曖昧さ回避
- 『まおゆう魔王勇者』の魔王 →魔王(まおゆう)
- 『ジョーカー・ゲーム』の登場人物→結城中佐
- シューベルト作曲の歌曲→魔王(シューベルト)
- 空の魔王→ハンス・ウルリッヒ・ルーデル
神話・宗教等の『魔王』
元は仏教用語で、仏道修行や善事をしようとする心を妨げる他化自在天の眷族を統べる王のこと。後述のマーラを指す言葉である。転じて、その他の宗教において仏教の魔王と類似した位置付けの存在に対して魔王という訳語が用いられるようになった。詳細は以下の通り。
主な魔王の一覧
ユダヤ教
※キリスト教やイスラム教へも影響しているものを含む。
キリスト教
イスラム教
ゾロアスター教
バビロニア神話
仏教
インド神話
日本
創作作品における『魔王』
上記のように宗教・神話関係の訳語として頻繁に用いられることから、創作作品でも「魔王」の語は多く用いられるようになった。悪魔という悪の具現化を束ねる存在のため、主にファンタジー作品やRPG作品等でラスボスや中ボスを務めることが多い(作品によっては「悪の天才科学者」がこのポジションで、魔法と科学は決して相容れない関係ではないのが分かる)。近年はRPG以外でもこの言葉を目にする機会が増えている。同一作品に「大魔王」も存在する場合、その部下という場合も多い。「大魔王」の項目も参照のこと。
主な魔王の登場作品、及び『魔王』と称されるキャラ
漫画、アニメ
- みどりの魔王(漫画1965年):横山光輝のロボット漫画。主役ロボが「魔王」と呼ばれ、主人公のワタル少年が、頭に着けた「金の環」で魔王をコントロールする。
- 魔王ダンテ(漫画1971年):永井豪の作による漫画。
- チャージマン研!(アニメ1974年):地球を侵略してきた宇宙人であるジュラル星人を統率している長。ジュラル星人の一人ではあるが他のジュラル星人とは容姿が明らかに違う。『ジュラルの魔王』や『魔王様』ともよばれる。
- 太陽の使者鉄人28号:『鉄人28号』のリメイク作品。数多くの惑星を支配する宇宙魔王が登場。
- ドラゴンクエスト ダイの大冒険:かつて地上世界を征服しようとした魔王ハドラー、および彼を甦らせた大魔王バーンが登場。
- 仮面ライダーBlack(漫画):特撮番組『仮面ライダーBLACK』と並行して週刊少年サンデーに掲載。30年後の未来である2018年の世界はゴルゴムの首領であるバッタの怪人「魔王」に支配されている。
- 魔狩人-DEMONHUNTER-(漫画1986年~、OVA 1989年)の魔王:殺戮対象が魔界を抜けた魔物であり、且つ攻撃魔法をほとんど持たない5人の魔王。そのかわり一対の刃物を武器とする。形態はRAVEのそれに近いが、本作の魔界には政治行為自体が感じられない。「その時代、その地域、最強の悪魔」が魔王ということらしく、魔王を敬愛する者はいない。作中で登場した魔王は六道夜摩、那落迦、ヤミー、ガープ、カオス。
- ドロンコ魔王:映画『それいけ!アンパンマン キラキラ星の涙』(1989年)に登場。性格は正統派魔王といえる。魔王の名がつく『それいけ!アンパンマン』のキャラクターには、映画の次回作『ばいきんまんの逆襲』のばいきん大魔王やメコイスの大魔王が、TVアニメ本編にもバイキン大魔王(ばいきん大魔王とは別人)などがいる。
- 地獄戦士魔王:地獄から召喚された田中魔王(「田中」は彼を呼び出した召喚士の姓)を主人公としたギャグ漫画。魔王は500年後に地球を征服するため社会貢献に勤しむ。
- RAVE(漫画1999年~):魔界の王。魔界には複数の国家が存在し、RAVEでの魔王は魔界全体を統治する者ではなく、各国の君主の事を指す。魔王の中でも特に強力な4人は『四天魔王』と呼ばれている。実は『大魔王』の地位も存在しているが、長年空白となっている……。
- 魔王(プリキュア):『映画スマイルプリキュア! 絵本の中はみんなチグハグ!』(アニメ2012年)の魔王。
- ヴァレリア・カルバドス:アニメ『DOGDAYS』2期中盤から登場。女性の裸を遠くからのぞいたり飼育していた魔物が脱走してトラブルを起こしたりして嘗ての相棒から制裁されることが多い。自らを魔王と名乗っているが実際は魔物の王ではなく、魔神の力を使うことに長けた古代英雄の一人で、魔物およびフロニャルド大陸の歴史を研究する学者でもある。平和な世界でも魔物の研究および飼育をしやすくするため魔王を名乗るようになった。更に、数百年前のパスティヤージュ公国女王の弟で、元々はパスティヤージュ公国第一王子だった。
- 魔王:『まじもじるるも』(漫画2007年~2019年)に登場。名前は設定されていない。幼女のような外見をしているが5011歳である。普段は滅多に表に出ず、実力上位の第1級魔女数名や裁判官等限られた者しか素顔を知らない。原作とアニメでは大幅に設定が変更されており、アニメの完結編(OVA)前編では地上視察に赴いていたが、知り合って間もない耕太を不注意によってチケットを使わせ死なせてしまい、後編では反逆罪に問われ厳罰を下されそうになっていたるるもの判決確定直前に法廷に乗り込み、たった一言で判決を無効化させた後るるも達を宮殿に招き、自らの命を犠牲にしてまで助けてくれた耕太の男気に応え、密かに火葬場から転送していた耕太の肉体に魂を呼び戻す大魔法(使用できるのは彼女のみ)を用いて生き返らせるという義理堅い一面を見せた。
- 魔王:『恋愛暴君』(漫画2012年~2018年)に登場。名前は設定されていない。地獄の魔王だが真面目で誠実な人柄で人望が厚いが、一部の下級悪魔は管理統制された地獄に不満を抱いている。グリの父である神とは嘗て同じ相手(悪魔)を好きになった恋敵であり、自身が知らぬ間に婚約していた神が数年後に浮気が原因で離婚して以降は頻繁に天国を訪れてはちょっかいを掛けにくる悪友となる。なお、口論中に殴り合いを誘発する言葉を発することもあるが、実際に殴り合いをしたのは神の離婚を知った直後だけと思われる。このようないきさつにより、グリを彼女の母と重ねるようになり、堕天させて自分の後継者にしようとしていた。その後悪魔になることを自ら望む白峰樒の協力により目論見通りグリを悪魔化することに成功したが、自分の後継者にすることをグリに伝えた際、「私は魔王になるつもりはありません。」「私を母と重ねないでください。」と拒否され、その後は魔王の間で失意に沈み、以降グリ達に手出しすることは無くなった。
- 魔王タソガレ:『魔王城でおやすみ』(漫画2016年〜)に登場。自らの威厳を示すため就寝中のカイミーン国の姫を魔界へ攫ったが相手が悪く、自らの安眠の為に城内の魔族達に鬼畜な所業を繰り返し、女性幹部から人間であること自体を疑われる、城内探索中にうっかりで何度も死んで蘇らせてもらう、幹部会議に何食わぬ顔で参加する、通販番組で見た商品欲しさに人間界に戻ろうとする等究極のマイペースな姫に振り回され続けている苦労人。なお、人間の前では魔王らしく振舞っているが、魔界では純粋なお人好しである。
- 消失の魔王デルキラ:『魔入りました!入間くん』(漫画2017年〜)に登場。同作における魔界の王だった悪魔であり、数百年前から偉業、功績、武勇伝の数々を打ち立て、歴代の魔王の中でも類を見ないほどの魔力とカリスマ性を兼ね備えた伝説的存在。現在は行方不明となっており、魔王の椅子は数百年もの間空席状態となっている。
- 魔王様:『ジャヒー様はくじけない!』(漫画2017年~)に登場。無表情且つ無口で、胃袋ブラックホールな大食い。魔石と魔力が実体化した姿であり、魔法少女に魔石を砕かれ姿を保てなくなっていたが、最も多くの魔石を集めたきょうこの家で復活し、居候するようになる。なお、魔界にいた頃から食っちゃ寝の自堕落な生活を続けている。現在は少女の姿をしているが本来は某特撮シリーズの怪物並みの巨大さで、妹と巨大戦を繰り広げた際は空中での殴り合い、口からビームの撃ち合い等完全にバトルアニメになっていた。
- 魔王:『姫様“拷問”の時間です』(漫画2019年~)に登場。名前はゴッドサンダー。外見は世界征服および人類滅亡を目論む悪の権化に見えるが、実際は親バカ、愛妻家、オタク、常識人という極めて温厚な性格で、幼稚園の運動会で娘と親子競技を満喫する様子を見ていた姫様と聖剣は彼を魔王代理の人だと思い直し、以後何度か遭遇した際もその認識を変えていない。また、無益な争いを好まず、嘗て国王軍最強の騎士が戦いを仕掛けてきた時も自らは一切攻撃せず防御だけで相手を退けた。また、姫様を救出に来た国王軍の騎士と遭遇した際も、焦って攻撃を連発する彼に対し危害を加えるつもりはないから落ち着けと防御に徹しながら諭し続け、勢い余って崖から転落した彼を魔力で助け、鎧に付けていたバッジを見て隠れオタクであることを見抜き、アニメの話題で盛り上がった後魔王だと気付いていない彼が「今度出会ったら、またアニメの話をしよう。」と去り際に語り掛け、友情を育んだ。また、失敗続きの部下に自らが実験台となって再試験を行う、もっとフォローするよう側近に命じる等仲間思いな理想の上司であり、魔王軍自体も週休二日制をはじめ福利厚生が充実したホワイト企業にしている。更に、姫様が風邪をひいたと知らされた際は、側近に「姫に布団を常時配給するのだ!」と命じており、敵であるはずの人間の体調にまで気を配るお人好しでもある。
- 魔王:『Lv1魔王とワンルーム勇者』(漫画2020年~)に登場。10年前勇者に倒されるまでは筋骨隆々の男だったが、彼と早く再戦する為魔力不足状態で復活した現在は何故か幼女になっている。第三の目で現在の勇者の居場所を突き止め、秘書の制止を振り切って押しかけるが、嘗ての面影が無くなって堕落しきった中年男性に変わり果てていた彼を見て愕然とし、更生させるために同居生活を強引に開始した。以後マンションでは幼女姿、外出時は女子高生姿で生活している。なお、時折彼に惚れているような言動をすることがある。困っている人を放っておけないお人好しな性格に加え、元勇者が嘗ての仲間を「死んでくれねぇかなぁ。」と冗談交じりに嘲笑した際は鬼の形相で「地獄に落ちろ!!」と本気で攻撃するほど仲間意識が強く、隣の部屋に引っ越してきた秘書が大失態(泥酔して暴れた挙句元勇者を全裸で街中追いかけ回す、独断で潜入捜査して捕まる)をやらかした際は秘書を一切責めず、土下座して相手に非礼を詫びる等寛大さと礼儀正しさを併せ持つ理想の上司である。
- ディアリア・メル・マルソン:『ドラゴン、家を買う。』に登場。青年時代のある日、とある街の福引に参加賞のティッシュ目的で挑戦したところ、1等の魔王襲名権を出してしまい、自身は何度も固辞したものの魔族達に強引に魔王城に連れて行かれたが、襲名式直前に逃亡し、探索中に無自覚に城中のトラップの数々を発動させ、瀕死の状態で追いかけてきた魔族達に最低限の書類を書くだけでもいいからと懇願され、仕方なくある程度の期間魔王を務めていた。このような経緯もあり、破壊及び侵略行為は一切行っていない。なお、この事は彼にとって黒歴史となっており、魔王と呼ばれるのを嫌っている。
- マオ:アニメ『えんどろ〜!』(2019年)に登場。戦闘時は正統派魔王の姿(CV:玄田哲章)に変身するが、真の姿は幼女(CV:久野美咲)で、ユーシャ達が通う冒険者学校の教師を務めている。ちなみに、第2話中盤まではユーシャ達を退学させる為に策を弄していたが、彼女達の幸運と自由奔放さを痛感し、「我はまたあやつらに振り回さるのか?!そうなるぐらいなら…うん!我もう魔王辞ーめた♪」と満面の笑みであっさり魔王引退宣言をし、以降は良識的で面倒見がいい教師になる。
- レベルE:バカ王子がテラフォーミングした惑星を舞台に作ったRPGのラスボス。高度な人工知能による学習能力を持ったロボットで、ボディは魔王自身でカスタマイズ可能。しかし王子が魔王としての役割を入力し忘れたため常識的かつ良識的な人物に成長した。生みの親のようにならぬための戒めとして敢えてバカ王子を幼くした子供の姿を自らの外見としている。またボディも敵モンスターのような戦闘用の特殊金属の骨格を持たず村人や王様など非戦闘型のNPCと同じもので、町など電磁バリアに覆われモンスターが侵入できない場所に入ることができる。
- マリ(幻日のヨハネ):『ラブライブ!サンシャイン!!』の外伝作品『幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-』に登場。従来は現実世界が舞台で人間しか登場しない本シリーズが本気で異世界スピンオフを行った結果、メインキャラの一人小原鞠莉の種族が魔王家系の末裔になった。
- 高町なのは:詳細は『管理局の白い魔王』を参照。あくまで二次設定であって、公式に明言されたことは一度もない。
- 47の魔王:『バーサス』に登場。13の世界の一つ「魔勢界」における「人類の天敵」である魔族の幹部。大魔王ビャクオウを頂点として47人が存在する。圧倒的な力の持ち主であり、人類の希望である47人の勇者も次々と戦死し、主人公ハロゥも第11魔王ジャチに敗れ仲間と右腕を失った。魔勢界が他の12の世界と融合しロボット、巨人族、新人類、宇宙人、大怪獣といった他世界の「天敵」の脅威に魔族もまた晒されることとなるが、自身が強大過ぎるためか魔王たちはあまり危機感を抱いていない。
- 魔王:『葬送のフリーレン』に登場。物語冒頭で勇者ヒンメル一行に討たれた魔族の支配者。「人の声真似をするだけの猛獣」と言われ社会性など皆無の魔族を1000年以上にわたり支配・統率し続けた存在で、フリーレン曰く「人類との共存を望んでいた」とのことだが、その結果として人類(エルフやドワーフも含む)の数と勢力圏は全盛期の三分の一まで減っている。
- 暗黒魔王ゴクアーク:『元気爆発ガンバルガー』に登場。大魔界の創造主。エルドランによって封印されているため手下のヤミノリウスIII世を操り地球を大魔界の一部に変えようと目論む。他にもサイアーク、レツアークという魔王が存在する。
- ミミドラ:『ポンコツ魔王の田舎暮らし』の主人公。最強の魔王だが、極度のコミュ障で陰キャ。頭に大きな2本の角がある。戦い続きの日々に辟易し、日本の田舎町に逃亡、田舎暮らしを満喫する。
- トクガワヨシムネ:『マツケンクエスト』に登場。異世界に降臨した魔王。主人公のマツケンが長年演じてきた時代劇の主役と同名で、両側頭部に大きな2本の角と目の色以外はマツケンにそっくりだが、どの様な因縁を持つのかは謎。
- 小林幸子:『異世界小林幸子〜ラスボス降臨!〜』の主人公。大晦日の大一番当日、全ての持ち歌を思い出せない事態に困惑していると、気づけば勇者が破壊しようとする魔王像の上にいた………。
小説、文学作品
- 西遊記:孫悟空が留守の間に花果山を乗っ取った妖怪混世魔王が登場。他にも悟空の義兄弟「七大聖」の中にも牛魔王、鵬魔王、蛟魔王と「魔王」の名が付く者がいる。
- 水滸伝:地煞星七十二星の一人で妖術使いの道士である地然星樊瑞が混世魔王を名乗る。
- 指輪物語(小説1954年、翻訳版1972年):「Witch-king」が「魔王」と翻訳されている。どちらかと言うと、同作に登場する「冥王(Dark Lord)サウロン」の方が現在の魔王のイメージに近い。
- ソーサリー(ゲームブック1983年/1985年〜):マンパン砦に潜む。諸王の冠を強奪した。
- スレイヤーズ(小説1990年〜):この作品世界では魔族と神族が世界の覇権を掛けて争っており、魔族の王を魔王、すなわち固有名詞では『赤眼の魔王(ルビーアイ)』シャブラニグドゥと呼ぶ。さらにスレイヤーズの舞台になる世界以外にもいくつかの世界があり、それぞれに魔族とその王である魔王が存在する。それらの名は『闇を撒く者(ダークスター)』デュグラディグドゥ。『蒼穹の王(カオティックブルー)』、『白霧(デスフォッグ)』が確認されている。
- 魔術士オーフェン(小説1994年〜):第2部時代終了後のオーフェンがこう呼ばれるようになる。単純な魔術士としての技量の高さもあるが、キエサルヒマ大陸全土を巻き込む悲惨な内戦の扇動者とみなされていることや、原大陸において最高権力者として開拓民から暴虐と圧政の象徴と見られていることからこう呼ばれる。もっと前の「無謀編」時代にも、邪教崇拝部(学校のクラブ活動)から魔王扱いされかけている。
- 空目恭一:ライトノベル『Missing』(小説2001-2005年)の登場人物。魔王陛下と称されている。
- ナイトウィザード(TRPG 2002年〜):侵魔の王。やたらいっぱいいる。萌えキャラっぽいのもいる。
- 魔王(小説)(小説2005年):伊坂幸太郎の小説。大須賀めぐみによるコミカライズ『魔王 JUVENILE REMIX』(2007-2009年)が描かれる。
- まおゆう魔王勇者(小説2009年〜):豊富な知識を持った女魔王。長く続く人間と魔族の戦いの根本的原因に気づいており、その改善のために勇者に協力を求め、二人で新たな世界と時代に向け歩み出す。→魔王(まおゆう)
- ノスグーラ:『日本国召喚』番外編『辺境の魔王』にて登場。トーパ王国の建国神話に伝わる、身長3.5mほどの全身が黒く角が生えた人型の魔獣で、ゴブリンをはじめとする魔物を同時に数十万体も操る能力や、強大な魔法攻撃を行う莫大な魔力を持つ。人間を好んで喰らう。神話では、グラメウス大陸から出現し、魔物を従えて魔王軍を結成、人類を追い詰めたものの、「太陽神の使い」の活躍で撤退した後、4人の勇者たちによって封印された。1万数千年後、日本の転移後に復活し、魔王軍を従えてトーパ王国に再侵攻するが……………。
- 真奥貞夫:ライトノベル『はたらく魔王さま!』(小説2011年〜)の主人公。別世界で世界征服を志していたが、勇者に追われて現代日本に流れ着き、もう完全に庶民に染まってしまっている。
- 魔王(転スラ):『転生したらスライムだった件』(小説2013年〜)に登場するキャラクター達。物語開始当初は10人だったが、アニメ範囲現在は「八星魔王(オクタグラム)」の8人になっており、現在のメンバーは新星リムル=テンペスト、迷宮妖精ラミリス、破壊の暴君ミリム・ナーヴァ、暗黒皇帝ギィ・クリムゾン、夜魔の女王ルミナス・バレンタイン、白金の剣王・白金の悪魔レオン・クロムウェル、眠る支配者ディーノ、大地の怒りダグリュールというメンバーになっている。
- シン=ウォルフォード:『賢者の孫』(小説2015年〜)に登場するキャラクター。規格外の実力と実績から「魔法使いの王」→「魔王」の二つ名がついた。
- プロヴァト・ペコラ・アリエース:『スライム倒して300年』(小説2016年〜)に登場するキャラクター。見た目と声は完全に幼女で、気さくでいたずら好きな性格、自分より強い相手をお姉様と呼び過剰なスキンシップを取る等魔王としての威厳を全く感じさせない。
- ガロウ・エジル:『チート薬師のスローライフ』(小説2016年〜2021年)に登場するキャラクター。自らに全能にして孤高なる魔界の覇者という異名を付けて威張りちらし、魔界ではそれなりに恐れられているが、異世界ではショタな外見、レイジに説教されて反省する素直さ、若干中二病が入っているアホの子感満載の言動、一目惚れしたノエラに数々の変態行為を働き、尻尾で制裁される等邪険に扱われてもそれらをツンデレ行為と思って笑顔で失神する等の残念な一面故誰からも恐れられていない。しかも、ポーションを作れるようになってノエラのハートを掴む為レイジに弟子入りを志願し、あくまでアルバイト扱いと言われても喜んで受け入れ、以後はレイジを先生と呼び敬語で接している。
- 南雲ハジメ:『ありふれた職業で世界最強』(小説2013年〜)に登場するキャラクター。厨二全開な見た目や圧倒的な強さ、そして冷酷非情且つ傍若無人な振る舞いから「魔王」の二つ名がついた。
- アノス・ヴォルディゴード:『魔王学院の不適合者』(小説2017年〜)の主人公。かつて暴虐の魔王と呼ばれ恐れられていたが本人は平和主義者で、二千年前の大戦で宿敵の勇者カノン達の力を借り、自身の命と引き換えに混沌としていた世界を種族ごとに分断することで禍根を無くした。記憶・能力はそのままに現代に転生後わずか1ヶ月で十六歳相当の姿に成長し魔王学院へ入学するが、魔力が大きすぎて測定できなかったこと、何者かの手によって歴史が改変され、自身の存在が無かったことにされていたこと等により、不適合者の烙印を押された。だが、その後の様々な活躍により二千年前同様多くの人々の心を惹きつけている。
- ザガン:『魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?』の主人公。元々は街外れの城に一人で暮らしていた魔術師だが、13人の魔王の中で最年長だった魔王が死去して数ヶ月後にその才能に目を付けた他の魔王達に呼び出され、様々なやり取りを経て死去した魔王の刻印を右手に刻まれ、より一層強大な魔力を得て新たな魔王になった。なお、作中に登場する魔王は魔族ではなく、強大な力を持ちあらゆる魔術を極めた魔術師が不老不死等の特殊な力を得て数百年以上の時間を生きている者達のことで、人数は必ず13人という掟があるようで、この事例のように一人が欠けると才能のある魔術師にいなくなった魔王の力を受け継がせるということを繰り返していると思われる。
- 魔王エキドナ:『勇者、辞めます』(小説2017年)に登場するキャラクター。数年前魔族達を率いて人間界に侵攻したが、真の目的は魔界を大自然と光に満ちた世界にするために必要な賢者の石を見つける事であり、無益な殺生や侵略行為を禁じているという魔王らしからぬ紳士的な性格である。また、人間を含む異種族にも友好的で、四天王の内魔族のシュティーナを除く3名は人間界で仲間にした。更に、街を制圧した際、人間達に侵略や無益な殺生をしないことを伝えて安心させ、夜に配下達の英気を養うことと人間との交流を目的とした酒席を設ける等気配り上手な理想の上司でもある。
- ラスティーナ:『異世界食堂』の登場人物。魔都在住の魔族の少女。歴代で唯一、世襲で就任した魔王。先代魔王アルティーナは彼女の母。戦闘力や魔力は母より遥かに劣り、魔族としての特徴である角や翼や尻尾も貧弱そのもので、「最弱王」と密かに呼ばれていた。その一方で頭は良く、母の政務の補佐を勤めていた程で、政治家としては非常に優秀。
- フェルディナンド:『本好きの下剋上』の登場人物。エーレンフェストで神官長を務める青年。その傍ら、騎士団任務や領主業務の補佐もこなす一方、周囲の者にも同レベルの仕事を求める完璧主義者。そういった功績や貴族院時代の様々な伝説から、「エーレンフェストの魔王」という異名が付いた。
- デスアビス:『異種族レビュアーズ』の登場人物。十メートル以上の体躯を持ち、つるぺた体型でマイクロビキニにマント姿の少女。大魔導師デミアとは魔術研鑽の同志で親友。現魔王で世界征服を目指しており、時折世界征服宣言を発している。ただし武力を用いる事は考えていない平和主義者で、征服手段は選挙であるため内容は単なる政治演説。魔道の研究が発展しない保守的な世の中に不満を持っており、魔道研究の資金不足が目下の悩み。そんな現状を打破するべく行っている悪魔党党首としての政治活動は権力より技術開発の人材と予算の確保が目的。
- ゼルガディ・フォン・ゼノアス:『異世界はスマートフォンとともに。』の登場人物。桜の父で、ゼノアス魔王国の国王。国王としては威厳があるが、娘限定の親バカで息子2人の扱いは雑、逆に桜からの扱いはぞんざい。ゼノアス魔王国は、国民の殆どが魔族で構成された、他国との関わりをあまり望まない国だった。昼夜の極端な寒暖差、独特な食文化等、普通の人間には暮らし辛い環境だが、人間や亜人も極少数だが住んでいる。特に世界征服等は考えていない。桜の一件が片付いた後、世界同盟に加盟。
- ガルガルド:『異世界のんびり農家』に登場。ガルガルド魔王国の現魔王で、本名のキブスリーから魔王就任時に国名のガルガルドに改名。頭部にドラゴンの様な双角がある。一人娘のユーリを溺愛。国内で「歴代最強」とも言われる無双の戦闘力とそこそこ優れた政治手腕を有するが、大樹の村では霞みがち。
- セト:『転生貴族の異世界冒険録』に登場。エスフォート王国の遥か南方にある島を領地とする魔族の国の国王。召喚魔法の授業中の主人公が大量に魔力を込めた魔法陣から召喚され、直後に主人公のステータスを鑑定で見るや、土下座で命乞いして召喚契約に応じた。恐妻家。
ゲーム
- ドラゴンクエストシリーズ(ゲーム1986年〜):基本的にラスボス・大ボスとして、RPGでも特に多くの魔王・大魔王が登場(バラモス・ムドーなど)。通称「魔王系」。本来の図鑑の分類では「???系/????系」であり、魔王・大魔王もしくはこれに該当するモンスターが登場している。
- ファイナルファンタジーシリーズ:「魔王」の名を持つキャラは少ない。『FINAL FANTASY Ⅲ』の魔王ザンデ。『ファイナルファンタジーUSA ミスティッククエスト』のダークキングが該当。
- ロマンシングサガ3:600年前の「死食」(死の星が太陽を遮り、その年に生まれた生物が死に絶える大災害)を唯一生き延びた宿命の子が魔王と呼ばれ、四魔貴族を従えて世界を支配した。ゲーム本編の時代にはかつての魔王の居城であったダンジョン『魔王殿』や魔王ゆかりのアイテム群『魔王遺物』が登場する。
- ガミガミ魔王:『ポポロクロイス物語』(漫画1978年~、ゲーム1992年〜)の盗賊。自称「世界征服を企む悪の魔王」。
- レッドアリーマーシリーズ:『魔界村』の敵キャラであるレッドアリーマーを主役としたスピンオフ作品。魔王は魔界における村の長の肩書。
- 女神転生シリーズ(小説1986年、ゲーム1987年〜):種族の1つとして登場する。属性は「DARK-CHAOS」。神話や伝説の悪役がこの種族に分類される。→魔王(女神転生)
- ランスシリーズ(ゲーム1989年〜):魔人勢力の盟主。通常魔人は絶対に勝てない。→魔王(ランスシリーズ)
- LIVE A LIVE(ゲーム1994年):中世編における打倒すべき敵…ではなく勇者オルステッドが人間に絶望した存在。→魔王オディオ
- クロノ・トリガー(ゲーム1995年):中世でラヴォス復活を目論んでいた人物。→魔王(クロノトリガー)
- サモンナイト(ゲーム2000年〜):『サモンナイト1』にて無色の派閥によって召喚の儀式が行われた。魔王ルートはいわゆるバッドエンドなのだが、本来は死ぬはずの人たちが生き残ったり主人公をもとの世界に返したりするため、一部のファンからはツンデレ扱いを受けている。
- ボクと魔王(ゲーム2001年):『スタン』という名前の登場キャラがこれに当たる。諸事情から魔王としての威厳は皆無。
- 魔界戦記ディスガイアシリーズ(ゲーム2003年〜)および派生の日本一ソフトウェアのシミュレーションRPG。主人公含め多くのキャラクターが魔王であったり敵をなぎ倒して魔王となる。魔王は一人ではなくご近所感覚の別次元の魔界が存在してそれぞれ魔王が存在する。基本的に力こそ正義、悪行こそ積むべき徳の世界観なので傍若無人・唯我独尊で適当な性格をしている。
- VIPRPG(ゲーム2005年頃〜):姿はRPGツクール2000のRTP素材。詳細は→魔王(VIPRPG)
- NieRシリーズ(ゲーム2010年):本作のラスボス。その正体とそこへ至る経緯から哀しき悪役とも言われている。詳しくは「魔王(NieR)」にて。
- 魔王エンジェル:『アイドルマスター』(ゲーム2007年〜)に登場するユニット。楽曲等のセンスが由来。
- 魔王物語物語(ゲーム2007年):カタテマ氏制作のフリーソフト。作中の本『魔王物語』で言及されている。
- 勇者のくせになまいきだ(ゲーム2007年〜):魔王が主人公であり、破壊神(プレイヤー)の力を借りて勇者を倒そうと企む。
- 神崎蘭子:『アイドルマスターシンデレラガールズ』の二つ名のひとつ、「覚醒魔王」。『グランブルーファンタジー』にも登場した。
- 魔王ルシ子:『オトカドール』に登場するキャラクター。
- 魔王ムウス、魔王リヴィエール、魔王アズール、魔王サッカーラ、魔王ナナワライ:『オレカバトル』に登場するキャラクター。
- ジル=レガート:『PUZZLE&DRAGONS』の登場キャラクターで「千年城の魔王」と呼ばれている。1対の石柱を引き連れており、彼のサポートや妨害を行う。特に転生進化後は無課金キャラでは随一の強さで、敵としてもボスとして出てくるダンジョンは本ゲームでも五本の指に入る難しさを誇る。
実写、特撮作品
- 行け!グリーンマン:東宝制作の5分番組。神によって血を抜かれた魔王を完全復活させるため子供をさらって血を奪おうとする手下たちとグリーンマンが戦う。
- 電子戦隊デンジマン:物語後半から敵組織「ベーダー一族」の用心棒としてバンリキ魔王が登場。後に反旗を翻しデンジマン・ベーダーの双方と敵対するシリーズ初の第三勢力となる。
- 宇宙刑事シャリバン:強大な超能力で宇宙犯罪組織マドーを操る魔王サイコが登場。
- 電光超人グリッドマン:グリッドマンと敵対する次元犯罪者カーンデジファーが魔王を名乗っている。
- 特捜ロボジャンパーソン:メインヴィランの一人である帯刀龍三郎が中盤に改造手術を受け魔王ビルゴルディとなる。
- 魔王(テレビドラマ)(ドラマ2007年/2008年):韓国で放送されたテレビドラマ。それをリメイクした日本のTBSで放送されたテレビドラマ。
- ウルトラマンオーブ:通常の怪獣とは異なる存在「魔王獣」が登場。
- アイドル×戦士ミラクルちゅーんず!:音楽の国を支配する諸悪の根源。
- オーマジオウ:『仮面ライダージオウ』(ドラマ2018年)に登場するキャラクター。主人公で、仮面ライダージオウに変身する常磐ソウゴの未来の姿であるとされている。また、これに伴いソウゴ自身が魔王呼ばわりされることもあり、特にウォズはソウゴのことを常に本名ではなく「我が魔王」と呼ぶ。これに倣ってソウゴのことを「我が魔王」と呼んだり、彼が見せる黒い一面・行動を「魔王ムーブ」と呼ぶ声も。
その他
- 神羅万象:第八章『大魔王と八つの柱駒』にて8つの魔族を統治する大魔王アークと七魔王が登場。
- ホットバージョン:講談社から発売されているビデオマガジン。同誌の企画「峠最強伝説」で頂点に立ったチューニングショップのデモカーが魔王(魔王号とも)と呼ばれている。魔王号と呼ばれている車はGT-Rを専門とするチューニングショップ「MCR」が手掛けたR34スカイラインGT-R、マツダ車専門のチューニングショップ「藤田エンジニアリング」が手掛けたFD3SRX-7、ホンダ車専門のチューニングショップ「J'sレーシング」が手掛けたS2000の三台(なお、FD3SとS2000はMC陣からこれ以上は舞台となっている群馬サイクルスポーツセンター(通称:群サイ)では危険とのことで殿堂入りになっている)。
- 勇者と魔王:pixivのオリジナルイラスト群、及び関連するイラストに付けられるタグ。
魔王の歴史的変遷
最初にある魔王は「宗教的敵対者としての魔王」である。これはキリスト教における「悪魔」の一種が代表であるが、災害や堕落の象徴とされる。この時点では「神の敵対者である悪魔の中でも力を持っている者」程度の定義しかなく、ある種「概念的」である。
次いでフィクションの中に現れるのは「物質的実体を持った魔王」である。『ドラゴンクエスト』のりゅうおうを思い浮かべてもらえばわかりやすい。勧善懲悪のシナリオにおける「敵」であり、「悪」として魔物の軍勢という現実的脅威を率いて人間を侵略する立ち位置にある魔王である。
そして、近年のフィクションで頻繁に見られるのが「政治家としての魔王」である。これは前述の「軍勢を率いて人間を侵略する魔王」からの発展形であり、「軍隊があるなら国家もあるのでは?」「国家があるなら経済もあるのでは?」「経済があるなら教育、ひいては何かしらの思想があるのでは?」という考え方から生まれた比較的新しい魔王像である。このような世界観の下では、「魔物(or魔族)」は「人間とは異なる姿・思想を持つ異民族」とされることが多く、魔王も「魔物を取りまとめる統治者」としての側面が強調されやすい。「絶対正義の人間vs絶対悪の魔王」の構図を打ち崩し、「異なる正義vs異なる正義」という物語構造を作りやすい。
このように一口に「魔王」と言っても、意外とその姿に対するイメージは歴史と共に移り変わっている。このように様々な側面を見せることができるキャラクターとしての魅力も、魔王を冠したキャラクターが多数創造され続ける理由の一つだろうか。
関連イラスト
その他
この他にもさまざまな『魔王』が作られている。
伝統的な作品における『魔王』
ゲーテ原作の歌曲における『魔王』
そのまま『魔王』(原題『Erlkönig』)と題した詩を書いている。後にシューベルトが曲をつけた。
『風の様に馬を駆り、翔りゆく者』と称され、文中に登場する親子を付け狙う。
ネット上ではこの詩(の日本語訳)を改変したジョークをしばしば目にすることができる。
トールキンの作品における『魔王』
『指輪物語』に登場する「アングマールの魔王」。冥王サウロンの配下であり、ラスボスではない。「魔王」は「Witch-king」の訳であり、字義的には”魔術の王”または”魔法の王”である。正確に言えば「黒魔術で堕落した邪悪な王」であり、上記に多い「魔界の支配者」としての魔王とは少し異なる。
実在の人物における『魔王』
武将・織田信長の肩書「第六天魔王」が有名。戦前の思想家北一輝が「片目の魔王」と呼ばれていた。『平治物語』で讃岐に流罪された崇徳上皇は、自ら「大魔縁」になってこの国を呪うと宣言。
その他
海外での扱い
魔王は元が仏教用語であり、英語などには該当する用語が無いので、海外では様々な単語に対応する。
- Archenemy(大敵)
- Dark Lord(暗黒卿、悪神)
- Demon King(最もメジャーな訳)
- Devil King
- Four Demon Gods(四天魔王:RAVE)
- King of Demons
- Load Dark
- Magus(魔術師:『クロノ・トリガー』)
- The Devil
- Witch-king(魔法使いである王:『指輪物語』)
- Demon sultan(アザトースの肩書のひとつ)