概要
主にサイエンス・フィクション(SF)上に見られる語である。
科学や工業的に見て、現在の技術(テクノロジー)ではとうてい再現できない技術のこと。
推測や憶測以外には存在しないため、少なくとも実用した時点で「オーバー」ではなくなる。
超古代文明や異星人でもいれば、実用可能なオーバーテクノロジーが存在するかもしれないが、いまのところそのようなモノの実在が科学的に証明されたことはない。
また実用化直後において頭一つ飛び出した技術などに、形容として「オーバーテクノロジー」の語が用いられることもある。
過去に存在したが現在では失われたものについては、ロストテクノロジーという言葉が使われる事もある。
オーバーテクノロジーを題材とした作品
- ドラえもん :主人公・ドラえもんが取り出すひみつ道具は22世紀の科学技術で開発されている。その性能は凄まじく、あらゆる病気を完治させる道具、地球を破壊出来る道具、新たな世界及び宇宙を創造出来る道具、時間を自由に操る道具、あらゆる情報を入手出来る道具、時空や次元を自由に移動出来る道具が存在し、更には全知全能の力を行使出来る道具さえ存在する。派生作品を含めれば、あらゆる怪我を完治させる道具、銀河を破壊出来る道具、世界を自由に改変出来る道具も存在する。また、作中(22世紀)ではこれらの道具が子供の小遣いレベルの金額で一般販売されている。
- 仮面ライダーシリーズ :「悪の組織が生み出した技術をヒーローが行使する」という展開が多い。例を挙げると仮面ライダーカブトでは異星人、仮面ライダー電王では未来人、仮面ライダーディケイドでは別次元由来の科学技術で仮面ライダーに変身する展開が描かれた。
- 戦国自衛隊・ジパング:現代の自衛隊が戦車や銃器、イージス艦等の装備ごと過去の戦乱の時代(前者は日本の戦国時代、後者は太平洋戦争)に飛ばされてしまうタイムトラベル型架空戦記の代表的な作品(過去の世界では現代の兵器がオーバーテクノロジーとなる)。
- スーパー戦隊シリーズ :宇宙から始まり異次元、未来からもたらされた、現代では考えられない技術で戦う。
- メタルヒーローシリーズ :宇宙刑事と時空戦士スピルバンなど、未知の科学力で戦うのだが、スーパー戦隊とほぼ同じ。
- 超時空要塞マクロスシリーズ :20世紀末に南アタリア島に落下した地球外生命体の巨大な宇宙戦艦SDF-1マクロスが、地球人類に技術革新をもたらすと共に、異星文明との戦争のきっかけになった。→OTM
- 平成ゴジラシリーズ:ゴジラVSキングギドラに登場した23世紀の技術で作られたメカキングギドラの残骸を回収、分析することで後の作品にメカゴジラ、モゲラの建造に至った。……とはいえ、1984年の時点でハイパワーレーザービーム車やスーパーX系列の装備、武装だけでも(約30年前にゴジラ襲来があったとはいえ)十分にオーバーテクノロジーだが。
- SPRIGGAN :超古代文明の遺跡により齎されるオーバーテクノロジーの悪用を防ぐべく遺跡保護・破壊任務を行う組織「アーカム財団」の活躍を描く作品。
- スーパーロボット大戦シリーズ :異星人・先住種族・平行世界・遠未来からもたらされた技術・兵器を使う。OGシリーズでは主に異星人由来の技術EOTが物語の鍵となる。
- 機動戦士ガンダム0083:ガンダム開発計画で開発されたガンダムは共に時代に見合わないオーバースペックを持っている(有名な例がフルバーニアンの推力がΖガンダムの2倍)。言ってしまえば設定ミスなのだが、本編終了後にガンダム開発計画そのものが抹消されたという力業で辻褄を合わせている。つまり、後のグリプス戦役はアナハイム・エレクトロニクスの手加減全開の戦争だったというわけである…さすが死の商人。
- 新機動戦記ガンダムW:並以上のビーム攻撃や衝撃に強い耐性を持つガンダニュウム合金や最大出力でコロニーを消滅させることが可能なツインバスターライフル、人間の闘争本能や潜在能力を極限まで引き出すのみでなく使いこなせれば未来さえも予知できてしまうゼロシステム、現在で言う人工知能だけで動作可能なモビルドールなどのトンデモ技術が沢山登場する。技術だけではなくそれらを難なく使いこなしてしまう登場人物も珍しくなく中々オーバースペックじみている。
- 機動戦士ガンダム00:半永久的動力GNドライヴをはじめWと並んでオーバーテクノロジーが目立つ作品。技術開発者は300年後に地球外生命体が飛来する未来までもを予知し、最終的には人類と同化した。元々ロストテクノロジーを題材にした鉄血のオルフェンズと対になるよう構想されていた。スーパーロボット大戦シリーズではWとはその相性の良さからクロスオーバーした設定が生まれることもしばしば。
- ギレンの野望シリーズ :一部の特殊シナリオにおいて、ゲーム開始時点の技術レベルでは生産できない兵器「オーバーテクノロジーユニット」が初期配置されている。即戦力として活躍し得る存在だが、単機で戦局を覆すほどの技術格差はない。また、撃破されるなどして失われた際に再生産することはできない為、慎重な運用が求められる。
- ジュブナイル :未来のロボットが過去の宇宙人による地球の破壊を防ぐために、現代にタイムスリップする。ガンゲリオンも参照。
- ウルトラマンネクサス :劇中の世界観は現代に基づいているのだが、防衛組織TLTは記憶操作技術や怪獣を容易に撃破するほどの兵器を有しており、これらの科学技術がどこからもたらされたのかという謎が描かれる。
- ウルトラマンメビウス :過去のシリーズで宇宙人などが遺した超技術を研究し実用化したメテオールがCREW GUYSの戦力として利用されている。ただし未知の技術を制御する難しさから、原則上層部の許可のもと、1分間しか使用できないという厳しい制限が設けられている。
似て非なるモノ
本来は未来で開発されるはずの技術が現代で開発される『技術の前倒し』作品も存在する。
- 紺碧の艦隊:兵器そのものではなく戦死者が過去(によく似た異世界)へ転生し、戦時中に本来の歴史では開発し得ないオーバーテクノロジー兵器が開発・配備(史実では大戦末期に実用化出来た潜水空母が、真珠湾攻撃の時点で実戦配備されている等)される架空戦記。
- フルメタル・パニック!:作中終盤、超能力者『ウィスパード』の齎すオーバーテクノロジーの正体が、「過去に送られた未来の科学技術」であることが発覚する。
- 真マジンガーZERO:マジンガーZの開発者、兜十蔵博士は時間移動能力を持つミネルバXを使い「自分が死ぬ度にマジンガーZの開発・強化データを過去に送信する」ことで無限に等しい開発期間を獲得。終焉の魔神・マジンガーZEROを開発するに至った。
VOCALOIDの曲としての「オーバーテクノロジー」
ボカロPであるYMが手がけた十三作目の曲(GUMIオリジナル曲)。
「銃口を覗くサルに僕は独り言を投げる」
とあるサルを主人公にしたストーリー仕立てのPVとなっているが、具体的な描写はなされておらず、歌詞も大筋を語るのみである。なぜサルは踊るのか、そしてラストでなぜその行動を取り、その後登場人物はどうなったのか。その解釈は、すべて視聴者一人ひとりに委ねられている。