概要
遥か太古の昔から存在し、歴史の陰で数々の文明を破滅に追いやってきた闇の組織で、正式名称は『暗黒結社ゴルゴム』。
「仮面ライダーBLACK」本編では現代の人類文明の抹消を目論んでいた。
主人公の南光太郎を「ブラックサン」に、その親友の秋月信彦を「シャドームーン」に改造し、組織の長である「創世王」の後継者に据えようとしたが、脱走したブラックサンが「仮面ライダーBLACK」として戦いを挑んできたことで組織の存続自体が危うくなる結果に。
短期間ではあるが日本の征服に成功した、数少ない『悪の組織』でもある。また、漫画版ではあろうことか核戦争を引き起こし、東京を壊滅させ(焦土にした、などと言う生易しいものではなく、本当になにもかも海の底に沈めてしまった)、人類を滅亡寸前にまで追いやっていた。
…と書くと途轍もなく強そうに見えるが、歴代屈指の回りくどい作戦にも定評がある。
ゴルゴムが創り出したブラックサンが後に地球規模で「救世主」となるとは思ってもいなかったであろう・・・
なお、続編の「RX」終盤まで10人ライダーとの接点が物語上無かった為(※)、歴代の秘密結社の例の首領とは全く関わりの無い初の昭和ライダーの秘密結社だったりする。
※…後に地球に現れたクライシス帝国は仮面ライダーの存在を知っていたかのような事をジャーク将軍が発した事から実はBLACKの時点で初代から連なる昭和ライダーの世界観にあったと言う事となる。
構成員
創世王
ゴルゴムの頂点に君臨する支配者であり守護神。5万年もの周期で代々代替わりを行ってきており、ゴルゴムの歴史が人類とは比べ物にならない事を物語っている。
本来ブラックサンとシャドームーンの戦いは平等であるべきなのだが、ブラックサンが洗脳を逃れ仮面ライダーとしてゴルゴムに反旗を翻した為か、シャドームーンが復活して以降は度々シャドームーンに肩入れしていた。
最終回で登場した創世王は巨大な心臓の姿を見せ、シャドームーンに打ち勝ったBLACKを創世王に据えるべく地球ごと人質にとって強要したが、BLACKにサタンサーベルで貫かれ死亡、消滅した。
この創世王も元々は世紀王ブラックサンかシャドームーンのどちらかなのは確かだが、劇中明かされる事はなかった。
世紀王
5万年に一度の周期で作り出される、次期創世王の候補である二人の改造人間。
世紀王同士の戦いで勝ち残った者が創世王の座を継承する。
皆既日食の日に生まれた、「南光太郎=ブラックサン」と「秋月信彦=シャドームーン」に資格が与えられる。
「バトルホッパー」や「サタンサーベル」も本来は世紀王専用のアイテムであり、世紀王にしか使いこなす事は出来ない。
大神官
創世王と世紀王に仕える最高幹部。劇中ではダロム、ビシュム、バラオムの三神官が登場し、現代文明を滅ぼすための様々な策を講じる。
後に三神官はシャドームーンの復活に力を使い、それぞれ正体である三葉虫、翼竜、サーベルタイガーの大怪人に化身した。
「世紀王、大怪人、侍女怪人」
剣聖ビルゲニア
中盤のレギュラーとして登場した古代魚の怪人。
皆既日食の日に生まれたものの創世王が交代する5万年の周期から外れていたために世紀王に選ばれなかった過去を持ち、BLACKのキングストーンを奪って世紀王になろうと何度も激突した。
創世王からサタンサーベルを与えられるも、復活したシャドームーンにサタンサーベルを奪われ、一刀の元に斬り伏せられて死亡した。
侍女怪人マーラとカーラ
シャドームーン復活後、彼の手により生み出された怪人。
常にシャドームーンの傍らに仕えている側近的な存在で、大神官達より立場は上だが、それ以外は謎に包まれている。
怪人
実動部隊、偵察、裏切り者の処刑など任務ごとに分かれて暗躍するゴルゴムの主戦力。
人間とは比べものにならない数万年単位の寿命を持つことから、人間メンバーにとってはある種の目標であり尊敬の対象となっていたりする。
人間に改造手術を施すことで誕生するが、人間と異なる生物としての生殖能力を持っているらしく、三神官が強力な怪人を繁殖させて戦力を増強することを目的とした作戦を計画したことも度々あった。
基本的には獣のようなうなり声を上げるが、元が人間であるためか知能は低くはなくうなり声で会話する者や人間の言語(日本語)を話せる者、果ては人間態に変身して人間を欺くことのできる者さえ存在する。
カニ怪人、アネモネ怪人などすべて○○怪人という名称がついている。
今までのライダー怪人とは大きく異なり、生物的な雰囲気を押し出した造形が特徴。
主な怪人
ゴルゴム怪人を参照のこと。
人間メンバー
政財界・芸能界・学界に存在するゴルゴムの参同者。
ゴルゴムの改造技術によって怪人になり途方もない長命を得ることを目的に従っている者が多い。
世界中の権力者や権威が秘密裏にゴルゴムに従っているため、「BLACK」の世界はある意味ゴルゴムの世界征服は概ね完了している状態である(その上で人類文明を破壊しようと目論んでいる)。
医学界の権威である黒松教授や信彦の父である秋月教授などが該当するが、TV版ではあまり登場しない。
一方、漫画版では寺の坊主、中学生などを積極的に怪人に改造し、ブラックサンにぶつけていた。
主なメンバー
秋月総一郎
秋月信彦と秋月杏子の父親であり、南光太郎の養父でもある。遺跡発掘の資金を得るためにゴルゴムのメンバーとなった。
しかし、一度はメンバーになる事を断るも、それが原因で光太郎の両親が殺されてしまい、家族を守るために仕方なく従っていた。
脳改造される寸前に光太郎を救出し、彼にゴルゴムの秘密を話すのだが、クモ怪人によって殺される。
ちなみに漫画版ではオニグモ怪人の正体として描かれている。
黒松英臣
黒松教授を参照。
坂田龍三郎
政治家。ゴルゴムの為にセミ怪人やオオワシ怪人と協力した。
また、自分が無所属の政治家である事を利用し、ネズミ怪人と協力しEP党を設立。病気を治す素粒子治療装置の副作用を使って病人たちを皆殺しにしようと目論む。
その後の消息は語られていないが、ゴルゴム壊滅と共に警察に逮捕されたか、日本制圧を達成したゴルゴムに用済みと判断されて殺されたと思われる。
大宮幸一
大企業「大宮コンツェルン」の会長を務めており、坂田や黒松に援助金を送っている。
サイ怪人と協力した事も。
EP党の件の後の消息は語られていない(処刑された可能性もある)。
月影ゆかり
光太郎がファンだった女優で、誕生パーティーの際に光太郎達の運命を喋りそうになり、
それが原因でヒョウ怪人に暗殺されてしまった。
大門洋一
機械工学博士にして「オートバイの神様」と称されるオートバイ工学の世界的権威。
ロードセクターの開発者でもある。完成直後にゴルゴムによって殺されてしまう。
高山教授
魚類を研究しており、シーラカンスを「人類以前に存在した高等な知的生命体」と称する東星大学の教授。
自身の研究を証明する為にシーラカンス怪人となったが、まだ人間に未練があったため薬を用いて人間の姿を保っていた。
ゲームブック『魔軍のバトル』に登場するゴルゴムの下部組織「ダークシャイン軍団」の教官(インストラクター)。
ゲームブック『魔軍のバトル』に登場するゴルゴムの下部組織『ダークシャイン軍団』の支配者。
『仮面ライダーディケイド』において
「BLACKの世界」を席巻していた暗黒結社だったが、大ショッカーの軍門に下り、サイ怪人を異世界人アポロガイストが良いように使ってた。
「RXの世界」では明言されてないが、「世紀王の強化体」がクライシス帝国と闘っていることから、かつてゴルゴムが存在していた模様。
「ディケイドの世界」でも「ゴルゴム」という固有名詞こそ出ないが、シャドームーンに変身する現地住民がいる。
『仮面ライダーOOO』において
本編より20年以上前に滅びた暗黒結社。
映画『レッツゴー仮面ライダー』における歴史改変された世界では2011年まで存続していたが、最大勢力のショッカーに統合される。
ゲームにおいて
プレイステーション用ソフト『スーパーヒーロー作戦 ダイダルの野望』では、クモ怪人を大量生産していた。他にもショッカーおよびデストロンの残党を吸収し、さそり男や蝙蝠男を中級幹部として用いた。
プレイステーション用ソフト『スーパー特撮大戦2001』では、大人の事情で、サイ怪人を量産していた。
PS2『仮面ライダー正義の系譜』では、5万年前の世紀王の片割れの邪眼が復活、Blackとシャドームーンのキングストーンを奪い創世王になろうと暗躍した。
仮面ライダーBLACKSUNでの設定
こちらでは「護流五無」もしくは「五流護六」、「ゴルゴム党」という組織が登場する。詳細はそれぞれリンク先を参照。
漫画での設定
「生命の歴史は破滅と再誕の繰り返しであり、人類も破滅して再誕しなければならない」という考えの元、「神に代わって人類の進化を促す為に意図的に人類を破滅へと導き、人為的に進化した新生物である改造人間たちを地球の支配者へと君臨させる」ことを目指す秘密結社。
とはいえ流石に全人類を進化させる事は不可能である為、選ばれし人類のみを進化させることを指針としている。
その規模は全世界に組織のネットワークが張り巡らされている事からも分かるように大規模で、各地に多くの拠点や研究施設が存在しており、中には古代のオーバーテクノロジーを利用した研究施設も存在するほか、取り込みたい人物に多額の資金援助をあたえるといった潤沢な資金を保持している事を匂わせる描写も存在する。
ただし組織の中心人物、もしくは企業などが存在しているのかについては上層部に位置する幹部たちですらも把握していない(もっとも漫画版のゴルゴムは思想集団的側面が強い為、存在しない可能性が高い)。
なお、独断専行で核兵器を落とそうとした者や科学者同士の派閥で内部抗争を繰り広げたりなど、決して一枚岩ではない事を窺わせる描写もある。
人類を滅亡させた後の世界を導く存在となる王を生み出す為に、惑星直結の日に生まれた2人の赤子を運命の子として選定し、その二人に超破壊エネルギーをもたらす“賢者の石”を1つずつ埋め込んで改造し、互いを争わせて勝った方が敗者の持つ石の力を吸収する事で神の王として君臨させる事が計画の最終段階であり、その要となる人物として白羽の矢が立たれたのが、光太郎と信彦である。
なお、物語の終盤で光太郎が垣間見た未来の時間軸では、信彦が組織を掌握しており、世界中に人工的に引き起こした自然災害や病気を蔓延させた挙句の果てに国同士を争わせて核戦争を戦を引き起こすように仕向けたりなどの工作を行っており、そこからさらに遥かな未来の世界では、ほぼ計画は完遂され、魔王と呼ばれる存在が率いる化け物たちが、僅かに生き残った人類を駆逐する為に跋扈するという地獄絵図のような世界へと様変わりしていた。
関連タグ
大神官 ダロム ビシュム バラオム 剣聖ビルゲニア ダークシャイン軍団
地底帝国チューブ、ネロス帝国:同時期の特撮番組に登場する敵組織。