映画の歴史が変わる
スピルバーグが変える
概要
1990年にマイケル・クライトンが発表した小説を、1993年にスティーブン・スピルバーグ監督が映画化した作品。最新CGとアニマトロニクスによって描かれたリアルな恐竜の姿は観客の度肝を抜き、世界興行収入約10億ドルという当時としては世界一の大ヒットとなった。その後も20年以上にわたって続編が作られている。
第66回アカデミー賞では「音響編集賞」、「録音賞」、「視覚効果賞」を受賞した。
シリーズ全体については「ジュラシックパーク」の項目を参照。
あらすじ
恐竜を研究している古生物学者のアラン・グラントと古植物学者のエリー・サトラーは、大富豪ジョン・ハモンドによって、コスタリカ沖の孤島「イスラ・ヌブラル」に招待される。
そこで待っていたのは、なんと、生きた恐竜の姿だった。
ハモンドは、最新のクローン技術によって恐竜を蘇らせ、巨大テーマパーク「ジュラシック・パーク」を作り上げていたのだ。
同じく招待された数学者のイアン・マルコムやハモンドの孫の2人と共に、グラントたちはパーク内を案内される。
しかし、完璧であったはずのパークのセキュリティは、些細なミスや産業スパイの思惑などから、まるでマルコムの説くカオス理論を補強するかのごとく、崩壊していく。
そしてついに恐竜たちが解き放たれ、島は惨劇の舞台へと変わっていく・・・。
登場人物
「ジュラシック・パーク」モニター客
古生物学者。子供と機械が大の苦手。
「T-REXは動く物しか襲わない」「恐竜は鳥に進化した」などの持論を持つ。映画では第3作と第6作にも登場。
原作では子供好きで、映画のような気難しい面は見られない。
ちなみに、実在する古生物学者の第一人者で、映画では恐竜の監修を務めているジャック・ホーナー氏が彼のモデルとなっているのは、ファンの間では有名な事だ。
古植物学者。グラントの恋人。
フェミニストだが男気溢れる性格。映画では第3作と第6作にも登場。
原作では大学院生でグラントの恋人ではなく、婚約者が別にいる。
演:ジェフ・ゴールドブラム(吹:大塚芳忠)
数学者(カオス理論専門)。軟派で軽い性格な一方で、パークの崩壊を真っ先に予言した人物。
中盤でT-REXに襲われた子供たちを救おうとして(絵コンテ段階では、ただ怯えて逃げただけ)、彼もT-REXに襲われて足などに重傷を負う。映画では第2作と第5作と第6作にも登場。
原作では彼のカオス理論がよりクローズアップされている。最後は昏睡状態に陥るが、奇跡的に回復したようで、続編では主人公として登場している。
通称ティム。ハモンドの孫でレックスの弟。お喋りな恐竜オタクの男の子。
T-REXやラプトルに襲われて食い殺されかけたのはもちろんの事、T-REXによって車ごと崖から落とされて嘔吐し、おまけにフェンスの高圧1万ボルトの電流まで食らうなど、今作では一番酷い目に遭っている人物と言える。
原作ではレックスの兄で、博識な面が強調されている。
演:アリアナ・リチャーズ(吹:坂本真綾)
通称レックス。ハモンドの孫でティムのお姉さん。
彼女とティムの両親は離婚したばかりで(原作ではその間近である)、ハモンドからは気分転換も兼ねてパークに招かれた。
パソコンオタク(本人曰く「あたしはハッカーなの」)な事が幸いし、クライマックスでパークのシステムを復活させる大活躍を果たす。ちなみにティムほどではないが、病気のブラキオサウルスのクシャミをまともに受けて体中ベトベトになるという悲惨な目に逢っている。
原作ではティムの妹。生意気なお年頃で、システムを復活させるのは彼女ではなくティムである。
演:マーティン・フェレロ(吹:納谷六朗)
インジェン社の顧問弁護士。臆病な拝金主義者。
T-REXの襲撃時に、怯えて子供たちを見捨てて近くの公衆トイレに逃げたところを、後になって食われた事で、一連の事件による最初の犠牲者となった。
原作ではより狡猾な性格(拝金主義なのは同じ)だが、マルドゥーンのラプトル退治に付き合うなど勇敢な面もあり、最後まで生き残る。しかし、続編でパークの事件後に酷い下病で死亡したことが明かされる。
「ジュラシック・パーク」スタッフ
演:リチャード・アッテンボロー(吹:永井一郎)
インジェン社の創始者。後先考えないヒステリックな男だが、金儲けよりも夢とロマンを求める子供好きの好々爺。右足が悪いため、歩く時には杖を使っている。
「管理システムが万全なら恐竜たちをコントロール出来る」と信じて疑わない。映画では第2作にも登場。
原作での性格は、映画とは正反対の悪辣な山師であり、終盤でコンピーに襲われ死亡する。
パークの恐竜監視員。ケニア出身。ハモンドにラプトルの危険性を常に警告する。
屈強かつ冷静沈着なハンターだが、終盤で脱走したラプトルとの頭脳戦に敗れ、奇襲を受けて殺害される。
原作及び映画の企画段階では、T-REXやラプトル相手に大立ち回りを演じ、最後まで生き残る。
演:サミュエル・L・ジャクソン(吹:梁田清之)
パークのチーフエンジニア。神経質なチェーンスモーカー。映画ではそれを示すべく、登場する全てのシーンで煙草を吸っている。
直接の描写はないが、電源復旧に向かった発電所でラプトルに惨殺され、後に既に千切られた右腕だけがサトラーによって発見される。
原作での名前はジョンで、ミスの多い人物として描かれ、それが自身の死の原因にもなる。
パークのシステムエンジニア。眼鏡をかけた肥満体系の男性。仕事は出来る方なのだが、勤務中に怠けるだの自身のデスクにゴミを散らかすだの、その勤務態度の悪さのせいで常に周りから冷遇されている。
今作の悪役で一連の事件を起こした張本人だが、映画では強欲な性格に対して間抜けな所もあってどこか憎めない小悪党として描かれてる(この設定と見た目はまさに、日本語吹き替えの担当声優である桜井が演じるキャラクターのイメージそのものだ)。
金を目当てにインジェン社を裏切ってパークに混乱をもたらすが、嵐のせいで早期出向を余儀なくされた仲間の男(演:ディーン・カンディ(吹:江原正士))に無線電話で「もうこれ以上待てない」と言われて予定を早めた事に焦って東桟橋に向かう道に迷ってしまい、しかもその途中で度の強い眼鏡を紛失してしまった事が災いし、結局は自身もディロフォサウルスに襲われて死亡する。
余談だが、ネドリーを演じたウェイン・ナイトは、前年公開の『氷の微笑』に出演し、作中の「インタビュー・シーン」での演技がスピルバーグの目に留まったのが決め手で、出演する事が最も早く決まったキャストとなった。
パークの遺伝子学者。恐竜復活の最大の功労者である。
映画ではチョイ役だが、第4作と第5作と第6作ではキーパーソンとして登場する(こちらでの日本語吹き替えの担当者は近藤浩徳に変更されている)。
原作では主要人物で、最期はサトラーを助けようとして、ラプトルに生きたまま食われてしまう。
演:ジェラルド・R・モーレン(吹:不明)
パークの獣医。トリケラトプスの治療を行っていた。続編では彼の娘と思しき人物が登場する。
映画では中盤で本土に帰ってしまったようだが、原作では恐竜の脱走後も島に残り、マルコムを治療する。
「Jurassic Park:The Game」では主人公を務める。
- ラプトルの檻の作業員
演:ジョフェリー・C・ブラウン(吹:不明)
その名の通り。正式な役名はないが、原語版ではマルドゥーンに役者の名前と同じ「ジョフェリー」と呼ばれている。
物語冒頭でラプトルに襲われ重傷を負い、それによって彼の家族が2000万ドルもの訴訟を起こした。この1件が、グラントたちがパークの視察をする全てのきっかけとなる。
原作では作品冒頭で彼に該当するキャラクターとして18歳の少年の作業員が襲われており、こちらでは「ラプトル」と言う発言を最期に、そのまま死んでいる。
- パーク音声ガイド
演:リチャード・カイリー(吹:不明)
アメリカで有名な俳優である「リチャード・カイリー」本人が担当。日本語吹き替え版では「リチャード・キリー」と呼ばれていた。
原作でも実名で登場している。
- ミスター・DNA
恐竜のクローン再生について解説してくれるアニメキャラクター。日本語吹き替え版では「DNAくん」と呼ばれていた。
ポップな見た目と陽気な性格でいかにもなアメリカのトゥーンキャラである。色は異なるが第4作にも登場。
原作には登場しない。
その他
インジェン社のライバル企業、バイオシン社の遺伝子学者。
ネドリーに恐竜のDNAを奪う産業スパイの話を持ちかける。
映画では序盤の1シーンのみの登場だったが、原作では続編にも登場する。
演:ミゲル・サンドバル(吹:不明)
ドミニカ共和国にある鉱山の持ち主。
冒頭で恐竜の血を吸った蚊の琥珀を採掘し、それをインジェン社に提供している。
原作には登場しない映画オリジナル人物。
演:クリストファー・ジョン・フィールド(吹:江原正士)
本土のモンタナで恐竜の化石発掘をするグラントとサトラーの手伝いをしたボランティアの青年。コンピューターの操作を担当しており、「今に土を掘らなくて済むようになりますよ」と相当な自信を持っていた(直後にグラントから「嫌な話だ」と皮肉を返されたが)。
演:ウィット・ハートフォード(吹:不明)
その名の通り、グラントとサトラーが行っている化石発掘のボランティアに参加していた少年。ラプトルを「でっかい七面鳥みたい」とバカにするが、すぐにグラントが彼を怖がらせた。
原作のみ登場
映画ではパークスタッフはハモンド、マルドゥーン、アーノルド、ネドリーを除いて中盤で本土に帰ってしまうが、原作ではウー、ハーディング、作業員のラモンや家政婦のマリア、その他多数の警備員らも島に残っており、モニター客を含め計24名が事件の渦中にいた。
しかし脱走した肉食恐竜たちに襲われ、9名が死亡、6名が行方不明になっており、生存者はグラント、サトラー、マルドゥーン、ジェナーロ、ティム、レックス、ハーディング、それに1名の作業員のみとなっている(マルコムも後に生還)。
パークの広報室長。ハモンドからティムとレックスの面倒を押し付けられる。
中盤、T-REXの亜成体の餌食となる。
子供たちを見捨てて逃げ出すなど彼の行動の幾つかは映画のジェナーロに引き継がれた。
女性医師。2年間シカゴの病院で救急医療を行った経験を持つ。
ロベルタ・カーターの助手。迷信を信じており、「ラプトル」の事を地元のバヒヤ・アニャスコ村に伝わる「フッピア(Hupia)」と言う吸血鬼の事だと主張した。
8歳の女の子で、観察力に優れる。
コスタリカに両親とバカンスに来ていたところを正体不明の爬虫類に襲われる。
映画第2作に登場するキャシー・ボーマンのモデルとなった人物。
フィールド生物学者。コスタリカで正体不明の爬虫類の標本を入手する。
原作では続編にも登場。
登場する恐竜及び古代生物
体長・体重のデータは当時の映画版パンフレットによる。当初はコンプソグナトゥス・トリアシクス、デイノニクス、アパトサウルス、エウオプロケファルス、ナノサウルス、ヒプシロフォドン、ハドロサウルス、マイアサウラ、ランベオサウルス、ミクロケラトゥス、ケアラダクティルス、モササウルスも登場が予定されていた。
恐竜
肉食
体長約12m、体重6t。
本作を含めて、シリーズを象徴する大型の白亜紀後期の肉食恐竜。標識は上半身の骨格。原作での愛称にちなんでファンの間では「レクシィ(Rexy)」と呼ばれている。作中ではこの1頭しか登場してない(2度も「奴ら」と複数形で呼ばれている台詞があるが、T-REXのことを指すのか、パークの恐竜全体を指しているのかは不明)。
原作では(画像右)彼女の他に、2歳ぐらいの亜成体のT-REXが一緒に登場するが、レクシィとの相互作用はなく、映画には登場しなかった。
映画では、その後20年以上も生きており、第4作と第5作と第6作にも登場している。
その他の詳細はこちらを参照。
シリーズに登場する恐竜の中で、最も古い時代、ジュラ紀前期の肉食恐竜。標識は頭骨。
作中に登場する個体は実際よりも小さいが、幼体だった可能性もある。毒と襟巻きを持ってるなど、本作では創作構想が多い事でも知られている恐竜で、スピッター(毒吐き)の異名を持つ。
原作では映画同様胚を盗んだネドリーを襲う他、自然繁殖こそしていなかったものの性転換した個体がいたようで、番が川辺に登場する。
体長約2m、体重約50kg。標識は鍵爪(頭骨のバージョンも存在する)。
白亜紀後期に生息していた、本作で最大・最後の脅威となった小型の肉食恐竜。非常に高い知能を誇る。
始め8頭だったらしいがリーダー格のメスが2頭だけ残して殺したため、劇中には3頭が登場する。アーノルドが電源を切った僅かな時間で脱走し、グラントたちを極限まで追い詰めるが、1頭は冷凍庫に閉じ込められ、残りの2頭はT-REXとの戦闘で死亡する。
上記の3頭以外に孵化したばかりの幼体に加え、野生で繁殖した個体も存在したようだ。ヴェロキラプトルは本作に登場した事がきっかけで、一躍有名になった。
原作では8頭が脱走し、映画以上の大暴れを見せる。ウーを始め多くの従業員を殺害し、果ては共食いや同族の幼体まで惨殺する残虐さを見せるが、2頭はマルドゥーンが射殺、1頭はティムに冷蔵庫に閉じ込められ、3頭はグラントが毒殺、残りの2頭は復活したフェンスの電流で感電死した。
これらとは別に自然繁殖した群れが存在し、そのうち1頭の野生の亜成体がグラントに捕獲され、レックスからクラレンスと名付けられた。この個体は体色を変えることができた。野生体は「渡り」をしようとしており、3頭の亜成体が輸送船に入り込むが、ティムとジェナーロによって本土上陸は阻止された。
ジュラ紀前期~後期の肉食恐竜。胚保存室で名前だけ登場。日本語版ではメトリントサウルスと誤訳されている。標識は頭骨。
ジュラ紀中期の肉食恐竜。胚保存室で名前だけが微かに登場。標識は頭骨。
本作の時点でパドックも造られていたが、後に公開されたイスラ・ヌブラルに生息していた恐竜の一覧には名前がなく、復元される前にハリケーンでDNAが失われてしまったとされる。
白亜紀前期の肉食恐竜。劇中には登場しないが、設定上パドックが存在。標識は頭骨。
三畳紀後期の肉食恐竜。劇中には登場しないが、設定上パドックが存在。標識は頭骨。
「Jurassic Park:The Game」では生体が登場する。
ジュラ紀前期の肉食恐竜。劇中には登場しないが、設定上パドックが存在。標識は頭骨。
ジュラ紀後期の肉食恐竜。ビジターセンター内の柱に骨格が埋め込まれていた(彫られていた?)。
なお生きた個体は今作から25年後に姿を見せる。
草食
体長約23m、体重80t。
本作で最初に登場したジュラ紀後期の竜脚類に属する巨大草食恐竜。標識は2頭の首の骨格。
当時の最新CGで造られたその雄大な姿は、登場人物のみならず映画館に詰めかけた観客にも多きな感動を与えた。後にT-REXの襲撃を逃れたグラント一行と遭遇し交流する。恐竜がただ恐ろしいだけの存在ではないことを伝える重要なシーンである。
原作には登場しない。
白亜紀後期の草食恐竜で、ハドロサウルス類の一種。標識は頭骨と頸椎。第2作以降でこそ存在感をアピールしているが、本作では遠景のみでブラキオサウルスと共に登場(幼体の姿も確認できる)。殆ど背景のような扱いであったため、当時は映画に登場した7種のうち本種のみグッズ化から軒並みハブられていた。
原作には登場しない。
体長約9m、体重5~6t。
白亜紀後期の草食恐竜の代表格とも言える、カスモサウルス亜科に属する大型の角竜の一種。標識は正面を向いた頭骨。1頭だけ病気で倒れている状態で登場(実写側の恐竜としては撮影のトップバッター)。当初は幼体も登場する予定だった。
原作では幼体も登場し、レックスにラルフと名付けられた。
ジュラ紀後期の草食恐竜で、大型の剣竜類の一種。胚保存室に名前だけ登場(スペルミスがある)。標識のデザインは頭骨から肩甲骨までの上半身。
原作では映画における病気のトリケラトプスの役回りで登場し、胃石と間違えて西インドライラックを食べて体調を崩している。
白亜紀後期の草食恐竜で、竜脚類の一種。ビジター・センターに骨格標本がT-REXのものと共に展示されていたが、T-REXとラプトルの戦闘に巻き込まれて破壊される。
パラサウロロフスと同様、ハドロサウルス類に属する白亜紀後期の草食恐竜。劇中にはレストランの壁の絵に描かれている。コンピー同様25年の時を経てインジェン・リストに含まれていたことが公表された。しかしこの時点でのDNAは不完全であったらしく、後に1998年前後にウーによって完全に復元され、第3作で晴れて生体が映像作品に登場した。
ジュラ紀前期に生息していた、ヘテロドントサウルス科の草食恐竜。ビジターセンターの骨格標本付近の岩に頭骨が埋め込まれていた(彫られていた?)。
雑食
体長約4.2m、体重約90kg。標識は生身の全身シルエット。
白亜紀後期の本作で唯一の小型の雑食恐竜。時速80kgで走り、100mなら約5秒という駿足のオルニトミモサウルス類の一種。劇中では群れがT-REXに襲われ、その内の1頭が逃げ遅れ捕食される。
原作には登場しない。
ジュラ紀後期の雑食恐竜。劇中には登場しない。映画における最初期のインジェン・リストは上記13種までしか公開されておらず、本種を含め残りの2種は長らく不明であったが、2018年になって「Dinosaur Protection Group(DPG)」の公式サイトにて始めて全種が明かされた。
恐竜以外の古生物
白亜紀後期に生息していた白い古代鳥類の一種。イスラ・ヌブラル中を飛び回っている。遠景のみでブラキオサウルスやパラサウロロフスと共に登場。
イスラ・ヌブラルに棲んでいる。マルドゥーンがリーダーのラプトルに奇襲された後、囮になった手下のラプトルの前を通り過ぎていた。
ジュラ紀後期に生息していた翼竜。ビジターセンターの正面玄関に骨格が埋め込まれていた(彫られていた?)。
この他、劇中の壁画やグッズショップの玩具・モデルとしてプラテオサウルス、ディプロドクス、イグアノドン、プロトケラトプス、プテラノドン、スミロドンらが登場する。
原作のみ登場
恐竜
草食
ジュラ紀後期の巨大草食恐竜。映画におけるブラキオサウルスの役割を担う恐竜だが、映像作品への登場は第4作までなかった。映画ではティムがブラキオサウルスを「ブロントサウルス」と言い間違えている他、初期の脚本ではネドリーが盗む胚の中に本種も含まれる予定だった。
ジュラ紀後期の草食恐竜。自然繁殖していた恐竜の1種。原作のツアーでは最初に現れる。なお、終始ヒプシロフォドンと誤って表記されている。
ジュラ紀後期の草食恐竜。自然繁殖していた恐竜の1種。ドリオサウルスと同じエリアに登場。
白亜紀後期の草食恐竜。映画におけるガリミムスの役割を担い、群れがT-REXに襲撃される。また、終盤ではラプトルの集団に襲われている。
白亜紀後期の草食恐竜。自然繁殖していた恐竜の1種で、親子がグラント一行と遭遇した。
白亜紀後期の草食恐竜。ミクロケラトプスと表記されている。川辺に登場。
白亜紀後期の草食恐竜。名前だけ登場。
白亜紀後期の草食恐竜。名前だけ登場。
白亜紀前期の草食恐竜。上記の通りドリオサウルスが本種の名前で登場する。文庫版の訳者あとがきでこのミスについて述べられている。
ジュラ紀後期の草食恐竜。重版の際に本種の登場シーンはアパトサウルスに差し替えられた。
ジュラ紀後期の草食恐竜。重版の際に本種の登場シーンはミクロケラトゥスに差し替えられた。
雑食
三畳紀後期の小型雑食恐竜。自然繁殖していた恐竜の1種。島の掃除屋としてウーが数多く製作した。神経毒を持っているが、これはディロフォサウルス同様本作の創作。
コスタリカまで密航し赤ん坊やクリスティーナ・ボーマンを襲った他、イスラ・ヌブラルでも群れでハモンドを襲い殺害している。
恐竜以外の古生物
白亜紀前期の作中唯一の翼竜。縄張り意識が強く、翼竜ドームに入り込んだグラント一行を強襲し、レックスのグローブを盗んでいく。翼竜ドームは映画第3作及び第4作にて映像化されたが、本種の映像作品への出演は未だにない。
爬虫類ではなく巨大トンボである。本来は石炭紀の昆虫なのだが、なぜかジュラ紀に生息していた設定となっている。
登場アイテム及びメカニック
- シェービング・クリームの缶
ドジスンがネドリーに用意した、恐竜の胚を盗み出すための小道具。バーバソル社(日本未進出)のシェービング・クリームの缶を模しており、外装を外すと中にサンプルホルダーが出現する。冷却材の効き目は36時間で、ドジスンからは税関検査だって通るとのお墨付きを得ている。おまけに本物のシェービング・クリームも入っており、実際に髭も剃れる優れモノ。ネドリーはこの缶を使ってまんまと胚のサンプルを盗み出すことに成功したが、ディロフォサウルスに襲われた際に泥中に没っしてしまった。
原作ではジレット社のものを模している。
- 1993年型ジープ・ラングラー
パーク内の従業員が使用する4WD。
ヘリポートへモニターたちを迎えに来たのが18号車と29号車(この2台は映画第4作で再登場する)、ハーディングが病気のトリケラトプスの検査のために乗ってきたのが30号車、ネドリーが盗んだ胚を仲間に届けるため使用したのが12号車、マルドゥーンがT-REXに追い回された際に乗っていたのが10号車である。
恐竜ツアーで客が乗り込む最新鋭の電気自動車。ツアーロードのレールに沿って自動運転される。タッチパネル式のツアー情報端末CD-ROM、監視カメラ、緊急時による防災グッズを常備。だが飲み物はなぜかペットボトルではなくコップ入りである。劇中では2台が登場し、1台はT-REXにひっくり返された挙句崖から突き落とされ大破した(この残骸が映画第5作で再登場する)。
原作ではトヨタのランドクルーザーである。
- 暗視ゴーグル
上記のエクスプローラーに搭載されている最新鋭のゴーグル。ティムが勝手に持ち出し着用する。ジェナーロ曰く重いから高級品らしい。
映画ではT-REXの襲撃時にしか登場しなかったが、原作ではティムが終盤でも使用する。
パークに配備されているショットガン。フォールディングストック付き。終盤、マルドゥーンがこれを装備してラプトルとの対決に挑むも、囮作戦に引っかかり発砲する前に殺害される。後にグラントもこの銃を持ち出しラプトルを撃つが、持ち前の機械音痴を発揮しすぐにジャムらせてしまった。
原作でマルドゥーンがスパスの代わりに装備する武器(原作では恐竜の骨格は頑強なためショットガンでは撃ち抜けないとされる)。レーザー照準器付き。ネドリーが乗せてあったジープごと持ち去ったためしばらく日の目を見なかったが、中盤でマルドゥーンに発見され、早々に麻酔弾でT-REXを眠らせてその威力をいかんなく発揮する。終盤では脱走したラプトルを始末するため使用され、うち1頭を射殺、さらに1頭に瀕死の重傷を負わせるが、その後はマルドゥーンと弾の補充係だったジェナーロが逸れたため捨て置かれる。そもそも脱走したラプトル8頭に対し、弾は6発しかなかったため始めから全てを駆除することはできなかった。
パーク
コスタリカの沖約200kmの地点にある島、イスラ・ヌブラルに建造されている。
島自体は35平方kmほどのかなり小さなものである(日本で言えばちょうど口永良部島と同じ。伊豆諸島八丈島の半分ほどしかない)。
宿泊施設、レストランなどを備えたリゾート型のテーマパークで、ハモンド曰く「全て一流のもので揃えた」豪華な設備ばかり。
高圧電流のフェンスで島をいくつかのエリアに分け、その中で恐竜たちを居住させており、自動運転のジープで彼らの姿を見るサファリツアーがパークの目玉アトラクションである。いかにして恐竜たちを蘇らせたのかを知ることが出来るシアターツアーもある。
なおその他、設定だけだがボートでのツアーもあり、後にゲーム作品などで描かれたエリアではジェットコースターなどがあるのも確認出来る。
パークはコントロールセンターからコンピューター管理されており、恐竜たちの位置や数まで把握している。高圧電流のフェンスをはじめとする厳重なセキュリティシステムのおかげで、意図的にシステムをダウンさせでもしない限り、脱走の心配はない。
小説版の方では、ホテルの客室の天窓に鉄格子が慌てて取り付けられていたりと、恐竜たちの管理にてこずっている描写が多い。また、こちらでは性悪爺設定となっているハモンドが「金持ちの子供専用のテーマパーク」と言い切っている。
続編では、恐竜の孵化や研究のために、近くにあるイスラ・ソルナが、研究専用の別の施設――サイトBである事が判明している。
メディア展開
1994年には「ナイトトラップ」、「夢見館の物語」、「AX-101」に続く、メガCDのバーチャルシネマシリーズ第4作目として発売された。メガCDのバーチャルシネマ作品の中では本作が唯一の版権物の作品である。
セガによるアーケードゲームもある。
ジープに乗って恐竜達から逃げ惑うガンシューティングで、ティラノから逃げるシーンなどを体験できる。機関銃のような速度で、岩をも砕く威力の麻酔銃がシュール。
その他、主に海外で、NES(ファミコン)をはじめ非常に多くのハードでゲームが発売されたが、どれもこれも残念な出来で、あまり遊べた代物ではなかった。
2010年代になって、PC用のアドベンチャーゲーム「ジュラシック・パーク:ザ・ゲーム」が発売された(Steamでも購入可能)。
第1作の後のイスラ・ヌブラルを舞台としたオリジナルの続編だが、第1作の雰囲気を忠実に受け継ぎ、その要素や伏線がそこかしこに登場するなど、クオリティの高いスピンオフとして評価されている。
美麗な3DCGで描かれているが、ゲーム自体は、マウスで選択肢やオブジェクトをクリックして進行するシンプルなものである。
残念ながら日本語版が発売されていないので、頑張って英語でプレイするしかない。
ジュラシック・パーク:ザ・ライド
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを始めとした世界各地にあるユニバーサル・スタジオのテーマパークにある、今作をモチーフとしたアトラクション。
設定だけ第1作に登場した、ボートでのパークツアーを再現している。
ゲスト達はボートに乗ってツアーに出発し、草食恐竜たちの歓迎を受ける。
しかし、その途中で異常が発生し、ボートはコースを外れていく。
その先では、脱走した肉食恐竜達が暴れていて・・・というあらすじ。
大まかな内容は上記の通りだが、パークによって演出やボートの形などは多少異なっている。日本にある"USJ"版は、フロリダ版をほぼそのままに左右反対にしたものになっている。アトラクションの内外には劇中に登場するビジターセンターなどの建物が再現されているほか、ヴェロキラプトルやトリケラトプスといった劇中に出てきた恐竜に会えるイベントも行われている。
余談
スピルバーグは元々、同じくクライトン原作の『5人のカルテ』の監督を務める予定だったが、他の企画を尋ねたところで本作が提示され、スピルバーグはこれを大いに気に入った。
これによって、「スピルバーグが監督を務める」という事を前提に映画化される事が決まったが、20世紀フォックスがジョー・ダンテ、ワーナー・ブラザースがティム・バートン、グーバー=ピーターズ・エンターテインメントがリチャード・ドナーを候補に挙げるなど、各映画会社の間で争奪戦が展開された(もちろん既に監督が決まった後だから、採用される訳はないが)。
その後『5人のカルテ』は、後にアメリカで国民的ドラマとなる『ER緊急救命室』としてテレビシリーズ化され、スピルバーグとクライトンは製作を担当する事になった。
関連タグ
映画 洋画 SF映画 メガCD 恐竜 1990年 1993年
ジュラシック・パーク→ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク