6500万年を翔けた夢とアドベンチャー!
「ようこそ我がジュラシック・パークへ」(ジョン・ハモンドのセリフより)
曖昧さ回避
シリーズ第1作については『ジュラシック・パーク(“・”がある)』の記事を参照。
概要
最新のDNA技術によって現代に蘇った恐竜と、彼らを飼育する前代未聞のテーマパーク――「ジュラシック・パーク」の姿を描くSF作品。
1990年に小説家のマイケル・クライトンが発表し、1993年にはスティーブン・スピルバーグ監督作として映画化された。
この映画第1作目が、当時としては世界一という記録的な大ヒットとなり(日本でも恐竜ブームが起きた)、それ以降、小説と映画はもちろん、ゲームや漫画、そして実際のテーマパークとしても展開する大人気コンテンツとなっている。
1997年には「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」、2001年には「ジュラシック・パークIII」などの続編が公開された。
2015年には、第4作目にしてシリーズとしては14年ぶりの新作「ジュラシック・ワールド」が公開され、世界的な大ヒットを記録した。これを受けて、同作を第1作とする新3部作の製作が決まり、2018年にはその2作目にしてシリーズ第5作目となる「ジュラシック・ワールド/炎の王国」が公開。2022年、新3部作の完結編となるシリーズ第6作目「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」が公開された。
「ジュラシック・ワールド」から10周年となる2025年にアメリカで「ジュラシック・ワールドリバース」が公開予定。
シリーズ一覧
タイトル | 公開 | 監督 | 音楽 |
---|---|---|---|
ジュラシック・パーク | 1993年 | スティーブン・スピルバーグ | ジョン・ウィリアムズ |
ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク | 1997年 | スティーブン・スピルバーグ | ジョン・ウィリアムズ |
ジュラシック・パークIII | 2001年 | ジョー・ジョンストン | ドン・デイヴィス |
ジュラシック・パーク(3D) | 2013年 | ジョー・ジョンストン | ジョン・ウィリアムズ |
ジュラシック・ワールド | 2015年 | コリン・トレヴォロウ | マイケル・ジアッキーノ |
ジュラシック・ワールド/炎の王国 | 2018年 | フアン・アントニオ・バヨナ | マイケル・ジアッキーノ |
ジュラシック・ワールド/新たなる支配者 | 2022年 | コリン・トレヴォロウ | マイケル・ジアッキーノ |
配給は全てユニバーサル・ピクチャーズ。スピルバーグは第3作以降は製作総指揮に回っている。
恐竜
今作での恐竜は、厳密にはキメラであり、かつて生きていた恐竜達と同一の個体ではない。
基となるDNA情報は、恐竜の血を吸ったまま樹液に飲まれて琥珀と化した蚊の体内から採取された。そして、そのDNAの欠落部分をカエルのDNAを繋げて埋め合わせることで、恐竜に非常に近い姿の生物を再現したものである。
パーク内の恐竜は全てメスであり、パークのスタッフの手を借りないと繁殖出来ない。しかし偶然にも、遺伝子操作を行う際に使用されたカエルのDNAは、一部の個体がオスに変化するという性質であり、事実劇中では、卵が孵化した後の巣が発見される。
また、必須アミノ酸のひとつ「リジン」を体内で生成出来ないような遺伝子操作が施されているため、リジンの補給もパークのスタッフによる給餌に頼っている。そのため、仮にパークを脱走したとしても、恐竜達が生き延びる事は出来なくなっている。しかし続編では「ソルナ島の草食恐竜はリジンの豊富なマメ科の野草を食べて、肉食恐竜はそんな草食恐竜を捕食する事で生き延びている」という事実が判明している。
なお、小説執筆当時ホットな話題であった恐竜温血説や、恐竜が鳥に進化したとする説などを意欲的に取り入れたため、現在の最新の学説に照らしてみると、間違っている描写が少なくない。
加えて映画版では、小説の薀蓄ぶりを取り除いて、映画という都合上モンスターパニックとしての迫力を重視(「恐竜は架空の存在ではない」という事実も取り入れているため、一応現存する動物の仕草も同じように)して演出されているため、
「ディロフォサウルスの考証がなさ過ぎ」
「ティラノサウルスはそんなに速く走れない」
「ヴェロキラプトルはこんな大きくない」
「ブラキオサウルスは食べた物を噛み砕けない」
など、古生物学者をはじめとする一部の者(特に今)の視点から見ると、よくよく考えるたらややツッコミどころ満載な作品にもなっている。
それらの最たるものとしては、取り揃えられている恐竜や古生物の面子的に
「ジュラシック(ジュラ紀)パークというよりクリティシャス(白亜紀)パークじゃね?」
と言わざるを得ないところだろう。
しかし一方で、映画に出た「群れるガリミムス」は、公開当時は「面白いが科学的根拠はない」とされていたのだが、公開から10年後の2003年、幼体と成体が数匹まとめて死んだ近縁種(厳密には原始的な種)が発表され、この描写が本当だった可能性が示唆された。
また、ディロフォサウルスに毒があるという科学的根拠自体はないが、上記の発表から更に6年後の2009年、中国で発見されたシノルニトサウルスという恐竜の歯に、毒があった可能性が提唱されている。
また、ブラキオサウルスの首が高く上がっていたり、ラプトル等小型獣脚類の体がウロコで覆われていたりするなど、当時までの旧来の学説(つまり制作当時には正しいとされていた学説)に従った描写もある。
このように、多少フィクションを織り交ぜつつもリアルな生物としての描写を取り入れた事で、恐竜が「架空のモンスターではなく、太古に実在した生き物である」というイメージを世間に広めたのは、本作の評価される点であろう。
何故カエルのDNAを繋げたのか?
では、何故作中ではDNAの欠落部分にカエルのDNAを繋げたのか?実はカエルのような両生類は、魚類から進化した、初めて陸に上がった動物の仲間である。その後、両生類から爬虫類を経て、ある者は恐竜から鳥類に進化し、ある者は単弓類から哺乳類に進化したとのだとか。
クローン再生は可能?
残念な話だが、今作で描かれた恐竜のクローン再生は、研究が進んだ現在では、ほぼ不可能だと結論付けられている。
実験の結果、DNAには半減期があり、約680万年で完全に崩壊する、とわかったからである。しかもこれはマイナス5度というDNAの保存に最適な環境下での結果であり、蚊の体内に入ったまま琥珀になって地底に保存されていたのでは、それ以上早く崩壊する事はもはや確実である。
それに加えて実際には、血を吸った状態の蚊が入った琥珀はめったに見つからない。というか2013年になって史上初めて発見されたものの、体内の血は全て鉄分になっていたという。
しかし、永久凍土の中に、こういった蚊など、恐竜のDNAを保持したものが残っていた場合、DNAの崩壊が防がれているのではないか、という意見もある。
登場する恐竜及び古代生物
(太字は1つの映画作品の目玉恐竜/☆は幼体・亜成体も登場している)
ジュラシック・パーク
- ティラノサウルス・レックス(レクシィ)
- ブラキオサウルス
- ガリミムス
- トリケラトプス
- パラサウロロフス☆※遠景のみ登場。
- ディロフォサウルス
- ステゴサウルス※胚保存室で名前だけ登場。
- メトリアカントサウルス※胚保存室で名前のみ登場。
- プロケラトサウルス※胚保存室で名前のみ登場。
- アラモサウルス※骨格標本として登場。
- セギサウルス※劇中には登場しないが、設定上パドックが存在する。
- ヘレラサウルス※劇中には登場しないが、設定上パドックが存在する。
- バリオニクス※劇中には登場しないが、設定上パドックが存在する。
- ヴェロキラプトル☆
ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク
- ステゴサウルス☆
- トリケラトプス☆
- パラサウロロフス
- ガリミムス
- ヴェロキラプトル
- マメンチサウルス
- コンプソグナトゥス・トリアシクス
- パキケファロサウルス
- ハドロサウルス※T-REXの巣にて頭蓋骨が登場。
- プテラノドン
- ティラノサウルス・レックス☆
ジュラシック・パークⅢ
- ヴェロキラプトル
- プテラノドン
- コンプソグナトゥス
- ブラキオサウルス
- トリケラトプス
- パラサウロロフス
- ステゴサウルス
- ティラノサウルス・レックス
- バリオニクス※会話の中で名前のみ登場。
- コリトサウルス
- アンキロサウルス
- ケラトサウルス
- スコミムス※会話の中で名前のみ登場。
- スピノサウルス・エジプティアクス
ジュラシック・ワールド
- ティラノサウルス・レックス(レクシィ)
- ヴェロキラプトル
- トリケラトプス☆
- ステゴサウルス☆
- パラサウロロフス☆
- ガリミムス☆
- アンキロサウルス
- プテラノドン
- パキケファロサウルス※監視カメラ内の映像のみ登場。
- ディロフォサウルス※イノベーションセンターの立体映像として登場。
- スピノサウルス・エジプティアクス※骨格標本として登場。
- バリオニクス※イノベーションセンターの立体映像として登場。
- スコミムス※劇中には登場しないが、設定上パークで飼育されている。
- メトリアカントサウルス※劇中には登場しないが、設定上パークで飼育されている。
- エドモントサウルス※劇中には登場しないが、設定上パークで飼育されている。
- ミクロケラトゥス※劇中には登場しないが、設定上パークで飼育されている。
- アーケオルニトミムス※難しい恐竜の例として、会話の中で名前のみ登場。
- ディモルフォドン
- モササウルス
- アパトサウルス☆
- インドミナス・レックス(Indominus rex)
- ステゴケラトプス※設計図のみ登場。
ジュラシック・ワールド/炎の王国
- ティラノサウルス・レックス(レクシィ)
- ヴェロキラプトル(ブルー)
- トリケラトプス☆
- ガリミムス
- ステゴサウルス
- パラサウロロフス
- アンキロサウルス
- プテラノドン
- パキケファロサウルス
- ディロフォサウルス
- アパトサウルス
- コンプソグナトゥス
- モササウルス
- バリオニクス
- インドミナス・レックス※白骨死体として登場。
- カルノタウルス
- スティギモロク
- シノケラトプス
- アロサウルス
- テラトフォネウス※死骸が登場。
- ペロロプリテス※死骸が登場。
- ドレッドノータス※胚保存ケースにて名前のみ登場。
- インドラプトル(Indoraptor)※
ジュラシック・ワールド/バトル・アット・ビッグ・ロック
- ナストケラトプス☆
- アロサウルス
- コンプソグナトゥス
- ステゴサウルス
- パラサウロロフス
- モササウルス
- プテラノドン
ジュラシックワールド新たなる支配者/プロローグ
- ティラノサウルス・レックス(レクシィ)
- ティラノサウルス
ジュラシック・ワールド/新たなる支配者
- ティラノサウルス・レックス(レクシィ)
- ヴェロキラプトル(ブルー)
- ヴェロキラプトル(ベータ)
- ギガノトサウルス(ギガ)
- モロス・イントレピドゥス
- アロサウルス☆
- カルノタウルス☆
- バリオニクス☆
- ディロフォサウルス
- ナストケラトプス☆
- ドレッドノータス
- イグアノドン
- アンキロサウルス
- トリケラトプス
- シノケラトプス☆
- ステゴサウルス
- パラサウロロフス
- アパトサウルス
- ブラキオサウルス
- スティギモロク
- ミクロケラトゥス
- コンプソグナトゥス・トリアシクス
- ガリミムス
- オヴィラプトル
- モササウルス
- プテラノドン
- ディモルフォドン
- ケツァルコアトルス
- アトロキラプトル(アトロキラプトル四姉妹)
- ピロラプトル
- テリジノサウルス
- リストロサウルス
- ディメトロドン
- 古代ヤツメウナギ
- ハイブリッドイナゴ
原作小説第1作
- ティラノサウルス・レックス(レクシィ)☆
- ヴェロキラプトル☆
- ディロフォサウルス
- アパトサウルス
- ステゴサウルス
- トリケラトプス
- ハドロサウルス
- ミクロケラトゥス
- プロコンプソグナトゥス・トリアシクス
- マイアサウラ
- スティラコサウルス
- エウオプロケファルス
- ヒプシロフォドン
- ドリオサウルス
- オスニエリア
- ケアラダクティルス
- メガネウラ
- カマラサウルス
- カロヴォサウルス
原作小説第2作
- ティラノサウルス・レックス☆
- マイアサウラ
- パキケファロサウルス
- アパトサウルス
- ステゴサウルス
- パラサウロロフス
- トリケラトプス
- ヒプシロフォドン
- ドリオサウルス
- プロコンプソグナトゥス・トリアシクス
- カルノタウルス
- ヴェロキラプトル
- オルニトレステス※死骸が登場。
- ムスサウルス
ユニバーサル・スタジオのアトラクションに登場する恐竜
ジュラシック・パーク:ザ・ライド
- ティラノサウルス・レックス
- ヴェロキラプトル
- ディロフォサウルス
- コンプソグナトゥス・トリアシクス
- パラサウロロフス
- ステゴサウルス
- アロサウルス※アナウンスの解説にて名前のみ登場。
- ブラキオサウルス※コントロールセンターのボタンにて名前のみ登場。
- ハドロサウルス※アクシデントが起きなければパラサウロロフスの次に登場していたはずの恐竜。
- プシッタコサウルス
- ウルトラサウルス※正式名称は「ウルトラサウロス」。
- プロトケラトプス※アナウンスの解説にて名前のみ登場。
- ディプロドクス※コントロールセンターのボタンにて名前のみ登場。
ザ・フライング・ダイナソー
- プテラノドン
- スピノサウルス※CMのみ登場。
- ヴェロキラプトル※CMのみ登場。
- イカロニクテリス※CMのみ登場。
ダイナソー・パニック!
- トリケラトプス
- ヴェロキラプトル
- スピノサウルス
- デイノニクス
ジュラシック・ワールド:ザ・ライド
- モササウルス
- ステゴサウルス
- パラサウロロフス
- ヴェロキラプトル
- ディロフォサウルス
- インドミナス・レックス
- ティラノサウルス・レックス
関連イラスト
関連タグ
ジュラシック・パーク:1993年公開の第1作。
ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク:1997年公開の第2作。
ジュラシック・パークIII:2001年公開の第3作。
ジュラシック・ワールド:2015年公開の第4作。
ジュラシック・ワールド/炎の王国:2018年公開の第5作。
ジュラシック・ワールド/バトル・アット・ビッグ・ロック:2019年公開の番外編(第5作の後日談)。
ジュラシックワールド新たなる支配者/プロローグ:2021年公開の番外編(第6作の前日談)。
ジュラシック・ワールド/新たなる支配者:2022年公開の第6作。
ゴジラシリーズ:スピルバーグは事実上ゴジラ作品の大ファンである。そのため、自ら監督を務めた第1作と第2作では、演出の随所に影響を受けている(事実、本人が後にそう語っている)。第3作・第4作・第6作では「王者」たるティラノサウルスと、そのライバルとなる更に巨大な肉食恐竜の激突という、「怪獣対決もの」要素が大きな山場として取り入れられている。
GODZILLA:上記関連。1998年版には、第1作のパロディと思われるシーンが多数存在する。
星のカービィ(アニメ):第75話「夢の恐竜天国!(前編)」と第76話「夢の恐竜天国!(後編)」が本作とH・G・ウェルズの「モロー博士の島」のパロディとなっている。
ペルソナQ2:探索する映画(=ダンジョン)に本作とペルソナ4のジュネスを掛け合わせた『ジュネシックパーク』というものがあり、花村陽介の顔をした恐竜が登場している。
化石ポケモン:ポケットモンスターに登場するいわタイプの一部のポケモンの俗称。化石に残された遺伝子から太古の姿を復元した存在という設定があり、特にプテラは琥珀に残されていた遺伝子から復元したというジュラシックパークへのオマージュと思われる設定を持つ。さらに、『ジュラシック・ワールド』シリーズ終盤の展開よろしく、第8世代および第9世代では人間の手により自然に解き放たれた個体が登場している。ラムパルド系統、トリデプス系統、アーケオス系統、ガチゴラス系統、アマルルガ系統のように明確に恐竜をモチーフとしているものもいる。
モンスターハンターシリーズ:人間よりも遥かに強大なモンスターを狩猟するという内容の、カプコンのハンティングアクションゲーム。同作に登場するモンスターのデザインや動き、作中の生態系等の設定考証に非常に大きな影響を与えたとされる。