「俺も戦いますよ! 仮面ライダーとして」
「誰でも、『運命』と闘う事は、出来る筈です…違いますか!!」
演:北条隆博
変身する仮面ライダー
概要
仮面ライダーレンゲルに変身する現役高校生(劇場版では就活中の大学生)。年齢17歳。一人称は「俺」(登場初期は「僕」も使っていた)。あかつき学院高校に通っており、バスケットボール部所属で背番号は9番、スーパー「マミーマート」でレジ打ちのバイトに勤しむごく普通の高校生。山中望美とは幼馴染の関係。
人物像
幼い頃に誘拐されてコインロッカーに閉じ込められたことがあり、その時に味わった「暗闇への恐怖」と救い出された時に見えた「光への憧れ」は成長してもなお強烈なトラウマとなっている。その影響で暗所・閉所恐怖症持ちの描写が初期は度々登場していた(本当はこの設定があったが、コンプライアンスの問題からか誘拐されて閉じ込められたという設定になった)。
そのため、執拗に「光」や「闇」にこだわる部分および「闇から脱却したい」という変身願望を有していた。
本来は争い事を避けたがる温厚な性格だが、レンゲルに変身するようになってからは、封印が不十分なスパイダーアンデッドの影響で内に秘めた傲慢さが強くなってしまう。
劇中での動向
第13話「金色の糸の罠」から初登場。伊坂/ピーコックアンデッドの命令でスパイダーアンデッドに適合する人間を攫うことを目的として行動するライオンアンデッドに襲われていたところを仮面ライダーブレイドこと剣崎一真に救われ、仮面ライダーに憧れを抱くようになる。
第16話で道端に落ちていたレンゲルバックルを偶然拾う。その後、カテゴリーAに操られ、レンゲルに変身。その圧倒的な力でブレイドと仮面ライダーカリスを圧倒し去っていく。
その後もカテゴリーAに操られるままアンデッドを解放して暴れまわり、ブレイドや仮面ライダーギャレンを苦しめた。
剣崎らはレンゲルバックルを回収しようとしたもののバックルは引き離しても超常的な力で睦月の元に戻るため、及び睦月が変身願望からライダーの力に執着したため、剣崎達は「睦月を心身共に強くさせる」という解決法を採る。
伊坂に利用されるままにカテゴリーAを封印し、(カードを伊坂に進んで渡しはしなかったものの)結果的にレンゲルを誕生させる原因を作ってしまった橘朔也は気にかけると同時に責任を感じ、睦月に接触して棒術や動体視力の特訓を授けた。この時期はカテゴリーAの影響が抑えられ、仮面ライダーとしての一歩を踏み出したかに見えた。
だが、この頃も完全にカテゴリーAを押さえ込んでいたとは言えず、上級アンデッドの封印にこだわって焦って失敗するなど、問題ある行動が散見されていた。
そして時が経つにつれて再び悪化。嶋昇/タランチュラアンデッドの「自ら封印されてカテゴリーAに打ち勝ち、スパイダーの呪縛を解く」という策と犠牲も効果をなさず(だが無意味だったわけではない。詳しくは後述)、悪意に翻弄されてゆく。
と同時に迷走を始め、「七並べしませんか?」とか中二病そのものな格好をして橘に言い放ったり、自分を心配してくれた望美にビンタされたら手を上げようとしたり(直後に相川始に制止された)、「これが最強のライダーの戦い方だ(キリッ」とカッコつけた直後に城光/タイガーアンデッドにフルボッコにされたり、広瀬さん(父)に捕まって吊るされたりと暴走と迷走の一途を辿る。
だが、望美の睦月を想う強さと優しさを垣間見た城光が自ら封印されたことにより、状況は変化。
実はスパイダーの呪縛から解放されるためには、光と嶋の力が必要だったのだ。
そして城光の叱咤と嶋昇の励ましを受け、スパイダーアンデッドと分離。
生身でキングラウザーを手に取り、スパイダーアンデッドを完全に封印することに成功。
ようやく、本来の自分を取り戻すのだった。そして涙を流し、光を犠牲にしてしまったことを悔やむのだった。
終盤は剣崎たちと協力してアンデッドや黒幕と戦う。
光や嶋さんとの交流からアンデッドとの共存を望み、金居/ギラファアンデッドや始の説得を試みたこともあった。しかし、金居はそんな彼に対して、非情にも裏切りで返す。
その後、ダークローチが大量発生する世界の危機を見て、剣崎の代わりにジョーカーを封印しようとする。
しかし、奮闘するもジョーカーには勝てず、瀕死の状態に陥ってしまう。幸いその後は回復し、生き残ることができた。
そして、全ての戦いが終わった後、望美と共に過ごす平和な日常を取り戻したのだった。
関係の深い人物
- 山中望美:幼馴染。睦月とは相思相愛の模様。
- 嶋昇:睦月を救った恩人のひとり。心優しき男。
- 城光:睦月を救ってくれたもう一人の恩人。誇り高き戦士。
- 橘朔也:師匠。睦月の境遇に心を痛め、彼に親身になって接する。
- 剣崎一真:先輩。当初睦月は仮面ライダーである剣崎に興味を抱き、彼につきまとっていた。
- 相川始:当初は対立していたが、後に共に戦う仲間となった。
本編後
MISSING ACE
剣崎が始を封印するという選択をしたIFの世界の4年後には、就活真っ最中の大学4年生になっている。
栗原天音の誕生日会に誘いに来た剣崎と白井虎太郎に対し、「もう関わりたくない」「俺は普通に生きる」と拒否するも、後日ハカランダに訪れ、謝罪する。
曰く、ライダーとしての苛烈な戦いの経験がもとで、なかなか一般社会に適合できず苦労してきたため、二人を拒否したのだった(企業面接でも、「普通のサラリーマンに憧れている。普通に働いて、普通に結婚して…」と面接官に答えている)。
その後、新世代ライダーが現れ、アンデッドが復活していることを知り、剣崎と共に橘へ協力を申し出るも、スパイダーアンデッドが解放された状態だったため断られる。
が、橘がスパイダーアンデッドを封印したことで戦線復帰。さらに剣崎の変身に必要なビートルアンデッドを封印し、二人そろってライダーに戻れた。
元々新世代ライダーに対して不信感を持っており、さらに志村純一がアンデッドに古代語で話しかけている現場を目撃するが、志村が大学で古代語を学んでいたことを橘に説明され、引きさがる。
だが、睦月の懸念は的中しており、志村はアルビノジョーカーだった。
その後、正体を現したアルビノジョーカーに対し、他の旧世代ライダーとともに立ち向かい、勝利を収める。
テレビ版で登場していた、恋人の山中望美は登場していない。別れたのだろうか…
(メタ的なことを言えば、映画の脚本の製作時期的に、望美というキャラクターが存在していなかった可能性がある)
MASKED RIDER BLADE EDITION -DAY AFTER TOMORROW-
『S.I.C.HERO SAGA』においては主人公として登場。
大学受験に落ちてしまい、落ち込んでいるところを突如仮面ライダーブレイドに襲いかかられる。
困惑するも乱入した橘さんによってカメレオンアンデッドが化けた偽物だと知らされ、事件解決のため参戦するも戦いについてゆけずに離脱。
戦いで力になれなかったことを落涙しながら嘆いたものの、望美に補欠合格の報せを受けたことで希望に満ちた明日を歩みだすのであった……
ドラマCD「仮面ライダー剣」 切り札の行方
本編から10年経過し、イベント会社のサラリーマンになった。面倒見の良い先輩として会社でも活躍している。ちなみに入社して3年目。
長い時間が経過しているがカテゴリーAや嶋昇の風を読む力などを身体が覚えている一面も。
橘には本編後ほとんど会えなかったらしく、初任給のプレゼントを渡せなかったことを少々後悔している。(大抵の場合、初任給のプレゼントは親・家族に渡すものだが...?)
ちなみに望美との関係性については描写されず、本人も妙にはぐらかしている。
スーパーヒーロー大戦GP
変身後のみ登場。ショッカーに敗北して脳改造されている。
なんとブレイドライダーたちを従える大幹部となっており、不死生物アンデッドの開発指揮を取る(ここでいうアンデッドとは恐らく人造アンデッドの事と推測される)。
終盤でドライブ一行に感化されてかつての正義の心を取り戻す。
本家ではギャレンやブレイドの後輩という設定だったが、本作ではディケイド版の黒葉ムツキを彷彿とさせる役所になっている(こちらでも当初は彼らの後輩だったが、昇進に伴い彼らの上司となり、不遜な物言いが目立つようになった)。
衝撃の事実
人間のはずなのに一度スパイダーアンデッドに変貌したことがある。
というのは冗談である(ゴルゴムの仕業では勿論ない。レンゲルのスーツアクターは次郎さんだけど)。
詳細を述べると、第41話でタイガーアンデッドを探索中にBOARDの理事長である天王路の配下の人造アンデッド『ティターン』に襲撃されたのだが、その時に睦月は首元にティターンのアンデッドポイズンを受けてしまい、昏倒する(このティターンは、カメレオンアンデッドとスコーピオンアンデッドを合成したアンデッドのため、姿を消失・変化させる能力と毒の能力を持っている)。
毒を注入されて白井農場に運ばれた睦月は熱に魘され、その毒が全身に巡ったと同時に狂暴化し、剣崎達を襲った(ちなみにこの時の姿は、どことなく劇場版冒頭の始の姿を思わせる)。
暴れはじめて剣崎が抑えていたが、何と睦月はスパイダーアンデッドの姿に変化した。
この事に関して、天王寺はティターンのアンデッドポイズンによってライダーがアンデッドによって肉体と精神を支配されて暴走し同士討ちを始めることを、天王寺の拠点を襲撃した城光に説明していた(そもそもこの世界でのライダーは変身するときにアンデッドの能力を限定的に使っていること・ライダーベルトを装着するとき腰部に神経接続していることなども原因でアンデッドの姿に変化したのではないかと考えられる。)。
暴走した睦月は現代のバトルファイトの真実を知ったタイガーアンデッド=城光と最後の対決、スパイダーアンデッドとの決戦を迎えることになった。
その後は元の人間の姿に戻ったのだが、カテゴリーKである金居とすれ違った時にアンデッドの気配を感じたり、彼と交渉した際に「アンデッドの声が聞こえる」、就職した会社の後輩に「風が変わったように感じる気がする」(ドラマCDでの発言)など、普通の人間に戻った訳ではなく、特殊能力を持った状態になったことが窺える。
(あくまで推測ではあるが、アンデッドの声に関しては元々スパイダーアンデッドの声が聞こえていた睦月自身がアンデッドに変化したために封印されたアンデッド達の声を聞こえるようになったのではないかということ。風や気配を感じることに関しては、アンデッド状態でキングフォームになったために、タランチュラアンデッドの能力である風の感知能力を会得したのではないかと考えられる)
余談
OPでは第1話からその姿が見切れていたりするが、本格的に登場する第17話までは顔を帽子で隠していた(ちなみに第1話OPではただ隠すだけだったが、第2話以降は腕の動きを加えて顔を隠していた)。
この「顔を帽子で隠す仕草」は、レンゲルの変身ポーズに取り入れられている。
その後の後日談を描いた「たそがれ」では、睦月は天音が老婆になった時代では既に他界しているらしい。
だが、天音曰く、幸せな生涯を終えたとのこと。
レンゲルのスーツアクターは岡元次郎氏のため、変身前と変身後で体型が著しく変化する。いわゆる「次郎さん体形」。
因みにニチアサ同期の緑の戦士の変身者も閉所恐怖症で変身前後の体型差が大きかったりする(こちらは身長)。
また、「HERO」と呼ばれる彼自身のキャラクターソングが存在する。
歌詞は睦月のレンゲルに対する葛藤、彼自身の心の内が綴られており、聴く者にストレートに、かつオブラートに包むように伝えてくる歌である。
剣好き、上城睦月ファンは必聴である。
このキャラソンを歌うにあたって、演者である北条隆博氏は椿隆之氏や森本亮治氏と一緒にカラオケに行き、ちょっとした指導を受けたらしい。チソ訓練ではないのであしからず。
ちなみに収録時間が半日以上かかったとか。現役高校生に無茶させすぎてるのは気のせいだろうか。
各種メディアでは「17歳」と記載されているが、学年までは記載されていない。
劇場版では、とある会社の面接を受けるシーンがあり、そのときに登場する履歴書には「昭和62年5月10日生まれ(21歳)」と記載があるので、17歳になるのは平成16年の5月である。
加えて、履歴書には「平成20年6月14日現在」と記載があり、劇場版は栗原天音が14歳の誕生日を迎える前後の期間が描かれており、テレビ本編では第13話で10歳の誕生日を迎えているので、テレビ本編は平成16年ということになる。
よって、テレビ本編での睦月は高校2年生ということになり、劇場版では大学3年生ということになる。
関連タグ
上城ありす:ドキドキ!プリキュアの四葉ありすとのコラボネタ。
関連・類似キャラクター
- 黒葉ムツキ:別世界の仮面ライダーレンゲル。闇堕ちした睦月を更に俗悪にしたような性格。
- 呉島光実:平成二期第5作目の緑の学生ライダー。元々は主人公を慕っていた、緑の怪人に弄ばれて闇堕ちし迷走する、最終的には味方に戻ってくる点などが共通する。
- 一ノ瀬宝太郎、九堂りんね:次世代5番目に登場する学生ライダー。こちらも倒した怪人をカードに封印している。
4号ライダー変身者
浅倉威←上城睦月→ザンキ(財津原蔵王丸)