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概要編集

表記揺れとして「スクブス」、複数形は「サキュビ(succubi)」。


男性に淫らな夢を見せ、心身に失調を起こすとされた性行為と快楽を迫る悪魔。

その人にとって最も魅力的で現れるが生殖能力は無く、本来の姿は醜悪。サキュバスが摂取した精液を対と為るインキュバスに放出させ、妊娠させる生態を持つとされ(生まれる子は遺伝的には純粋な人間となる)、「夢魔同士で生殖する」伝承によると、重い障害を負い、醜いまま短い生涯を閉じる「カンビオン」が出来るとされる。

そもそもに侵入してくる為、逃れる事は非常に難しい・・・と思いきや、「寝る時に枕元に牛乳の入った皿を置いておく」だけで目当ての精液と間違えて持って行くというのだから、ずいぶんとアホの子である。


いっそこのうらやまけしからん存在の来訪を望む声さえあるが、敬虔なキリスト教徒には死活問題。

生理現象に打ち克つ事が平穏以上の意味を持つ中世ヨーロッパの人々はこれに堕落すると地獄直行という脅威的存在と為った。


ヨーロッパでは未だにこの方法を信じる人がいるというが、現代にも為ってサキュバスの存在を信じている人は噂に流され易い人なので、安心して熟睡出来るという点で有効らしい。



西方キリスト教世界におけるサキュバス編集

「サキュバス」という語はラテン語に由来する。その語源は「不倫相手」や「愛人」等指す「succuba」か、性交時に「(相手の)下に寝る者」を意味する「succubare」ともされる。これが英語表現における「succubus」に成ったのは14世紀後半とされる。

基本的に悪魔(堕天使)とされるが多いが、17世紀イタリアの神学者ルドヴィコ・マリア・シニストラリは自著『悪魔姦、あるいはインクブスとスクブスについて(De Daemonialitate et Incubis et Succubis)』その正体を「悪魔ではなく樹木精霊」であるとした。同書で紹介される説話の一つでは「エンプーサでありサキュバスである」個体が登場し、リシアスという男性との結婚披露宴で哲学者に正体を見破られる。


近年ではユダヤ教伝承に登場する「リリス」や「リリム」と関連付けられる傾向がある。


図像表現編集

イギリス・ケンブリッジの25番マグダレン・ストリート(25 Magdalene Street)沿い建築物にある16世紀の受け材(corbel)で造形されたサキュバスは、鳥の様な翼を持ち、ウサギの様な足をしている。

また先端に毛の房のある長い尾を持ち、陰部を隠すというポージングに為っている。


ドイツの画家ロヴィス・コリントの1897年の絵画『聖アントニウスの誘惑(Die Versuchung des heiligen Antonius)』やフランスの彫刻家オーギュスト・ロダンの1889年のブロンズ彫刻『La Succube』では人間の女性と全く区別の付かない姿で描写されている。


現代のフィクション作品ではしばしばコウモリ、先端に矢印状の「返し」の付いた「悪魔のしっぽ」を備えた姿で描写される。

一部を除いて等その他の異形要素は抑え目で、外観で他の女悪魔とは区別が付けられない事が多い。女性型の悪魔全体がサキュバスのイメージに引っ張られている節さえあり、その分類は描き手の主観・設定による所が大きい。

例外は在り、例えば『ウィッチャー3』のサキュバスは翼や羽は無いが、角と獣の尾を持ち、下半身はサテュロス状という造形に為っている。


フィクションにおけるサキュバス像編集

20世紀に為ると、「原産地」のヨーロッパで小説映画と言った、非宗教的な媒体でサキュバスが取り上げられる様に為る(英語版ウィキペディアでのリスト)。


近代的なフィクションに特徴的な表現として、「夢では無く現実世界に現れ、生命的な意味での精気を吸い取り全て吸い尽くし死に致らしめるまで離れない」と言った行動パターンが挙げられる。

こうしたタイプのサキュバスは人間との関係が明確な捕食者と被捕食者の関係に為る為、中世以上の脅威として描かれる事になる。

同様の傾向が在るダークエルフと比べても「人類の敵」というニュアンスが強い印象で、この辺りが「亜人(=人間の亜種)」と「人外(=人に非ざるもの)」の境界という事なのかもしれない。


一方で一概に邪悪な存在としない作品も出てきた。

漫画においてはアメコミMARVELが1973年に『サタナ・ヘルストーム』を世に送り出しており、前述の『ウィッチャー3』もこの系統である。

やや先んじて血液版と言うべき吸血鬼が一定の条件下で人類と共存可能であると捉え直されており、サキュバスをその路線に乗せる事もさほど難しく無かったと言える。


日本における扱い編集

サキュバスが日本の創作物にポツポツと出る様に成ったのは1980年代頃、『ドラゴンクエスト』による欧風ファンタジーブームからとされる。

そのごく初期においては「実体は醜悪な容姿」という設定を取り入れる作品も存在したが、小難しい話はさっさと省くという日本人のおかしな合理性により即置き去りにされた


「コウモリの羽状の翼を持つサキュバス」というある意味完成されたデザインが初期の内に確立し受容された事も一因かもしれない。

それまでは翼は有っても状、ほとんどの場合異形要素の無い全裸の女性という表現で有ったサキュバスで在ったが、1987年に日本で発売されたファミリーコンピュータ版『ウィザードリィ』において、このデザインが登場した。

本作のモンスターデザインを担当したのは末弥純である。

これが海外版にも逆輸入され、他作品のサキュバス観にも大きな影響を与えた。


そもそもキリスト教が限定的な広まりに留まった日本では、『デビルマン』『悪魔くん』『ドラゴンボール』のミスター・サタン(海外では改名)に見られる様に、悪魔モチーフにあまり忌避感が持たれていなかった事も大きいかもしれない。


90年代に入ると、『ヴァンパイアシリーズ』のモリガンが一躍人気キャラクターに成った影響も在り、様々なジャンルでサキュバスのキャラクターの登場が増える事と成る。


萌え文化が台頭してくると「押しかけ女房」と同一視する解釈さえ現れ、当たり前の様に住み着いてイチャラブ展開を始める作品がごまんと出現した。

傍目には一般人と区別が付かず、「体液に催淫効果を有する成分が含まれる」等と言った体質的な差異であるとする作品も増えてきている。性欲に対する忌避感がない、仮にあってもそれを恥としている分、普通の女性よりも愛情が深い、とも。サキュバスのキャラが積極的にアプローチを仕掛けることで周りのヒロインポジションのキャラが(密かに)嫉妬する、というのもお約束。


因みに本来は醜悪な容姿をしているという説は「ロリババア」等に、インキュバスとは同一の存在で在るとする説は「ふたなり」等に魔改造されて残存している場合がある。


とは言え、敵キャラとしてのサキュバスにも根強い需要がある。

主に快楽堕ちさせたり、レベルドレインしたり、物理的に捕食したりと言った方向性だが。

特に3番目にはコアなファンが付いており、『もんむす・くえすと!』のアルマエルマの様に「内部がホース状に為った尻尾を持ち、その先端からの様に丸呑みtailvore)してしまう」という形もある。


また、日本で発達した概念として「淫紋」というタトゥー状の紋様が在り、これがサキュバス自身の精力の源とされたり、他人に描く事で吸血鬼の様に眷属を作り出せると言った設定に繋がって行った。

作品別のサキュバス編集

キャラクター名が「サキュバス」編集


個別記事のない「サキュバス」一覧


固有名をもつサキュバスのキャラクター編集



その他編集


サキュバスを主題とした作品編集

漫画編集


アダルトゲーム編集

R-18。同人作品含む。


同人誌編集

2017年に頒布された『まことに ざんねんですが ぼうけんのしょ1は消えてしまいました。』から始まり、現時点で7作目まで続いている長期シリーズ。

妖艶ナイスバディな大人の女性の姿をしたサキュバスが、人間側のショタを一方的に弄んで搾精して行くという逆転なしおねショタ作品なのが特徴。

作者によると、当初魔物(人外)とおねショタ(竿役受け)は売れないからと商業誌でNGが出たので同人誌で描いた所、予想外に売れたとのこと(参照)。


CG集編集


その他編集

その着せ替え人形は恋をする』内に登場する架空の漫画



関連イラスト編集

性質上R-18比率が高く、そうでない作品もかなり際どい恰好をしている事が多い。

センシティブな作品センシティブな作品センシティブな作品センシティブな作品

センシティブな作品センシティブな作品白スクポニテニーソセンシティブな作品

センシティブな作品センシティブな作品Request : Youmaサキュバスで淫紋とか勝てるわけないだろ!


別名・表記ゆれ編集

Succubus サッキュバス スクブス サッカバス


関連タグ編集

悪魔 悪魔っ娘 夢魔 淫魔 人外 淫紋 吸精鬼 女悪魔 サキュバス化

インキュバス アルプ ロリサキュバス カンビオン

サキュバスコーデ サキュバスの服サキュバスーツ) サキュバス水着 シスターサキュバス サキュバスコス

リリス マフカ リャナンシー


エナジードレイン(レベルドレイン):相手の生命力やレベルを奪う技。エロRPGでサキュバスがこれらのスキルを備えている場合もある。


歩く18禁


Sweet_Trip:サキュバスの格好をした店員が勤務する実在のコンセプトカフェ

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