出典
TV特撮「仮面ライダーBLACK」の作中で、主人公・南光太郎が作中で遭遇した怪事件を強引に解釈する台詞。ゴルゴムとは同作に登場する、改造人間を率いる悪の秘密結社。
仮面ライダーシリーズの原点回帰を目指した本作は「改造され、人間でなくなった者の苦悩と孤独」をテーマのひとつとして重く描くため、過去のシリーズの立花藤兵衛のように、主人公の正体が改造人間であると知った上で戦いを支えてくれるキャラクターがほぼ居ない。そのため光太郎は常にゴルゴムの陰謀を一人で暴き一人で戦い一人で解決し続けた、30分以内で。
…しかしながら、そういう舞台設定を保ちつつ、特撮ドラマらしいアクションシーンを盛り込み、且つお子様の興味を掴んで離さないよう一話完結するストーリーという番組上の制約を維持し続けるには、やはり30分間という尺が不十分な場合もあったようで、番組前半のうちから、常識的にはあまり関係なさそうな出来事でも(例: 知人のバイクレーサーが突然勝ち始める(4話)、新聞で高熱の奇病が流行という記事を読む(9話)、地震が連続して起きる(16話)等)光太郎のこの「ゴルゴムの仕業だ!」というセリフや小林清志のナレーションなどで強引に断定することによって、ご都合主義的にストーリーを進行せざるを得ないことが多々あった。
そういうメタ的な理由で、たとえ無茶な推測であろうと彼のカンはほぼ100%の確率で的中してゆくのであった……。
その後
やがてセリフ自体が一人歩きしていった。
サブカル雑誌「ファンロード」で何でもゴルゴムの仕業とする大喜利系のネタにされたのがきっかけで、何でもかんでも事件を、それどころか郵便ポストが赤いのも電信柱が高いのも阪神タイガースが勝つのも、すべてゴルゴムのせい(?)にしてしまえるという魔法の言葉として使われるようになった。
ゴルゴムからすればとんだとばっちりだが、それもまたゴルゴムの仕業なので仕方がない。
「やはりオマエ達の仕業かっ!」
実は……
まるで光太郎の口癖であるかのように取られることも多い迷台詞だが、前述のようにファンロード上でネタにされたことが大きく、本編中で光太郎が正確に「ゴルゴムの仕業」と発するシーンは2・3度しかない。
ただし解釈が強引なのは事実で、「光太郎は事件にゴルゴムの匂いを感じ取った!」などの小林清志氏の断定的ナレーション(※)、あるいは「まさかゴルゴム・・・・?」「ゴルゴムに違いない」「ゴルゴムが裏で糸を引いているのでは・・・・」といった、ニュアンスが近い台詞を口にする展開が恒例である。
実際に、各話でのそのようなナレーションや台詞を検証しているサイトもある(参考)。
※第40話以後はナレーション担当が政宗一成に代わるのだが、この物語終盤の頃になるとゴルゴムは本格的に人間社会への侵攻を始め、「秘密結社」の立場を捨てて公然と破壊活動を行い、光太郎以外の者でも疑う余地が無いような展開が増えるため、政宗氏による断定ナレーションは非常に少ない(ゼロではない)。
本当にゴルゴムの仕業だった事
- かつての世紀王が過去や未来に介入し、世界征服を企てていた(仮面ライダー正義の系譜)
- 光太郎は作中でゴルゴムの関与を疑ったが、実働隊として活動していたのはゲルショッカーであった。結果として的中していたので問題はない。
- 仮面ライダーの歴史に介入し、歴史改変を引き起こした(仮面ライダーバトライド・ウォー創生)
- 世界を滅ぼし、仮面ライダー史上最も陰惨な最終回を迎えさせた(仮面ライダーBlack(漫画))
1990年代、児童雑誌てれびくんにて『宇宙の11 仮面ライダー銀河大戦』なる漫画(画・居村眞二)が連載された。「マダー聖水」を使って人間を思いのままに操る悪の組織の正体はなんと創世王!? そう、ゴルゴムの仕業であった。
ドクロの顔に悪魔の角を取り付けたオリジナルキャラクター「ゴッド将軍」なる人物がいたものの、連載当時TVで放送されていた仮面ライダーBLACK RXと合わせての連載故か作画者の意向によってこうなった。(愛蔵版コミック『仮面ライダー11戦記』収録)
おまけ
2003年のPS2ゲーム「正義の系譜」では「ゴルゴムの仕業か?」と口にしているがこれでゴルゴムの仕業かどうか疑うことを覚えたと思った人もいるとかいないとか(黒幕がゴルゴムの関係者だからあながち間違いでもない)
光太郎の義妹、秋月杏子は第35話で仮面ライダーBLACKの正体を知ってしまうのだが、それ以降は彼女も事あるごとにゴルゴムとの関連性を疑うようになった。どうやら伝染性らしい。尤も、ゴルゴムは政財界に影響を及ぼしている秘密結社であり、関連性を疑われるのはそこまで不自然でもないのがこのセリフのシュールさを掻き立てている。
仮面ライダーシリーズと同時期に放映していた戦隊モノシリーズの方は25分枠で巨大ロボ戦もやらなくてはいけない制約もあるため更に物語の導入部分に割ける時間が少ないのだが、こちらは戦「隊」という都合から登場人物不足に困ることはなく、この手のネタは無いようである。
また、こうした本作の「孤独なヒーロー」設定と一話完結スタイルで放映を一年間続ける制約の両立を制作側が経験した結果か、次回作となる「RX」では光太郎を取り巻く登場人物が増えたり、「仮面ライダークウガ」からの平成ライダー以降は一話完結だけではなく、怪事件を2~3話をかけて解決する中篇的な連続ストーリー展開も増えていく。
公式が病気
2008年、TCG『レンジャーズストライク』で公式カード化された。
『仮面ライダーバトル ガンバライド』では『仮面ライダーBLACK』(2-045)のスキル名として登場(ただし、表記は「ゴルゴムの仕業か!」となっている)。
更には2014年、とうとう限定発売のサウンドロックシードに「ゴルゴムの仕業だ!」の音声が収録されることになった(プレミアムバンダイ公式へ飛びます)
関連イラスト
関連タグ
- 仮面ライダー 仮面ライダーBLACK 仮面ライダーBLACK RX ゴルゴム 南光太郎
- それも私だ おのれディケイド 乾巧って奴の仕業なんだ ユグドラシル絶対に許さねぇ! 全部私のせいだ 全部紘汰さんのせいだ
- もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな
類似の事例
きっとくいしんぼうのデデデだいおうのしわざにちがいありません
クライシス帝国:彼らが滅んだのも元を正せば、ゴルゴムが光太郎をBLACKに改造し、キングストーンを埋め込んだ事が原因。よってゴルゴムの仕業という式が成立する。