概要
DCコミックスのアメリカン・コミック『スーパーマン』の登場人物であり、主人公のスーパーマンのもう1つのアイデンティティーである。
1938年の『Action Cmics #1』で初登場して以来、「クラーク・ケント」というキャラクターはスーパーマンの変装として描かれてきた。1980年代以降はクラーク・ケントという1人の人間としての側面も描かれるようになり、日常でのヒーローや家族との交流、ロイス・レーンとの恋愛や結婚、子供の誕生や父親として過ごす日々などが描かれている。
1974年から1982年にかけて出版された『スーパーマン・ファミリー』のシリーズでは、「The Private Life of Clark Kent(クラーク・ケントの私生活)」というタイトルでスーパーマンになることなく事件を解決する物語が描かれた。
以降は「スーパーマンの仮の姿がクラーク・ケント」なのではなく「クラーク・ケントこそがスーパーマンの善性の象徴」という解釈の作品も作られる事が多くなった。
人物
本名:クラーク・ケント(Clark Kent)、カル゠エル(Kal-El)
頭髪:黒髪
目:碧眼
身長:190センチ(6'3")
体重:107キロ(235lbs.)
誕生日:2月29日
好きな食べ物:アップルパイ
クリプトン星出身の宇宙人であるスーパーマンの本名はカル゠エルであり、スーパーガールなどのクリプトン星出身の人物からは「カル」と呼ばれている。
クリプトン星が滅亡する直前にジョー゠エルとラーラによってロケットで地球に飛ばされた赤ん坊の彼を、カンザス州のスモールヴィルで農場を営むケント夫妻が拾い養子として迎え入れ「クラーク・ケント」と名付け育てた。クラークという名前は育ての母親、マーサの旧姓クラークから。クラークは成長するとスモールヴィルから大都会メトロポリスへ移住しデイリー・プラネット新聞社へ入社、同社の記者となる。
堅実な仕事振りと温厚な人柄で人望はあったものの、後述する昼行燈振りから「お人好しだが地味」というのが凡その人物評。パートナーとして行動することの多かった同僚のロイス・レーンからも人柄は認められつつも、肝心な時にいつも居なくなるため、当初は「ジャーナリストらしくない」「情けない」と評され、余り快く思われていなかった。
紆余曲折を経てロイスと結婚、2人の間に息子のジョン・ケントが誕生した。当初はジョンにも自身がスーパーマンであることを隠していたが、隠し通すことができず後に明かしている。空いた時間には家族で過ごすことを心掛け、遊園地へ出かけるなどしている。またジョンの誕生以来、ブルース・ウェインとは父親同士としての交流も増えている。
スーパーマンはスーパーヒーローとしては珍しく、ヒーローコスチュームを着るのではなく、逆に普通の服を脱ぐことで変身(変装)するヒーローとなっている。ネクタイを外す仕草やシャツを胸元から破くポーズは「誰もが持つ内なるヒーロー(Inner Hero)」のイメージとして認知されている。
着替える場所については電話ボックスで変身する印象を持たれているが、回転式ドアや路地裏、さらにはタクシーの車内だったりと、そもそも目にも止まらない速さで着替えているため割と場所はどこでも良さそうではある。
また、普段は黒縁眼鏡をかけている。これは伊達メガネで、周囲から「あんな奴がスーパーマンなわけがない」と思わせるために着用している(ロックバンド「U2」のボーカリストであるBonoも眼鏡の有無で印象が変わるので意外と実用的なのかもしれない)。その他にも髪型を変える、意図的に猫背の姿勢を取るなど、彼なりに正体がバレないよう工夫を凝らして「余り目立たない地味な人物」を演じている。過去には「催眠波を発して周囲の人々の認識に干渉している」といった設定もあった。