキラプトルオヴィラプトルを命名したヘンリー・F・オズボーンが1905年に命名した。ラテン語で「暴君トカゲ」の意味。和名は「暴君竜」。種小名のレックス(rex)はラテン語で「王」のこと。中国名は「覇王龍」「暴龍」。
海外ではT-REX(ティー・レックス)と言う略称で呼ばれており、後述のジュラシック・パークの影響で日本においても広く普及した。恐竜っぽいモンスターの名前にレックスが付くのはこのためであろう。
「チラノザウルス」「タイラノザウルス」とも表記されていたが、現在はティラノサウルス(あるいはティランノサウルス)の表記が一般的である。書籍などは、表記の違いで監修者や発行年代の予想がつく。チラノサウルスという表記は1980年代以前に多い。これは当時、チとティをあまり区別しなかったからである。1980年代中盤の地図などでも、シティーをシチーと書くことがあった。

2000年ごろ、ティラノサウルスの学名が消滅する可能性が急浮上していたが、これはオズボーンの師匠であるエドワード・ドリンカー・コープがティラノサウルスと命名された化石より発見していた脊椎の一部の化石「マノスポンディルス・ギガス」がティラノサウルスと同一の恐竜の化石だということが判明したためである(学名は基本的に古い方が優先されるため、同一と判定されれば時系列的に新しい学名は抹消・変更される)。
実はこれ以前に(ティラノサウルスの時と同様に)オズボーン自身によってバーナム・ブラウンが発見したティラノサウルスと同一の化石に「ディナモサウルス・インペリオスス」という名前が付けられていたのだが、こちらはオズボーンの論文の順番が偶然後に見つかったティラノサウルスの方が先に書かれていたため有効名とされた。

この件に関しては命名ルールの改訂が直前になされていたため(要約すれば広く一般に普及している学名を昔に使われていたシノニムにしてはいけない。このような事態が発生した場合、動物命名法国際審議会が強権を発動して有名な方の学名を保全名にできるというルール)事なきを得た。

ちなみにティラノサウルス以前の各種学名はこういう意味合いになる。

「マノスポンディルス・ギガス」(Manospondylus gigas):「巨大でスカスカな脊椎」
「ディナモサウルス・インペリオスス」(Dynamosaurus imperiosus):「皇帝の如く強大な力を持つトカゲ」
「ティラノサウルス・レックス」(Tyrannosaurus rex):「王たる暴虐的なトカゲ」

短くまとめれば「スカスカ背骨」「皇帝龍」「暴君竜」となるだろうか。
ディナモサウルスはともかくスカスカ背骨なんて名前にならなくてよかったと思う人がほとんどだろう。
また恐竜モチーフへのレックスという単語の浸透率を考えればインペリオススよりもレックスの方が語呂が良かったとも言えるかもしれない。

研究の進歩から近年では後述するように、超肉食恐竜と呼ばれている。


身体的特徴と暮らしぶり

全長は12~13m(最大15mに達する可能性も)、推定体重は6~9t前後。化石の原産地は北米。同時代に最も繁栄した恐竜でもあり、近縁種の恐竜は北米以外からも見つかっている。
かつての復元イラストではゴジラみたいに直立し、ズルズルと長いしっぽを引きずっていたが、現在ではよっぽどのことが無い限りそんな姿勢は取らず、強力な靭帯で常に尻尾をピンと張った超前傾姿勢で動き回っていたことが明らかになっている。

全体的にがっしりとした重量級の恐竜で、その体格においては今なお肉食恐竜最大と目される。
肉食恐竜の中でも並外れて頑丈かつ分厚いを持ち、最低でも3t、最大で9tと凄まじい咬合力を持っていたとみられている。アリゲーターの9倍である。これは動物の骨どころかトラックのフレームを容易に粉砕するほどの力であり、言うまでもなく陸上生物史上最強である。漫画家所十三氏は、この強靭な顎で骨を噛み砕いて栄養豊富な骨髄を食べることで、ティラノサウルスは巨大化を遂げたと推測している。また、鋸歯(歯のギザギザ)の列の角度に多様性があり、前の方の歯は獲物を掴み、なかほどの歯は肉に刺さりやすく、奥歯は肉の噛み砕きと喉の奥に送り込む役割があった機能的な歯を有していた可能性が指摘されている。

この巨大な頭部とバランスをとるために退化しており、が2本しかない(最近の発掘で、外部からは見えない退化した3本目の指の痕跡が存在する事が判明した)。ただし、筋肉の付き方などから意外に頑丈だった可能性が指摘されている。他に前脚の使い方として、しゃがみ姿勢から起き上がる際に地面についた前脚の反動で体を起こしていたとも言われる。実際、反動の衝撃で骨折した叉骨の化石が発見されている。(また進化の過程を考えると、むしろ腕は退化したのではなく肉体の巨大化に追いつけなかったのではないか、という説もある)。
後脚も比較的発達しており、鳥類同様に気囊オルニトミムスなどと近い特徴を持つアルクトメタターサルも有している。一般的には時速20~30km程度で走行できたと考えられている。


ライオンほどの質量があったとされており、大型肉食恐竜の中ではかなり大きかったことが知られている。嗅覚を司る部分が発達していたらしく、獲物を探すのに役立っていたとされる。

群れを作って生活し、怪我をした仲間の面倒を見るなどある程度の社会性があったとも考えられている。実際に仲間の保護を受けて生活し、最終的に骨折が治ったとみられる化石も見つかっている。
また、子供の体は大人と比べて華奢であり、更に足が細長い事から、大人よりもかなり速く走れるとされている。そのため、速い足を持つ子供や若者が獲物を追い詰め、強力な顎を持つ大人が待ち伏せして止めを刺す、という一風変わった方法で狩りを行ったという説も提唱されている。尤も、群れに若個体がいて初めて成り立つ狩猟方法であることや、成熟し切っていない華奢な個体が巨大なハドロサウルス類や角竜類を脅かし追い詰め得るのかといった点については議論の余地がある。

羽毛

近年恐竜の羽毛については盛んな議論が行われており、様々な恐竜の復元図に羽毛が描かれるようになっている。
ティラノサウルスも、近縁の大型種(ユティランヌス)の全身に羽毛が発見されたのをきっかけに、「もしかすると羽毛があるのではないか」という研究者も現れた。
この話題は創作者のネタにもなり、↓のような羽毛ティラノのイラストも描かれている。

ティラノサウルス・フサフサ
Tyrannosaurus



しかしながら、ここ最近、ティラノサウルスやその近縁の皮膚化石の発掘、分析が行われた結果、やはり全身の大半はワニのようなウロコに覆われていただろうという結論が出ている。ティラノサウルスの皮膚化石(標本名:ワイレックス)という物証から、少なくとも首部や腰部の皮膚はウロコであったことが確実にわかった。
これまでも巨大で体温が下がりにくい上、ろくな日除けもなかったと思われるティラノサウルスには羽毛は不要(どころか有害)なのではないかという反論がされていたが、今回の分析でそれが裏付けられたことになる。

幼体が羽毛に覆われていた可能性は依然残っているが、成体については、全く羽毛がないか、あったとしても一部の範囲に留まっただろう。クリンダドロメウスなど、ウロコと羽毛の両方を持つ恐竜も見つかっているので、全否定されているわけではない。

ネット時代になったことで、飽くまでいち個人が創作として描いただけのイラストが、第三者により勝手に「ティラノサウルスは羽毛があったのだ!」という大声と共にまとめサイト等を介して拡散されてしまうという弊害も出てきている。
さらにこの出来事が「羽毛があるのがデマ」という過剰反応まで生み出すことに繋がってしまった(上述したように羽毛の有無までは否定されていない)。

成長速度

ティラノサウルスは性成熟が早い肉食恐竜としても知られている。近年の研究で骨断面の年輪の調査が行われたが、ティラノサウルスは他のティラノサウルス類(例としてはゴルゴサウルス、アルバートサウルス、ダスプレトサウルスの3種)と比較して10代半ばまでは他3種と成長速度はほぼ同じだが、それを超えるとティラノサウルスだけがいっきに大きくなり、体重も他種の4倍から7倍に増加するという調査結果が報告されている。これは肉食恐竜全体で見ても驚異的な成長速度であるという。

学説

1990年8月12日。当時、恐竜発掘者のピーター・ラーソン博士とその一向が、サウスダコタ州で行った発掘調査により、非常に保存状態の良く、しかもこれまでで最大のティラノサウルスの全身骨格化石が発見された。この標本は、発見者である「スーザン・ヘンドリクソン」にちなみ「スー」と名付けられた。
スーの性別は雌と推測されることから、ティラノサウルスは雌のほうが雄よりも大型であるとされるようになった。またスーは29歳で死んだことも判明しており、同時にティラノサウルスの平均寿命は30歳前後ではないかという説が生まれることとなった。

ティラノサウルスといえば昔から、主に生きた獲物を襲いその肉を食べていたとする「プレデター(肉食)」説が主張されていることが多いが、発見が進むにつれ、主に死んだ生き物の肉を食べていたとする「スカベンジャー(腐肉食)」説が発表されるようになったことでも知られる。

ただし、古生物学者のケン・カーペンター博士によって発見された証拠として、後に「ラッキー」と名付けられたエドモントサウルスの標本の背骨にはティラノサウルスの歯型が存在しており、しかもその傷跡は治癒した痕跡がある(ティラノサウルスに襲われ、逃げ延びたと思われる)ことが明らかになっている。これはティラノサウルスが生きた獲物を襲っていた明確な証拠として注目され、プレデター説を強力に裏付けることとなった。なお、この事実が最近まで判明しなかったのは、「近くにあり過ぎて、逆に誰もが見落としていた」という理由かららしい。

その他、当時生息していた草食恐竜の8割を占めたとされる角竜類を捕食し、数を減らすことで生物の生息数のバランスを取ることが出来た肉食動物はティラノサウルスを措いて他におらず、ティラノサウルスが狩りをしていなければ生態系が保たれないだろうという指摘もある。
このような反証もあり、現在では「ティラノサウルスは、狩りをすることもあれば、死んだ動物の肉を漁ることもあった(=ライオンやハイエナなど、他の多くの肉食動物と同じ、プレデター兼スカベンジャーであった)」というのが専ら一般的な見解である(スカベンジャーだけならあの巨体や狩りに適した体である必要はなかったのでは?という反論も存在していた)。

なお、現在でもスカベンジャー説を強く主張しているのは、古生物学者の第一人者の1人であるジャック・ホーナー博士である。彼の専門はハドロサウルス類や恐竜の成長段階といった分野であり、ホーナー氏自身もティラノサウルス腐肉食説を論文にしたことはない。また、彼は他の多くの科学者とは対照的に、「私はティラノサウルスは嫌いなのだ」と語っている。

著名な標本

ティラノサウルスは前述したスーを含めて現在までに部分化石も含めれば50体近くの標本が発見されており、非常に保存状態が良好なものが多い。ただし、2006年までに46体発見されているがこのうちの13体には頭骨がない。ここでは日本国内でも知名度の高い標本を紹介する。

スー

1990年にラーソン博士率いるブラックヒルズ地質学研究所の調査隊により発掘されたが、その保存状態の良さなどに目が眩んだ土地の所有者らが裁判を起こしたためにFBIに押収され、紆余曲折の末1997年にオークションにかけられ、シカゴのフィールド博物館が約10億円で落札した。
骨格の73%が揃っており、推定全長は12.8メートルと、現在発見されているティラノサウルスの標本では最良かつ最大とされている。下顎には一列に並んだ穴が空いており、かつては同族に噛まれたものと考えられていたが、穴の間隔がティラノサウルスの歯型と一致しないため、現在では病気によるものとされている。おそらくは現生鳥類が感染するトリコモナス症と思われ、それが原因で食べ物を噛めなくなり餓死した可能性もある。他にも全身に怪我や病気の痕跡が残っており、恐竜の暮らしが如何に過酷だったかを物語っている。
原標本はフィールド博物館の目玉となっているが、2013年3月から復元骨格のレプリカが福岡県の北九州市立いのちたび博物館で展示されている。

スタン

1987年にアマチュア化石ハンターのスタン・サリクソンがサウスダコタ州で発見し、1992年にブラックヒルズ地質学研究所が発掘した標本。
ほぼ完全な頭骨を含む骨格の63%が揃っており、スーに次いで知名度の高い標本である。骨には仲間との争いでついた傷や治癒痕が確認されている。また、ラーソン博士の体つきによる性別の推測ではティラノサウルスは「がっしり型」と「ほっそり型」に二分されるとされ、スタンは雄とされている。(がっしり型は雌であり、スーが該当するという)。推定全長は11メートル強。
ブラックヒルズ地質学研究所が原標本を基に作製した復元骨格のレプリカが世界各地の博物館で展示されており、日本国内でも国立科学博物館などで展示されている。

バッキー

1998年に牧場労働者のバッキー・デフリンガーによって発見され、2001~2002年にブラックヒルズ地質学研究所が発掘した標本。
見つかった化石は骨格の34%ほどで頭骨は不完全だったが、叉骨など貴重な化石が残されていた。推定全長10.3メートルほどの亜成体だった。
日本では2011年の「恐竜博2011」にて、当時の最新の学説に基づいて「しゃがんで獲物を待ち伏せる姿」の復元骨格が製作された。2015年からはスタンに代わって国立科学博物館の地球館地下1階の常設展示となっている。

ワンケル

1988年にモンタナ州でキャシー・ワンケルにより発見され、ホーナー氏率いるロッキー博物館のチームが1989~1990年にかけて発掘した標本。
最初に完全な前足の化石が見つかった標本でもあり、スーが発見されるまでは最良の標本とされた。保存率は49%。推定全長は10.8メートルで、死亡時の年齢は14歳前後だった。
愛知県の豊橋自然史博物館などで復元骨格のレプリカが展示されている。

ブラック・ビューティー

1980年にカナダ・アルバータ州で当時高校生のジェフ・ベイカーらによって発見された標本。
名前は骨の成分に地下水中のマンガンが置換したために美しい黒色となっていたことに由来する。他の標本より華奢で小柄だったことから亜成体だったようだ。
ロイヤル・ティレル博物館に展示されているデスポーズ(死後硬直の姿勢)の復元骨格が有名だが、日本でもミュージアムパーク茨城県自然博物館などに復元骨格のレプリカが展示されている。保存率28%。

スコッティ

1991年にカナダ・サスカチュワン州で地元の教師ロバート・ゲハルトらによって発見され、ロイヤル・サスカチュワン博物館のチームが1994~1995年、1999~2003年にかけて発掘した標本。名前は発掘チームが祝杯で飲んだスコッチウイスキーに由来する。
ほぼ完全な頭骨を含む骨格の40%が揃っており、サスカチュワン産のティラノサウルスとしては最良の標本である。推定全長は12メートル強と、スーと互角かそれ以上の巨体を誇った。
2013年から復元骨格が3体ほど作製されており、2016年に「恐竜博2016」で展示された。

近縁種

※一覧はティラノサウルス上科ティラノサウルス科を参照。

前述の通り、ティラノサウルスの近縁種は北米の他アジア各地、イギリスなどでも見つかっている。中でも有名なのがモンゴルで発掘されたタルボサウルスという種で、ティラノサウルスに匹敵する巨体を持つ、アジアの恐竜王と呼ぶべき存在だった。

一時期、このタルボサウルスもティラノサウルスと同属とする説があった(所謂「ジュニア・シノニム」)が、タルボサウルスにはティラノサウルスには確認出来ない骨格的特徴が多く存在する事が判明し、現在のところティラノサウルス属はレックス一種のみ(少数意見ではあるが、もう一種存在すると考えている研究者もいる)と考えられている。
また、ティラノサウルスと同時代・同地域の地層から発見されるナノティラヌスは、本種の幼体の可能性がある。

これらティラノサウルスの近縁種の中でも、中国で発見された小型の肉食恐竜グアンロンディロングには、ティラノサウルスと共通する特徴がいくつも確認されており、最も原始的なティラノサウルスの近縁種とされている。これらの恐竜の化石が発掘されたことにより、アクロカントサウルスシアッツなどが絶滅したことにより大型肉食恐竜の地位が空白になり、小型のティラノサウルス類が巨大化し、その地位についたと考える研究者もいる。

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詳しくは該当記事を参照。

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dinosaur ?? ???????

ティラノサウルスと同じ頃にアメリカ大陸に生息していた恐竜

トリケラトプス トロサウルス エドモントサウルス パラサウロロフス アンキロサウルス エドモントニア パキケファロサウルス アラモサウルス ダコタラプトル トロオドン ストルティオミムス

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