曖昧さ回避
- ロックマン8に登場するボスキャラについてはアクアマン(ロックマン)を参照。
- ロックマンエグゼの登場ナビについてはアクアマン(ロックマンエグゼ)を参照。
概要
モート・ウェイシンガーとポール・ノリスによって創造され、1941年11月の『More Fun Comics #73』で初登場した。
アクアマンは海底王国アトランティスと地球の海の統治者であり、超人的な強さと速さ、そして海の生物を指揮する能力を持つアトランティス人である。彼の身体は陸地でも温度や水圧が極端な深海でも耐えて生きることができる。王族の血を引いていることからオリン、人間としてはアーサー・カリーという名前を与えられ、その強大な能力と政治的影響力を駆使して両世界を守るために戦っている。
プロフィール
海底王国アトランティスの王。アトランティスの住民は彼同様、水陸両生の海底人である。ジャスティスリーグの創立メンバー(Original Seven)の1人。
アトランティスの王という人類とは一線を画した立場ゆえに、常に地上のヒーローたちと協力するわけではない。さらに、自国の政治や他の海底王国及び地上の国々との外交、王家の派閥争い、妻子を失う、王国が一時的に崩壊するなど苦労も多い。
アーサー・カリーは、アトランティスの女王アトランナと、アムネスティ湾の灯台守トム・カリーの間に生まれた。アトランティスに戻ったアトランナの立場を思いやり、トムは男手一人でアーサーを育てることになった。子供の頃、徐々にアーサーは母親の能力を受け継いでいることを示し始める。
その後、アトランナ女王の王室顧問であるヴァルコによってアトランティスに連れてこられた。しばらくはアトランティスを統治していたが、その役割を放棄し、弟のオームが王座に就く。アーサーはかつてのアトランティスの王が残した兵器を探すために世界中を旅している間、海底王国ゼベルから自分を殺すために送り込まれた暗殺者であるメラと出会い、恋に落ちる。
能力
水中でも陸上(空気中)でも呼吸ができ、双方の環境で(ほぼ)無制限に活動できる。
- 驚異的な遊泳速度
水中を時速160kmで泳ぐ事ができ、その気になればナイアガラの滝を泳いで登る事が可能。
- 水棲生物との交信
魚を始めとする海に住む生物に命令を聞かせて、自由に操れる。トビウオを操って低空飛行をしたこともある。
初期の作品では『魚と口頭で会話し、指示出しをする』というメルヘンチックな描写がなされていたが、現在は『魚の脳に直接テレパシーを送る』という描写に変更されている。
水棲生物ならば魚に限らず、海獣(クジラやイルカ等)や爬虫類(ウミガメやウミヘビ等)や無脊椎動物(タコやイカ、クラゲ等)、果ては巨大怪獣(実写映画に登場したカラゼン等)すら自由に操れる。
ちなみに、原作コミックでは『アクアマンがシーフードレストランに来店してフィッシュ&チップスを注文したら、周囲の他の客がドン引きして『魚とお喋りできるのにそれはないだろう』とツッコまれる』というシーンがあり、この能力が(コミック劇中世界の)一般人にも『アクアマンの代表的な能力』として広く知られている事が良く分かる。(小学館集英社プロダクションより出版の邦訳アメコミ『アクアマン:アトランティスの王』第1章参照)
(なお、この際アクアマンは「魚とは話さない」、「魚の脳は会話するには原始的すぎる」と断った上で自分の能力について「テレパシーで魚達の中脳に指令を送るんだ」と説明している)
- 頑健な肉体
その肉体は深海の水圧や低水温に耐え、機関銃で撃たれても傷一つつかない程の防御力を有している。
実写映画版では『剣で突き刺そうとしても刃が通らない』、『至近距離(目測で約2~3メートル)から発射されたグレネードランチャーの弾が直撃した直後に「……痛い」とうめきながら立ち上がり、出血どころか火傷すら負っていない』という描写がされた。
ただし、流石にスーパーマン並みに無敵という訳にはいかず、『アトランティス製の武器による攻撃』では簡単に出血を伴ったダメージを受けるし、コミックでは左手をピラニアに食べられて失っている。
- 怪力
原子力潜水艦を軽々と持ち上げられる怪力を有する(参考例:アメリカ海軍のオハイオ級原子力潜水艦の水中における排水量は約18,750t)。
ちなみに英語版ウィキペディアによると、通常のアトランティス人は約2tまでの物体を持ち上げられるらしい。
- 跳躍力
一回のジャンプで最大6マイル(約9.6km)まで跳べる。
- 鋭敏な感覚
ほぼ真っ暗闇な深海でも見通す視覚、ソナー能力を備えた聴覚など。
使用(する/していた)武器
- 水棲生物の大群
上記の『水棲生物との交信』能力の応用。
アクアマンの号令で何千匹もの魚の大群が敵に向かって進軍する様は圧巻の一言。
- 左手の義手
一時期、左手を失っていた際に装着していた。
当初は先端に銛がついただけの海賊チックな義手だったが、後に水の精霊『レディ・オブ・ザ・レイク』(アーサー王伝説に登場する『湖の乙女』と同一の存在)の魔力を宿した魔法の水製の義手に変わった。
魔法の水製の義手は、水色の半透明である事を除けば生身の手と遜色無い外見をしており、『触れた人物から水分を奪う』、『火傷もしくは凍らせる水のジェットを発射』、『治癒』、『異次元へのポータルを開く』、『魔法を制御または無効化する』等の力を有していた。
現在のアクアマンの左手は生身に戻っている。
海の神ポセイドンから海の支配者の証として授けられた三ツ又の槍。
槍としての直接的な攻撃力以外に、水を操作し、エネルギービームを放つ力を持つ。
2011年の『new52』展開においてこのトライデントは、津波や洪水を召喚し、雷を起こし、氷を生み出し、陸地を動かし、水を媒介にして他の惑星にテレポートさせる等の能力を発揮し、本来のトライデント(槍)の姿からグラディウス(剣)の姿に変形する機能まで有している強力なマルチウェポンとして描写されている。
この他、『アトランティス初代王が使ったトライデント』も使用している。
弱点
かつては『一時間おきに水に触れないと死ぬ』というあからさま過ぎる弱点を持っていたが、現在は『普通の(つまり地上の)人間よりも、脱水症状になりやすい(それでも砂漠でもない限りは大して影響は無い)』というマイルドな弱点に変更されている。
登場キャラ
ファミリー
メラ(Mera)
アクアマンの妻。ゼベルというアトランティスとは異なる海底王国の出身でアクアマン暗殺の指令を受けた刺客であったが、アクアマンと恋に落ちて結婚する。海水からコップの水まで、水であれば量に関わらず自在に操る能力を持つ。
アクアラッド(Aqualad)
初代アクアラッド
本名:ガース(Garth)
アクアマンのサイドキック。ティーンタイタンズの初期メンバーで、現在はテンペスト(Tempest)と名乗って活躍している。ティーンタイタンズ脱退後は、ディック・グレイソンやウォーリー・ウェストといった初期メンバーと「タイタンズ」の名で再結成している。
2代目アクアラッド
本名:カルダラーム(Kaldur'ahm)
水中での適応能力や、メラと同じく水を自在に操る能力を持つ。メキシコに住んでいたが、自身の本当の出自を知るため「ティーンタイタンズ」に加入する。アクアマンと出会いアクアラッドとして迎え入れられた。
アニメ『ヤングジャスティス』に登場するアクアラッド。
ドルフィン(Dolphin)
化学実験で強制的に海底人の能力を植え付けられた女性。その後、実験施設から脱走しアクアマンたちと出会う。
ヴィラン
ブラックマンタ(Black Manta)
アクアマンの息子と左手を奪った張本人。人並み外れたパワーを持ち、様々な装備を身に付けている。
オーシャンマスター(Ocean Master)
アクアマンの異父弟。アクアマン不在の時に王座に着いていた。アトランティス軍を率いて地上を攻めたことがありアクアマンと闘ったことがある。ただ単純なヴィランというわけではなく法を重んじる公平な男。またアクアマンを尊敬しており彼が地上の王だと思っている。
映画
DC Extended Universe
2016年公開の実写映画。
演 - ジェイソン・モモア
メタヒューマンの記録映像に登場。
2017年公開の実写映画。
演 - ジェイソン・モモア
日本語吹替 - 安元洋貴
キャラクターデザインは一般的に知られている短髪姿ではなく1990年代のコミック版の長髪・髭をたくわえた時期がベースとなっており、近年のコミックでも再び長髪になっている。
また、ハワイ風の入れ墨が原作のキャラデザに逆輸入された。
アクアマン
アクアマン役は引き続きジェイソン・モモア。妻のメラ役はアンバー・ハード、母のアトランナ女王役はニコール・キッドマン、参謀のヴァルコ役はウィレム・デフォー、異父弟のオーム役はパトリック・ウィルソン、
宿敵のブラックマンタ役はヤヒヤ・アブドゥル=マティーン2世。
「ジャスティスリーグ」の再編集版。
演 - ジェイソン・モモア
単独作の制作当時未公開だった為、家族の生死やモブ兵士のデザイン、水中での会話シーンの描写等、本作と展開が矛盾している。
2023年公開の実写映画。
演 - ジェイソン・モモア
エピローグの改変後の世界で登場。
演 - ジェイソン・モモア
ドラマ
ヤングスーパーマン
演 - アラン・リッチソン
オリバー・クイーンやクラーク・ケントと共にチームを結成する。
ピースメイカー
演 - ジェイソン・モモア
アマンダ・ウォラーの招集に応じて出動。
また、彼の陰口が頻繁に登場する。
アニメ
『スーパーマン』での声優はミゲル・フェラー、日本語吹き替えは大川透。
『ジャスティスリーグ』での声優はスコット・ランメル、日本語吹き替えは廣田行生。
番宣ではバットマンから性格などが暑苦しいと評されているが、日本語吹き替えではバットマン役が玄田哲章、アクアマン役を江原正士が担当しているため、暑苦しさが増している。
左がブレイブ&ボールド版。右がジャスティスリーグ版。
声優はマット・ランター。
翻訳もされている同名タイトルのアニメ化作品。
声優は中井和哉。
ゲーム
DCコミックスのキャラクターで戦う対戦型格闘ゲーム。
アクアマン、ブラックマンタがプレイアブルキャラクターとして登場している。
2018年から配信されているDCコミックスのキャラクターで戦うアプリゲーム。
備考
DCコミックスのビッグ3(スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマン)以外のタイトルでは唯一、戦後のヒーローコミックの凋落を生き残った。しかし、その一方で「ゴールデンエイジを生き残ったが、シルバーエイジを生き残れなかった。」と評される事もあり、何度かタイトルがリニューアル創刊されては、短命に終わってしまう等の憂き目にあったことも。
長らく「ジャスティスリーグメンバー1の不人気キャラ」としてネタにされていたが、「New 52」シリーズ以降は名ライターのジェフ・ジョンズが脚本を担当し、その甲斐あってか以前より人気が上昇、『ジャスティス・リーグ:アトランティスの進撃』として主演でアニメ化された。「Rebirth」シリーズではステファン・セジックによる美麗なアートで懐かしくもありながらも現代的にデザインされ、メラやドルフィンと言ったキャラも引き立てられ、アクアマンファミリーの活躍を盛り上げた。
キャラ設定の変遷
長い歴史のあるアメコミヒーローにはよくある事ではあるが、出自に関するキャラクター設定が何度も変更されている。例えば、上記のプロフィールに記載されている『アトランティスの女王と地上の灯台守の混血』という設定は元々、1960年代の所謂シルバーエイジ期に作られたもの。1941年(所謂ゴールデンエイジ期)に初登場した時の設定は『アトランティス文明を発見した科学者の息子で、遺跡に残されたアトランティスの遺産によって後天的に水陸両生となった』というもので、日本の作品で例えると008や仮面ライダーXに近いものだったのだ。更に1986年『クライシス・オブ・インフィニット・アースズ』後の設定変更(所謂ポスト・クライシス期)では、『古代アトランティスの英雄『アトラン』の霊によって神聖受胎したアトランナ女王の子供であり、純粋な海底人。アトランティスでは不吉とされる金髪だったため忌み子として捨てられた後にポームというイルカに育てられて、地上の灯台守『アーサー・カリー』の養子となり、成長後に養父の名をそのままもらって『アーサー・カリー』と名乗るようになった』という海のトリトンみたいな設定になった。そして2011年の『NEW52』展開によって、再び『アトランティスの女王と地上の灯台守の混血』という映画版でもお馴染みの設定となったのである。
関連イラスト
関連タグ
Aquaman / Mera / Aqualad / Garth / Kaldur'ahm
ネイモア・ザ・サブマリナー:DCのライバル出版社MARVELの海底人ヒーロー。クロスオーバー作品で対決し、勝利した。
海のトリトン:漫画の神様手塚治虫御大原作の漫画並びにアニメ。主人公並びに敵が海底人であり、主人公のキャラクター設定等がポストクライシス期のアクアマンと類似している。