概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。大長編及び映画『ドラえもん のび太の創世日記』に登場。
新たな太陽系を作り出すことが出来るひみつ道具。「創世セット」という名の通り、単体の道具ではなく複数の道具で構成されている。内容物は以下の通り。
- ベースマット
映画版での名称は「神さまシート」。
床等の平らな場所に広げ、後述のコントロールステッキで突くと異空間へ繋がる(この異空間は通常の宇宙空間とは違い、のび太のような普通の人間でも宇宙服無しで活動可能)。もう1度ステッキで突くと元に戻る。創世セットで新たに生み出す太陽系への出入り口とも言える。
- 宇宙の素
レプトン、クォーク、ゲージ粒子の3つの素粒子を、それぞれ3本の瓶詰にしたもの。
この3本をベースマット内の異空間に流し込んでかき混ぜることで、異空間内に新たな宇宙を作り出すことが出来る。
ちなみに、新たな宇宙が誕生する際は爆発が発生する仕様になっている(取扱説明書にも記載されている注意点だが、ドラえもんがうっかり読み忘れていた為に、彼や作業中ののび太が爆発を受けて吹き飛ばされてしまった)。
- ふわふわリング
外観は天使の輪で、頭上に浮かぶリング。
このリングを使用すると、ベースマット内の異空間を自由に飛行することが出来る。
- 神さま雲
映画版での名称は「神さまの雲」。
この雲に乗ると、ベースマット内に作り出した宇宙や惑星を自由に移動することが出来る。
- コントロールステッキ
創世セットの中核を成すひみつ道具で、スタートストップボタン、倍速ダイヤル、スローダイヤル、巻きもどし、キャンセル等、様々な機能が搭載されている。
先述のように、ベースマットを突けば異空間への出入り口を自由に開閉することが出来る。
他にもステッキに搭載されたスタートボタンを2回押すと、新たに作り出した惑星に向けて雷を放つことが出来る。
更に、倍速ダイヤルを使用することで異空間内の1億年を3時間に短縮したり、致命的な失敗をしてしまった場合も巻きもどしとキャンセルを併用して異空間内の時間を巻き戻してやり直したり、実際に新地球に出向いて人々の生活を眺めつつ時間を進めてその人々が数日後にどうなるかを確かめる等といったことも可能。
作中での活躍
『創世日記』冒頭にて、夏休みの自由研究をどうするか悩むのび太の為に、ドラえもんが未来デパートで購入したひみつ道具として登場。
この道具を使用し、ドラえもんとのび太は新しい宇宙を作り上げ、その宇宙及び地球で繰り広げられた歴史を観察日記に付けることで自由研究を完成させることを目指す。
その後、ドラえもん達は「UFOカメラ」や「進化退化放射線源」等のひみつ道具も併用し、生命の進化や人類の文明を発展させていった。
余談
ドラえもんが持つひみつ道具の中には、新たな地球を作り出すことが出来る「地球セット」という道具が存在する。しかしこの「創世セット」は新たな宇宙を作り出すという、もはや神の御業をも可能にする凄まじい道具である。
何より恐ろしいのは、この道具が「人類が危機に陥った際の緊急避難場所を作る為」や「この世界よりも住み心地の良い世界を生み出して移住する為」等といった大掛かりな目的の為に開発された訳では無く、単に「小学生の夏休みの自由研究の為」に開発された点である。
他にも倫理的に大問題なひみつ道具でもある。作中の冒頭にて、のび太は1度宇宙創造に失敗し、ドラえもんがコントロールステッキで異空間内の時間を巻き戻している。仮にドラえもんとのび太がある程度宇宙・地球創造を進め、人間や動植物が生まれた後に何らかの失敗をしてしまい、宇宙誕生の瞬間まで時間を巻き戻してしまえば…幸い作中ではそんなことは行われなかったが。
それだけでなく、新たに生み出した地球から侵略者がやって来る可能性もある。作中でも創世セットによって生み出された昆虫人・ビタノが、タイムマシンでドラえもん達が住む世界へやって来ている(しかもこのタイムマシンは時空間の支流を移動出来る為、その存在を知らなかったタイムパトロールでは追跡不可能だった程に高性能である)。幸いビタノはドラえもん達に対して友好的だったが(ただし他の昆虫人達は新地球で人類に対し戦争を起こしかけていたが)、もしも彼が宇宙侵略を企んでいるような悪人だったとしたら…。
関連タグ
もしもボックス:書籍によって解釈が異なるのだが、上記の「創世セット」と同様に、新たな世界を作り出す道具と解説されたことがある。