概要
ターバンとは、伝統的な中東諸国およびインドで用いられる頭に巻く帯状の布のことを指す。
イスラム世界におけるターバン
「ターバン(Turban)」とはペルシャ語のドゥルバンド、トルコ語のトゥルベントに由来する借用語で、イスラム教の国々によく見られる頭に巻く布を指す。
しかし、イスラム諸国の巻き布は多種多様である。ターバンという語をつくった西洋人、および他国の人々がイメージするターバンは「イマーマ」と呼ばれる形式の物である。
中世までは伝統的な衣装として広く用いられてきたが、近代以降はオスマン帝国域内を中心にフェズ帽が一般層に受容されて以降、近年では身に着ける人が少ない。
現代でもイスラム教の宗教者(ウラマーなど)の一部が用いる。
イスラム教開祖・預言者ムハンマドは黒いターバンをしていたとされ、
イランでは彼の子孫とされる血筋のウラマーが黒ターバンをつけている。
インドにおけるターバン
インドにも頭に布を巻く習慣があり、これも「ターバン」と呼称される。グーグルなどで「maharaja」で画像検索すればマハラジャ(藩王)における着用例を確認できる。
イスラム世界のターバンと似ているのはインドにもムスリムが住み、
また近辺のイスラム教国と交流があったためだろう。
インド神話においてはクリシュナがターバンをつけた姿で描写される。
孔雀を従えている事から、その羽をアクセントに差し込んでいる場合もある。
しかし現代ではインドにおけるターバンの着用は一般的ではない。
ターバンを着用しているのは戒律で着用が定められているシク教徒が殆どである。
シーク教徒はイスラム教徒より人口が少ないが(約3000万人)、
国際的に活躍する人が多い為、「インド人=ターバン」の図式が出来た。
余談
花のチューリップの名称の語源は「ターバン」である。花の形状がターバンに似ているからつけられたものらしい。ちなみにチューリップの原産地である中近東ではチューリップは「ラーレ」という。