もしかして→カルノサウルス類
概要
全長約7.5~9m。体重は不明 (1.35~2.1t)。
獣脚類の中でも比較的原始的な四本指のケラトサウルスに属し、その中でも白亜紀の南半球で繁栄したアベリサウルス科に分類される。
アベリサウルスやエクリクシナトサウルス、ルゴプス、ラジャサウルスなどが近年にサイズダウンしたので、アベリサウルス類の最大体長を ピクノネモサウルスと争っている状態である (カルノタウルスらの全長を7.8mとするなら向こうの方が全長があることになるし、マジュンガサウルスやタラスコサウルスなどの今後も気になるが)。いずれにしろ、同類でも最大級であった。
短く丸みを帯びた頭骨、ティラノサウルス以上に退化した前肢、目の上から左右に突き出た太い角など、奇妙な特徴を多く持つ。「肉食の雄牛」を意味する学名はこの牛のような角に由来し、ディスプレイに使用していたとされる。
前脚は肘と手首がほとんど一体化しており、一見すると二の腕から直接掌が伸びているように見える。腕自体の退化に反して指は4本残っており肩の可動性は高く、肩帯も発達している。
短めの頭骨や退化した前肢そのものは他のアベリサウルス科の恐竜にも共通する特徴ではあるが、カルノタウルスのそれはとりわけ顕著であった。
現在、肉食恐竜は羽毛が生えてフサフサだったという説があるが、カルノタウルスはほぼ間違いなく羽毛が生えていなかったと断言されている。これは鱗のある皮膚を含めた全身(ただし後肢と尾は不完全)の化石が発見されているからである。近年、近縁種のマジュンガサウルスの研究に基づいて、「一般に言うほど後肢は長くなかった」可能性が取り沙汰されているが、これには意見が分かれるところである。実のところ、南米産のアベリサウルス類は総じて後肢が長めだった可能性が高いし、マダガスカルでは大陸よりも機動力を必要としない可能性もある。
2011年には、当時の南アメリカの捕食者どころか、全ての大型獣脚類でも最速(の一種)と発表された(参照①)(参照②)(一部解説)。その尾大腿筋は過去から現在に至るまで地球上の全動物で最大とされるほか、尻尾と脚力のパワー構造はティラノサウルスにも似ており、小回りが利かない分まるで雄牛の如く凄まじい突進力を発揮したとされる。
- ちなみに、カルノタウルスとティラノサウルスの体内構造の類似性を発見し、ティラノサウルスに強力な尾大腿筋と脚力があるのを発見したのは同じ科学者である。
創作におけるカルノタウルス
ジュラシック・パークシリーズ
原作小説、コミックス、ゲーム作品などで度々登場していた恐竜の1種。
映画シリーズでの正式出演作品は『ジュラシック・ワールド/炎の王国』。
特に原作小説や派生ノベル、コミックスではラスボスないしそれに準ずる脅威として描かれ、大きな存在感を放っていた。特にコミックス『Jurassic Park: Redemption』においてはあろうことかテキサス州で脱走を果たし、映画版『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』のティラノサウルスよろしく大暴れを見せる。
そんな経緯もあって密かに映画シリーズへの出演を待ち望んでいたファンは多かったようで、『炎の王国』公開当初はカルノタウルス目当てに映画館に足を運んだというコメントも見られた。
『ジュラシック・ワールド』
ハイブリッド恐竜、インドミナス・レックスのゲノムに本種のDNAが組み込まれたことが明かされている。インドミナス・レックスの特徴の一つである角やオステオダーム(皮骨盤)の形成に寄与した模様。
『ジュラシック・ワールド/炎の王国』
全長10.4m、体重1.5t。
赤茶けた体色と黄色い瞳、そして頭部の角が特徴。
歴代シリーズに登場した大型恐竜の中でも大型の部類に入り、その全長は3作目に登場したケラトサウルス(9.3m)、同作に登場するバリオニクス(9.3m)のそれを上回る。
イスラ・ソルナ(サイトB)からイスラ・ヌブラル(サイトA)に輸送された後、熾烈な生存競争の中で生き残った種の一つでもある。
劇中では成体2頭が描写されている。前述のデータがどちらの個体を指すのかは不明。
序盤、ヌブラル島にて生息していた野生の個体が登場。クレア・ディアリング、フランクリン・ウェブが搭乗したジャイロスフィアに興味を示した。直後に駆けてきたシノケラトプスを襲撃するが、格闘の末に突き上げを食らってバランスを崩され転倒、食い逃がす。腹いせとばかりにオーウェン・グラディに標的を変更して襲い掛かるも、不意に現れたティラノサウルス(レクシィ)に食らい付かれノックアウトされた。
その後、噴火の衝撃波を受けて立ち去ろうとするレクシィに頚椎を思いっきり踏みつけられてトドメを刺されている。
終盤にはロックウッド財団が雇った傭兵隊にヌブラル島にて捕獲され、本国にあるロックウッド邸に収容された個体が登場。シアン化水素に脅かされるが、メイジー・ロックウッドの手で解放されロックウッド邸からの脱出に成功した。
黒幕のイーライ・ミルズがレクシィに捕食された際は、棚から牡丹餅とばかりに食い千切られた片脚を空中キャッチするも、怒ったレクシィにどつかれてお零れを取り落とし、そのままレクシィに追い立てられる形で森の中へ消えていった(なお、直前のシーンをよく見ると、ミルズの背後から忍び寄る彼女の姿がある。つまり、レクシィがたとえその場にいなかったとしても、どの道ミルズはカルノタウルスに食い殺されていたと思われる)。
俊足で知られる本種だが、劇中でそのスピードを披露するのはレクシィに追い払われてそそくさと逃げ去るシーンのみ。続編のジュラシック・ワールド/新たなる支配者にも登場。マルタ島でアロサウルスと共に暴れていた。幼体も登場する。登場時間自体は短かったものの、やっとかませを脱することに成功した。
原作版『ロスト・ワールド -ジュラシック・パーク2-』
全長8m、体重1t。
イスラ・ソルナに生息していた番が登場。立ち位置としてはラスボス的な存在。
ほぼ完全な夜行性で、カメレオンのようなカモフラージュ能力を持つ恐竜とされる。影さえも再現できるカモフラージュによって夜闇に紛れることで完璧な奇襲を可能とするが、動きは存外に鈍く、自身の存在を察知した獲物を追いかけるのは苦手ととれる描写がある。
作中では、ソルナ島出身の現地ガイドであるディエゴをシダの茂みに引き込み殺害。その後、2頭揃って主人公たちが隠れていた「ワーカー・ヴィレッジ」に出現する。主人公たちを執拗に襲撃するが、照明によってカモフラージュを暴かれた挙句、夜行性の特性を逆利用され懐中電灯によって怯まされた。
『The Lost World: Jurassic Park(PS)』
映画『ロスト・ワールド』をモチーフとしたオリジナルのコンシューマーゲーム。
『ジュラシック・ワールド』『ジュラシック・ワールド/炎の王国』で作曲を務めたマイケル・ジアッチーノがBGMを担当しており、コアなファンの間では特に知られた作品である。
ソルナ島の密林地帯に生息していた個体がコンピー編の中ボスとして登場。比較的スリムな体格、青紫に茶色い縞模様が入った特徴的な体色を持つ。
コンピーをひたすら追い掛け回す障害物のような扱い。体格差が大きすぎるため倒すことが出来ないのみならず、踏まれると即死確定という恐ろしい仕様であり、攻撃を躱しながら安全地帯まで逃げ続けるしかない。
『The Lost World: Jurassic Park(アーケード)』
『ロスト・ワールド』時点のイスラ・ソルナを舞台としたオリジナルのアーケードゲーム。
インジェン・ラボのドームに生息していた個体が中ボスとして登場。原作よろしくカモフラージュ能力を有し、緑色の体色と黄色い角、カメレオンのように左右別々に可動する眼球を持つ。
ちなみに、”he's coming”という台詞があるため雄だと思われる。
NHK恐竜CG
2010年に放送された恐竜絶滅ほ乳類の戦いにて登場。
丘の上からエドモントニアを狙うが強烈なカウンターを食らって追い払われる。
その後子供のサルタサウルスを狙うが両者ともども転倒。その後何とか立ち上がったため捕食に成功したと思われたが…
しかし後に続きが描かれ、その場にサルタサウルスの大人が群れで救援にやってきて、敗走を余儀なくされた。
また、2023年放送の『恐竜超世界2』にも登場しサルタサウルスを襲うなどの描写はあったものの、マイプに獲物を横取りされるわ、プエルタサウルスを狙うも一蹴されるわ、マイプの獲物の強奪を試みるも再び追い払われるわでなにかと散々な目に遭っていたことが恐竜マニアの間で話題となった。
『ダイナソー(映画)』
カルノタウルスの名を大衆に知らしめたディズニー映画。
英語読みの「カナタウルス」という呼称が用いられている。
本作におけるディズニーヴィランズ。
悪意を持っているわけではないが、作中一貫して主人公のイグアノドン:アラダーを含む草食恐竜を食料として付け狙うため、実質的な悪役と位置づけられる存在。
実際のカルノタウルスよりも遥かに強大でマッシブな肉食恐竜としてデザインされており、鋭い牙と重厚な赤い甲殻が特徴。この造形はコンセプトの時点でヴィランに据える予定だったティラノサウルスの名残らしく、当時の関連媒体には「白亜紀最強の肉食恐竜」などそれを匂わせる文言があったりする。
劇中では大きさが異なる2頭のペアが登場する。片方は全長8~9m(パンフレットにて同様の記載あり)と見られるが、もう片方は体高4.6m以上、推定全長12mはあろうかという規格外個体である。
小型の個体はアルティリヌスのブルートンが捨て身で引き起こした岩盤崩落によって死亡。大型の個体は最終決戦にて草食恐竜たちのリーダーだったクローンやヒロインのニーラを相手に無双したが、アラダーの決死の突貫により崖から転落して死亡した。
ちなみに本作では主人公たちが人間の言葉を喋るのだが、カナタウルス(を含む肉食恐竜たち)は唸り声や咆哮を上げるのみで台詞を発さない。
古代王者恐竜キング
第2紀につよさ2000の風属性で必殺わざがチョキの恐竜として登場。バトルタイプは第6紀まではこうげきタイプ、2007第4紀から2007第4紀+ではゆうきタイプ、激闘!ザンジャークではピンチタイプ。ショルダーネームは「肉食の猛牛」。
脚の長いスレンダーな恐竜としてデザインされており、現在推定されている姿に忠実な造形である。
テレビアニメ『Dキッズアドベンチャー』には主役3人のうちの一人、レックスのパートナーとして通常よりも青みがかかったエースが登場している。こちらはつよさ1600で必殺わざがグー、超そっこうタイプ。
激闘!ザンジャークではディノテクター恐竜も登場。バトルタイプはエースはあいこまもりタイプ、固有名詞なしのディノテクター恐竜はチョキチョキタイプ。
- なお、ディノテクター恐竜がある恐竜の中では唯一古代王者恐竜キング 恐竜びっくり大復活!に掲載されていない。
目覚めよ!新たなる力ではスーパー恐竜も登場。
- 「7つのかけら」に登場した覚醒恐竜が元になっている。
「7つのかけら」ではやはりレックスを選んだ場合の初期手持ちになっているが、★3(つよさ1400相当)に落とされている。トリケラトプスがこのランクなのでバランス調整でそうなったのだろうが、いきなりつよさ200(★6)を期待して肩透かしを食らったちびっ子も多いはず。
※このせいで風属性は★6がメガラプトルだけ(アロサウルスのアトロクス種は当時実装されてなかった上、超アクトアロサウルスも★5)。そのメガラプトルも配信限定だったため、リュウタを選ぶとマジで超アクトアロサウルスかユタラプトルが頭打ちになりがちだった。
ちなみに各々の相棒であるガブ/エースは恐竜あんごうの隠しキャラ扱いになっており、入手できるのはクリア後。
雷→草→炎→土→水→水→雷→炎
終盤のストーリーイベントで入手できる「覚醒カルノタウルス」は★6でカルノタウルス本来のスペックを存分に振るってくれるが、ザコ敵がレベル40を越える所に今更レベル28ではかなり力不足で、ラスボスのDr.ソーノイダは炎属性の使い手なのでどのみちかなり不利(道中アクト団メンバーとの再戦で結構経験値を稼げるが、それまでに経験値を稼いで戦力に組み込むのは非現実的)。通信交換で送って育成を代行してもらうという手もあるが、それだったらいっそ高レベル恐竜をもらった方が効率的である。
なおリュウタを選ぶとカルノタウルスが手に入らないが、救済措置として恐竜あんごうで入手可。
土→風→水→雷→炎→風→風→水
※レックスを選んだ場合はこちら(トリケラトプス)
雷→炎→雷→炎→水→雷→草→土
草→水→雷→雷→土→土→水→風(ダスプレトサウルス)
風→炎→炎→炎→雷→土→水→草(アルテリニヌス)
その他の創作におけるカルノタウルス
その印象的な容貌から、各種メディアで登場する機会が多い。
カプコンのハンティングアクションゲーム『モンスターハンタークロス』では、カルノタウルスをモデルとしたモンスターディノバルドが登場する。
その他、『パワーレンジャー・ダイノ・サンダー』や『爆竜戦隊アバレンジャー』などにも、カルノタウルスモチーフのキャラクターまたはアイテムなどが登場する。
『ドラえもん のび太の恐竜2006DS』においてもティラノライダーが使用するレプリカ恐竜として登場。コミカライズ終盤ではゲーム版同様に改心したティラノライダーにより、『のび太の恐竜(1980年版)』のティラノの役を担い、恐竜ハンターの基地を破壊し尽くした。
バイオゾイドの初期画にも、『ダイナソー』版に近いプロポーションの、半ゾンビ化したような機体がデザインされていた。
リトルフットシリーズにも登場するが、そちらではカルノタウルスに見えない見た目で登場していた。
2005年のキングコングにも、小説版に登場する。