pixivのタグとしては『・』を省略した『バグズライフ』の方が多い。
概要
原題は『A Bug's Life』。1998年に全米で公開された。日本での公開は1999年。
イソップ童話の『アリとキリギリス』をベースにしている。(毎年食料を奪っていくバッタ一味に怯えるアリ族と一人のアリが用心棒を探して旅に出る、など)
ピクサー恒例の劇中のキャラクターたちが映画に出演している、という設定で作られたNG集がある(オリジナルと劇場未公開の2種類)。
後にコナミからPS専用の3Dアクションゲームが発売された。
なお、ドリームワークス社の『アンツ』と比較されがちだが、どっちがどっちをパクったというわけではなく、ディズニーとジェフリー・カッツェンバーグが喧嘩別れした際に、もともと両者が一緒に練っていたアイディアを各々が別々に作ったというものであり、これは初期の他のドリームワークス作品と同時期のディズニー作品の一部にも言えることである。
- 後述の「イッツ・タフ・トゥ・ビー・ア・バグ!」も、まるで『エル・ドラド/黄金の都』の挿入歌として有名な「イッツ・タフ・トゥ・ビー・ア・ゴッド!」を意識したかの様なネーミングになっている。
あらすじ
アリたちの国を脅かすバッタのホッパーたちから仲間を守るため、一人用心棒探しの旅に出たフリック。彼が連れて帰ったのは、男っぽい性格とキュートな外見にギャップのあるテントウムシのフランシスや食いしん坊イモムシのハイムリックたち。
勇者だと思って歓迎した彼らが実はサーカス団だと知ったアリたちの結論はフリック追放。
たった一人の理解者、小さなドット姫に励まされ、フリックが考えた一発逆転のホッパー撃退大作戦とは・・・?
キャラクター
アント・アイランド
毎年、夏になるとやってきては集めた食料を奪っていくバッタ一味に怯えている。今年も貢ぎ物を与えて終わるはずだったが、フリックが食料を全て池に落としてしまうことで激怒したホッパーは「秋の終わりにもう一度来る」と忠告して去っていく。
年老いた女王とまだ若いアッタ姫が国を支えている。地下にある広大なコロニーにはヒカリダケが点在していて、夜は手旗信号のように遠くの仲間への合図や照明として使われる。
本作の主人公。発明好きなアリの青年で、食料調達の効率化を上げる為に稲刈機を、茎の切れ端と花の蜜で作った望遠鏡を作るなど他にない発想力があるが、少しドジなのが災いしてか皆には変わり者として扱われている。
不注意で集めた食料を全て落としてしまったことでホッパーを怒らせ、裁判にかけられる。
だがバッタ一味を倒してくれる用心棒を雇えばいいと思いつき、厄介払いをしたかったアッタ姫たちに半ば追い出されるように旅に出る(本人は気付いていない)。密かにアッタ姫に好意を寄せている。
アッタ姫(CV:土井美加)
アント・アイランドの王女。ドット姫の姉。次期女王として修業中だが、王女としての自分の力に自信がなくまだ未熟。国民に王女として頼りないと思われてるのではないかと心配している。
奇妙な発明をしては失敗して周りを巻き込むフリックに手を焼いており、用心棒を雇うと言い出した時は用心棒を探しに行くのを(追放ついでに)これ幸いと了承した。フリックの連れてきた用心棒がサーカス団と知った際は、彼に追放を命令する。ハリボテ鳥のある方向を間違えたりと、やや落ち着きのないところがある。
ちなみにこの時フリックに「ドジなんだから…」と呟かれているが、不注意で食料を文字通り水に帰した彼に言われたくはないと思う。
NG集では、同じシーンで15回もNGを出して共演していたホッパーを呆れさせたり、裁判のシーンでは判決を言い渡す場面で足を滑らせたこともあった。
ドット姫(CV:須藤由美)
鼻のそばかすが特徴的なアッタ姫の妹。翅はあるがまだ小さくて飛べない。
フリックの唯一の理解者。女王様の危機を知った際は単身フリックの元に行って知らせたり、威嚇するサンパーに説教したりと肝の据わった部分がある。子供アリ隊ブルーベリーズのリーダー。
役に立たないことを嘆いた時にフリックから小石を渡されて種に例えて励まされるが、後にこれが重要な伏線となる。
女王様(CV:磯辺万沙子)
アント・アイランドを束ねる老女王。経験豊富で統率力もある。長女のアッタを次期女王にしようと考えている。ペットにアリマキ(アブラムシ)のエイフィーがいる。
ローラ先生(CV:佐藤しのぶ)
健康福祉局のおばさん。花のつぼみを抱えている。度重なる重労働と飢えによって倒れたアリがいた時は、Mr.ソイルと共に介抱していた。アッタ姫と共にフリックの裁判に出ている。
NG集では「アッタ様」を「アバ様」と言い間違えていた。
Mr.ソイル(CV:仲野裕)
統治議会議員。落ちてきた葉で列が途切れてしまい、パニックになったアリを冷静に誘導した。
アッタ姫と共にフリックの裁判に出ている。
ソーニー(CV:星野亘)
コーネリアスとよく一緒にいる背が低いアリ。
列の管理や、ハリボテ鳥完成パーティーの際の外部の監視を行っている。
コーネリアス(CV:石波義人)
ソーニーとよく一緒にいる杖をついたアリ。
古いしきたりにこだわり、稲刈機で食料をまとめて採るフリックのやり方を非難していた。
サーカス団の虫たち
ショーは白ける、客のハエにはバカにされる、返金要求をされるなど冴えないサーカス団。
そのうえ団長のP.T.フリーがショーで大火傷をしたのを機に、団員全員が解雇される。
途方に暮れてトレーラーハウス下のバーで別れを惜しむ会をしていたところに、フリックがやってきて彼に用心棒を頼まれる。
フランシス(CV:田中正彦)
容姿のせいでメスと間違えられるオスのテントウムシ。テントウムシの英名(Ladybug、ladybird)によると思われる。故に口が悪く、女扱いすると怒る。
ジャグリングが得意だが、サーカスではハチに追われる花の役をして客に笑われる。
鳥に襲われかけたドット姫を助けた時に落ちてきた石で右足を骨折してしばらく動けなくなるが、療養中に子供たちと仲良くなる。
NGシーンでは鼻くそが付いていたことに気付かなかった。そのせいでスリムたちから大爆笑される。
ハイムリック(CV:島香裕)
丸々と太った大きな緑色のイモムシ。サーカスでは花の蜜を狙うハチの役をした。
更に客の食べ物を食べるので受けも悪い。蛹を経て蝶になることが夢で終盤でついに叶うが、明らかに翅は小さく自力で飛ぶことすらできていない。だが本人は大満足らしい。
スリム(CV:伊藤和晃)
オスのナナフシ。舞台俳優を目指しているが、サーカスでは小道具のような役ばかりなので本人は不満に思っている。フランシスと共に花の役をした。
ディム(CV:郷里大輔)
オスのカブトムシ。大きい体で迫力があるのでサーカスでは猛獣役だが、見た目に反して泣き虫でショーが白けてしまう。よく後頭部の隙間や翅の内側に、小さな虫を乗せて飛ぶ。
ロージーとは親子のような関係。サンパーがドット姫に威嚇した時は、彼女の背後から咆吼を上げて追い払った。ちなみにその咆哮はどっかで聞いたことがある声だが、正体は…?
ロージー(CV:林佳代子)
未亡人のクロゴケグモ、彼女のセリフによると少なくとも12回以上夫と死別していたらしい(クロゴケグモの別名は「ブラックウィドウ(黒い未亡人)」交尾後雄を捕食する共食いの生態を持つため。つまり……)
ディムとコンビを組む猛獣使い。
面倒見が良い姐御肌で、ディムの母親代わり。鳥に襲われたドット姫とフランシスが地面の裂け目に落ちた時は、蜘蛛の糸で作った網を使ってフリックたちが救出した。
マニー(CV:小山武宏)
マジシャンの老いたカマキリ。
腰が低く礼儀正しい性格だが、仲間の不利益には断固として立ち向かう。妻のジプシーとコンビを組んでマジックを披露するが、客のハエに草の実を投げつけられバカにされたことで、機嫌を悪くして舞台袖に引っ込んでしまう。妻を置いて。
ショーの際は頭にターバンを巻く(乗せる?)。舞台に出る前は瞑想をしている。
終盤ではホッパーたちに人質に取られた女王を手品を使って救出する役割を担った。
ジプシー(CV:相沢恵子)
目玉模様の翅が特徴的なメスのガ。裏の翅も鮮やかで派手な模様をしている。
マニーのアシスタントとして夫婦でショーを行う。優しく勇敢な性格でハイムリックが鳥に食べられそうになった時は、寸前で目玉模様の翅を見せつけて誘導し追い払った。
タック&ロール(CV:水野龍司(一部))
双子のダンゴムシ。眉が離れている方がタック、眉の繋がっている方がロール。
よく二人で話しているが、バーで飲んでいる時の「お前クビ!」以外は何を喋っているかはほとんど分からない。ホッパーがフリックを攫った際、背中に飛び乗って触角を抜いている。その後は双子の小道具として使っている。NG集では、上と下の両方からすさまじいガスを出していた。
P.T.フリー(CV:岡田吉弘)
シルクハットを被ったノミの団長。サーカスの売り上げが伸びないことに苛ついているようで、団員にも辛く当たる。帰ってしまう客を引き留める為に急遽始めたショーで大火傷を負ってしまい、団員全員を解雇する。が、ショーは大ウケしたようで団員たちを探しに再び現れる。そこでフランシスたちを用心棒と思っているアリ族に正体を明かしてしまう。
バッタ一味
バッタ一味のリーダー。持論の「アリは食べ物を集め、その食べ物をバッタが食べる」という自然の摂理を盾にアリ族に大量の食料を採らせては奪い去っていくという非道な略奪者。
モルト(CV:岡田吉弘)
ホッパーの弟。兄とは違い能天気な性格。ホッパーの知られたくない過去をバラしたり、アリのコロニーから出て行く時に天井に頭をぶつけたりとおっちょこちょい。
殺伐としたバッタ一味の中で、楽天的な彼はムードメーカーのような存在となっている。
最後は改心し、サーカス団に雇われ荷物係として働いている。
サンパー
他のバッタとはやや色が違う。常に飢えているのか痩せこけていて、猛獣のように獰猛で知能も低い為、繋がれている。NG集ではより怖く見せる演技を模索して自らNGを出すなど、かなり知的。
各国パークにおける関連アトラクション
テーマエリア
「バグズランド」(A Bug's Land)
ディズニーランド・リゾートのディズニー・カリフォルニア・アドベンチャーに位置する、バグズ・ライフをモチーフにしたテーマエリア。
バグズ・ライフのアトラクションやレストランなどがあったが2020年にオープン予定のマーベルシリーズをテーマにしたエリア建設のため2018年9月をもって閉鎖された。
アトラクション
「イッツ・タフ・トゥ・ビー・ア・バグ!」(It's Tough to Be a Bug!)
上記のバグズランドとウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートのディズニー・アニマル・キングダムにあるシアタータイプの3Dアトラクション。
虫の臭いや虫が動いているのを感じることが出来る。
パレード
ディズニー・オブ・パレード/100イヤーズ・オブ・マジック
フリック、アッタ姫、サーカス団員が登場。
東京ディズニーランド・エレクトリカルパレード・ドリームライツ
東京ディズニーランドで催される夜のパレード。
サーカスフロート、葉っぱのフロートが登場し、フランシスとフリックとアッタ姫の台詞(日本語)も存在したが2007年3月16日をもってリニューアルのため降板。
ショー
ワンス・アポン・ア・マウス
ワンマンズ・ドリームII -ザ・マジック・リブズ・オン-
トゥモローランド内の「ショーベース」にて開催されている。フリックと一部のサーカス団員が登場。2019年12月13日を以って公演終了。
豆知識
- フジテレビ系で2006年1月14日土曜日に『プレミアムステージ』(現・土曜プレミアム)枠で放送されたことがある。
- フリック役の宮本とホッパー役の壌はそれぞれ『ライオン・キング』の日本語吹き替えでシンバとスカーを担当しており、今作でもシンバVSスカーの対決が見られた(中の人的な意味で)。また、他のピクサー作品が吹き替え版キャストに俳優などが本業の芸能人を多く起用しているのに対して、本作は声優メインのキャストを起用していた。
- ストーリー展開に関しては『七人の侍』、『荒野の七人』、『サボテン・ブラザーズ』を参考にしたと言われている。
- 本作と2006年の同社作品『カーズ』は、全編を通じて人間は一切登場していない。
- 同時上映はゲイリーじいさんのチェス。『トイ・ストーリー2』で登場した玩具修理のお爺さんが、主役として登場している。
- NGシーンでフリックがバズのモノマネ「無限のかなたへ、さあ行くぞ!」を披露している。
- このほか先述のアッタ姫をアバ姫と言い間違えたNGシーンではカチンコを鳴らす役目でウッディが登場した。
余談
- 虫とその周辺の世界というピクサー史上最小サイズの物語であるが故に、大体のピクサー映画のエンディングのNG集風小芝居で『バグズ・ライフ2』について言及しては草むらに踏み入った登場人物に乗っている草を蹴飛ばされたりかき分けられたりで吹っ飛ばされるのがお約束になっている。
- 作中一度でも草むらに関わるシーンがあった場合、描写こそされないがほぼ間違いなくその場面で彼らが吹っ飛んでいることにされる。
- トイストーリー等それなりに小さい世界観の作品であっても大抵虫よりは大きいので問題なく登場する
- ただし、荒廃世界であったり、電脳世界であったりなど、虫が登場しづらい作品や、明確に異世界であったりする場合はNG集風小芝居があっても登場しない。