「アッハッハーン、魔法の呪文を言わなきゃだめだよ。アッハッハーン」
概要
演:ウェイン・ナイト/吹替:桜井敏治(映画)、渡辺いっけい(ラジオドラマ)
『ジュラシック・パーク』に登場する、インジェン社の社員の肥満体の青年。
こう見えてハーバード大学卒の高学歴で、塩基解読用のスーパーコンピューターの並列処理を実現、さらに恐竜のDNAの膨大なデータの解析すら行った優秀な人物。パークではエンジニアとして、屋久島程の面積のあるイスラ・ヌブラル島のシステム管理から、恐竜の遺伝子配列の解析に至るまで多義に渡る激務を行っていた。
しかし、勤務態度の悪さから雇用面では冷遇されており、雇い主であるジョン・ハモンドからは評価されておらず、周囲からも優秀さは認められていたものの厄介者扱いされていた。
そんな自身の境遇に不満を抱き、ライバル会社のバイオシン社と内通し、産業スパイとして恐竜の胚を盗み出して売却しようと目論んだ。
そして嵐の夜、セキュリティシステムをダウンさせて恐竜の胚を盗み出すと、ルイス・ドジスンの用意したシェーピングクリームのスプレー缶を模した冷凍機に保管して、仲間の待つイーストドックの港を目指した。しかし前述通り嵐に見舞われていた上に、時間があまりなかったことへの焦りから、道に迷った上に車も溝にはまって動けなくなってしまった。それでもめげずに先へ進もうとするもディロフォサウルスに遭遇し食い殺されるという末路を遂げた。
またその際に胚も落としてしまい、そのまま土砂に埋もれていった。
ネドリーの起こした一連の騒動で、レクシィの脱走などイスラ・ヌブラル島は大惨事に見舞われることになった。一応、ヴェロキラプトルの危険性は考慮してそのエリアのシステムには手をつけなかったが、システム復旧のために結局すべてのシステムをダウンせざるを得なくなり、ラプトル達が脱走する結果となった。
結果的に彼を含めて4人の死者が出たのだが、続編『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』でのイアン・マルコムの会話や、未公開シーンのインジェン社での役員会議における遺族への慰謝料に関しての話題でも、ネドリーの存在・名前は一切言及されておらず、劇中では行方不明扱いとなっていると思われる。
評価
犯した所業を考えれば悪党であることに変わりはないネドリーだが、前述のとおり彼がこのような悪事に手を染めたのは、激務を課しておきながらそれ相応の評価をしなかったインジェン社側にも責任があり、第2作での扱いを考えると哀しき悪役ともとれる(原作ではハモンドもかなり性格に難があり、より一層同情の余地がある)。
映画では、演者であるナイト氏と吹替えを担当した桜井氏の怪演もあり、憎めない悪役として人気を博した。