「だからヒーローってヤツはバカなんだ!何にも知らず悪者の罠に嵌り、残酷な二者択一を迫られる。愛する女を見殺しにするか、それとも幼い子供達を神のもとに送るか。どちらかを選べスパイダーマン、そしてヒーローにどんな見返りがあるかを思い知れ!人の運命は、自分が下した選択によって決まる。さぁ、選べ!」
―「スパイダーマン」(2002)
概要
緑の悪魔「ゴブリン」を模した戦闘用コスチューム頭巾を被ったスパイダーマンにとって最大の宿敵。空を飛ぶ乗り物に乗って、ハロウィンのカボチャを模した爆弾パンプキン・ボムを投げつけて来る。肩からショルダーバッグをかけている。薬品で運動神経などが強化されているが、副作用によって精神が蝕まれている。初代のノーマン・オズボーンを始め、彼の息子のハリーなど複数人が名乗っていた事がある。
後にノーマンの秘密基地を見つけたある人物が、装備一式などを盗みホブゴブリンと言う新たなヴィランとなった。
襲名者
- 初代:ノーマン・オズボーン
- 二代目:ハリー・オズボーン(ノーマンの息子)
- 三代目:バート・ハミルトン
- 四代目:フィル・ユーリック
- 五代目:姓名不明
実写映画
原作通りにノーマン(演:ウィレム・デフォー、日本語吹替:山路和弘)がグリーン・ゴブリンとなっている。
元々は息子想いで、彼の親友であるピーターの事も家族同然だと思ってる心優しい科学者だったが、自身が社長を務める軍需企業オズコープ社で行われていた身体能力増強薬の研究の結果報告が遅れていた事を理由に、軍から「あと2週間以内に結果が出なければ、研究資金を打ち切る。」という圧力をかけられてしまう。これに焦ったノーマンは会社を守る為、恐怖を感じつつも自らが実験台になる事を決意し、身体能力増強薬を服用してしまう。
その結果、超人的な身体能力を手に入れる事には成功したものの、副作用で誕生してしまった凶悪な別人格に意識を乗っ取られ、グリーン・ゴブリンとなってしまった。メタリックな緑のマスクと全身アーマー(いずれもオズコープが開発した戦闘用スーツ)を装着している。こちらも原作同様、パンプキン・ボムやレーザーバットといった武器を使い、グライダーで空中を飛び回る事が可能。他にも手首から有毒ガスを放出させる事も出来る。
口腔にあたる部分が半透明のフェイスガードとなっており、明るい場面では素顔の口元が透けて見える。
善良なノーマン・オズボーンと凶悪なグリーン・ゴブリンとで人格が完全に分離しており、ストレスや不安で追い詰められるノーマンを突然グリーン・ゴブリンが乗っ取って、悪事を好き勝手に行う。ちなみにゴブリンに乗っ取られている間、ノーマンの記憶は無い。ノーマンは、自分が知らない間に、勝手に悪事をする彼に怯えているのに対し、ゴブリンは、罪も無い人々が苦しんだり、悲しんだりするのを見て楽しむ「悪魔」として描かれている。終盤ではノーマンの人格に戻ったフリをしてスパイダーマンを油断させてる間に背後からグライダーで刺そうとするが、回避されてしまった事で自らに直撃し、ノーマン共々死亡してしまうが、以降も亡霊となってハリーを唆すなど、暗躍を続けていく。
当初の予定では3作目『スパイダーマン3』でハリーが2代目グリーン・ゴブリンと化す予定だったが、直前でデザインが大幅に変更された。そのため、このハリーの方のゴブリンは、グリーン・ゴブリンではなくもっぱらニュー・ゴブリンと呼称されている。
- マーク・ウェブ版
『アメイジング・スパイダーマン2』で登場。
本作ではノーマンが登場してすぐに亡くなったため、息子のハリー・オズボーン(演:デイン・デハーン、日本語吹替:石田彰)が初代のグリーン・ゴブリンとなった。自らの病を完治させる為にスパイダーマンの血液が必要と考えたハリーは彼に直接交渉するが、輸血は危険だと判断したスパイダーマンはそれを断る。その後、自分の命を顧みなかったと誤解したハリーはオズコープ社を襲撃し、社内にあった蜘蛛の毒素を独断で使う。その結果、スパイダーマンの予想通り、病は急激に悪化し、ハリーはグリーン・ゴブリンとなってしまう。しかし、サム・ライミ版のノーマンの様に別の人格に支配されている訳では無く、ハリー自身の人格が狂気に染まっている。そして、自らがゴブリンになってしまったのはスパイダーマンのせいだと勝手に決めつけたハリーは彼の希望を奪う為にとんでもない悲劇を引き起こすきっかけを作ってしまう。最後はスパイダーマンとの戦闘の末、気絶。後日、刑務所に収監された。
顔出しでアーマーが機能性重視のデザインとなっており、装着者を自動的に治癒する機能も備わっている。
当初の構想によれば、ノーマンが死後に頭部のみの状態で冷凍保存されて続編でグリーン・ゴブリンとして復活する予定であったが、打ち切りに伴って白紙となった。
ちなみに(本編では使われなかったが)2作目の時点で冷凍保存されているシーンの撮影が行われていた。
- MCU版
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』に登場。
本作のグリーン・ゴブリンは、ドクター・ストレンジの魔術の影響により、サム・ライミ版の世界から呼び出されたノーマンである。彼の時系列は、感謝祭でスパイダーマンの正体がピーターだと気づいてから、終盤で自滅するまでの間。本作でも相変わらずノーマンとゴブリンで人格が完全に分離している。演者はデフォー、吹き替えも山路が続投する。分かりにくいかもしれないがデフォーの顔は、ドクター・オクトパス役のアルフレッド・モリーナと同じくデジタル処理によって当時の年齢に合わせて若返らせられている。
実質、今回のメインヴィランにしてホーム三部作のラスボスであり、記念すべき実写版スパイダーマン最初のヴィランが、MCUスパイダーマンでは最後のヴィランとして立ちはだかる事になった。
本作では自分を含めたヴィランズを元の善人に戻す為、ピーターと共に解毒剤やデバイスの製作をするが、中盤で再び覚醒したゴブリンの人格に肉体の主導権を奪われ、他のヴィラン達を煽って反逆させた挙句、ある人物(リンク先ネタバレ注意!!)を殺害するという暴挙に及び、ピーターの心に大きな影を落とすことになる。サム・ライミ版の時と変わらず邪悪でクズな性格でスパイダーマンを激怒させた。
登場当初はお馴染みのマスクを着けていたが、程なくして正気に戻ったノーマンによって破壊され、その後再び人格がゴブリンに乗っ取られて以降は素顔を晒しフードを被った、原作のホブゴブリンを思わせる新たな姿で活動している。
新しい世界を支配する為に、暴走を続けていたが、終盤でスパイダーマンと死闘の末、解毒剤を打たれた事でゴブリンとしての凶悪な人格は完全に消え、本来のノーマン・オズボーンに戻り、これまでの行いを深く後悔しながら、元の世界へ帰っていった。
ちなみに演じたウィレム・デフォーは本作に出演する際の条件として、制作陣に対し「自分にアクションシーンをさせる事」、「カメオ出演にしない事」を事前に伝えていたという。
アニメ
ノーマン自体はシーズン1から登場しているがグリーンゴブリンになるのはシーズン2から。
この作品のグリーンゴブリンはスーツではなく、ノーマンがヴェノムとスパイダーマンの血の混合物を投与したことによって体が変異しゴブリンのような姿になった設定である。
グリーンゴブリンは登場しているが正体がノーマンかどうかは不明。
シーズン1前半ラストでノーマンがグリーンゴブリンのなるような伏線があったがミュータントスパイダーになるだけであった続くシーズン1後半ラストではなんとホブゴブリンになってスパイダーマンを襲った(マーベルスパイダーマンのホブゴブリンはハリーのため彼に成り代わり襲ったと思われる)その際緑のガスを浴び天井の崩壊とともに生死不明のためシーズン2でグリーンゴブリンとして再登場する可能性がある。
こちらのグリーンゴブリンは比較的に原作に近くノーマンの方と同様である。今作ではハルクを暴走させ、ヒーローは管理すべきだと「スーパーヒーロー規制法案」を可決させようと訴えた。さらに法案に反対する議員を次々誘拐していった。しかし、アティとクロエそしてスパイダーマンの気転で正体が公に晒されると、トニーから押収したハルクバスターを持ち出して無差別破壊を始めたがアベンジャーズによって倒され逮捕された。
数メートルの巨体でガーゴイルのようなクリーチャー染みた外見となっている。
上述のアルティメット・スパイダーマンで異次元が繋がった際にマイルス・モラレスが居た異世界のグリーンゴブリンもこういう外見だった。
ゲーム
本作におけるノーマンは普通の人間であり、作中では直接登場こそしなかったものの、エピローグにて逆恨みでスパイダーマンに復讐するために「G血清」の使用を言及する等、グリーンゴブリン誕生のフラグを立てていた。
関連イラスト
関連タグ
ゾッド将軍(ザ・フラッシュ):DCコミックのキャラクターであるが、色々な意味でMCU版グリーンゴブリンと似たようなヴィランと言える。ただし、こちらは勝ち逃げに等しい結末を迎えていた。