「このチャンスを逃すわけにはいかないんだ!」
「私を封印しろ……。チャンスを逃すな。世の中を平和にしたいんだろ?正義の為に戦いたいんだろう!?」
データ
身長 | 223cm |
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体重 | 124kg |
カテゴリー | カテゴリーK |
スート | クラブ |
特色/力 | 人間への化身、鋭敏な感覚、左手から放つ糸、右腕の鉤爪 |
CV | 相澤一成 |
初登場話 | 第26話「俺を動かす力」 |
(出典:『仮面ライダー剣 超全集』p.50、東映公式『仮面ライダー図鑑』より。)
概要
『仮面ライダー剣』第26話「俺を動かす力」から登場した怪人。
スート・クラブのカテゴリーKに属する上級アンデッドであり、劇中におけるタランチュラの始祖である不死生物。普段は嶋昇という名前の男性に化身している。ナチュラルという名の黄色いカナリアを飼っており、自身の分身たる大量の小蜘蛛を旅行鞄の中に入れて連れている。
カテゴリーKだけあって人間態のまま仮面ライダーカリスの攻撃を難なく避けきったり、ペッカーアンデッドを余裕で撃退する程戦闘力は高い。
しかしその実力や外見に似合わず争いを好まず、他のアンデッドとは違って「己の種の保存」に対する欲求が殆ど無い。ライダー達の成長を促す発言したり、苦しめられている若者を放っておかない等人間的(?)にも出来ている。
劇中ではスパイダーアンデッドに操られている上城睦月/仮面ライダーレンゲルを救う為に行動し、最終的には意図的に彼に封印された。
能力
粘着性のある蜘蛛の巣状のネットや右腕の鉤爪を武器としている。全身の棘からは猛毒を発する。
嶋昇の姿でも風から遠くの出来事を察知したり、人の記憶操作や心の声を風に乗せて伝える事が出来る。
活躍
解放後は戦いを避け、ラウズカード発掘の地たるチベットに潜んでいたが、烏丸の言からアンデッドやライダー間の戦いが行われていると知り、戦いを止める為に来日した。剣崎たちのいる白井牧場を訪れ、烏丸とのツーショット写真を見せることで彼の友人であることを示し、「たくましくあれ。そして怯む事なかれ。絶望の後には必ず希望が来る」という烏丸の伝言を剣崎たちに復唱させた。その後はエレファントアンデッドに手を焼く剣崎に対し、使命や義務に駆られて戦うのではなく、人を愛しているから戦うのだと気付くよう助言を与えた。
ハカランダにて栗原親子と談笑した後、始とも顔を合わせるが、そのまま彼に勝負を挑まれ、タランチュラアンデッドへと変身し、糸を放ってカリスの動きを封じる。アンデッドの姿を剣崎と虎太郎に見られるも、「君たちと同じように私もこの戦いの終わりを望んでいる」と彼らへの協力意志と平和希求への想いを告げた。
エレファントアンデッドとの戦いの中で気付きを得たブレイドに対し、烏丸から預かっていたラウズアブゾーバーを投げ渡し、彼をジャックフォームに強化させてエレファントの封印に貢献した。
その後はスパイダーアンデッドに再び支配され始めていた睦月を気にかけていたが、風を介してスパイダーからの挑戦を受け、彼と対面。睦月の中のスパイダーに彼を解放するよう訴えたるも聞き入れる筈もなく、スパイダーアンデッドは再び睦月の体を乗っ取ってレンゲルに変身。駆け付けたギャレンにレンゲルを一時任せてその場を後にするが、再び乗っ取られた睦月に攻撃された橘は負傷・入院してしまう。
現状を憂いた末に、睦月の意識がある状態で自身が負けて封印されることでレンゲルの影響下に入り、カテゴリーAの力を抑え込むという、成功すればカテゴリーAの抑制に成功するが、失敗すれば睦月が完全にカテゴリーAに乗っ取られるという、危険な賭けに出る。
剣崎たち全員の反対を押し切り、彼らにナチュラルを預け、レンゲルの元を訪れ交戦する。
しかし、睦月の心はカテゴリーAに飲み込まれたままであったため、作戦は失敗。駆け付けたブレイドの攻撃でレンゲルが変身解除したため事なきを得る。
白井牧場に戻った後、「レンゲルがカテゴリーAに操られて人格を破壊されていく様を黙って見ていられない」と自身の胸中を剣崎たちに訴える。剣崎と広瀬からは「嶋と睦月を危険にさらす賭けは二度としないでほしい」と告げられるも、睦月を心配する気持ちは変わらず、なおも彼を救うべく奮闘する。
睦月の心を取り戻すヒントを得るべく、橘や望美といった睦月と親しい人間に彼の事を聞き込む中、睦月を想う望美の心が彼を取り戻してくれるのではないかと光明を見出す。
一方で、自身の様子を見に来た始に対し、彼を本名で呼び止め、彼が人間に惹かれ近付きつつある事を指摘し、始や睦月の抱くような「人を大切に思う気持ち」に触れるとそれにほだされ、救いの手を差し伸べたくなるのだという己の胸中を吐露。始にナチュラルを預け、再度スパイダーアンデッドとの対決に赴く。
カテゴリーAに乗っ取られたレンゲルに対し、予め読み取っておいた望美の愛情と心配の念を乗せた風を送ることで睦月の意志を目覚めさせんとするも通じず、追い詰められる。駆け付けたブレイドを背後から攻撃してレンゲルから振りほどかせ、なおも彼に挑む。ついにレンゲルはブリザードクラッシュを発動させるが、ついに望美の声が届いて睦月が一瞬意識を取り戻したのを見逃さず、自らブリザードクラッシュを受け、自身を封印させた。
それでも睦月を完全に解放する事は出来なかったが、封印された自身が抗い続けた事でカテゴリーAの干渉力は弱まり、以前のように睦月の意識を乗っ取ってカテゴリーAが表に出てくる事はなくなった他、最終的に睦月の解放を望むタイガーアンデッドの協力も得て、自ら封印された彼女と共に睦月の精神世界で彼を導き、睦月をカテゴリーAから解き放つことに成功した。
また第41話「強くなりたい」における城光の一万年前のバトルファイトの回想でも登場。巻き込まれやむを得ず応戦したのか、現在とは違い戦いに前向きであったのか、しっかりバッファローアンデッドと戦っていた。
ジョーカーが勝ち残り世界の破滅が起こる中、剣崎の提案によりリモート・テイピアを使ってアンデッドを解放しようした際、睦月が真っ先に取り出したのはタランチュラのカードだったが、バトルファイトが終了した事でリモートが発動不能になっていた為に解放は失敗に終わった。
タランチュラを真っ先に解放せんとしたのは、タランチュラにとって睦月がそうだったように、睦月にとっても彼が「大切に思う存在」だったからなのだろうか。
劇場版 MISSING ACE
TV本編と異なりアルビノジョーカーの影響か、それともパラレルワールド故に嶋昇ではなく別人なのか、凶暴な性格をしており、無言で背後から仮面ライダーランスを奇襲し、対決。懐に潜り込んできたランスを鉤爪で殴打するが、インパクトスタッブで腹部を突かれて封印される。しかしランスは隙を突かれて何者かにカテゴリーKを奪われてしまう。
一切言葉は発さず人間態にもならなかった。
ラウズカード
封印されたラウズカードはクラブのK、名称は「エボリューションタランチュラ」。
タイガーアンデッドが封印された後レンゲルがギャレンのラウズアブゾーバーを使用し、「アブゾーブタイガー」を装填、このカードをラウズしたことにより力が発揮され、睦月からスパイダーアンデッドを分離させることに成功。また生身のまま互角に戦える程の戦闘力を授けた他、キングフォームてしか扱えない筈のブレイドのキングラウザーを使用することを可能とした。
レンゲルラウザーにラウズすることで、ラウズカード使用限界量を示すAP(アタックポイント)が4000Pチャージされるのだが、こちらは劇中未使用。
また、第28話「危険な賭け!?」のエンドカードに選ばれている。
余談
本編中で橘も使用した、アンデッドの闘争本能を高める太古の植物「シュルトケスナー藻」。多くのアンデッドが使用していたと劇中で語られているが、その穏やかな性格から恐らく本編中の彼はそれを使用していない可能性が高い。
シナリオ先行のデザインのためかなり凶悪で派手なデザインとなっている。カテゴリーKということで歴戦の勇士といったように各部に傷や補修痕が残っている感じでまとめられており、カラーリングをスパイダーアンデッドと被らぬよう紫とオレンジの補色にし、デザイン画には存在しないが長石監督のオーダーで頭部にクリアパーツがつけられている(『UNDEAD GREEN BLOOD』pp.48-49)。
関連タグ
仮面ライダー剣 アンデッド(仮面ライダー剣) 上級アンデッド カテゴリーK 嶋昇
スパイダーアンデッド 仮面ライダーレンゲル 上城睦月
ライダー怪人 善玉怪人 蜘蛛 タランチュラ お人好し 温厚 どう見ても悪役
スート・クラブ
タイガーアンデッド(Q) → タランチュラアンデッド(K)