2008年に公開された、ピクサーとディズニー製作の長編CGアニメーション映画。
ロボットとロボットのラブストーリーである。
第81回アカデミー賞:長編アニメ映画賞、第66回ゴールデングローブ賞:アニメ賞を始め、数々の映画賞に輝いた。
ストーリー
近未来、ゴミに溢れた地球を見限った人類は宇宙船「アクシオム」に乗り込み、地球のゴミ処理をWALL・Eという名のロボット達に任せて地球が再生するまでの間宇宙で暮らすようになった。
そして時は過ぎて29世紀。地球には最後の一台であるWALL・Eが健気にゴミを処理して暮らしていた。彼は長い年月を経て感情が芽生えており、ゴキブリの友達HALLと一緒に悠々自適な生活をしていた。そんな彼の願いは他の誰かと手をつなぐこと。
ある日、地球に宇宙船がやってきた。その中から現れたのは白く輝く美しいロボットEVE。
WALL・EとEVE、この二人の出会いから物語ははじまる…。
主な登場キャラクター
WALL・E(ウォーリー)(原語版:ベン・バート、日本語吹き替え版:横堀悦夫)
名前の由来はWaste Allocation Load Lifter Earth-Class(ゴミ配置積載運搬機地球型)の略称。ゴミを圧縮して処理するロボットである。好奇心旺盛でちょっと寂しがりやさんの男の子。
本来は意志をもたないタイプのロボットなのだが、長い年月を経て自我が芽生え、感情豊かになった。
ゴキブリの「ハル(恐らく元ネタは"HAL"「2001年宇宙の旅」に登場するドロイド)」という友達がおり、たまに踏み潰してしまったり、ゴキブリ特有の生命力でピンピンしていたりと一緒に過ごしている。
地球のゴミを処理することを700年間続けている地球最後のロボットで、壊れても他の個体のパーツとの交換によって容易く修理可能な設計。
両目の間には鉄をも切れる高熱レーザーを備える他、太陽エネルギーで充電するソーラーパネル、音声録音・画像録画機能、異常気象感知機能を持ち、そして自身をキューブ状に変形させる事ができる。
また彼以外にも無数のWALL・Eがいたが全て機能を停止してしまっており、作中機能停止した機体がちょくちょく映る。
彼がコンテナのなかに宝物一緒に溜め込んでいる予備パーツは、同型機からまだ使えるパーツを回収したもの。
趣味として、ゴミの山の中から自身の好みに合った宝物を集めており、宝物回収用のバックパックとして小さいゴミ箱を背負っている。
宝物の1つ、ミュージカル映画『ハロー・ドーリー!』のビデオに憧れ、いつか誰かと手をつなぐことを夢みている。
突如、地球にやって来たEVEに一目惚れして以来、彼女と手をつなぐことを望むようになり、EVEが宇宙船アクシウムに回収されてからは、彼女を追う中で様々なトラブルを巻き起こしていく。
物語中盤から終盤までの舞台であるアクシウムには彼の超大型同型機が存在し、日々出ているゴミを圧縮しては宇宙に放り出すという作業を行なっている。
EVE(イヴ)(原語版:エリサ・ナイト、日本語吹き替え版:園崎未恵)
名前の由来はExtraterrestrial Vegetation Evaluator(宇宙からやって来た植物探査機)の略称。宇宙船アクシオムから地球にやってきた最新型のロボット。女の子。感情豊かで少々乱暴(驚くとブラスターをぶっ放す、事態の解決のためにブラスターをぶっ放す、とにかく何かあればブラスターをぶっ放すと脳筋気味)だが、真面目で優しい。
WALL・Eの宝物の1つ、植物を見せられた途端に植物を収納し、休止状態になって動かなくなってしまう。
物質を分析するスキャナーを持ち、右手には光線銃を装備している。上述通りことある度に発射しており、巨大な岩や船を吹き飛ばすなど、威力もなかなかのもの。待機中や機能停止中は卵のような姿に変形する。
実は植物の探索のために地球に訪れた。超真面目な性格でいつも任務の事ばかり考えており、「植物を艦長の元へ届ける」命令を忠実に守ろうとする。
趣味は海辺を散歩すること。
物語中盤において、記憶再生装置で機能停止中の映像を見て、WALL・Eがどれだけ自分に尽くしてくれたかを知る。また、彼がAUTOの攻撃を受けて傷ついた際には、自らの任務を放棄し彼の身を案じる優しさを見せた。この時点でWALL・Eを想う気持ちは強くなっており、地球に帰還した際に、ホロディテクターに挟まれて大破したWALL・Eを自らの手で修理した。
劇場パンフレットでは、性別は「女の子」と記されている。
M・O(モー) (原語版:ベン・バート、日本語吹き替え版:吉野裕行)
巨大宇宙船アクシウムの清掃担当、清掃ロボットだけあって僅かな汚染物質(土や埃等)も許さない程に潔癖で、尋常でない汚染物質を発見すると頭部から赤色灯を出す。
帰還したEVEやその同型機を清掃して「汚染物質ナシ」にして満足げにするなど仕事にやり甲斐を見出している。
が、直後紛れていたWALL・Eをスキャンした際(数百年清掃もせず積もり積もった汚れのせいで)汚染物質の量が尋常でない事に驚愕、必死に清掃するも、清掃の習慣の無いWALL・Eが嫌がり、無限軌道の土を汚れひとつない通路に落とされたり、土を擦り付けられる等で抵抗され逃亡される。
それ以降「絶対にアイツを"汚染物質ナシ"にする」という使命感に燃え、ロボットに定められた通路をガン無視してWALL・Eの落とす土汚れを頼りに清掃しながらの追走を開始する。
B. マックリー艦長(原語版:ジェフ・ガーリン、日本語吹き替え版:草刈正雄)
現アクシウム艦長、勤続30年目。
他の乗客に漏れずホバーチェアに頼った生活をしているため極度の肥満体質。
艦長と言っても宇宙船はほぼオートメーション化されている為やることと言ったら「アクシウムに問題が起きていない」という報告をAUTOから受けることと、朝に一回放送を行うことのみ。
その唯一の仕事と言ってもいい朝の放送も寝過ごすことがあり、その場合は館内時間(といっても点照時間=昼か消灯時間夜かだけだが)を勝手に巻き戻して朝だったことにして何食わぬ顔で放送する等、勤務態度はお世辞にも良好とは言い難い。(乗客も「隣にいる人と話すのすらモニター越し」「いつも通っている筈の通路の脇にプールがあった事に気づかない」というレベルでモニターしか見ていないため今がいつかなど誰も気にしていない)
「生き残りたいんじゃない、生きたいんだ!」は本作屈指の名言。
AUTO(オート) (原語版:マッキントーク(声優なし)、日本語吹き替え版:江原正士)
詳しくはオート参照※ネタバレ注意
巨大宇宙船アクシウムの自動操縦装置。
EVEを地球に送り込み、調査を行っていたが……。
Hal(ハル)
WALL・Eと生活を共にする相棒(ペット)のゴキブリ。
頑丈な甲殻を持っており、WALL・Eにうっかり踏み潰されたりEVEに光線銃で撃たれても生きている。
WALL・Eが宇宙へ旅立った際には地球に残され、大人しく帰りを待っていた。
名前の由来はアメリカの映画製作者のハル・ローチ(英語版)及びHAL 9000から。
John and Mary(ジョンとメアリー) (原語版:ジョン・ラッツェンバーガー(ジョン)、 キャシー・ナジミー(メアリー)/日本語吹き替え版:立木文彦(ジョン)、さとうあい(メアリー))
アクシオムで生活する一般市民。他の一般市民と同じくホバーチェアから一歩も動かずに、全てをロボット任せにしてただ生きているだけで、そのことに疑問すら抱かなかったが、WALL・Eと出会ったことがきっかけで二人は出会い、恋をする。
Shelby Forthright(シェルビー・フォースライト) (原語版:フレッド・ウィラード、日本語吹き替え版:小川真司)
BNL社のCEOであり、当時の世界政府の大統領でもある。700年前の新聞と映像ファイルにのみ登場する。地球の清掃プロジェクトを実行させた張本人だが、楽観視が災いしてプロジェクトは失敗という事態に追い込まれてしまった。
その後、地球環境の正常化は不可能だと判断し、AUTOのみに極秘ファイルを転送。そこで極秘任務であるコードネーム『A113』として絶対に地球に帰還してはいけないという指示を与え、「今後全てのアクシオム内の全権をAUTOに任せる」という艦長や乗員を無視した指令によって、AUTOの反乱の原因まで作ってしまった。その後、彼自身も地球から脱出しようとした模様だが、以降の消息は不明。
作中では、CGによるアニメーションではなく実写として登場している。
その他のロボット達
BIRD・E(バーディー)
ゴルフの対戦用ロボット。
中の一体だけ打球が止まらないというエラーがあった。
BRL・A(ブレラ)
プールサイドの日傘型ロボット。
中の一体だけ傘を閉じられず、さかさまに開くというエラーがあり、後にWALL・Eと行動した。
傘は捕獲レーザーを反射するほど強い弾力性を持っている。
BUF・4(バッファー)
艦内研磨ロボット。EVEの清掃に関わる。
BURN・E(バーニー)(原語版:アンガス・マクレーン)
アクシオムの修理ロボット。艦外でスパイアを修理していたが、作業をしている間に一度艦外へ出たWALL・EとEVEが艦内へ戻るためにエアロックを使った事でエアロックが閉鎖され、自身は閉め出されてしまう。
この前後の物語は、本作のスピンオフ短編『バーニー』で描かれている。
CARSTIC(カースティック)
アクシオムの修理アーム型ロボット。
D・FIB(ディフィブ)(日本語吹き替え版:遠藤舞)
心室細動に陥った人を助ける除細動器型ロボット。「離れて」と音声を発する。
中の一体だけ電力をコントロールできず火災を起こすというエラーがあり、後にWALL・Eと行動する。
FIL・R(フィラー)
ロボット及び機材専用の水分補給タンク型ロボット。
DVD特典のBNL社内ビデオでもTANK・R(タンカー)として紹介されている。
FIX・IT(フィックシット)
アクシオムの修理用ロボット。
GO・4(ゴーファー)
SECUR・T達の主長ロボットで、AUTOの配下。
AUTOの指示により、機能停止中のEVEの体内から密かに植物を盗み、脱出用ポッドに載せて宇宙へ処分しようとした。後にAUTOと艦長の乱闘に加勢しようとしたが、振り回されていた艦長に蹴飛ばされてブリッジの窓から転落、プールサイドに叩き付けられて壊れた。
頭にパトランプと腹部に捕獲レーザー、細いアームを搭載している。
GRAB・E(グラビー)
重い器物を運ぶ、クロー付きの運搬ロボット。
HAN・S(ハンス)
マッサージロボット。
中の一体だけ腕を高速に振り回しながら暴走し、ボクサーのように相手に殴りかかるというエラーがあり、後にWALL・Eと行動する。
終盤で、WALL・E 達の行く手を阻むSECUR・T軍団を全滅させた。
L・T(リット)
小型照明用ロボット。
中の一体だけ暗所で遊ぶのが好きというエラーがあり、後にWALL・Eと行動する。
MVR・A
アクシオムの輸送用ロボット。
GO・4が前に乗れるようになっている。荷台にEVEを載せて輸送した。目が付いているが話さない。
MVR・E
WALL・Eや器物を運搬する輸送用ロボット。
NAN・E(ナニー)(原語版:トレス・マクニール)
幼児保護ロボット。
OP・T(オプティ)
アクシオムの走査ロボット。
POW・R(パワー)
電力供給ロボット。
PR・T(プリティ)(原語版:ローリ・リチャードソン)
美容ロボット。様々な褒め言葉を話す機能もある。基本はピンク色だが、特典映像によれば水色のものも存在するようである。
中の一体だけ周囲にいる者を無差別に化粧してしまうというエラーがあり、後にWALL・Eと行動する。
REM・E(レミー)
ゴミ収集エリアなどのアクシオムの下部エリアに生息しているマウス(動物と機械)型ロボット。
存在理由は不明だが、機能停止中のEVEを再起動させるなど、少しだけ活躍した。
由来はピクサーの前作映画『レミーのおいしいレストラン』に登場した主人公の名前から。
SAUT・A(ソテイ)
料理ロボット。
SECUR・T(セキュリティー)(原語版:テディ・ニュートン、日本語吹き替え版:山野井仁)
アクシオムの警備及び乗務員ロボットでAUTOの配下。黄色のランプとディスプレイを搭載する。音声は男声。艦内で発生したトラブルに即座に対処する。
武器は捕獲・フリーズレーザー。艦内の反乱対策として、指名手配ロボットの写真を撮影し、それを艦内中に公開して報告する機能を搭載している。
HAN・Sの暴走により全て破壊されるが、EVEがVN・GOを救出する際、中の一体だけ倉庫の中に閉じ込められた。
DVD特典のBNL社内ビデオでもスチュワード(STEWARD)として紹介されている。
SPR・A(スプレイ)
汚れたEVEを水飛沫で綺麗にした高圧洗浄用ロボット。
SR・V(サーヴ)
テニスの対戦ロボット。
中の一体だけサーブが止まらないというエラーがあった。
DVD特典のBNL社内ビデオでもTEN・S(テニス)として紹介されている。
THIRST・E(サースティー)
乗客達に飲み物を与えるサービスロボット。
TYP・E(タイピー)
秘書ロボット、及びエレベータ看守ロボット。
WALL・Eとの出会いで、手を振るという挨拶の仕方を覚えた。
VAQ・M(バキューム)
アクシオムの掃除用ロボット。
中の一体だけ吸引する度にくしゃみをするというアレルギー的なエラーがあり、後にWALL・Eと行動する。
VEND・R(ヴェンダー)
乗客専用の飲食運搬ロボット。
VN・GO(ヴァンゴー)
塗装ロボット。
中の一体だけあちらこちらをペンキで汚すというエラーがあり、後にWALL・Eと行動する。
名前の由来は画家のフィンセント・ファン・ゴッホ。
WALL・A(ウォーラー)
Waste Allocation Load Lifter - Axiom Class(ゴミ配置積載運搬機アクシオム配備型)の略。
アクシオム下層のゴミ処理所で2体稼働しているロボット。アクシオムから出たゴミを圧縮して、廃棄用エアロックで艦外へ廃棄する。
構造はWALL・Eと似ているが、WALL・Eに比べて体が非常に大きく、録音装置や高熱レーザーなどの機能は省略されている。また、目は4つのライトになっている。多少は感情があるようで、飛び去っていく一行に対して手を振っていた。
DVD・Blu-rayの映像特典として収録された未公開シーンでは、WALL・Eの頭を撫でるシーンが確認できる。
余談
実はスピンオフ作品のBbrn-Eという作品が存在する
内容としては物語中盤にてWall-EとEveにアクシオムの外に締め出された保守ロボットの内容になっている。
ウォーリーとイヴは「地球」「命令」「だめ、だめ」などはっきり喋った言葉のみ吹き替えられており、ウォーリーの「here」や「Look」などの短いセリフや、名前を呼ぶ声、驚き声などは原語のままとなっている。モーについては最後の「行って、行って、行って」の一言のみ吹き替えられた。また乗客のガヤは一部原語版を流用している。
トリビア
ウォーリー
- ウォーリーは太陽電池で動いているが、充電完了時もしくは再起動した時の起動音はMacintoshの起動音である。
- ウォーリーがiPodを使って動画を再生しているシーンがある。なお、ビデオテープを鑑賞しているシーンはiPodの液晶画面を拡大スクリーンに投影してテレビの代わりにしている模様。
- ウォーリーお気に入りのビデオは、ベータマックス規格で、テープはEDベータ、もしくはベータカムである。
- ウォーリーが停止中のイヴとテレビゲームで遊んでいるシーンがあるが、ここで遊んでいるゲームはポン (PONG) という世界で2番目に作られ、世界で初めてヒットを記録したアーケード(業務用)ゲームとしてよく知られているものである。また、PONGは、ピクサー会長のスティーブ・ジョブズゆかりのゲームでもある。
- 公開当時、ウォーリーの顔が、映画『ショート・サーキット』のナンバー・ファイブに似ていると話題になった。
イヴ
- 劇場パンフレットではイヴの身体は「iPodがロボットになったような美しさ」との記述があるが、イヴのデザインはピクサーのクリエイター達によるもの。iPodのデザインチームのトップデザイナーであるジョナサン・アイブは、イヴのプロトタイプを見て2,3のアドバイスをしている。
- イヴが地球の空に高速で飛ぶときに、ベイパーコーンとも呼ばれる円錐型の雲が発生する。
- イヴが最初にウォーリーに「(あなたに与えられた)指令は?」(日本語吹き替え版では「メイレイ?」)と話しかける時の言語は、ドイツ語→日本語→スワヒリ語→英語の順になっている。ただし、日本語吹き替え版では日本語と英語の順序が逆になっている。
音源
- オートの英語版の声は、Macintoshの音声合成ソフトであるMacinTalkで作成されている。
- ウォーリーとモーの英語版の声を担当したベン・バートは、『スター・ウォーズシリーズ』の音響エンジニアを勤めており、R2-D2やチューバッカの声も作成している。
- このため、DVD特典映像のスタッフ解説中に、イヴにチューバッカ語を喋らせるよう嘆願し、1語だけ叶えられたとの解説がある。
- 風の音は、ナイアガラの滝の音から作られた。
- ゴキブリのHALの鳴き声は、アライグマの鳴き声の早回しを加工している。
その他
- アクシオムとイヴはそれぞれノアの方舟とその話に出てくる鳩のメタファーとされる。
- 『2001年宇宙の旅』からのオマージュが多く、例えば艦長が2本足で立ち上がる際のBGMとしてリヒャルト・シュトラウスの『ツァラトゥストラはかく語りき』が鳴り響く。
- 作中ではシェルビー・フォースライトや初代艦長など、700年前の映像等に登場する人物がCGではなく実写となっている。これはDVDの本編解説によると、ウォーリーが観ている『ハロー・ドーリー!』のビデオが実写であることから、ウォーリーが観る過去の映像も合わせて実写としたためとされる。
- ピクサー映画に毎回登場する「A113」は、本作ではオートの極秘任務のコードネームとして登場する。他作品では特に意味を成さない事が多いのに対し、本作では大きく表示されたり台詞として読み上げられるなど、「A113」が作中で重要な意味を持つ珍しい作品でもある。
- ウォーリーの集めた宝物の中に、過去のピクサー作品のキャラクターである、レックスとマイク・ワゾウスキの人形がある。また、廃墟のゴミの山の中に、同じく過去作品のどこかに必ず写っているピザ・プラネットのトラックがある。
- ウォーリーがイヴを回収した宇宙船にしがみついて地球を脱出するシーンでは、スペースデブリとなった人工衛星の中にスプートニク1号が混じっており、ウォーリーの頭部に最後まで張り付いていた。月面にはアポロ15、16、17号のいずれかの物と思われる月着陸船下降段と星条旗、月面車が残存している様子が描かれている。地上にはBNL社のロゴが入ったアポロ宇宙船の司令船が残っている。
- 作中序盤のホログラム映像や、BNL会長の「オートパイロットの諸君」という台詞からアクシオム艦は複数あると推測されるが作中には1隻しか登場せず、他のアクシオム艦がどうなったかは描かれていない。
- アクシオムの歴代艦長はいずれも在任期間が150年近くに達している。アクシオムに搭乗している人類は、肥満化し運動能力こそ落ちているものの、非常に高度な医療技術で長寿を獲得している模様である。また、歴代艦長のホログラム写真は世代を重ねるに連れてオートが大きく撮影されており、オートの影響力拡大を暗喩している。
- ゴミの中には2006年の映画「カーズ」で登場した企業「リークレス」のロゴが付いたボトルや、前作「レミーのおいしいレストラン」でスキナーがレミーとの追いかけっこの際に使用したスクーターが紛れている。
- エンドロール後のピクサーのロゴタイトルでは、おなじみのルクソーJr.の電球が切れてしまったのをウォーリーが現れて交換してやり、さらにロゴの「R」の字を倒してしまい代わりに自分がRの格好をするというコントが加えられている。そして、ピクサーのロゴが消えた直後にBNLのロゴが現れるというおまけもある。
- 上記の交換された電球は、切れた電球が白熱球だが、ウォーリーが持ってきたものは蛍光管タイプである。ルクソーJr.が正面を向くと中の蛍光管のラインが見える。
- エンドロールにて「ジャスティン・ライト」の追悼シーンが存在する。ライトは1981年3月8日カリフォルニア州サクラメントの出身で、2008年3月18日にピクサーの本社所在地であるカリフォルニア州エメリービルで27歳という若さで亡くなった。これによりカーズのジョー・ランフト追悼シーンから3作品連続でスタッフ追悼シーンが存在する。
- 本作より、最初のオープニングが眠れる森の美女の城verからシンデレラ城verに変更となった。