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YHVH

やはうぇ

YHVH(正式には発音“出来ないようになっている”)とは、ヘブライ神話(聖書)において語られる、『いと貴き唯一なる神』である。
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概要編集

その語義は一応ユダヤ教の聖典旧約聖書の『出エジプト記』3章14節であるとされ、「わたしはある(אֶהְיֶהאֲשֶׁראֶהְיֶה 英訳:I am that I am)」という言葉を使って神を表現したため「在りて在るもの」と訳される。

『ヨハネによる福音書』ではYHVHの語義をイエス・キリストに語らせ、居合わせたユダヤ人をブチ切れさせることで彼が神であることを主張している。

イスラム教では聖書の神をクルアーンの神と同一視するため、イスラム教が信じる神(アラー)もYHVHになる。


絶対的でトータルな存在として共通はするものの、旧約聖書のみを聖書とするユダヤ教、新約を旧約聖書に続く啓示とみなすキリスト教、聖書をユダヤ教徒・キリスト教徒により、捏造・改竄されたとしてクルアーンと矛盾する部分は否定するイスラム教では神観に違いがある。

宗教学においてはこれら三つの宗教を総合してアブラハムの宗教と呼ぶ。


アルファベット表記にはYHVH, YHWH, JHVH, JHWH, IHVHがある。無理やり発音すると「エフワー(濁らない)」である。

ヘブライ語表記は「יהוה母音の無い子音四つで構成される。

これをギリシャ語で「テトラグラマトン Τετραγράμματον」(「四つの文字」の意)と言う。


エホヴァエホバ)、ヤハウェヤーヴェとも発音される。このように揺れがあるのは、もともとヘブライ語では母音を表記せず、それに十戒の一つ「神の名をみだりに唱えてはならない」の遵守が重なったため。

キリスト教でも、カトリック教会で典礼の場で「ヤハウェ」を発音することを戒めたり、祈りや聖歌における神名を「主(アドナイ)」に置き換えることが行われている。


古代においては特別な儀式の時に祭司によって発音がなされたこともあるが、現代においてはその伝統は失われ、残された子音から推定するほかない。


唯一神YHVHの原型をシナイ山の「山の精」とする説がある。


オリエントの他宗教編集

古代イスラエルの唯一神教、アブラハムの宗教以外でも信仰された例が確認されている。


ヒルベト・エル・コム(Khirbet el-Qom)、クンティレット・アジュルド(Kuntillet 'Ajrud)で発見された碑文資料において「ヤハウェとそのアシェラ」という記述があり(21世紀COEプログラムによる活動記録)、紀元前5世紀のアラム語の契約書「ピトス碑文」には「ヤハウェにアナト女神」という組み合わせがみられる。なお、アシェラ(アシェラト)については旧約聖書においてその信仰への批難が明記されているが、ヤハウェと対(つまり妻・配偶神)とする異教についての言及はない。


前述のクンティレット・アジュルドの碑文では「サマリアのヤハウェとアシェラによって私はあなたがたを祝福する」という形になっている(南レヴァント地域出土の考古資料から見るヤハウェ一神教の成立)。

ただし、アシェラについては旧約聖書でも一種の聖木や神体としての記述であり、この碑文における「アシェラ」についても「生命の木」あたりの意味とする解釈も存在する。


女神転生シリーズのYHVH編集

女神転生シリーズでは創造神や唯一神としてYHVHが登場する作品がいくつか存在する。

一応、どの作品でも、アブラハム宗教の神とは別の存在であるとの相違を匂わせているが、本当に「一応」のレベルであり、あまり深く読み込まずにゲームをプレイするならアブラハム宗教の神と同一だと思ってしまってもしょうがないところはある。

ある意味そのヤバさは邪神ミシャグジさまや「ペルソナ2罪」のヒトラーをも凌ぐ存在である。

また『Y.H.V.H.(Ⅱ)』、『Y・H・V・H(旧約)』、「YHVH(真Ⅱ)」とピリオドや中点の有無による表記ゆれが激しい。

大天使メタトロン
YHVH

種族は「女神転生Ⅱ」では“唯一神”(旧約では“神”)、「真・女神転生Ⅱ」では“神霊”。デザインは“巨大な男性の”で統一されている。


シリーズを通して「万物の創造神」、「LAWの根本原理」として扱われ、ルシファーや古代の神々であるCHAOS陣営の悪魔達と敵対する存在である。

特に魔王種族の悪魔はYHVHに倒されて凋落した存在というスタンスのものが多く、「偽典・女神転生」や「デビルサバイバー」は『神に奪われた本来の姿への復活』を目指した悪魔たちを中心に物語が進行する。

ステータスは作中でもトップクラスで、、万能属性以外はまともに通じない堅牢な防御相性、強力な攻撃スキルとあらゆる防御相性を無視して知の値が低い敵一体を即死させるスキル“ゴッドボイス”を所持する強敵である。


女神転生Ⅱ編集

世界、悪魔、人間を創造した唯一神。

かつてルシファーが人類に知恵を授けるために地上へ赴きYHVHよりもルシファーへの崇拝が高まったために彼を魔界に落としたこと、世界統一のために数多の神を打ち倒しバアルベルゼブブバエルに引き裂いたことが語られる。

真のエンディングにおいて主人公と最終決戦を繰り広げるが、戦闘直前の会話で主人公に神と悪魔どちらと生きるのかという選択の機会を与え、撃破時には父たる創造神を倒すという主人公の決断を尊重する意志を見せる。

なお、自身が“無限の宇宙を統括する意識体のごく一部”という言葉を残し、アブラハム宗教の神とは別の存在であることをほのめかしている。



真・女神転生編集

直接登場することはなく、その存在が言及されるのみにとどまっている。

また、OPにて表示される文字列(悪魔召喚プログラム)の中で、「さらに口にできぬ名、四文字の神の名において」という呪文が刻まれている。



真・女神転生Ⅱ編集

地上に千年王国をもたらす唯一神。

前作「真・女神転生」の最終ダンジョン『カテドラル』は唯一神降臨のために建てられたものであり、作中の四大天使とセンターもそのために暗躍している。

しかしYHVHは過ちを繰り返した現人類がいる限り千年王国の設立は不可能と断じており、ザインを“神の裁き”であるサタンの化身として地上に遣わし、一部の優れた人間を除いてメギド・アークによる地上のイレースを画策する。

さらに神の法に背くメシア・プロジェクトを進めたミカエルラファエルウリエルにも見切りをつけており、独り疑問を抱いていたガブリエルにのみサタンを補佐するよう告げている。


ゲーム中では各ルートのラスボスとして登場しており、“宇宙の大いなる意志”から生みだされた存在とされ、方舟で戦う神霊族の悪魔エロヒムシャダイツァバトはYHVHの分霊として扱われている。また、イシュタルを凋落させてアスタロトにしたという旧作を踏襲する設定が存在する。

  • ニュートラル、カオスルート

メギド・アーク発射阻止のために方舟に乗り込んだアレフ達によってサタンが撃破された直後、彼らを高次元空間に引きずり込み対面する。

命の法を捻じ曲げた結果生まれた人工の救世主アレフやクズリュウを用いて地上を破壊する任務を放棄したルシファーに怒りを見せ、最後の戦いを繰り広げる。

  • ロウルート

地上のイレースを終えたアレフ、ヒロコ、サタンをYHVHは祝福する。

だがサタンから、抹消すべき古き人類の神──『最後の裁きの対象』として糾弾され最終決戦に至る。

撃破されたYHVHはアレフたち選ばれた人々が自身の手を離れたことを実感すると共に、いずれ頼り縋る対象として神を求めることを示唆しながら消滅する。

直後にYHVHから生みだされたサタンとガブリエルもまた消え去る。



真・女神転生Ⅳ編集

直接登場はしないが、メガテン世界の神(YHVH)の所業に強くスポットが当てられている

物語開始に先だって、神の御業によって地上を一掃し、天使たちを使って“方舟”による人間たちの選別を行い『東のミカド国』を建国している。


過去に世界と人類の滅亡を四度もたらしており(ホワイトメン)、また可能性の世界の一つ“砂漠の東京”ではプルートを遣わして地上に治療不能の猛毒を撒き散らし生き残った人類の滅亡を画策している。

特に神の意志が色濃く描かれるイベントとしてDLCクエスト「日の老いたる者」が挙げられる。

当クエストでは自身を『神の一部であり、神の代行者』と称する神霊エンシェントデイという悪魔が登場し、プルートが消滅したことで神の呪縛を破り新たな自由を獲得しようとするアキラたちの前に立ちはだかる。

エンシェントデイは地上の大半を焼き払い、アキラたちが最後の砦として立て籠もるプルート城に強襲をかけ、それを阻まんとする主人公と死闘を繰り広げる。

エンシェントデイの目的は、地上の浄化と次の人類を地上に導くこと。エンシェントデイにとって旧人類は『宇宙の摂理に反する悪しき命』でしかなく、神を信じ祈り続けてきたキヨハルですら自身が既に不要な存在であると判断せざるを得ないほどに苛烈な意志を持つ。

エンシェントデイが撃破されても神の取る形が一つ失われたに過ぎず宇宙の摂理が揺らぐことはないと示唆され、空から新人類を乗せた無数の方舟が飛来するところでクエストは終了する(ただしアキラは新人類との融和と、東のミカド国設立の希望を捨てていない)



真・女神転生ⅣFINAL編集

担当声優は麦人

“有らんとして在る者”、宇宙の外(YHVHの宇宙)から人間を観測する無限の創り主にして宇宙の法と秩序そのものとされる。

“絆ルート”及び“皆殺しルート”のラスボスとして登場。また、真Ⅳ本作のYHVHの所業については“神の御業戦争”という名で東京の人々にもある程度認知されている設定である。

今作のYHVHは人間の持つ“観測の力”を自身にとって都合良く捻じ曲げ絶対神としての位階を確立したと語られ、YHVHが統治する宇宙から人類の魂を開放し新宇宙を創造しようと目論んでいるクリシュナ及びダグザ、そして人が人らしく生きられる世界を望む絆ルートの主人公たちと敵対する。

登場人物がYHVHの名を口にすると音声が乱れて何と発音したかわからなくなるような演出がされている。


当初は真Ⅱのような金色の顔だけの姿で、言動もアブラハム宗教における慈悲深く苛烈な唯一神を思わせる超然的な言動を取り、ただ相対して戦うだけでは打ち倒しえない絶対の神として猛威を振るう。だが、フリンや主人公たち人間が持つ“観測の力”によって、救い、免罪、博愛、公明、自由、清廉、慈悲というYHVHを支える神性を否定され、かつてYHVHが敵対する神へ強要した“悪魔への凋落”を受けて弱体化する。その姿は悪魔のような翼を生やした蛇身に、頭部にヤモリや山羊、イナゴ等のかつて自分の宗教が「不浄な生き物」と認定してきた生物群の七頭と、紫の炎に燃やされ悶え苦しむ青白い人の上半身を生やした邪神というべき代物であり、信仰する者に己への賛美のみを要求し“神”という存在に執着する醜悪な本性を露わにする(ある意味一神教を否定したい人間にとっては非常に都合の良い存在として描かれている)。

余談だがそのスタンスはNeutralだったりする。



真・女神転生 STRANGE JOURNEY編集

二周目ロウルート時に受注できるEXミッション「太母の墓碑銘」及び「偽神の幽閉」に登場。

今作の神(YHVH)は歴史の中で数多の地母神を倒してメム・アレフたちの行動を掣肘・牽制してシュバルツバースの発生を抑える地球意思とはまた違った“人類の守護者”だった。しかし、時代の移り変わりと共に人類からの信仰が低下したことで力が弱まり、その隙を突いたメム・アレフ率いる地母神たちによって神自身が貶められてしまい、その力を幾重にも引き裂かれて様々な空間に封印されてしまったのである。


作中では力の一つをセクター・グルースに封印された上に門番としてアリラトが配置されていたことで“神霊の一部”にまで貶められた神自身では手出しができなかったため、機動班クルーの姿に身をやつしてグルースに眠る宝の情報を流布することでアリラトを倒すに足る力を持つ者(主人公)を探していたというのが「太母~」に至る顛末である。

アリラトから力を取り返してメタトロンの姿を得た神は同セクターに己の力の内で最も根元的な要素である「創造神の力」が眠っていることを感知し、主人公に力の解放を続けて依頼する。神と共にグルース最深部まで赴いた主人公は同所に封じられていた造物主たる神霊・デミウルゴスと交戦する。主人公に解放された神霊を取り込んだ神はデミウルゴスの姿を獲得したことで復活に至る態勢を確保し、主人公がメム・アレフを倒した暁には再び人類の守護にあたることを約して去って行く(偽神~)。


なお、リメイク作「DEEP STRANGE JOURNEY」の追加ルートラスボスであるシェキナーとの関係については明言されてないが、シェキナーは同じロウ側にもかかわらず唯一神とはかなり違う性格として描かれている。

以上のようにSJにおけるYHVHは人類の守護者としての性格が強く、今までのシリーズでは見られない気さくで人のいい姿が描かれている。



真・女神転生Ⅴ編集

直接登場はしないが、創造主の名で物語の重大な要素に絡む存在としてたびたび言及される。


創造主はかつてバアルを倒したことで神を統べる証である「玉座」を獲得して創世を行い、現在の世界の秩序を確立させた存在である。

玉座が存在する至高天はナホビノのみが到達できる領域であったが、創造主は玉座が別の神に簒奪されることを防ぐために己以外の神々から「知恵」を奪い取ってナホビノから悪魔へと貶め、それらを「知恵の実」としてエデンの園に封じた。だが、が楽園に住まうヒトに知恵の実を口にするよう唆し、実を食べたヒトは知恵を獲得して神に近しい存在である「人間」になってしまう。創造主は人間を楽園から追放したが、既に人間のは知恵と結びついてしまっていた。人間の中の知恵を悪魔たちが取り戻して再び己の存在を脅かすナホビノになることを恐れた創造主は、「ナホビノの禁」を作り出して至高天への道を完全に閉ざしてしまう。


しかし物語に先立つ18年前、創造主と混沌の悪魔たちの間に起きた「終の戦争」が勃発。至高天へ乗り込んだルシファーによって創造主は倒され、創造主自身の知恵をルシファーに奪われた上にナホビノの禁も破られてしまった。

そして、創造主が倒れてから時は流れ、とある人間悪魔が禁忌であったナホビノへの合一を果たしたことで、創世を目指す神と悪魔たちの戦端が開かれることになったのである。


上記のように創造主は本編開始時点で死亡しているが、終の戦争の余波で消滅した東京を神の奇跡「シャカイナグローリー」によって復元、世界各地に支部を持つ「ベテル」を構築して各地の神々を傘下に置く、ナホビノの禁以上に創造主の存在を警戒して悪魔たちは創世への道を断念していた等、その強大な力は存分に語られている。


余談編集

キリスト教が後に定めた〈七つの大罪〉の内、憤怒嫉妬の2つの大罪YHVHの性質と特徴を示しているとされる(出典=新紀元社出版 著者:苑崎 透 『幻獣ドラゴン』の96ページ)。


関連タグ編集

唯一神 ユダヤ教 キリスト教 聖書 旧約聖書

女神転生 旧約・女神転生 メガテン メシア教


アラー:アラビア語を母語とするユダヤ教徒、キリスト教徒も用いる。


ユーハバッハ霊王:『BLEACH』に登場する、語源を同じくする人物。前者はその能力から周囲の人間にYHVHと同一視され、やがて現人神として行動するようになる。ただし、彼は霊王の息子なので、立ち位置ではYHVHよりはイエス・キリストである。後者は真名がアドナイェウスと言い、語源がYHVHの別名のアドナイとイエスと言う説がある。


シャーマンキングシリーズ:YHVH または YHVH の信奉者をモデルにしたフラ・ヤービス(YVS)とヤハべえ(YHVH の捩り)が、神々の代理戦争「フラワーオブメイズ」にて、ハオや主人公側の最大の敵として描かれている。



外部リンク編集

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