概要
ディズニー社制作のアニメ・映画作品に登場する、主人公と対峙したり、邪魔をする悪役・敵役のキャラクターたちの総称。
敵対する目的は各作品において様々だが、大抵の場合は『主人公の所属する国や世界の征服』か『自分自身の私利私欲や歪んだ自尊心を満たす』のどちらかである事が多い。
また、続編などに引き続き登場するヴィランズの場合、本来の目的に『主人公達への復讐(という名の逆恨み)』が加わるか、場合によっては完全に後者の目的にシフトチェンジするパターンが多い。
昨今では一種のブランドとして扱われており、ディズニーリゾート内でもある一定の期間で、ヴィランズをメインにしたプログラムが組まれることも多い。
その他、ゲーム『キングダムハーツ』シリーズやアニメ『ハウス・オブ・マウス』など、各作品がコラボしたタイトルなどで、ヴィランズが一堂に会する事や、徒党を組んで主人公達に立ちはだかる事もある。
もともとディズニー作品は悪役が非常に分かりやすく、特に初期から中期の長編作品では『冷酷な性格と強大な力を持った黒幕』と『悪賢いがやや間が抜けて、詰めが甘く、コメディリリーフ的な役割も兼ねた取り巻き』のコンビかトリオで登場するパターン(例:ジャファー&イアーゴ、ハデス&ペイン、パニックなど)か、前述の2つの特徴を兼ね揃えたマルチな悪役(例:フック船長、プリンス・ジョン、クルエラ・ド・ヴィルなど)が登場するパターンが典型であった。
一方では有能な側近を従えた黒幕も少なくない(例:マレフィセント、アースラ、シャン・ユーなど)。
いずれにしても初期から中期にかけて登場した多くのディズニーヴィランズは、自分が“悪”である事を自覚していたり、中にはそれを誇りとさえ思うなどの『わかりやすい悪役像』としてのキャラクターが立っていた為、基本的にどの作品においても、誰がヴィランであるのか最初からハッキリしていることが多かった。
だが1990年代に入ってからは自分の行いが悪と自覚していない悪役(例:ガストン、クロード・フロローなど)も登場するようになる。
さらに2010年代以降の長編作品では、ほとんどのヴィランズが当初味方として登場するが、後半で本性を明らかにする、というのが半ばパターン化している(例:ロッツォ・ハグベア、ドーン・ベルウェザー副市長、ハンス・ウェスターガードなど)。
また前者に近い形で、序盤に登場した一見すると脇役でしかなさそうな存在が中盤〜終盤で悪役として登場するものもいる(例:チャールズ・F・マンツ、キャンディ大王など)。
2020年代にはこの風潮を抑えるためか公告の時点で堂々とヴィランであることが明言されたキャラクターも登場している。
他にもTVシリーズに登場するヴィランには、最初は特に悪役でもなかったが、主人公との会遇を重ねる内に悪側に組してしまったヴィランや、実写化などによるリメイクに際して、オリジナル版では善良な人物として登場していたキャラクターがヴィランとして登場する(例:ステファン王、大公など)といった時代や作風の変化に合わせたパターンを取り入れるようにもなってきている。
そのため、下記のキャラクター一覧、特にリストの下のほうはネタバレ注意。
また、立場上主人公サイドと敵対してはいるものの、断定的に「悪」とは言えないキャラクター(所謂「敵役」)も少なからずいる(例:『トイ・ストーリー2』のザーグ、ルーベン、テ・カァ、シンパイなど)。
また、(特にコメディリリーフを兼ねた)ヴィランズの中には、続編にて改心したり、主人公側に寝返った者(例:イアーゴ、アナスタシア、ガントゥなど)もいる。
またヴィランズの中には主人公(ないし主人公の相棒的存在)と共通点が多く描かれているキャラクターもおり、一歩間違えれば主人公サイドのキャラもヴィランの様になっていた可能性があるキャラクターもいる(フリン・ライダーとマザー・ゴーテル、ライトニング・マックィーンとチック・ヒックス、カール・フレドリクセンとチャールズ・F・マンツ、野獣とガストンなど)。
主なキャラクター
★…KHシリーズで『ヴィランズ』として徒党を組んだヴィラン
☆…KHシリーズで『ヴィランズ』の編成メンバーとしては登場しないが主人公達と交戦するヴィラン
ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ作品
トロン
パイレーツ・オブ・カリビアン
- ☆ヘクター・バルボッサ(パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち)
- ☆デイヴィ・ジョーンズ、☆カトラー・ベケット卿(パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト、ワールド・エンド)
- 黒ひげ(パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉)
- アルマンド・サラザール(パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊)
ナルニア国物語
その他
- ウィルソン・クロフト、チェスター・ホーニッカー(フラバー)
- ラムズリー(ホーンテッドマンション(映画))
- マーカス・コザック(シャギー・ドッグ)
- 赤の女王、ジャバウォック、ハートの騎士(アリス・イン・ワンダーランド)
- エヴァノラ(オズ_はじまりの戦い)
- ブッチ・ギャヴェンディッシュ(ローン・レンジャー)
- ステファン王(マレフィセント)
- デイヴィッド・ニックス(トゥモローランド)
- ジャイルズ・ウィンズロウ(プーと大人になった僕)
- V・A・ヴァンデヴァー(ダンボ(2019))
ルーカスフィルム作品
ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ作品
ミッキー&フレンズ/シリー・シンフォニー
- ★ピート・・・おなじみオズワルドとミッキーの宿敵
- モーティマー・マウス・・・ミッキーの恋のライバル
- ビッグ・バッド・ウルフ・・・おなじみ三匹の子ぶたたちの宿敵
- 三匹の子オオカミ・・・ビッグ・バッド・ウルフの子供たち
1930年代/1940年代
- 女王/白雪姫の継母(白雪姫)
- ファウルフェロー、ギデオン、ストロンボリ、コーチマン、モンストロ(ピノキオ)
- ☆チェルナボーグ(ファンタジア)
- 団長、スミッティー、ピンクの象(ダンボ)※後者は人物ですらない概念的存在だが、なぜか直接的な悪事はしてないのに公式でヴィランズ扱いされている。
- ロノ、猟師、猟犬(バンビ)
- アコンカグア(ラテン・アメリカの旅)
- 牛のおもちゃ(三人の騎士)
- オオカミ(メイク・マイン・ミュージック)
- ランプジョー、巨人のウィリー(ファン・アンド・ファンシーフリー)
- 山賊(メロディ・タイム)
- 首無し騎士(イカボードとトード氏)
1950年代
- トレメイン夫人、ドリゼラ、アナスタシア、☆ルシファー(シンデレラ)
- ☆ハートの女王、トランプの兵士(ふしぎの国のアリス)
- ★フック船長、ミスター・スミー(ピーターパン)
- サイとアム、セーラおばさん(わんわん物語)
- ★マレフィセント、ディアブロ、グーン(眠れる森の美女)※KHをはじめ、ディズニー・ヴィランズの中でも中心的存在に立つ事が多い。
1960年代
1970年代
1980年代
- エイモス・スレイド、クマ(きつねと猟犬)
- ホーンド・キング(コルドロン)
- ラティガン(オリビアちゃんの大冒険)
- サイクス、ロスコー、デソート(オリバーニューヨーク子猫ものがたり)
- ★アースラ(リトルマーメイド)
1990年代
- パーシバル・C・マクリーチ、ジョアンナ(ビアンカの大冒険 ゴールデン・イーグルを救え!)
- ガストン(美女と野獣)
- ★ジャファー、イアーゴ(アラジン)
- ☆スカー(ライオンキング)
- ジョン・ラトクリフ(ポカホンタス)
- ☆クロード・フロロー(ノートルダムの鐘)
- ★ハデス、ペインとパニック、ハデスの刺客たち(ヘラクレス)
- ☆シャン・ユー(ムーラン)
- ☆サボー、☆クレイトン(ターザン)
- びっくり箱、火の鳥(ファンタジア2000)
2000年代
- カルノタウルス、クローン(ダイナソー)
- イズマ、クロンク(ラマになった王様)
- ローク、ヘルガ・シンクレア(アトランティス失われた帝国)
- ☆ガントゥ(リロ・アンド・スティッチ)
- ジョン・シルバー、スクループ(トレジャー・プラネット)
- アラメダ・スリム(ホーム・オン・ザ・レンジ/にぎやか農場を救え!)
- フォクシー・ロクシー(チキン・リトル)
- 山高帽の男、ドリス(ルイスと未来泥棒)
- マネージャー(ザ・エージェント)、Dr.キャリコ(ボルト)
- Dr.ファシリエ(プリンセスと魔法のキス)
2010年代
- ☆マザー・ゴーテル、スタンビントン兄弟(塔の上のラプンツェル)
- スグモドル(くまのプーさん)
- キャンディ大王/ターボ、サイ・バグ(シュガー・ラッシュ)
- ☆ハンス・ウェスターガード、ウェーゼルトン公爵 (アナと雪の女王)
- ヨウカイ/ロバート・キャラハン教授(ベイマックス)
- ドーン・ベルウェザー副市長、ダグ・ラムセス(ズートピア)
- カカモラ、タマトア(モアナと伝説の海)
- ラルフウイルス/ウイルス「アーサー」(シュガー・ラッシュ:オンライン)
- ルナード王(アナと雪の女王2)※本編開始時点では故人だが、本シリーズでの全ての元凶。
2020年代
- ナマーリ(ラーヤと龍の王国)
- アブエラ・マドリガル(ミラベルと魔法だらけの家)
- マグニフィコ王(ウィッシュ)※作品そのものの評価と相まって、悪役ではないと揶揄されることもあるが、本編や公式での扱いは紛れもなく悪役である。
- ナロ(モアナと伝説の海2)
実写+アニメーション合成作品
メリー・ポピンズ
その他
ピクサー・アニメーション・スタジオ作品
トイ・ストーリー
- シド・フィリップス、スカッド(トイ・ストーリー)
- プロスペクター、ザーグ、アル・マクウィギン(トイ・ストーリー2)
- ロッツォ・ハグベア(トイ・ストーリー3)
- ギャビー・ギャビー(トイ・ストーリー4)
- ザーグ(バズ・ライトイヤー)
モンスターズ・インク
ファインディング・ニモ
Mr.インクレディブル
カーズ
インサイド・ヘッド
その他
- ホッパー(バグズ・ライフ)
- チャールズ・F・マンツ(カールじいさんの空飛ぶ家)
- スキナー(レミーのおいしいレストラン)
- オート(WALL-E)
- モルデュー(メリダとおそろしの森)
- イナズマドカン、ブッバ(アーロと少年)
- エルネスト・デラクルス(リメンバー・ミー)
- カースドラゴン、デュードロップ(2分の1の魔法)
- テリー(ソウルフル・ワールド)
- エルコレ・ヴィスコンティ(あの夏のルカ)
- ミン・リー(私ときどきレッサーパンダ)
- バーニー・ルーメン、ゲイル・キュミュラス(マイ・エレメント)※水・土・風の3つのエレメントと火のエレメントでは敵対関係
ディズニートゥーン・スタジオ作品
他社製作アニメーション作品
ビデオ・シークエンス
リトル・マーメイド
ライオン・キング
その他
- サルーク(アラジン完結編 盗賊王の伝説)
- フォルテ(美女と野獣 ベルの素敵なプレゼント)
- ブラッドリー・アッパー・クラスト3世(史上最強グーフィー・ムービー Xゲームで大パニック!)
- ガイコツザウルス(くまのプーさん クリストファー・ロビンを探せ!)
- バスター(わんわん物語II)
- サルーシュ(ノートルダムの鐘II)
- リトル・ライトニング(101匹わんちゃんII パッチのはじめての冒険)
- ハムスターヴィール(スティッチ!ザ・ムービー)
- チン国王(ムーラン2)
- ママ・ガンダ(ターザン2)
- ディキシー(きつねと猟犬2 トッドとコッパーの大冒険)
テレビアニメ
ミッキー&フレンズ
オリジナルシリーズ
- ベネディクト博士(リセス〜ぼくらの夏休みを守れ!〜)
- ドゥーフェンシュマーツ博士(フィニアスとファーブ)
- ビル・サイファー(怪奇ゾーングラビティフォールズ)
- ヘイター卿、オーサム皇帝、ドミネーター卿(なんだかんだワンダー)
- 皇帝ベロス、コレクター(アウルハウス)
その他
- ゴミ大王、ホコリン、荒くれ者ナスティ・ジャック(新くまのプーさん)
- イービル・マンタ、ロブスター・モブスター(リトル・マーメイド(テレビアニメ))
- 試作品627号(リロ・アンド・スティッチ ザ・シリーズ)
その他のヴィランズ
- マダム・レオタ(ホーンテッドマンション(アトラクション))※ただし、これはあくまでアメリカのキャストが考えた二次創作での扱いであり、PS2で発売されたゲームや映画等の公式作品ではむしろ味方側で登場している。
- ☆ゼアノート(キングダムハーツシリーズ)
※何かありましたら、追記・修正お願いします。
関連タグ
ディズニー ディズニーキャラ 悪役 敵役 ヴィランズ ヴィラン
憎めない悪役 美形悪役 絶対悪 勝てる気がしない 絶望:昔のパターン。
復讐者 下剋上 哀しき悪役 偽善者 裏切り者:今のパターン(特にピクサー)。
転落死 爆死 串刺し 圧死:多くの死亡したヴィランズのうち代表的な死因。
逮捕 退場 追放 自滅:最近の死亡しないヴィランズが遂げている末路(特にディズニー)。
ヴィランズの手下:東京ディズニーシーのイベント「ディズニーハロウィン2015」・「ディズニーハロウィン2016」に登場したヴィランズの手下の総称。
ディセンダント:ディズニーヴィランズの子孫達が主人公のTV映画。
ディセンダントではマレフィセント、ディセンダント2ではウーマ(アースラの娘)、ハリー・フック(フック船長の息子)、ギル(ガストンの息子)、ディセンダント3ではハデス、オードリー(オーロラ姫の娘)が物語のヴィランとして登場する。
ハートレス、ノーバディ、アンヴァース、ドリームイーター:キングダムハーツにおけるヴィランズの手下達(ノーバディは微妙な分類だが)。強い力を持ったヴィランに対しては忠実な手下として振舞うが力の無い物は逆に操ったり死傷させたりする等、非常に狂暴。また、上司であるヴィランズに合わせた姿を取る固体やヴィランズ自身がハートレスへと変貌した個体もいる。
キーブレード:ヴィランズを倒す為にある光の剣。
ツイステッドワンダーランド:ディズニーヴィランズがキャラモチーフのゲーム。