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アメコミ

あめこみ

アメリカ合衆国で創作・刊行された漫画。「アメリカン・コミックス」(英: American comics)の略称。
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概要編集

アメコミは、アメリカ合衆国の漫画を指す「アメリカン・コミックス」の略称。日本では一般に「アメコミ」と呼ばれ、pixivでもアメリカン・コミックアメリカンコミックより「アメコミ」タグのついた作品の方が多い。


アメコミ風に描かれたイラストにもしばしばこのタグが付けられる。


北米(アメリカ合衆国カナダ)では、コミックというと(元々「喜劇的な」という意味の形容詞であるため)、日本におけるコロコロコミックのような児童漫画の意味合いで受け取られることがあり、大人向けコミックはしばしばグラフィックノベル (Graphic novel) と言い換えられる。この用語が普及して以降、「コミック」として創作された過去の作品もグラフィックノベルと呼ばれるようになった。


グラフィックノベルスはリーフ(26pの小冊子)をまとめたコミック・ブック(日本の漫画の単行本に相当)を指す場合もある。


分類編集

メインストリーム・コミック編集

日本では、MARVELDCなど米国の大手パブリッシャーから出版される、スーパーヒーローコミック(メインストリーム・コミック)を指して「アメコミ」と呼ぶことが多い。MARVELとDCの作品は(アニメ製作などと同じく)スタジオでの分業制で創作されており、キャラクターの所有権は作者ではなくパブリッシャーが管理するのが原則。これにより、人気作品は多くの作家によって書き継がれている。


ただし、新興パブリッシャーにおいては必ずしもそうではなく、中堅どころのダークホースコミックスイメージコミックスは、一般的な日本の漫画と同じ「版権は作者側にある」ルールを打ち出している(例:スポーン)。ダークホースは著作権のついた作品のコミカライズや日本など海外コミックの出版にも力を入れている。


オルタナティヴ・コミック編集

中小パブリッシャーから出版されるコミックは「オルタナティヴ・コミック」(ポストアンダーグラウンド、インディペンデント、スモールプレス、ニューウェーブなどとも呼ばれる)といい、しばしば単独の作家により原作・作画が行われる。その作風はメインストリーム・コミックに比べ著しく多彩で、個々の作者の作家性が色濃い。


表現の自主規制編集

アメコミでは1954年以降長らく、コミックス倫理規定委員会(CCA)による表現の自主規制、いわゆる「コミックス・コード」が敷かれていた。アメリカ映画の自主規制規約であるプロダクションコード(いわゆるヘイズコード、日本の映倫に相当)に倣ったものだが制限はより厳しく、ヒーローもの以外のジャンルは特に厳しい規制が課され、結果としてスーパーヒーロー以外のジャンルが衰退し多様性が失われた...とよく言われるが事実は少々異なる(このあたりの経緯については自主規制の記事に詳述している)。


しかし、コミックス・コードの制約にあきたらないクリエイターらが多かったのも事実であり、1960年代末にはアンダーグラウンド・コミックとして「ノンコード・コミックス」が独自の販路で流通するようになり、これに刺激を受けた中小パブリッシャーは、早い時期から独自のレイティング基準を設けた出版社が多かった。後にMARVEL、DCなどの大手もこれを無視できなくなり、コミックス・コードは次第に形骸化。2011年にはMARVELとDCもCCAを脱退して独自基準でレイティングを行なうようになった。CCAは参加するパブリッシャーがいなくなったため廃止となった。


出版社別作品一覧編集

MARVEL編集


DC編集


DARK HORSE編集


その他編集


版権が移ったタイトル


他多数。


玩具の販促編集


出版社またがりの類似ヒーロー編集

DCやMARVELなどの大手パブリッシャーはお互いにライバル社のキャラクターをモチーフにキャラクターも作ってきた。そのため共通点が多いキャラクターが数多く存在する他、名前が同じだが全く別物のキャラクターも多く、混同しやすい状態にある。


()…初登場の年

DCマーベル類似キャラクター・チーム
ジャスティスリーグ(1960)
JUSTICE LEAGUE
アベンジャーズ(1963)
センシティブな作品
地球最高のヒーローチーム
ダークサイド(1971)
ダークサイド
サノス(1973)
サノス
全ヒーローの宿敵
ドゥームパトロール(1963/6)X-MEN(1963/9)車椅子に乗った科学者によって結成された、社会から偏見と差別を受ける超能力者達によるヒーローチーム
ザ・フラッシュ(1940)クイックシルバー(1964)超速のヒーロー
グリーンアロー(1941)ホークアイ(1964)弓の名手、非超人
グリーンランタン(1940)ノヴァ(1976)宇宙警察
ドクターフェイト(1940)ドクター・ストレンジ(1963)ユニバース屈指の魔法使い
アクアマン(1941)ネイモア・ザ・サブマリナー(1939)海底人の王
ブースターゴールド(1986)ケーブル(1990)未来からきたヒーロー
アトム(1961)アントマン(1962)縮小技術を発明した科学者
ホークマン(1940)ファルコン(1969)鳥人間
サイボーグ(1980)アイアンマン(1963)機械系担当
レッドトルネード(1968)ヴィジョン(1968)機械そのもの
マーシャン・マンハンター(1955)ヴィジョン(1968)チームメンバーの人外担当
コマンダースティール(1978)コロッサス(1975)体を生体金属にできるヒーロー
コマンダースティール(1978)キャプテンアメリカ(1941)アメリカ人の鏡
プラスチックマン(1941)、エロンゲイテッドマン(1960)ミスター・ファンタスティック(1961)ゴム人間
ファイヤーストーム(1978)ヒューマントーチ(1961)物理的な意味で体(の一部)が燃えている火属性ヒーロー
スーパーマン(1938)セントリー(2000)マントの最強超人
ワンダーウーマン(1939)Ms.マーベル(1977)代表的な女性超人
ブラックカナリー(1947)ブラック・ウィドウ(1964)格闘美女
キャットウーマン(1976)ブラックキャット(1979)怪盗美女
ザターナ(1964)スカーレットウィッチ(1964)女性魔法使い
バンブルビー(1977)ワスプ(1963)蜂女
デスストローク(1980)デッドプール(1991)凄腕の傭兵
デッドショット(1950)ブルズアイ(1976)凄腕の狙撃手
ブレイニアック(1958)ウルトロン(1968)人類に敵対的な人工知能
ベイン(1993)クロスボーンズ(1989)骸骨マークの薬中
アトミックスカル(1976)ゴーストライダー(1972)炎の灯った骸骨男
ジョーカー(1940)グリーンゴブリン(1964)狂人
ドゥームズデイ(1992)、ソロモングランディ(1944)ハルク(1962)意思疎通しにくい強力な巨人
アルフレッド(1943)ジャービス(1964)金持ちに仕える執事
レッドフード(2004)ウィンターソルジャー(2005)闇落ちした元相棒
スワンプシング(1971/7)マンシング(1971/5)沼地に潜む植物怪人
シャイニングナイト(1941)ブラックナイト(1967)アーサー王所縁の騎士。ペガサスに乗って、マーリンから賜った魔法の剣を振るう
チャレンジャーズ・オブ・ジ・アンノウン(1957)ファンタスティックフォー(1961)四人一組のヒーローチーム
ラーズ・アル・グール(1971)マンダリン(1964)、イエロークロー(1956)フー・マンチュー的な東洋の悪の黒幕
マンバット(1970)モービウス(1971)蝙蝠の能力を自らに移植した副作用で怪物になってしまった科学者
アダム・ストレンジ(1958)スター・ロード(1976)地球生まれの宇宙の英雄
スターロ(1960)フィン・ファン・フーム(1961)地球征服を企む宇宙怪獣
ヴァンダル・サベッジ(1943)アポカリプス(1986)はるか古代から生き続ける不死身のヴィラン
バットマン(1939)ムーンナイト(1975)闇夜にマントを翻して犯罪者を狩るクライムファイター、表の顔は大富豪、自分のシンボルマークを模した手裏剣状の武器を使用
ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ(1940)インベーダーズ(1969)第二次世界大戦頃に活躍した世界初のスーパーヒーローチーム
ライジングサン(1982)サンファイア(1970)原爆投下によって被曝し、熱や火炎を操る能力を得た日本人
スーパーガール(1959)ネイモリータ (1972)、シーハルク(1980)男性ヒーローの従姉妹である女性ヒーロー
Dr.ミッドナイト(1941)デアデビル(1964)盲目、特殊な感覚でハンデを補っている、ヒーロー姿でない時も人を助ける仕事をしている(Dr.ミッドナイトは医者、デアデビルは弁護士)
Dr.マンハッタン(1986)ラジオアクティブマン(1963)原子力に関わる能力を操る核物理学者。全身が原色に発光しておりスキンヘッド
ゴリラ・グロッド(1959)ゴリラマン(1953)人間の言葉を喋るゴリラ
三代目ブルービートル/ハイメ・レイエス(2006)スパイダーマン(1962)虫モチーフ、10代の若者
サージェント・ロック(1959)ニック・フューリー(1963)ベテランの兵士・軍人

ちなみに公式もお互いを意識しているようで、例えば

  • マーベルの「ワンダーマン」は初登場のストーリーで死亡しているが、これはDCから「ワンダーウーマン」と名前が似ている、とクレームが来たのが理由。
  • ネイモアは実写デビューにあたり、先に実写化されたアクアマンとの被りを避けるためか、「アトランティスの王子」から「タロカンの支配者」へと設定変更された
  • ドクターフェイトはストレンジよりコミックデビューは先輩だが、実写化は後輩で、フェイト役のピアース・ブロスナンはストレンジと演じるベネディクト・カンバーバッチへの憧れから出演を決めた(出典

余談編集

アメコミヒーローは設定がよく変わると言われているが、実際は後付け設定が多いと言った方がよく、過去の設定が完全に無かったことになることは少ない。例えば強さの設定はそのヒーローが過去に見せた普段より並はずれた強さすらvsものの作品で考慮に入れられており、短い説明文が頻繁に挟まれている。別設定を作る時は新しい別の世界を作って元の世界はそのまま維持している事が大半であり、同じ世界観の作品で設定を一時的または半永久的に変える場合はビッグイベントとして扱われる程にレアな事である。


アメコミはスーパーヒーローものばかりというイメージがあるが、メインストリーム・コミックとオルタナティヴ・コミック、アメリカ以外の国(日本など)の漫画・コミック・グラフィックノベルの翻訳版では、そもそも流通経路・販売形態が違う為、売上の比較が極めて困難である。特に大手2社のメインストリームとされるコミックであっても「STARWARS」「プレデター」「エイリアン」「トランスフォーマー」などの他社が版権を持つ映像作品のコミカライズ作品の売上もかなり多い為、例えば「MARVELコミックの売上」と言う場合でも、MARVELのオリジナルコンテンツのみの売上を意味しているのか、他社が版権を持っている作品のコミカライズ版も含めた売上を意味しているのかは、注意が必要となる。


MARVELコミックのシーハルクの勤務先の弁護士事務所の地下倉庫にはスーパーヒーロー/スーパーヴィラン関係の裁判の資料としてMARVELコミックのコミック全てが保管されているというメタな設定があり、「資料として保管する場合は、リーフとコミック・ブックのどちらが良いか?」という更にメタな話が作中で行なわれた事がある。

クロスオーバー編集

競演劇の事を指す。1970年代の2大スターによる「スーパーマンスパイダーマン」他

3タイトルが出版されたものの一時休止。公式コラボレーションのアマルガム・コミックスでは下記の能力が類似した面々同士が対決する様子が描かれている。

近年、1990年代の「バットマンパニッシャー」を機に企画は復活を果たす。

他には、「ヘルボーイ」が「バットマン」の住むゴッサムシティを訪ねるなどマニアックな競演がみられた。実はDARK HORSEの「宮本ウサギ」が別会社である「ニンジャ・タートルズ」の共演などがある。


またIDWは2016~18年に『トランスフォーマー』を中心とした玩具シリーズのコラボ「Hasbro Comic Book Universe」を展開していた。

(Hasbroは玩具会社の名前)


関連タグ編集

漫画 海外コミック カートゥーン グラフィックノベル

バンド・デシネ 海外アニメ

スーパーヒーロー クロスオーバー アメコミ風


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