概要
ファンタジー世界観における性風俗を描いたR-18作品に定評のある天原氏の短編作品『異種風俗クロスレビュー』(リンク先R-18)を原作とする作品。
『神や魔王、人間をはじめとしたあらゆる種族が生活する世界』を題材に、
『てことはいろんな種族の風俗嬢がいるのである!』
という方向にシフトするトンデモファンタジー漫画。
第一話が読切としてドラゴンエイジに掲載された際、その題材的に『少年誌でやっていいのか』と方々から困惑の声が上がった(編集部からしてもそう思ったのか、扉絵の見出しに『内角ギリギリ』と評されている)。
だが、『発想の常勝無敗』でおなじみ天原氏のコミカルだが独特の発想で作られたストーリーと、獣人や人外娘に定評のあるmasha氏の可愛らしいキャラが絶妙にマッチした本作は多くの読者の心を掴み、モンスター娘に定評のあるオカヤド氏を始め業界関係者にも好評。
2023年8月時点で既刊は、コミックス9巻と小説版2冊、公式アンソロジー2冊が刊行中。
小説版とアンソロジーの方は普通に性描写ありなので要注意。また、アンソロジー執筆者が発表された際は、その道のガチ勢揃いに読者が戦いたという。
また「下品だが多様性に理解のある作品」「下品だがLGBTにも理解のある」など、品が無い点を除けば海外からの評価も高い。
物語・世界観
人間、エルフ、天族、魔族などあらゆる種族が共存する異世界で色街巡りを趣味とする冒険者スタンクは美人エルフ嬢と遊んだ直後、パーティ仲間のエルフ・ゼルと嬢についての論議を交わす。
種族や年齢の相違からぶつかり合う二人は、最終的に周囲の知り合いを巻き込んで点数付きレビューで決着を付ける事に。やがて男達の果てしない冒険(レビュー)の始まりとなるのであった。
基本的な原作は前出の通り「異種風俗クロスレビュー」であるが、実際には天原作品のスターシステム作品であり、原案となるプロットは(「貞操逆転世界」などの明らかに世界観の違う作品を除いた)天原作品全体から広く取り入れられている。
一方でほとんどがR-18作品となる天原作品に対し連載誌は一般誌であるドラゴンエイジであり、このため性風俗をテーマにした作品でありながら、「風俗」その他風俗に関連する文言は基本的に作中には一切出ず、「風俗店」や「風俗嬢」はそれぞれ「サキュバス店」「サキュバス嬢」のように言い換えられている。
舞台となる世界は一見よくあるライトファンタジー風だが、あらゆる種族が(個々の好き嫌いはあれど)共存しており、異種間での恋愛や結婚なども普通に行われている(作中では10世代も遡ればサキュバスの血が混じってない者はまずおらず、完全な純血の方が稀らしい)。
また異種族とは別に異形の怪物などもおり、それらを飯の種にする冒険者も数多く存在している。
その一方きちんと選挙による政治体制が確立されている。
各種族の生態や感性の違いだけでなく、様々な種族がどのように共存しているか、教会や政府、神といった上層部がなぜ性風俗に寛大なのか納得できる理由付けがなされており、作風に反して世界観の設定は非常に濃密で練られたものとなっている。
いわば性を通した、多種族世界のシミュレーションと言うべき作品でもある。えっちに興味がなくとも、抵抗感が無いなら一読の価値はあるといえる。
登場人物
※一話限りのキャラクターも多い為、それらは記載しない。
メインレビュアー
本作のメインキャラクター達で基本的に主人公のスタンクとその相棒のゼルの視点で話が展開する。
人間の剣士で一応の主人公。凄腕の冒険者だがスケベなおっさん(実年齢は外見より若いらしい)で、あらゆる種族とのエッチを目的に様々な店へ果敢にチャレンジしていく。
エルフの男。長命種でありながら短命種と同等のライフサイクルで生きている変わり者で、(冒険もエロも) 超ベテラン。
通称クリム。トラブルで力を失い地上に落ちてきた天使。
非常に純情な少年(両性)で、現在は酒場で給仕のアルバイトをしているが、スタンク達に様々な店へ引っ張り回され順調に染まってきている。
ハーフリングの男でシーフ。呑気な顔に反してしたたかな凝り性。
メイン三人以外では最も参加回数が多い。
犬人族の男で武道家。ずんぐりとした肉体派だが、趣味嗜好はかなり繊細。
参加回数はカンチャルに並び多い。
サブレビュアー
たまにレビューに参加する者達だが偏食または無嗜好のきらいがある為、参加数は少ない。
ラミア族の男でチャラ男っぽい見た目と言動の明るい人物。
蛇の本能が絡む店の場合、主に彼が同行する。
フェアリー族・男。いかにも妖精と言った羽ではなく、蝶タイプの羽を持つ。
地味な娘が好み。
悪魔族・男。少し格式張った話し方をする。
冒険者という身の上からか、悪魔族の中では融通が利く方。
食酒亭
有翼人の少女。スタンク達が拠点にしている冒険者の酒場「食酒亭」の看板娘。
作中における常識人で、スタンク達の色街談義やセクハラ発言の連発には辟易している。
食酒亭のおかみさん。植物系のアルラウネ。
シェフも兼任しているが、実は本人は土壌から触手を通じて栄養を取るスタイルなので経口摂取の習慣が全くない。しかしだからこそ、余計なアレンジを加えないという点で多種族対応の飲食店のシェフには向いていたりする。
サキュバス嬢
本作の肝である、様々な種族のサキュバス(風俗)嬢。
基本的に一話限りの登場だが、一部は再登場する事もある。
詳細はサキュ嬢を参照。
デミアとその関係者
世界最高位に位置する魔導士のお姉さん。
数多くの研究論文を出し、様々なマジックアイテムを世にプロデュースしている天才。
魔法都市で自分にそっくりなデコイ達を派遣し、危険も承知で更なる真理の追求を図っている。
現魔王で数十メートルの巨大娘。ただし体型はぺったんこのロリ体型。
技術の発展を心情とし、政権を取るべく悪魔族のイメージ向上を図っている。あまり上手くいっていなかったが徐々に改善し始めており、現在は魔法都市の市長に当選している。
デミアとは友人関係にあり、互いの目的の為に全面的に協力する仲。
魔王ではあるがこの世界における魔王は邪悪な存在ではなく、あくまで一国家の王の一人という扱いであり、寧ろ冒険者ギルドでも手に負えない厄介な事件を(依頼料は高額だが)解決してくれたりもする。
デフォルメチックな人相を持つ腹黒天使。
神に仕える日々に不満を抱き、偶然そこから外れたクリムに目をつけて、彼やデミアに天使の輪を破壊するための協力を要請して暗躍する。
クラエル
ユガミエルの後輩天使。純朴そうな見た目のツインテちゃんだが、クリム同様両性の天使なのでアレもついているはず。
えっちなことにも旺盛で、クリムの情事を覗いてしまったときには「いつもの癖で」その場でオナニーを始めている。天使が普通の人からは見えないからって何とも大胆である。
その後、天使族としての特性をコピーしたチボに衝突。そのまま美味しく頂かれた(もちろん性的な意味で)。
そして、チボ自身教会の関係者であり、天使との交友が可能な数少ない人物である。初体験が最上級サキュバスであり、かついつでもそのサキュバスと会える・・・そんな状況で、彼女が完全に堕ちてしまったのは言うまでもないだろう。
スイショウ
単眼族の女性。最初に登場したのは10話であり、他種族からの単眼族の評価を知るために単眼店のレビューを依頼した。
単眼族としては容姿に自信が無かった彼女だが、その価値観が他種族と違うを知った彼女は意を決して師匠のゲンマに告白。無事成功したようで、28話では結婚している。
そしてその後、50話でフラスパ教会からの直々の協力要請を受け、ゲンマについてくる形でデミアの研究チームに加わった。
アニメにも原作エピソードの第5話に登場し台詞もそれなりに多かったのだが、なぜかEDクレジットで表記されておらずcvが不明であった。
ゲンマ
量子魔導学の専門家である人間の男性。
28話でのスイショウとの結婚時に初登場し、50話でデミアの研究チームに加わる。
研究チーム唯一の男性で他の面子がやたらエロイ格好の女性ばかりだが、当人は気にしている様子はない(妻が隣にいるというのもあるのだろうが)。
チボ
50話で初登場 。スイショウ・ゲンマと共にチームに加わった最上位のサキュバス。
80年前には既に教会に在籍しており、ユウティとも知己。世界最大のサキュバスタワーの管理人であり、その収益を教会の活動資金に回している。
教会関係者という立場故に一見ふざけているように見えて実は真面目な面もあり、前述の資金援助の他に教会が推奨する異種族婚に対しての他種族からの悩みや既に結婚済みの異種族夫婦の夜の生活での悩み相談等を下記の能力を活かして行っている。
サキュバスには大なり小なり変身能力があるが、彼女は種族の遺伝子情報を取り込むことでその種族の能力や特性に至るまで忠実にコピーできる。クリムの体液から天使の特性を再現し、貴重な天使素材の取得や生体研究に貢献した。天使の特性を再現した状態であれば他の天使を視認することもできるため、偶然現れた天使クラエルを美味しく頂くエピソードも(もちろん性的な意味で)。69話では天使とのHマニュアルを書いていることも明かされた。
ちなみにお相手の贅肉を精力に変換できる能力もある。彼女とヤれば痩せれるぞ!(実際にされたクリムはしばらく女性どころかエッチな事に興味がなくなり、常時張り付いたような笑顔のある意味天使らしい顔になっていた。)
パペットやゴーレムに造詣の深い魔女。尖った耳が特徴的なのでエルフかと思われる。
パペットのサキュバスムービーで快楽神経接続職人として登場し、即席淫紋の母としても名前が出ている。
また、マジカルホールでサキュバスの内部挙動を再現した人物でもある。
フラスパ教会の法皇の正体を知っているらしく、同じく法皇の事を知るデミアに接触した。
その他フラスパ教の関係者
女神
この世界の神。長すぎる髪の毛とそこからはみ出ている生足や手以外は全く見えない。
くしゃみでクリムの天使の輪を破壊した本人であり、現在は眠ってしまってしばらく起きない。
この世界が滅びるまで観察し、滅びた場合は原因を排除した時間軸に移動する、ということを繰り返している。そのため、パペットの種族認定などもおそらく滅びを回避するために必要なことだったのだと思われる。
最終的には自身の加護を不要とする完成された世界の構築を目指している。
ちなみにスタンクとゼルはクリムと初対面の時にいつか天界に連れてってもらう約束をしたが、その目的は天界のエッチなお店に行って天使族や女神族のお姉さんとヤリたいというものだったが、ユガミエルいわく残念ながら天界にそういうものはないらしい(だからか、天使達も欲求不満が溜まっているらしい描写が多々見られる)。
法皇
フラスパ教の法皇。
異種族の共栄を第一としており、純血種の存在を放っておかない理由がある模様。
ユウティ
神の加護を受け半神となった地上最強の個人戦闘力を誇る女勇者。肉が好き。超上位種の犯罪者討伐を主に担当しているが、滅多にいないので基本暇してる。
アマートとコンビで天使絡みの悪評が出たレビュアー達を粛清するためやってくるが、見つけたクリムが本物の天使だったから即撤退した。
この世界のキャラクターの中では珍しい性的なことが苦手な性格で、本物の天使がエロレビューを行っている状態をあまり快くは思っていない。
・・・ただし有名人なので、そっくりな人形を作れるサキュバス店で何十人もお世話になっていたりするのだが…勿論本人はその事は知らない(発覚した場合どうなるかはお察し)。
性的な事が苦手でスケベな知り合い達に呆れたり、上述のそっくりドールでセクハラ被害に合っていたりする点でメイドリーと妙に共通点がある。
ちなみにフルネームはユウティ・ペペであり、由来については原作者いわく「分かる人には分かる」とのことで、彼女が最強の勇者と呼ばれていることもヒントになっている。
アマート
地上最大の軍隊を束ねる総指揮官である、神獣フェンリルの獣人。甘いもの好き。
巨体の男性だが、人形店では彼の人形が作られたことも… 名前の由来は恐らく甘党から。
余談だが、スタンク、ゼル、カンチャル、ブルーズの四人は周囲から一目置かれる冒険者であり、特にスタンクとゼルはそれぞれが真面目に生きていれば今頃は英雄になれている程の実力者である。そのためか、天使の名を勝手に使って低俗なレビューを全国にばらまいているという誤解(天使に悪い遊びを教えているという点では間違ってはないのだが…)でフラスパ教会から粛清対象として抹殺されそうになった時には勇者ユウティと大将軍アマートの二人が直々に出向くという事態になったのだが…
上記のように勇者が動く案件というのは犯罪者が強大な力を持つ竜種や魔王種などの最上位種族で下手に軍隊を向かわせると多大な犠牲や被害が出かねない場合であるため、普段はスケベにしか興味がないスタンク達が本気を出した際の実力がどれ程のものかがうかがい知れる。
テレビアニメ
2019年6月28日、まさかのアニメ化が発表された。2020年冬アニメとしてTOKYOMXなど一部地上波やAT-X、BS11で放送された。制作はパッショーネ。
発表後はtwitterのトレンドに上がるほど反響があったが、ファンからは喜び以上に困惑の声が大きかったのか、『異種族レビュアーズ』と打った時点でサジェストに「正気」と続く(ある意味まっとうな)サジェスト汚染も発生した。なお、原作者の天原氏本人もTVアニメ化について「世間のみなさまと同じように最初は「正気ですか?」と思いました。」とインタビューで答えている。
そして2020年1月、中止されることなく無事放送が開始された…のだが、TOKYOMXでは同年2月1日に放送された第4話の放送を最後に終了した。製作委員会は「編成上の都合」としか発表していないが、理由は推して知るべしということだろう。
またサンテレビでもそれから約半月後の2月18日、こちらも「編成上の都合」で第5話限りで放送を終了することが決定した。
この二局での放送終了(繰り上げ)後の対応に関しては、TOKYOMXでは旅番組「洋上の楽園クルーズ」の再放送に差し替えられ(後に新型コロナウイルスの一件もあって、1回限りで「日本ふるさと百景」へと更に差し替えられた)、サンテレビでは前枠番組でもってその日の放送は終了、という措置を取っている。
そもそも、テレビ放送されたアニメ番組が「1ヶ月にも満たない短い期間」で打ち切りとなったケースは極めて稀であり(よく引き合いに出される「School Days」ですら、アニメ最終話の放送見合わせに至るまでに通常の1クール3ヶ月近く放送されていた)、本作が(サンテレビにおける放送終了)時点で『ドン・ドラキュラ』(制作局では4話で終了となったが、一部地域では8話まで放送。ソフト化もされている)『きょうふのキョーちゃん』(7話で放送終了。こちらはソフト化はされていない)を上回る速さで放送期間の最短記録を(一時的とはいえ)塗り替えてしまう事態となってしまった。
また、北米ではファニメーションというサイトが配信していたものの、これも2月1日までに削除されており、サイトの運営会社は海外ニュースサイトの取材に対し「自分達の配信基準から外れたため」と削除理由を説明、同時に「クリエイターに対し最大限の敬意を払う」という同社のスタンスから「大幅に内容を変更するよりも削除することが最良の選択であると判断した」としている。
もっとも、放送終了(繰り上げ)に関しては、元々内容のひどさから放送中止チキンレースとさえ言われていたため、ファンや視聴者からは「忠実にアニメ化してもエロアニメにしかならないので、地上波は無理だろう」との前評判から、実際に終了しても「やっぱりな」とか、「むしろ英断」とか、放送中止にしたテレビ局を褒める声が結構上がっている一方、放送終了(繰り上げ)を表明していないKBS京都(やBS11)に対する賛辞も少なからずある。そしていずれも無事完走した。
そんな中、岐阜放送が2020年2月28日に1話から放送開始、2話から7話までの3日連続・2話連続1時間枠の変則放送を挟みつつ完走、さらにびわ湖放送も同年3月7日から4月11日にかけて第1話から2話連続放送形式で放送、奈良テレビも同年3月9日から29日までの間、ゲリラ的な放送スタイルで放送していたため、現在では「序盤こそ『短期間で打ち切る局』も見られたが、最終的には『集中放送で完走した局』が上回った」という認識になっている(まあ、後から放送を始めた局は勝算があってやったのだろうから、当たり前ではある)。
放送及び配信には複数のバージョンがあり、地上波・BS11・全ての配信サイト用の「通常ver.」、一部の配信サイト(dアニメストア・ニコニコ動画)用の「裏オプver.」、AT-Xの放送とBD・DVDの円盤に収録予定の「無修正ver.」が公式に発表されていて、通常<裏オプ<無修正の順に修正が薄くなっている(例として、性行為時の効果音が「無修正ver.」でははっきりと聞こえるが、「裏オプver.」「通常ver.」ではそれらが目立たないように調整されている)。
一般的なアニメにおけるソフト化の際には先の順番でリテイク(本放送からいわゆる「湯気取り」や作画修正等を行いクオリティを向上させる)されるのが慣例だが、本作は「効率的に制作を進行させたい」という意向から無修正<裏オプ<通常へと「抑えていく」事で稼働率をコントロールしている(平たく言えば「OVAを地上波で放送するために再編集する」とも表現出来る)。
なお、EDには結構ヤバイカットもある為か、2話になって地上波・BS11版は更に修正されている(サキュ嬢のプレイシーンに顔を除いてバリケードテープ状の修正が貼り付けられた)。
その為放送が1話では一週間遅れで修正の間に合った「裏オプver.」よりも最初に放送され間に合わなかった「通常ver.」の方がEDの内容がより過激になっている(乳首に薔薇の修正があるのみ)。
6話では特殊EDが放送されたが、別の意味でヤバイ事態になっていた。
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外部リンク
ニコニコ静画連載ページ(ドラドラしゃーぷ#公式、第1~4話、最新2話、企画もの無料公開中)