「クリプトンを……守り抜くという事。ただそれだけの為に私は生まれたのだ。どれだけ暴力を振るおうと……いかに冷酷で……残虐だろうと……全てはクリプトンの民を……守る為だった…」
「だが今や……守るべき民はいない。我が魂……それを、お前は…私から奪ったのだ!」
概要
初登場は1961年の『Adventure Comics #283』に収録された「The Phantom Superboy」。
スーパーマンの宿敵であるクリプトン人。
故郷のクリプトン星で政府に反逆した罪で裁判にかけられファントムゾーンへ40年間の追放の刑に処せられる。その後、ファントムゾーンで同じく捕らわれていたファオラ=ウルやジャクス゠オーと協力しファントムゾーンから脱出、強引な手段でクリプトンを復興させようと侵略行為を行い、スーパーマンをはじめとするヒーローたちと戦う。
クリプトン星の崩壊以前は、スーパーマンの父である科学者ジョー゠エルとは友人関係にあり、スーパーガールの母親で同じく科学者のアルーラ・ゾー゠エルも信頼を寄せるほど人望のある軍人であった。
映画
スーパーマンII/冒険篇
ゾッド将軍が宿敵として登場した初の実写作品。反逆の罪でファントムゾーンへ追放される際、ジョー゠エルを説得するが拒絶され恨みを持つようになる。スーパーマンがテロ事件の核ミサイルを宇宙空間に投棄した結果、核爆発と共に次元に歪みが起きファントムゾーンから脱出する。ゾッド将軍は同じく囚われていたクリプトン人のアーサやノンと共に、ジョー゠エルの代わりに息子のカル゠エル(スーパーマン)に対して復讐を目論む。
この作品以降ゾッド将軍は、スーパーマンとクリプトン星の因縁があり能力的に互角の戦いをするヴィランとして描かれるようになり、初期の原作コミックでは制帽を被り指揮官らしい容姿だったが、後にクリプトン由来の個性的な衣装や重厚なバトルスーツへと変わっていった。
DC Extended Universe
本作ではクリプトン星の軍部リーダーとして登場しており、哀しき悪役としての一面が強調されている。
演者は([マイケル・シャノン]]、日本語吹替が広瀬彰勇。
科学者ジョー゠エルの友人であり、星の未来を案じている点ではジョーと同じ志であったが、ゾッドの場合は他の星の文明を滅ぼしてでも移住を強行しようとしたため、ジョーとは対立していた。
崩壊寸前のクリプトン星を放置する元老院の堕落ぶりに対して軍事クーデターを発動したが、移住に必要なコデックスをジョーに奪われて失敗に終わってしまった。
その後、逮捕されファントムゾーンへと追放されたが、ほどなくクリプトン星の消滅に伴ってファントムゾーンを抜け出してクリプトン文明を再興出来る星を探し続けていた。
そして、ジョーの息子が辿り着いた地球を発見し、クラーク・ケントと名乗っている彼を味方に引き入れて地球をテラフォーミングして文明を再興させようとするが、地球の味方をするスーパーマンからは拒絶され、死闘を繰り広げる。
地球と宇宙空間をまたぐ戦いや止めの刺し方、「勝利とは?」といったテーマ性は『War of the Supermen』『The Harvest,Conclusion (Action Comics #805)』から引用されている。
日本語吹替の広瀬氏は『アクアマン』でネレウス王役も演じていたが、ゾッド将軍とは逆にヒーロー寄りの役回りであった。
『マン・オブ・スティール』の続編にあたる本作では、彼の遺体は研究材料としてレックスコープによって回収、保存されていた。
本編終盤ではレックス・ルーサーの手によってクリプトン人のなれの果ての姿である「ドゥームズデイ」として蘇生してしまう。
スーパーマンとバットマンとワンダーウーマンの3人を相手に圧倒するも、最期はクリプトナイトの槍を手にしたスーパーマンの捨て身の攻撃で二度目の死を迎えた。
本作では原作コミックと同じドゥームズデイの能力に加え、ゾッド将軍が変化したことでヒートビジョンや飛行能力を備えている。
別のユニバース(世界線)のゾッド将軍が登場。
幼少期のスーパーマンを殺害したことで、彼に勝てるヒーローがいなくなり、何度時を戻してもスーパーガールとバットマンを戦死に追いやった。
本作の真のヴィランであるダークフラッシュも事態を解決できず、結局、世界を救う為に、バリー・アレンは母親の命を諦めた。
単なる障害物として処理されたが、同族殺しを惜しむ等、立体感を出そうとする痕跡は見られた。
ゲーム
DCコミックスのキャラクターで戦う対戦型格闘ゲーム。
ゾッド将軍もプレイアブルキャラクターとして登場している。
関連イラスト
関連タグ
小ネタ
ロックバンド3 Doors Downの楽曲に「Kryptonite」というタイトルがあり、ボーカルのブラッド・アーノルドと『マン・オブ・スティール』でゾッド将軍を演じたマイケル・シャノンがそっくりだったため、「ゾッド将軍がスーパーマンについて歌ってる」というシュールさが話題となった。